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警察委員会審査状況(令和7年3月14日)

ページID:0601150 掲載日:2025年9月16日更新 印刷ページ表示

警察委員会

委員会

日時 令和7年3月14日(金曜日) 午後1時~
会場 第3委員会室
出席者
 村瀬正臣、増田成美 正副委員長
 松川浩明、川嶋太郎、寺西むつみ、石塚吾歩路、田中泰彦、森井元志、小木曽史人、江原史朗、井上しんや、永田敦史 各委員
 藤森公安委員長、警察本部長、総務部長、警務部長、生活安全部長、刑事部長、交通部長、警備部長、地域部長、財務統括官、組織犯罪対策局長、関係各課長等

警察委員会の審査風景画像
委員会審査風景

付託案件等

議案

第1号 令和7年度愛知県一般会計予算
 第1条(歳入歳出予算)の内
 歳出
 第8款 警察費

 第3条(債務負担行為)の内
 瀬戸警察署整備工事
 稲沢警察署整備設計
 交番・駐在所建築工事
 東三河運転免許センター施設設備改修工事
 千種警察署施設設備改修工事

結果

 全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
 第1号

閉会中継続調査申出案件
  1. 交通指導取締り及び交通安全施設の整備について
  2. 防犯対策の推進について
  3. 警察の組織及び運営について

会議の概要

  1. 開会
  2. 口頭陳情(1件 陳情第119号)
  3. 議案審査(1件)
    (1)理事者の説明
    (2)質疑
    (3)採決
  4. 委員長報告の決定
  5. 一般質問
  6. 閉会中継続調査申出案件の決定
  7. 閉会
主な質疑
議案関係

【委員】
 私からは、運転免許に関係して二点、自動車盗に関係して一点、質問する。
 まず一点目、運転免許関係の外国人免許の切替え、いわゆる外免切替えについてである。予算に関する説明書では歳出第8款警察費、第1項警察管理費、第2目警察本部費と第4目運転免許費に関係するところである。
 外免切替えに関しては予約サイトが短時間で定員に達し、多くの切替え希望者が切替えできずにいることを12月定例議会の本委員会で課題提起し、今後も外国人住民数が増加するであろうことから先を見越したマンパワーの拡充を含めた対策の必要性を訴えた。
 そこで、まず改めて外免切替えにおける課題認識について伺う。
【理事者】
 外国の行政庁等が発給した運転免許証を日本の運転免許に切り替える、いわゆる外免切替えの件数について2024年中は7,255件で前年対比プラス916件であった。県警察として書類審査の予約が取れないといった声があることは承知しており、多くの切替え希望者がいること、また今年度から自動車運送業が特定技能制度の対象となったことなどに鑑みると、外免切替えに関して体制の強化を含めた対応能力の向上等が必要であると認識している。
【委員】
 そうした状況の中で来年度当初予算では書類審査手続の円滑化を目的に書類審査に関わる担当者、いわゆる外国免許切替審査支援要員、非常勤であるが、これを2人増員すると聞いている。
 この増員によって書類審査件数の増加が期待できると思われるが書類審査件数がどれほど増加することで、現状の予約枠数が具体的にどれほど増加すると見込んでいるか伺う。
【理事者】
 県警察では、2025年度に外国免許切替審査支援要員として一般職非常勤職員2人を運転免許試験場外国免許切替審査係に増員配置する予定としており、これにより外免切替えの書類審査件数を増加させることができるものと考えている。
 一方、書類審査は従来の外免切替えに加え、今年度から導入された特定技能制度の対象となる人の外免切替えの事務も行うので、特定技能制度の対象者の増減により従来の外免切替えの書類審査件数が左右されることから、現時点では具体的な予約枠の増加見込みについて示すことは困難である。
 今後、外免切替えに係る環境の変化等へ柔軟に対応しつつ、増員された職員を早期に育成するとともに、業務の合理化、効率化をより一層推進することで予約枠の拡大を図るなど、円滑かつ適正な外免切替えに努めていく。
【委員】
 特定技能制度の対象の増減により従来の外免切替えの書類審査件数が左右されるから予約枠の見込みを示すことは困難だとの答弁であったが、運送業等で外国人ドライバーとして特定技能の対象者は、今、予約サイトを使っているが、別で予約枠を設置し、その後の書類審査、知識確認、実技確認といった手続を優先的に実施していくことになるのか。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのテーマパークのファストパス的なことになるのか。つまり先ほどの答弁は、特定技能枠が、増えれば今までどおり予約しにくい予約サイトの状況は変わらない可能性があるとの理解でよいか。
【理事者】
 特定技能制度の対象として来日した外国人は外免切替えによる運転免許の取得等、必要な環境が整うまでの間、特定活動の在留資格で活動する。この資格はトラックの運転で半年、バスやタクシーの運転で1年間有効であり、この間に外免切替えやバス等の運転の場合、第二種運転免許を取得する必要がある。
 この外免切替えを従来の外免切替えと同じ取扱いにすると、場合によって在留期間がなくなり帰国せざるを得ない状態にも陥りかねないので、個別の状況に応じて柔軟に対処する必要がある。結果として特定技能制度の対象となる者は従来の外免切替え対象者よりも、その手続を優先させる場合がある。
 なお、特定技能制度の対象となる者からの手続の申請については他の外免切替えの者の受付、予約サイトとは別に専用のメールアドレスを設けて出入国在留管理庁や、この対象となる者を雇用している企業等と連携して受理している。
【委員】
 特定技能の枠は十分に、これからの状況によるが確保されることは理解できたが、最初に答弁があった多くの切替え希望者がいることを認識している中で、もう少ししっかりその部分に対する対策を取るべきだと思う。
 前回12月にもベトナム人の原付免許の外免切替えが4割を超えるといったことがあったが、そこを別枠にするシステム開発や、実技確認のボトルネックの課題もあるため、そうしたところもまだ改善できる余地があると思う。
 実技確認もボトルネックだと聞いているので、その部分に人数的なキャパシティがあり限界があることは承知している。安全が何より優先なので合格基準が今は70点か何かだと聞いており、それを下げることは絶対いけないと思うが、基本的な安全確認、最初に実技確認するための前後の確認であるとか後方確認であるとか、実技確認で指摘、減点されがちな注意すべきポイントなどを多言語で事前に学べる仕組みとしてホームページに入れるとか、ジャストアイデアであるが、そうした工夫をして実技確認の整流化を図ってもよいと思っている。いずれにしても、審査は適正厳格に、手続は円滑迅速に、今後も取り組んでもらうよう要望する。
 続いて、運転免許関係のマイナ免許証への切替えについて伺う。
 いよいよ3月24日から切替えが始まる。運転免許証のみ、マイナ免許証のみ、2枚持ちの3パターンであるとのことで、オンライン講習が可能になったり更新手数料が少し安くなったりとのメリットがあることも承知している。
 優良運転者なら、更新時に近隣の警察署でマイナ免許証への切替えが可能と聞いており、それ以外で切替えを希望する者は平針の運転免許試験場もしくは東三河運転免許センターに出向く必要があると聞いている。
 そこで県警察では、まずどの程度の県民がマイナ免許証に移行すると想定しているのか。また3月24日以降、マイナ免許証への切替えに関して運転免許試験場及び東三河運転免許センターの体制を含めて、具体的にどのような準備を行うのか伺う。
【理事者】
 初めに、マイナンバーカードと運転免許証の一体化、いわゆるマイナ免許証への移行がどの程度になるかの質問に答弁する。
 マイナ免許証が導入されることで、運転免許証の保有形態を任意に選択できるようになるが、その保有形態ごとにメリットが異なるので、現時点ではどの程度の者がマイナ免許証を利用するかについて具体的に示すことは困難である。
 総務省のデータによると、本年2月末現在で愛知県民の約8割の者がマイナンバーカードを保有しており、徐々にだと思うが一定数の者がマイナ免許証を利用すると考えている。
 次に、体制を含めた準備について答弁する。
 来年度以降はマイナ免許証に係る事務処理に必要な人員を確保するために、マイナ免許証導入委託費で事務の一部を民間に委託する。また、委託事業が始まるまでの3月24日から31日までの間は法改正直後の円滑な制度の運用に向け、運転免許試験場及び東三河運転免許センターに応援の職員を派遣し、マイナ免許証に関する事務に対応する。
 加えてマイナンバーカードと運転免許証の一体化に関する事務については、来庁者が迷わず手続が行えるようマイナンバーカードへの記録を行うための専用の部屋を準備し、当該事務を集中的に行うことで混雑緩和等に努めていく。
【委員】
 想定はできないと思うが、ただ一定数の利用が見込まれるとのことである。できる限り待ち時間の少ない、迷わずスムーズな手続ができるように柔軟な職員配置を含めた体制を整えてほしい。
 一方で、先ほど保有形態ごとのメリットが異なると答弁があったとおり、いわゆる更新時に保有形態を変更する場合や、更新時以外に保有形態を変更する場合など、どこでどの手続ができるのか非常に複雑な印象を受ける。県民に分かりやすく周知するために、今後どのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
 マイナ免許証の制度については道路交通法の改正に伴い全国斉一に導入されるが、運転免許証の保有形態が免許保有者の意向により3パターンに分かれ、さらに保有形態ごとにメリット、デメリットが異なるなど複雑なものになると承知している。
 マイナ免許証に関する各種事務手続については県警察ホームページにその詳細を掲載しているほか、更新時期に郵送する更新連絡書や高齢者講習等の案内にも記載している。また、マイナ免許証の情報を広く県民に周知するため、今月6日にマスメディア向けの説明会を開催したところ、テレビ局各社においてマイナ免許証制度の概要等について取り上げられた。引き続き、交通安全講話等あらゆる機会を活用して制度の周知に努めていく。
【委員】
 マイナ免許証への切替えが始まることは皆が結構知っていると思う。ただ先ほどから言っているとおり、具体的に自分の保有形態、一般か、優良か、高齢者かとか、そうしたことに合わせて、もしマイナ免許証に切り替える場合には事前準備として何が必要か、どこでどのタイミングで手続が可能かを正確に知っている者はまだまだ少ないと思う。
 もっと分かりやすく示す必要があると思うので、現在でも様々な問合せ等が多くあると思う。主な問合せ内容をいわゆるQ&A方式でまとめて県警察ホームページ、アプリなどで県民に分かりやすく目につく形で公表するだとか、あとは自身の免許保有形態を入力すると手続が必要書類も含めてフローとして表示されるなどの仕組みは簡単につくれると思うが、そういった工夫をして広報周知していく考えはあるのか伺う。
【理事者】
 県民からのマイナ免許証に関する意見等を踏まえ、よくある質問とその回答を取りまとめた資料を県警察ホームページに掲載していきたい。また、県警察ホームページにおいてAIチャットボットを活用し、手続について案内することを検討するなど、より分かりやすい制度の周知に努めていく。
【委員】
 3月24日以降、円滑スムーズな手続ができる体制をつくっていくことを要望する。
 最後、三つ目である。
 自動車盗対策について質問する。歳出第8款警察費、第2項警察活動費、第1目警察活動費の中である。自動車盗の認知件数は2003年をピークに以降大きく減少していることは承知しているが、昨今また増加傾向にあり、昨年の愛知県における自動車盗の認知件数は全国ワーストとなったのは承知のとおりである。
 犯罪手口も組織化、巧妙化、広域化している中、増加傾向に歯止めをかけるよう、検挙対策と未然防止対策の両輪を強化していく必要があると考えており、来年度に向けた取組について質問する。まずはその前提として、自動車盗の現状と傾向について検挙事例を伺う。
【理事者】
 当県における昨年中の自動車盗の認知件数は866件で、前年、令和5年と比較し168件増加しており、委員指摘のとおり全国ワーストであった。また、本年も2月末現在の認知件数は183件で、前年同期と比較して77件増加し全国ワーストである。被害に遭った車種の傾向としてはランドクルーザー、プリウス、アルファードの3車種が被害全体の6割以上を占めており、組織的な自動車盗グループが特定の車種を狙って犯行を繰り返しているものと見ている。
 こうした中、県警察では昨年ランドクルーザーなどの高級自動車を対象に犯行を繰り返していた実行役を検挙するとともに、海外輸出等を目的として盗難自動車を受入れ保管等をしていた違法なヤードを摘発するなどした。
 また、本年に入ってからも、アルファードなどを対象に自動車盗を繰り返していた実行役のほか車台番号を偽造した上で中古車市場などに流通させていた不正登録役、犯行道具の管理役、犯行の指示役などからなる組織的な犯罪グループを検挙している。
【委員】
 昨年は検挙件数も1位と聞いているが、実は犯罪が非常に多くなっているとのことで検挙率は20パーセント弱でワースト2位と聞いている。今年に入っても2月末時点で昨年比77件の増加で、特定車種を狙った被害を拡大させる組織的な犯行が多数とのことで、対策は急務であると感じる。
 そこで来年度に向けて、全国ワースト脱却に向けた今後の検挙対策について伺う。
【理事者】
 県警察においては、全国ワースト脱却に向けて自動車を盗む実行役、犯行の指示役、盗難自動車の運搬役など、自動車盗グループの構成員の検挙のほか、盗難自動車の解体ヤードなど、グループの犯行を助長する犯罪インフラの摘発に至るまで組織的な犯罪グループを撲滅するための捜査を重点的に実施していく。
【委員】
 今後、犯罪グループだと見張り役や運搬役など、闇バイトを雇いながら、いわゆる匿名性、流動性を持つような組織化がされる危険性もはらんでいる。実態解明とグループ全体の一斉検挙に向けた取組を強化してほしい。
 検挙対策と同時に重要なのは、そもそも自動車を盗まれないようにする未然防止対策が重要であり、かつ最も有効であると思う。
 そこで来年度に向けて、全国ワースト脱却に向けた今後の未然防止対策について伺う。
【理事者】
 県警察においては、関係事業者、団体と緊密に連携し、自動車メーカーに対してセキュリティー性能の向上を働きかけ、愛知県自動車盗難等防止協議会に自動車関連窃盗情報報奨金制度を運用させるなど、自動車盗の未然防止対策を推進してきた。
 また、特定の車種が狙われている実態を踏まえ、あらゆる警察活動を通じて特定車種ユーザーに防犯指導するなど、ユーザーへの直接的な広報啓発を推進していく。
 今後もこのような対策を発展的に継続するとともに、特定車種ユーザーには防犯カメラやハンドルロックの活用など複数の防犯対策をしてもらえるよう、創意工夫した情報発信に努めていく。
【委員】
 特定車種ユーザーに対して直接街頭や戸別訪問で注意喚起し、防犯指導を実施していると聞いているが、特に戸別訪問の結果はしっかり持ち帰って分析し、以降のパトロール強化等にも生かしてほしいと思う。
 また、被害上位3車種、先ほど答弁にあったランドクルーザー、プリウス、アルファードについては昨年、所有者に対策実施の聞き取り調査を行ったとも聞いている。結果としては皆が盗まれやすいことは知っているが、標準装備のほかに例えばハンドルロックや、タイヤロック、追跡装置や防犯カメラなど二つ以上の対策をさらに実施しているかとの問いに対しては僅か10パーセント程度だったとも聞いている。
 例えば、自動車販売店等に働きかけて車両購入の際には追跡装置などオプション機能の追加や盗難対策機器の購入を勧めてもらうなど、一度検討してもらえればと思っている。
 最後である。
 全国での盗難多発車種はランドクルーザー、プリウス、アルファードに次いでレクサスLX、同じくレクサスRXであり、上位5車種が公表されているが、それ以降の順位として昨年6位から10位がハイエース、ハイゼット、クラウン、レクサスLS、キャリイだと明らかになった。ここで注目すべきは、7位のハイゼットと10位のキャリイである。いわゆる軽トラックが盗難被害の標的となっている。
 そこで、本県の軽トラックと軽四貨物自動車の盗難被害の現状について伺う。
【理事者】
 当県における昨年中の軽トラック等軽四貨物自動車の盗難被害件数は24件で、前年と比較して11件増加した。また、本年2月末現在の盗難被害件数は1件で、前年同期と比較して1件減少している。
 この種の盗難被害の傾向としてはエンジンキーを付けたままや、施錠をせずに駐車し、エンジンキーを車に置いたまま車を離れている間に被害に遭うケースが多く認められている。
【委員】
 昨年の被害総数が866件で、そのうち24件とのことで件数的には多くないと感じるが、対前年比で11件増加していることを考えると今後増加する可能性も否定できない。
 最後に質問する。
 先ほど答弁があった軽トラック等の盗難被害の現状を受けて、今後、県警察としてどのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
 先ほど説明した実態を踏まえ、僅かな時間であっても車から離れる際はエンジンを切り、施錠することを徹底するなどの広報啓発を推進していく。
【委員】
 当然のことだと思う。ただ、軽トラックは農業とか建設業など特定の業種で広く使用されているため、例えば農業団体とか建設業団体に対して注意喚起することも必要なのではないか。
 また、特に農林漁業関係者が多いのどかな農村地域でキーのつけっ放し、車中への置きっ放しが多いと容易に想像できるため、そうした地域には関係機関を通じて重点的に注意喚起を行ってもらうよう要望し、質問を終わる。
 
《一般質問》
【委員】
 私からは、警察官の採用について3問、質問する。
 先日机上に、令和7年度第1回採用候補者試験の案内という形でピンクの冊子を配布してもらったので、それをベースに質問する。
 警察官の応募者数が年を追うごとに減少している点については以前の委員会でも質問したので、最新の数字やトピックスを含めて質問する。
 まず、配布資料のピンクの紙の中で気になった点が裏面の試験実施状況欄という部分にある。語学を専門とする受験者数の少なさに加え、令和6年度の合格者実績が軒並みゼロとなっている点である。
 近年、地域で暮らす外国籍の人も多くなってきた。育成就労や特定技能など、アジアからの働き手が急増し、名古屋市南区でも昨年10月時点の数字で7,429人の外国人が居住している。人口13万人規模で比較的多いと感じている。内訳の上位二つであるが、ベトナム国籍1,667人で全体の22.4パーセント、次いで中国籍1,647人で22.2パーセントとなっている。
 人数の増加に伴って、必然的に犯罪の加害者や被害者に外国籍の人がなることも出てきている。今後、より一層在留外国人が増えていくことが予想される中で、迅速な事案解決に向けて現場での通訳ニーズは高まっていくものと考えられる。
 そこで、まず一点目を尋ねたい。
 外国人が関わる犯罪の捜査等に伴う通訳体制と、その維持や運用について伺う。
【理事者】
 初めに、通訳体制については2024年12月末現在、警察職員の通訳人を16言語294人、民間の通訳人を43言語227人、合わせて43言語521人の体制を構築している。
 続いて、体制の維持については毎年警察官の中から実務経験と語学の素養を勘案した上で候補者を選定し、東京都内にある警察大学校や県内の民間語学学校において必要な語学能力を習得させて通訳人を育成している。
 また、通訳人として運用を開始した後もブラッシュアップ研修などにより語学能力の維持を図っている。なお、語学区分採用者については42人を運用しているが、一般区分採用者に比べ通訳人になるまでの育成期間が短くなるメリットがあるため採用活動に取り組んでいる。
 次に、運用については名古屋市南区にある国際警察センターにおいて、一括して通訳人の手配を行っている。取調べや相談、落とし物の受理など、現場からの要請に対し、まずは警察職員の通訳人を手配するが少数言語の通訳など対応ができない場合は民間の通訳人を派遣している。
 2024年中は約1万4,000件の通訳等の要請に対応している。現時点で、通訳体制は十分に機能していると考えているが、変化する通訳情勢に応じ適切に運用が図られるよう、引き続き体制の充実に取り組んでいきたい。
【委員】
 言語数は今回初めて聞いたが、40言語以上あるのかと驚いた。また、南区にそうした拠点があることは、大変心強く、南区選出としてはありがたい。
 昨年の対応実績が約1万4,000件あったとのことで、500人を超える人がおり、十分対応ができているとのことであるが、今後、特定技能育成就労も増加をしていくことを考えたときに、より一層体制強化が必要ではないか。
 既に計画的な育成も行われているとのことであるが、より複雑な事案に対処するために専門知識を有する人材を積極的に採用していく必要がある。
 また、語学と並んで情報技術という試験区分での試験実施状況も掲載があった。令和6年度は、9人の受験者に対して5人が合格とのことである。先日も中学生が、チャットGPTを駆使して携帯の回線を大量に開設し売却した事案が発生した。こうした情報機器を使用した事案が増えることが予想される中で、警察庁もサイバー犯罪対策へ人的強化を打ち出すとしているが、これまで以上に高度な専門知識を有した人材の確保が必要であると懸念している。
 そこで二点目を伺う。
 語学以外の専門知識を有する人材の確保に向けて、どのような取組を行っているのか伺う。
【理事者】
 県警察では語学区分採用のほか、サイバー空間の脅威に的確に対応できる高度な情報技術を有する人材を確保するため、警察官の採用枠に情報技術区分採用枠を設けている。情報技術区分の採用活動については、情報系の学部等がある県内の大学や専門学校に通う学生を対象に、情報技術を活用した警察活動などの業務内容を紹介しているほか、サイバー捜査を疑似体験できるイベントを開催するなど、学生が学んだ情報技術を生かせる警察活動の魅力ややりがいを伝える取組を行っている。
【委員】
 専門の職種も積極的に採用に向けて動いていると理解した。
 最後に、採用全体について伺う。
 最大の懸念事項は、受験者数の全体の減少だと思う。直近で最多だった平成29年度は3,539人の応募があった。7年たって令和6年度は1,750人となってほぼ半減した状況である。必要人員は採用できているとのことであったが、仮に500人採用するにしても、より多くの応募者の中から選抜することが望ましい。少子化の流れの中で新卒採用が大変厳しさを増す一方、近年は人材の流動化がスタンダードとなっている。
 そうしたことを踏まえて、令和7年度から受験上限年齢が35歳に引き上げられたと理解しているが、先日とある会合で名古屋市消防局の職員と一緒になった。名古屋市消防局の職員では、39歳まで受験上限年齢が開かれているとのことであった。調べてみると、自衛隊だと再任用制度で昭和36年から既に始められているが階級によって、例えば一曹以上の階級へは52歳未満まで再任用の窓口の門戸が開かれているとのことである。
 そうした他の公安系の職種も参考にしつつ尋ねたいが、受験者の年齢引上げに伴う社会人採用の拡大について、県警察としてどのように考えているのか伺う。
【理事者】
 県警察においては、令和7年度警察官採用試験から一般区分、専門区分ともに受験上限年齢を35歳まで引き上げることとした。この引上げについては2024年度の警察官採用試験の受験者数が前年度の1,955人から1,750人に減少する中、優秀な人材を確保するためには多様な人材に目を向けることが求められており、受験年齢を引き上げることで転職者層を取り込み受験者の確保につなげることを目的としている。
 受験上限年齢を引き上げたことについてインスタグラムやエックスなどのSNSを活用して情報発信するとともに、転職者向け企業展に出展するなどして周知を図り受験者の確保に努めていきたい。
【委員】
 年齢の引上げ、そしてエックスやインスタグラムでの案内とのことであるが、配られたピンクの紙を見て給与に先に目が行く自分が情けないが、大学卒業者採用時の初任給約28万6,900円とのことで、私が最初に就職した頃は20万円いかないぐらいであり、警察官の初任給は意外と高いと感じた。
 最近は大手でも30万円だ何だとの話であるが、決してそれに引けを取らない初任給も一つ魅力かと思うので、警察官志望の人に給料で動く人はいないとのことかもしれないが、エックスやインスタグラムで、決して公務員だから給料が低いのではなくて、これも武器の一つだと思うし、以前質問した男性育休取得率の急増なども働きやすさであるので積極的にその辺りをPRしていけば、また応募者数も回復していくのではないか。
 最後に今後、積極的にそうした採用を増やしていくのが大前提ではあるが、優秀な人材の確保を通じて、先ほどの自動車盗もそうだが、手を変え、品を変え、犯罪の質が悪化していると感じるので、そうした事案に対して迅速的確に県民の安全を守ってもらうよう要望し、質問を終える。
【委員】
 私からは留置管理について質問する。
 令和4年12月に発生した岡崎警察署留置施設での被留置者の死亡事案について、2月21日に遺族が県に損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が名古屋地方裁判所で開かれた。事案発生当時、名古屋出入国在留管理局でのスリランカ人女性の死亡事案や名古屋刑務所での暴言、私印の文書偽造問題とも重なり非常に社会的関心の高いものであったと認識している。
 その捜査、調査結果については令和5年12月定例議会の警察委員会において報告され、現在も再発防止策に取り組んでいる。また、処分に関しては前岡崎警察署長、前副署長、前警務課長、前警務課長代理への懲戒処分があり、刑事事件として業務上過失致死傷罪、特別公務員暴行陵虐罪、虚偽有印公文書作成罪として当時の署員9人が書類送致されていると認識している。
 先日、担当者から説明を受けて、岡崎警察署での事案以降同様の事案は現在まで発生していないとのことであったが警察委員としても、また一人の県民としても本事案に関してはその後の警察本部の取組状況については高い関心事項である。
 先述した本事案に関する再発防止について、令和5年12月の本委員会で主な原因として説明のあった主な留置管理業務の不徹底は6項目ある。一つ目、給食給水方法の不徹底、二つ目、保護施設内便器の洗浄方法の不徹底、三つ目、戒具使用中の対面監視の不実施、四つ目、戒具の超過使用、五つ目、保護施設収容時の医師の意見未聴取、六つ目、署員に対する留置管理業務関係教養の不実施。これら6項目のうち、戒具使用中の対面監視の不実施、戒具の超過使用、署員に対する留置管理業務関係教養の不実施、これらの再発防止策を中心に、まず確認したいと思う。
 全ての対策が必要なことは言うまでもないが、今回三点に絞ったのは本事案の内容を見て、より重要だと感じた点をピックアップした。本事案では戒具の使用時間が144時間と異常な拘束時間であり、その状態でありながら対面監視を実施できず、男性の状態を適格に把握できていないとの状況であった。また、男性の既往歴についても留置当初から把握していながら対応できていない署員教養の不実施が見受けられたので、三点について質問する。
 まず一つ目、戒具使用中の対面監視について、どのような再発防止を講じ、取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 留置施設において被留置者に戒具を使用する際は、対面監視を行うとともに本部留置管理課へ報告する。また、本部留置管理課では県内留置施設における戒具の使用状況を一元的に管理した上で、戒具を使用した警察署留置施設に職員を派遣し戒具の使用状況、被留置者の状況、対面監視の実施状況を確認するなど、本部留置管理課による戒具使用時の管理を徹底している。
【委員】
 次に、戒具の超過使用対策について、どのような再発防止を講じ取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 戒具については、被留置者への使用要件がなくなれば直ちに解除することとしており、警察庁の指針に基づき最長でもおおむね3時間の使用としている。
 加えて、戒具の使用から一定期間が経過した際は、警察署の幹部と本部留置管理課の双方に時間経過のアラートを通知する仕組みを設けるなどして適正な戒具使用の徹底を図っている。
【委員】
 答弁のあった内容について、対面下の超過使用は理解した。
 これらの指針や、どういった形でやるか現場についての教養など、そうしたところがより重要になると思う。
 次に、署員に対する留置管理業務関係教養の不実施についてどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 本部留置管理課では留置業務に関する通達や教養資料等を作成し、基本ルールの徹底を指示するとともに留置業務を担当する職員に対しては配置前の研修に加え、配置後も本部員による同行指導やスキルアップ研修を開催するなど重層的な教養体系を構築している。
 また、警察署では朝礼や幹部会議、留置担当者の勤務交代時に本部の教養資料等に基づいて教養を実施しており、本部留置管理課において教養の実施状況も確認して必要な指導等を行っている。
【委員】
 答弁のあった内容について理解した。ただ、本事案においては、被留置者を保護施設に収容した際に、医師からの意見聴取を行った事実はないのに、実施したように虚偽の書類を作成した事実も認められた。一つ目から三つ目まで聞いた実施内容や、教養も大事だが、こうした書類の偽造も働かれると元も子もないと思っており、こうした書類の偽造防止に対してはどのような再発防止を取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 偽造のあった書類は、作成者名の記載欄がないなど、作成者の責任が明確でなかったことなどから、関係規程等を改正して当該書類に作成者欄を設けたほか、本部留置管理課への報告者名と報告時間、本部の受理者名の記入欄も設けるなどして勤務員が責任を持って業務を推進できるように改めた。
【委員】
 そういった報告や誰がどのようにというのは、ぜひ徹底してほしいが、留置施設でも人の命は最優先である。人の命を守ることは当たり前にすべきことであり、留置施設での救急搬送の件数や診察を受けさせるためのマニュアル整備は、先ほどの再発防止を徹底するに当たってどんどん整備していかないと、新しい人が入ってきたときにそうした不実施が見受けられることもあると思うので、同様の事案を発生させないための再発防止について伺う。
【理事者】
 はじめに、留置施設における救急搬送の件数については、本事案発生時より増加して、2023年、2024年ともに100件を超えており、勤務員の救急搬送への意識は高くなっている。
 また、本部留置管理課では被留置者の体調不良、疾病などが認められた際は積極的に診療を受けさせるようマニュアルを改訂したほか、執務時間外に責任者として業務に従事する職員向けのマニュアルを新たに作成するなど、全ての職員が適正に留置管理業務を遂行できるよう、マニュアルの充実を図っている。
 さらに精神疾患を含む疾病を有する者を留置する際は、捜査部門と連携を強化するとともに、留置後においても特異な言動が認められる場合には警察医の診察や本人の通院先病院での診療などを確実に受けさせるよう、指示を徹底している。
 なお、被留置者が精神疾患などにより自傷他害のおそれがある場合には、直ちに精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第23条に基づく通報を保健所に行うなどして被留置者の人命を最優先に考え、適正な措置を講じている。
【委員】
 私から二点、要望する。
 県警察全体の再発防止徹底と、警察官の心身のケアの二点を要望したいと思う。
 今回の岡崎署の事案について他県でも同様の事例がないかを調べた。新宿警察署の留置施設ではネパール人男性の死亡事案がある。こちらは岡崎警察署の事案と同様、約2時間の戒具での拘束、身動きの取れない状態にされていた。男性はその後、取調べのため戒具を外された際に突然意識を失って病院搬送後に死亡した。
 男性の死因は、瓦礫の下敷きとなって長時間体が拘束されたときに生じるクラッシュ症候群と酷似しているものであった。原告側の鑑定結果によれば、身体を強く拘束すると筋肉が壊死し体に毒となるカリウムなどの成分が生じる。不用意に拘束を解いたため、毒となる成分が一気に全身に回って死亡したのではないかとの指摘も見られた。
 また、こちらは暴行とは違うかもしれないが、先日大阪地方裁判所で取り上げられていた取調室にて特別捜査部から暴言を浴びて自白を強要されたとのニュースを見た。強引な取調べや捜査と留置場、これは別の管轄であるとは認識しているが暴言や暴行、それを疑われる事案は、他県でもあるように岡崎警察署留置施設だけの話ではないと思う。
 3時間の指針とのことであったが、強さや場所、時間によっても死亡することもあると思うので、マニュアル面でどう使うかなど、しっかりと再発防止マニュアルを整備してほしい。答弁にもあったが人命を守るのは当たり前であり、最優先のことである。同様の事案を再び発生させないために、今回は留置管理課への質問であったが、県警察全体として危機感を持って取り組むことを強く要望する。
 もう一点要望だが、警察官の心身のケアについてで、過度な自白の強要や悪いと決めつけての取調べや、留置施設での侮辱行為、人を肉体的精神的問わず故意に傷つけることは許されるものではないと思う。警察とは権力行使を持って国家の治安を維持する行政作用及びその主体をいい、社会の安全や秩序を守る責任を課された行政機関とされている。警察官は正義感や責任感から日々業務に取り組んでいるものと心の底から思っている。
 日々の業務が忙しく、限られた人数で業務をさばくことによるストレスや、上下関係また精神的な負担があることも事実だと思うし、頑張って仕事をしていても目の敵にされることや、周囲に仕事の悩みや不満を打ち明けられず、それが蓄積した際に、自分や他人を傷つけることにもつながると思う。現に岡崎警察署の事案ではストレス発散としてやってよいとの言葉もあったので、そこは目を背けられないと思う。
 伝えたいのは、警察官が一概に悪いわけではなく、先ほど要望した体制を整えることの再発防止も重要だが、警察官自身の心身の健康も重要と考えている。立場を利用しての脅迫まがいの取調べや不当な扱い、司法にのっとらない懲罰行為は、もちろん今後一切発生しないようにしてほしいと思う。定期的に上司と面談して、どんな状況にあるか共有しているとも聞いているが、中では話しづらいこともあり、外部カウンセラーや、そうしたところも相談体制を整えていくことで警察官の心身の健康と、それが他者にも影響しないようにするため、先ほど要望した体制面の整備と根本的な精神面の部分、この両輪を改善していくことを要望して質問を終える。
【委員】
 周知のとおり3月の1か月間は自殺対策強化月間になっているが、その中で私からは、特に若年者の自殺、その中でも18歳未満というか、小中高生の自殺対策について聞く。
 今年1月末に厚生労働省が2024年、昨年の自殺者数の暫定値をまとめ公表した。去年1年間で自殺した人は全体で2万268人と、23年の確定時と比べて1,569人ほど減、統計がある1978年以降では過去2番目に少なくなったと言われている。一方で、児童生徒、小中高校生の自殺は527人に上り、これまでで最も多くなったとのことであった。これは報道にもあった。
 愛知県では、去年の数値であるが2023年は高校生20人、中学生16人の合計36人、2022年は高校生28人、中学生7人、小学生2人の37人が、この年が過去最多であるが、残念ながら自殺しており、近年高水準で推移している。
 総合的政策的な自殺対策は、愛知県でいえば医務課こころの健康推進室、小中学生、子供については教育委員会が担っているかと思うが、警察も相談窓口を設けたりして対策の一役を担っており、少しでも自殺を防ぐ、命を守る点で警察としての役割や、やれることがあると思う。その中でも特に、自殺の予告やほのめかし、自殺につながるおそれがある事案は、自殺の未然防止や早期保護の観点から私は警察の対応が必要だと思う。
 さらに具体的に言えば、近年SNS上に死ぬや、死にたい、一緒に死のうなど、自殺を示唆したり自殺を計画したり自殺の勧誘、誘導するケースがよく見られると思う。
 正直に言って、全てに対応するのは難しいと思うが、早期にそうした予兆を検知して介入し、未然防止につなげることは必要である。
 SNS上における自殺予告など、警察が認知した場合の県警察の対応について伺う。
 あわせて、そうした中で保護した子や自殺リスクがある児童生徒に対しては、関係機関と情報共有や連携して、再発未然防止や心のケアなどの対応につなげていく、対応していく必要があると思うが、こうした関係機関との連携について教えてほしい。
【理事者】
 県警察ではSNSに限らず自殺をほのめかす事案を認知した場合は人身安全対処事案として必要な体制を確立し、早急に身の安全を図るため迅速かつ的確に対応する。
 委員が示すSNS等のインターネット上において自殺予告を認知した場合は、通信事業者等に対して照会等を実施し投稿者の特定に努めており、その結果、投稿者の特定ができれば可能な限り面接して安否確認を行う。また、必要性が認められれば投稿者を保護し親族等の適切な保護者に引き渡し、その後の監護を依頼している。関係機関との連携については、安否確認した際の状況により保健所等の関係機関に通報や情報提供を行うなどの措置を行っている。
【委員】
 可能な限り投稿者を特定して面接、安否確認を行うことは必要なことだと思う。この質問に至るまで、いろいろなやり取りをする中で、思った以上に真摯に向き合っているとの印象であった。大変なことだと思うが、敬意を表したい。
 そうした中で数字に表れない部分を防げていると思うが、関係機関への通報や、自殺リスクがある子には情報提供し、ケアしてほしい。ケアは警察ではないが情報提供をしっかり行ってほしい。
 続いて、すぐに自殺につながることではないかもしれないが、大きく関連することとして聞きたいのが、若年者に限らず、大切な人、家族が突然いなくなったり失踪したり、事件や事故に巻き込まれた可能性がある場合、一般的には警察に行方不明者届が出されると思うが、愛知県におけるここ数年の行方不明者届の受理件数と、そのうち18歳未満の受理件数、18歳未満の受理件数に対して、発見、未発見、また死亡事案等があれば教えてほしい。
【理事者】
 当県における行方不明者届の受理件数は2022年中5,994件、そのうち18歳未満は940件となっている。また、940件のうち本年2月末現在の発見数は死亡での発見の2件を含め924件で、未発見数は16件となっている。
 2023年中は6,450件、そのうち18歳未満は1,065件となっている。また、1,065件のうち本年2月末現在の発見数は死亡での発見3件を含め1,059件で、未発見数は6件となっている。
 2024年中は暫定数ではあるが5,841件、そのうち18歳未満は1,040件となっている。また、1,040件のうち本年2月末現在の発見数は死亡での発見4件を含め1,022件、未発見数は18件となっている。
【委員】
 数字の答弁があったが衝撃的な数字だと思った。答弁のあった近い年から言えば、去年だと18歳未満に限ると1,040件。毎年1,000件ぐらいであり、去年だと、残念ながら死亡が4件、未発見がいまだに18件である。一昨年だと1,000件近く出ており、死亡発見が3件で未発見が6件。3年前は死亡が2件と未発見が16件。これは多い少ないとの議論ではなく、18歳未満が死亡や未発見であることは重いと思っている。
 さらに質問するが、年齢に関係なく大切な家族がいなくなったことの家族の悲しさや心配の気持ちは同じとは思うが、18歳未満の行方不明事案は一般的に考えて犯罪などに巻き込まれているケースが高いと推測できる。
 この質問のためにいろいろ調べる中で、偶然だが先月愛知県の16歳の男子高校生がミャンマーの特殊詐欺拠点で監禁され、特殊詐欺に関与し保護されたとのショッキングな事件があった。この事件に関していえば、時系列を整理すると行方不明者届が出てから海外に行ったわけではなくて海外に行ってから行方不明者届が出ているので、警察としてはどうもできなかったのだと思う。このケースは特別なケースとして、しかしながら先ほど言ったように18歳未満の行方不明事案は犯罪などに巻き込まれている可能性が高いことから、より捜査や対応を強化することが求められていると思うが、18歳未満の行方不明者届受理後の県警察の対応について伺う。
【理事者】
 18歳未満の行方不明者は、原則として犯罪や事故に巻き込まれているおそれがある特異行方不明者として届出を受理している。特異行方不明事案を認知した警察署は警察本部に速報することとしており、警察本部においても事案の緊急性や切迫性を複眼的に判断して警察署の対処方針について指導助言を行うなど組織的な対応を徹底している。
 具体的には全国の警察へ手配を行うとともに、警察官による捜索のほか、警察犬等の活用、防犯カメラの確認、各種照会を実施するなど、様々な手段を講じて発見活動を推進している。
【委員】
 特異行方不明者として受理することは、行方不明者の中でも事件や事故に巻き込まれた可能性が高い、生命身体の危険が及ぶおそれがあるものとして警察が迅速に捜査を行う対象の行方不明だと思う。全国警察への手配やパトロール等を通じて発見と言っていたがそういう対応につながるのかと思う。繰り返しであるが、ぜひ18歳未満に関して迅速かつ強い対応をお願いしたい。もちろん1,000件のうち大多数は帰ってくるものであり、優劣も変ではあり、大変だとは思うが、ぜひ18歳未満に関してはお願いしたい。
 最後に要望であるが、今、言ったこととは別に二点要望する。
 自殺対策は愛知県保健医療局医務課が行っており、自殺対策の主な柱は相談体制である。警察も実は少年の悩み事困り事に関する相談窓口は愛知県警察本部少年サポートセンター名古屋がヤングテレホンを、また愛知県内6か所の少年サポートセンターで少年の犯罪を、いじめ、虐待等の被害に関する相談は被害少年相談電話という相談窓口を設置しているが、子供からすると、警察官の存在は何かあったときに守ってくれる心強い味方、存在であり、そうあってほしいと思う。
 そうした中で、警察の相談窓口をより周知広報に努めてほしい。そして、学校や地域に積極的に警察官が参加して地域や子供たちの身近で顔が見える、そして頼れる相談できる存在になってほしいと思う。
 そして、もう一つが情報提供である。
 一つは、相談窓口からの情報を関係機関に共有する。先ほど行方不明事案も含めてSNS上のほのめかしに関しても情報共有することを言ったが、そういう関係機関との情報共有もそうだが、警察でしか得ることができない、例えば自殺した子供がいつ、つまり昼間か夜か、平日か休日か、どのような状況で、自宅か外か、一人のときか、どのような場所で、また、行方不明者は行方不明になった何日後か、どのような死亡の仕方をしたかなど、より詳細に分析や情報共有することで自殺を未然に防ぐヒントや、多発する場所や時間帯の見守りや声がけなど対策対応が生まれるかもしれない。
 少し違うかもしれないが、国でも自殺統計原票を令和4年に改正し、高校生に関してもそれまで高校生のくくりだったのを高校生の中でも全日制と通信制と定時制に分けた。分けて、自殺人数を見た。そうすると全日制に対して定時制、通信制が約3倍高い。しかも理由に関しては、全日制が学校の成績や進路に対し、通信制や夜間定時制は病気などの傾向が出て、そういう情報を集約して多角的に分析することで対策につなげることができる。
 今回質問した中で自殺対策強化月間のこともあり、自殺対策基本法が施行された2006年、平成18年頃は大体自殺者が全体で3万2,000人、3万人を超えていた。自殺対策基本法が施行され、総合的な自殺対策が図られたためか、今は2万人ぐらい。大体3割から4割減少している。
 一方、2006年頃は小中高校生の自殺は大体300人だった。それが先ほど言ったように今は520人となると、全体は3割、4割減っているが子供に関しては6割、7割ぐらい増えている。
 これは厳しく言うと、この世代に対する総合的な自殺対策が何か欠けているかもしれない。欠けているというよりも何かやれることがあるのではないか、そこに特化したことが必要だと思っている。これは警察の責任ではないが、警察としてもこの事実を知る中で何かピンポイントで対策や対応をとり、自殺を未然に防ぐことができるのではないかと思っている。ぜひ子供たちの命を守るために警察としてもできることをしてもらうとともに、関係機関と連携協力してもらうことを要望して質問を終わる。
【委員】
 私からは、大きな話で愛知県警察の基本目標について少し聞きたいと思う。
 愛知県警察の基本目標は安心して暮らせる安全な愛知の確立を掲げており、その中で暴力団の壊滅、交通死亡事故の抑止、県民の身近で発生する犯罪への的確な対応の三つを最重要課題としている。
 近年それぞれに関わる数字を少し調べた。暴力団勢力に関しては令和元年約1,300人のところから令和6年810人で、毎年確実に減少している。
 交通死亡事故の抑止というところで人身事故の件数等を調べたが、例えば平成27年人身事故件数が4万4,369件、これが令和6年は2万4,506件と約2万件減少した。死亡者数も平成27年213人から令和6年141人と約70人減少で、これも減少している。また、交通事故死者数が平成15年から平成30年まで16年連続全国ワースト1位だったところ、近年6年間はワースト1位を返上できている状況にあった。
 また、県民の身近で発生する犯罪で侵入盗と自動車盗について調べたが、侵入盗はピークが平成15年の2万9,433件、令和元年には3,993件と減り、令和2年から6年までの間は上下あるものの2,000件台で収まっている状況。自動車盗はピークが平成15年の9,865件、令和の年代だと最大値884件、最小値500件とのことで、これも年度で少し増減があるがピークから見れば大幅に減少している状況である。これは警察の取組をしっかりやっている成果が上がっていて、大変評価すべきところだと思う。
 ただし、そうは言っても、暴力団勢力でいえば少なくなったとはいえ、まだまだ数がいることと、いわゆる山口組のトップである弘道会が愛知名古屋にあるので、そういった点で不安要素はあるかと思う。
 また、ワースト1位が返上できたとの話をしたが、実は6年間のうち5年間はワースト2位の状況にあった。これは車の保有台数等々も考えると仕方ない部分もあるとは思うが、それでもワースト1位を返上したとはいえワースト2位の状況である。
 侵入盗や自動車盗の話を見ると、先ほど自動車盗に関しては委員からも話があったが、件数はピークから大幅に減っているが、全国ワースト1位の状況もある。何より気になるのが、これだけ劇的に減っているのにまちで聞く体感治安の感覚は、この減少ほどは減っていないのではないかというのが実際である。そういったところで、今後もしっかりと取組を進めていく必要があると思う。
 先ほどの議案審査で来年度の予算は可決したところで、来年度も引き続き先ほど言った三つの重点課題への取組を着実に進めてもらうよう、またその基本目標の達成に向けてまい進していくためには今回通した予算をいかに有効活用、有効に執行していくかが求められる。
 県警察として予算をどれだけ有効に使っていくか、執行していくかについて伺う。
【理事者】
 本委員会において先ほど審査があった予算については、いずれも委員から示されたように県警察が掲げる基本目標及び三つの最重要課題への取組を推進するために必要な予算であり、併せて警察活動の基盤となる警察署の整備なども認めてもらった。県内の治安情勢は委員も言ったとおりであるが特殊詐欺、侵入盗、自動車盗など県民の身近で発生する犯罪が相変わらず多発している現状もある。
 また、暴力団は減っているものの暴力団を含めて匿名・流動型犯罪グループの暗躍がより顕著となっている。さらに、交通事故は減少しているが依然として予断を許さない状況にあると思う。いずれにしても、県警察の持つ課題は山積している。
 治安維持は警察に課せられた責務であり、委員会から認められた予算については有効かつ効果的に活用することが大事だと思う。県民が安心して暮らせる安全な愛知を実現できるよう、各種対策を強力に推進していくことで予算を活用していく。
【委員】
 しっかりと決意を聞かせてもらい、引き続きしっかりと取り組んでほしい。

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