本文
警察委員会審査状況(令和7年12月11日)
警察委員会
委員会
日時 令和7年12月11日(木曜日) 午後1時1分~
会場 第3委員会室
出席者
小木曽史人、伊藤貴治 正副委員長
松川浩明、青山省三、寺西むつみ、中根義高、ますだ裕二、高橋正子、
藤原 聖、しまぶくろ朝太郎、柴田高伸 各委員
冨成公安委員、警察本部長、総務部長、警務部長、生活安全部長、
刑事部長、交通部長、警備部長、地域部長、財務統括官、
サイバー局長、組織犯罪対策局長、関係各課長等
委員会審査風景
付託案件等
議案
第157号 令和7年度愛知県一般会計補正予算(第5号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳出
第8款 警察費
第177号 警察官の支給品及び貸与品に関する条例等の一部改正について
第183号 工事請負契約の締結について(瀬戸警察署庁舎建築工事)
第190号 損害賠償の額の決定及び和解について
結果
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第157号、第177号、第183号及び第190号
閉会中継続調査申出案件
- 交通指導取締り及び交通安全施設の整備について
- 防犯対策の推進について
- 警察の組織及び運営について
会議の概要
- 開会
- 冨成公安委員あいさつ
- 口頭陳情(2件 陳情第124号及び第125号関係)
- 議案審査(4件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 委員長報告の決定
- 一般質問
- 閉会中継続調査申出案件の決定
- 閉会
主な質疑
議案関係
なし
一般質問
【委員】
今日は、二つのテーマを取り上げる。
一つ目は、問題提起も含めて、犯罪被害者の報道発表の在り方とその支援について、警察の当事者意識の視点と、デジタル社会において被害者の尊厳を初期段階から守ることはできないかの視点で質問する。
現代では、大きな事件や事故など、特に人の命が関わる案件は、発生後すぐにテレビやネットニュース等に速報が飛び込んできて、私たちは事件や事故があったことを知る。そして、早い段階で犯罪被害者の実名や、事件、事故の場合、場所や大まかな内容が報道されるケースが多くある。
もちろん、事件・事故報道の即時性は、人命や安全の確保、社会的な混乱の防止や影響の軽減、そして再犯防止と改善、さらには公権力の監視の意味でも重要であることは承知しているが、事件、事故に巻き込まれ、混乱の中にいる被害者側やその家族など関係者の視点から考えると、心の準備をする間もなく、突然、個人情報がさらされてしまう状況ではないかと思う。
特に、社会性の高い事件や事故の被害に遭った人々は、身体的、精神的な苦痛、そして、マスメディアによる取材への対応に加え、近年は特にSNSの普及により誰でも情報発信が可能となったことで、瞬時に爆発的なスピードでインターネット上に個人の情報が拡散されるため、その対応も必要になってくる。被害者やその関係者が望まない情報や、マスメディアが報じていない真偽不明の情報などが含まれるケースもあり、プライバシーの侵害や心ない誹謗中傷といったさらなる二次被害の発生など、被害者やその関係者の平穏な生活を脅かし続けるリスクが高まっている。
実名報道をたどると、まず、警察からの事件、事故の報道発表があり、報道するマスメディア側も自主基準に基づいて、国民の知る権利と被害者のプライバシー、名誉などを十分に考慮し、特に現場で取材している記者は、ある意味、悩みながら報道しているのだろうと感じる。
公益性や知る権利の重要性は否定しないが、被害者の尊厳やプライバシーがその名の下に侵害される現状が少しでもあるならば、被害者に最も近い存在である警察として、その発表の在り方や責任は重大と考えている。
まず、この観点から順次質問する。
警察広報の基本的な姿勢と認識について確認する。
事件、事故等で県警察が報道機関へプレスリリースする場合、どのような点に留意しているのか伺う。
【理事者】
県警察においては、事件、事故等について報道機関へ発表する場合は、正しく早く発表することに留意している。
具体的に言うと、誤った情報が報道機関、ひいては県民に伝わらないよう事実に基づいた正確な発表に留意するとともに、社会的反響が高い事件、事故等については、県民に被害等の防止を呼びかける必要がある場合もあるので、早く発表するように留意している。
【委員】
正しく早くとのことであるが、その早さが時として被害者の心の準備が整わないまま、個人情報が流れることにつながっている懸念があることをまず指摘させてほしい。
10月15日の中日新聞の報道に、警察の報道発表は実名か匿名かとの見出し記事があった。これは全国の都道府県警察に事件や交通事故で死亡や、重体となった被害者の発表について、原則実名、原則匿名、原則発表していないを選択するなどのアンケートを行った結果がまとめられているものだが、本県では、事件や交通事故で死亡した被害者は基本的に実名、事件で重体となった被害者は実名、重傷となった場合は匿名、交通事故で重体となった被害者は実名とのことが記事からは読み取れる。
もちろん、全国的に個別の事案ごとに様々なことを勘案して判断するものと思うが、判断材料として警察の共通認識があることや、重体や重傷などの場合の判断において、実名、匿名での判断が全国的に分かれていることが分かった。
具体的に答えるのは難しいと思うが、どのような基準で実名を出し、あるいは匿名にしているのかとの点に関心のある人も多いのではないかと思う。
被害者氏名を実名で発表するかどうかは、どのような基準で判断しているか。また、昨年の報道発表分のうち、被害者の実名がある件数は何件か伺う。
【理事者】
県警察においては、実名発表、匿名発表についての一律の基準は設けてはいない。
発表に当たっては、マスコミによる報道の自由、国民の知る権利を尊重しつつ、プライバシーの保護や公表が捜査に与える影響等を個別具体の事案ごとに総合的に勘案して判断しており、発生所属が本部事件主管課及び広報課と調整している。
また、令和6年中の報道発表件数は延べ4,050件あったが、そのうち、被害者138人につき実名で発表している。
【委員】
138人が実名で発表されたとのことだが、問題はそのプロセスだと思う。被害者や遺族の中には、そっとしておいてほしいとか、名前を出さないでほしいとか、切実に願う人もいるかと思う。
そうした要望があった場合、あるいは要望がなくとも過熱報道等が予想される場合、県警察は情報の出し手としての責任をどのように果たしているのか。被害者を守るために単にマスメディアに報道発表を渡して終わりとのことではないかとは思う。
被害者から実名を公表しないでほしいと要望があった場合や、報道機関へのプレスリリース後に報道機関による報道が予測される場合、県警察ではプレスリリース前にどのような対応をしているか伺う。
【理事者】
県警察においては、被害者の実名などが報道されることが予想される場合は、被害者に対して報道発表すること、実名で発表すること、匿名を希望すればその旨を報道機関に伝えること、匿名で報道するかは報道機関の判断になることを伝え、理解が得られるように努めている。
また、社会の耳目を集める事件、事故等の場合は、被害者や関係者の自宅付近での混乱防止や精神的な負担の軽減を図るため、報道機関に対して被害者等の意向や要請を伝えて、取材の方法について一定の配慮を要請することも行っている。
【委員】
昨年中、つまり実名で発表された138人のうち、被害者が匿名を希望した件数は何件あるか。
【理事者】
令和6年中に実名発表した138人の被害者のうち、117人が匿名を希望した。割合にして約85パーセントである。
【委員】
匿名を希望すれば、その旨は報道機関に伝えるが、138人中117人、今、約85パーセントとの話があったが、約85パーセントの人が名前を出さないでとお願いしたにもかかわらず、その意向はかなわずに実名が世に出ているとのことだと思う。県警察が実名発表を続けるとのことであれば、この結果として起きる、いわゆるメディアスクラムやSNSの被害から被害者を守る責任は、当然、県警察も負うべきものだと考える。
本県では、令和4年に制定された犯罪被害者等支援条例においても、基本理念に犯罪被害者等支援により二次被害が生ずることのないよう十分配慮することとあるし、県警察の被害者の手引にはここについての解説はないが、県と愛知県被害者支援連絡協議会が作成している犯罪被害者支援ハンドブックあいちの参考資料には、生命・身体に被害を受けた場合の支援の流れという表の中に、初期段階における警察による支援の中に、報道対応への助言がある。
被害者の平穏を守るためには、名前が出てしまってからその対応を取るのでは遅い場合もあるかと思う。特に社会的耳目を集める事件では、費用の面では課題はあるが、プレスリリースする前の段階で、報道対応などの盾となってくれる弁護士等の専門家につなぐことも必要であると考える。
2013年以降、東京都の弁護士会では警視庁と連携して、報道が予測される事案の被害者等が希望した場合には、事件直後にできる限りプレスリリースに先立って法律相談を行い、犯罪被害者支援に精通した弁護士を被害者の代理人として選任できる体制が整っているとも聞いている。
被害者支援の観点から考えれば、社会的耳目を集める事件、事故が発生し、過熱取材が予想される場合には、関係機関と連携し、プレスリリース前に弁護士等の専門家による犯罪被害者支援につなぐ必要があると思うが、愛知県警察の対応状況はどうか伺う。
【理事者】
県警察においては、犯罪被害者等の要望を把握した上で、必要とする支援を提案し、犯罪被害者等の同意の下、様々な支援を行っている。
社会的耳目を集める事件、事故が発生するなど、過熱取材が予想される場合には、愛知県弁護士会と連携し、できる限り早い段階で犯罪被害者支援に精通した弁護士による無料法律相談を提案することで、犯罪被害者等がこれら弁護士を代理人とする選択の機会を持てるよう努めている。
また、犯罪被害者等がプライバシーへの配慮を求める場合は、愛知県警察記者会に対し、犯罪被害者等が配慮を求めている旨を書面にて周知している。
【委員】
今回のこの質問は、犯罪被害者の関係者から実際にあった声を基に質問している。約85パーセントの人が匿名を希望としている現実は、極めて重い事実だと思う。従来の考え方や手法だけでは、このSNS時代の被害者保護としては限界があることは明らかではないかと思っている。
もし運用の見直しが難しいならば、被害者に徹底して寄り添う対応と、そして、昨年の総合法律支援法の改正により来年1月13日からは、資力基準はあるが、法テラスに犯罪被害者やその遺族らに特定の弁護士が公費で民事、刑事、行政など包括的かつ継続的な支援を行う、犯罪被害者等法律援助という制度も始まる。また、本県では、本年4月に犯罪被害者等への支援が途切れることなく包括的に提供できるよう、県が中核となる多機関ワンストップサービス体制も整った。今後も、初期段階でのさらなる連携強化を要望する。
続いて、二つ目、最近の特殊詐欺の特徴と被害防止対策について2問伺う。
特殊詐欺の電話の約8割が国際電話番号を使用している中で、国際電話や詐欺電話を自動でブロックできる仕組みの必要性が増してきている。そのような中、今月12月1日から警視庁の防犯アプリ、デジポリスにおいて、無料で利用できる国際電話番号ブロックシステムの運用が始まった。これも大きく報道された。
私も試しにダウンロードしたが、事前の設定も難しくなく、その後、トップ画面から簡単にオン、オフを設定できて、大変使いやすいものである。9月時点でデジポリスは約91万ダウンロードされているが、国際電話遮断機能の追加で、今後さらにそのダウンロード数が増え、また、詐欺被害の抑止につながるだろうと率直に感じた。
本県はアイチポリスがあるわけだが、機能も充実しているし、パトネットあいちやイマココ機能などすごく便利で、一ユーザーとして非常に満足しているが、本年8月25日から、アイチポリスからダウンロードすると、トレンドマイクロ株式会社が開発した対策アプリ、詐欺バスターを90日間無料で利用できるクーポンが始まっている。
しかし、これは期間限定のダウンロードとなっていて、12月31日のダウンロード期限が迫っている。
県公式アプリ、アイチポリスを経由した詐欺対策アプリ、詐欺バスターのクーポン利用状況及び90日間の無料クーポン終了後はどうなるか伺う。
【理事者】
昨今、全国的に特殊詐欺の被害が多発しており、警察官をかたる、いわゆるニセ警察詐欺では、被害全体の約73パーセントがスマートフォンへの着信をきっかけとするものであり、また、被害全体の約65パーセントが国際電話からとなっている。そのため、県警察では、携帯電話の被害防止対策として、国際電話番号や特殊詐欺に使用された電話番号からの着信を制限することが有効であると考えている。
そこで、本年8月25日から12月31日まで県警察公式アプリ、アイチポリスにおいて、セキュリティ事業者が開発した詐欺バスターという詐欺対策アプリを90日間無料で利用することができるクーポンを配信する取組を実施し、その活用を促進している。
詐欺バスターは、国際電話番号や特殊詐欺に使用された電話番号をブロックするなどの機能を持つアプリだが、この取組に基づく利用登録数は、12月9日現在、2,553件となっている。
なお、無料クーポンを使用した人については、その期間終了後、国際電話番号や特殊詐欺に使用された電話番号の着信制限や警告表示ができる無料版に自動的に移行することとなっている。
【委員】
無料期間終了後も、一定の機能は維持された無料版が使えるとのことであった。また、12月31日以降は、無料版を別途ダウンロードして利用できるとのことで安心した。
まず、12月31日までにダウンロードする人が一人でも増えるように、あらゆる場面で積極的に広報してほしい。そして、12月31日以降もアイチポリスから様々な国際電話や詐欺電話遮断の選択肢や情報が得られるように対策を進めていくべきと考える。
あとは携帯電話の設定がすごく難しい。私がやってもよく分からない、説明書を見てもよく分からないことをなかなか、そういった機器の取扱いに慣れていない人ができるのかというと、すごく難しいものがあると思うので、対面で手伝いができるような、そういった取組も重要だと思う。
最近の特徴を踏まえた被害防止対策について伺う。
【理事者】
先ほど、詐欺バスターのことを説明したが、携帯電話への着信をきっかけとする被害が増加していることを受け、犯人と会話しない環境の構築に向けて、事業者と連携して電話機自体の着信拒否設定や詐欺対策アプリの利用促進を図るため、今後は詐欺バスターに加え、全国防犯協会連合会が推奨する詐欺対策アプリなどの利用促進を行っていく。
また、ニセ警察詐欺の被害者は20歳代から50歳代が7割と被害者層が拡大している状況を踏まえ、幅広い世代に対し注意喚起する必要がある。そのため、最新の手口や対策については企業等を介して幅広く啓発していくほか、特に、詐欺対策アプリの利用に抵抗を感じやすい高齢者等に対しては、子ども世代や孫世代を介して被害防止対策を促すなど、社会全体で被害者を生み出さない環境をつくっていきたい。
【委員】
民間事業者のサービスを積極的に活用すること、それを周知することも有効だと思うが、特殊詐欺対策や国際電話など詐欺電話の遮断は、社会全体の公益に資する話だと思うので、できれば公的な行政が運営しているアプリの一つの機能として、無料で提供される仕組みができると、一番よいと考えている。
予算のこともあるだろうし、将来的にそういった仕組みが構築されることを期待して、質問を終わる。
【委員】
私からは大きく二点、質問したい。まずは歓楽街対策について聞く。
なぜこの質問に至ったかというと、歓楽街を受け持っているレジャービル協会やその商店街組合から、最近、相談を多くもらう。
その内容が、新聞報道でもあったように、やはり最近では客引きやぼったくりが多く発生しているとのことで、私も昨日、錦に夜、視察に行ったが、最近は雰囲気が違う。
どのようなことかというと、若い男性が客引きしているのが普通のイメージだと思うが、最近は女性もいるし、今までとは明らかに雰囲気の違う人々が客引きしており、そういったことにレジャービル協会や商店街の人々は違和感があるとのことで、警察委員会で取り上げていくと私から伝えた。
また、最近、新聞報道でもあるように、マスコミベースではあるが、被害額や、ぼったくりの発生状況が悪化しており、今後力を入れて対策していかなければならないことではないかと感じているので、まずは、栄地区における今の客引きの現状について伺う。
【理事者】
栄地区における高額料金請求トラブル、いわゆるぼったくりに関する相談は、本年11月末現在で240件、昨年同期比プラス131件となっており、これら相談の約9割が客引きの案内先店舗でのトラブルとなっている。また、ぼったくり相談の対象となっている店舗は、11月末現在、61店舗を把握している。
県警察では、ぼったくり相談を受理した際は速やかに対象となっている店舗に立入りを実施し、法令違反を認めた場合は行政処分を科すなどして、悪質店舗の排除、または適正化に努めている。
【委員】
数としてはかなり増えている印象がある。
ぼったくり防止条例が施行されたのが2017年だと思うが、2017年に施行されて、2018年から2022年までは年間で数十件しかぼったくりの被害相談はなかったと思う。しかし、2023年頃から急増してきた。これは、地域の人がどのように総括しているかというと、新型コロナウイルス感染症が流行して、店舗に対して休業要請などがかかったことによって、錦3丁目もそうだが、店がかなり入れ替わった状況がある。入れ替わったことによって、新たに他の地域からぼったくりを目的とした店舗が入ってきていると、地元からはそのような指摘もある。
なぜそのような話をするかというと、これと同じことがリーマンショックのときもあった。リーマンショックのときにかなり多くの店が潰れて、その後に入れ替わったときに、やはりそこの店でぼったくりなどをすることが多かったとのことで、それが今回、コロナ禍後に店が入れ替わったことによって、また起こってくると思っている。
そうした中で、アジア・アジアパラ競技大会が開催される関係で、来年は多くの人が県外からこの地域に来ると思う。それに向けたプロジェクトも、実際、栄歓楽街対策として、約1年間かけて浄化していこうというプロジェクトをやっていることは承知しているが、今、このプロジェクトを推進している中で、栄地区におけるぼったくり、客引きの指導・取締り状況はどのようになっているのか伺う。
【理事者】
来年はアジア競技大会、アジアパラ競技大会の開催により、国内外からの多くの来訪者が予想されることから、県警察では、委員が示したとおり、本年9月に生活安全部長を総指揮官とした栄地区環境浄化・健全化プロジェクトを立ち上げ、県警察を挙げて歓楽街対策を強力に推進している。
まず、質問があったぼったくりに関しては、対象となった61店舗のうち、プロジェクト開始以降、4店舗を事件検挙したほか、手続中を含めて51店舗に行政処分を科し、さらに、残る店舗に対しても繰り返しの指導を行っている。その結果、ぼったくり相談に係る被害額は、プロジェクト開始前の8月末までは1相談当たり約67万円であったところ、プロジェクト開始以降の9月から11月末の3か月間では、1相談当たり約46万円と減少が認められた。
さらに、客引きに関しては、県警察の実態調査で本年7月、錦3丁目地内で約200人を確認したところ、プロジェクト開始以降、17人を検挙したほか、延べ93人に客待ちの再発防止命令を行った結果、2割程度の減少が認められた。
このほか、違法営業を認めた場合には、その店舗のビルオーナーに対して、再度、違法営業が行われないようにするため、愛知県安全なまちづくり条例に基づき、勧告や公表を実施している。プロジェクト開始以降、ビルオーナーに対する勧告を7件実施し、そのほか、勧告に従わなかったとして、1件を愛知県公報、県警察ホームページなどで公表している。公表については、平成16年に愛知県安全なまちづくり条例が施行されてから初めてとなる。
栄地区ではプロジェクトの効果が現れ始めているので、引き続き風俗環境浄化に資する取組を推進していく。
【委員】
プロジェクトをやって、検挙数も出てきている。取締りの実態も非常によく分かった。
ただ、どうしても数字の上では高止まりしてしまっている状況もあるので、この辺りはいろいろな地域団体と連携していく中で、今後、推進してほしい。
そこで、関係機関と連携した取組状況及び歓楽街対策の今後の方針について伺う。
【理事者】
県警察としては、これまでにも地域住民、自治体、地域団体などとともに違法看板なくし隊としての合同パトロール、まちづくり協議会の人々や名古屋市と連携しての客引きしない宣言などの活動を行ってきたが、プロジェクトの開始以降、より一層、連携を強くしている。
とりわけ12月は歓楽街が一層のにぎわいを見せる時期であるので、宿泊施設の人々と連携して客引きの危険性を宿泊客などに広報、周知しているほか、街頭防犯カメラのスピーカー機能を活用した注意喚起を行い、ぼったくり被害の防止に注力している。
今後も、来訪者が安心して過ごすことができる歓楽街を実現するため、プロジェクトを推進するとともに、地域住民や関係機関、団体と連携した取組を推進していく。
【委員】
ぜひ取り組んでいってほしい。
この質問に関して、最後、要望である。
ぼったくり店舗の情報に関しては、ぼったくり被害に遭った人からの情報提供や、いろいろなビルオーナーからの情報提供が中心になっているとのことで、ぼったくられた人の中には相談にすら行けていない人もやはりいると思う。例えば、県警察の情報ボックスなどを活用して、もう少し広く情報がもらえるような体制もつくってほしいと思っている。
愛知県のぼったくり防止条例の特性というか、当時は全国に先駆けた取組として、ぼったくり店舗、ぼったくりすると分かっていた、もしくはするのではとの認識の下で仲介したビルオーナー側に対しても責任を問える条例になっているので、その辺りもしっかりと運用しながら、歓楽街対策に努めてほしい。
次の質問だが、警察官の採用試験について伺う。
この質問に関しては、私が代表質問で取り上げた内容になるが、もう少し掘り下げて、総論ではなくて、細かい点を聞きたい。
昨今では、あらゆる県で警察官採用試験の受験者数が減少傾向にあるとのことで、愛知県警察にとってもこれは他人事ではなく、10年前と比較すると、減少傾向が続いていると聞いている。
また、条例によって警察官の定数が定められているが、平成29年に35人の増員をして以来、8年ぶりに本年度、8人増員されたと聞いている。受験希望者数が減っていく中で、定数が増えていくので、単純計算になれば倍率が下がっていくということで、警察官の質の確保の部分に対してどうなのかと懸念している。
さらに、警察官採用試験の合格者は通常、予定者数よりも大分上回った形で採用する傾向だと聞いているが、警察官の採用試験における受験者数の推移や受験倍率、内定者の辞退割合を伺う。その上で、優秀な人材が確保できていくのかという点についても伺う。
【理事者】
警察官採用試験の受験者数は年々減少傾向にあり、2014年に3,322人であった受験者数は、10年後の2024年には1,750人に減少しており、受験倍率は5.1倍から3.2倍まで低下している。
また、例年、合格者のうち、約3割が採用を辞退する傾向にある。
県警察としては、合格者の質を維持し、優秀な人材を十分に確保することは極めて重要な課題であると認識しており、教養試験や口述試験等によって警察官としての資質、適性を判断することにより、優秀な人材は確保できている。
【委員】
今の答弁だと、優秀な人材を確保できているとのことであるが、数字を踏まえ、今後のさらなる対策を行っていく必要があるのかなと改めて感じた。
代表質問でも取り上げたように、治安維持や犯罪抑止は、警察のマンパワーが必要になってくるし、また、私もアサヒビールに対するサイバー攻撃事件でビールが飲めなかったことを例えに出したが、昨今では、サイバー犯罪が増加傾向にあるので、また新しい人材の確保も、喫緊の課題だと思っている。
そこで、代表質問の答弁にあったとおり、受験者数を増やすための取組として、来年度から民間で新たに採用しているSPI方式を導入するとのことである。この制度は簡単に言ってしまえば、事前に適性検査を行うものであるが、他の自治体でも導入が始まっている制度であって、一長一短ある制度だと感じている。
そこで、愛知県警察が来年度から導入するSPIを活用した試験区分はどのようなものであるかの詳細を伺う。
【理事者】
採用情勢が厳しさを増す中、複雑化、多様化する治安課題に的確に対応するためには、これまで以上に多様な視点を持った実行力のある優秀な人材を確保することが必要である。
このような中、民間企業の採用選考で広く利用されているSPIを警察官採用試験の第1次試験で利用できる区分を新設することで、採用の間口を広げることとした。
SPIとは、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供している適性検査で、就職活動する多くの学生が受検しており、検査では論理や数学の問題、また、国語問題等を課すことで、知的能力を計っていくものである。
【委員】
民間で広く行われている制度であることは分かった。しかし、これを公務員試験制度に導入したからといって、必ずしも受験者数が増えるという、単純なわけではないと思う。
SPIの試験区分を導入することによって、受験生にどのようなメリットがあるのか、また、採用情勢にどのような効果が見込まれるのかを伺う。
【理事者】
近年の受験者数の減少には様々な要因が考えられる。
その一つとして挙げられるのが公務員試験対策の負担である。就職活動している大学生や企業で働いている転職希望者が試験対策を行うことは時間的にも心理的にも負担が大きく、途中で離脱するケースが考えられる。
新設するSPI区分は、従来の公務員試験における教養試験を行わないため公務員試験対策が不要となって、民間企業との併願者や転職希望者が受験しやすく、これまで以上に多様な人材にアプローチできると考えている。また、受験者の都合に合わせて、全国の会場または自宅等からオンラインで受検が可能なテストセンター方式で実施することで、指定した会場に足を運ばず受検できるメリットがある。
県警察としては、警察官を希望するより多くの人々に受験してもらうことで、近年減少傾向であった受験者数に歯止めをかけ、より多くの受験者の中から警察官としての資質を有する優秀な人材を確保していきたい。
【委員】
受験しやすい環境を整えることで、受験者数を増やしていこうという考えはよく理解できた。
SPIを導入することに加えて、本会議代表質問の答弁では、IT関連業務での勤務経験を有する即戦力人材を採用するために、サイバー特別捜査官の選考、情報系学科を有する高等専門学校や工科高校卒業生を対象とした情報技術区分を新設すると答弁があった。
令和8年度は、優秀な人材を確保するため、採用試験制度を変更するほか、どのような対策、施策を講じていくのか伺う。
【理事者】
委員の話もあったとおり、令和8年度はSPI区分のほか、手口が複雑化、高度化するサイバー犯罪に対応できる人材を確保するための試験区分の新設も行う。サイバー人材を確保するため、情報系の学部等がある県内の大学、高校、専門学校、こういったところに通う学生を対象に、サイバー犯罪に関する業務内容の説明や紹介の機会を設けるほか、サイバー捜査を疑似体験できるワークショップを開催するなど、情報技術を生かした警察活動の魅力ややりがいを伝える取組を行っていきたい。
さらに、本年度、県警察ではコンサルタントの知見のある民間企業から、採用活動に関する助言を受けている。今後は発信力の強化、これが課題の一つである。インスタグラムやエックスといった若い世代が日常的に使用するSNSをこれまで以上に積極的かつ効果的に活用するなどして、情報発信を行っていくほか、現在は県警察のホームページ内で採用案内を実施していたところ、新たな採用サイトの開設も検討している。
また、従来は直接対面で行ってきた対面型説明会、これをオンライン形式で行って、遠方居住者であっても参加しやすくするなど、より多くの人々に受験してもらえる施策を実施していく。
【委員】
私からは、自転車のヘルメット着用促進対策について順次質問する。
自転車乗車時のヘルメットについては、平成20年の道路交通法改正によって、13歳未満の児童や幼児が乗るときにかぶらせるよう、保護者らへの努力義務が定められたことが注目され始めたきっかけである。
愛知県では、令和3年10月から自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を策定して、全ての自転車利用者の乗車用ヘルメットの着用が努力義務化されている。この条例の中身だが、自転車利用者はヘルメットを着用しなければいけないことと、あわせて、保護者は未成年者が自転車を利用するときにヘルメットを着用させるように努めなければならない、加えて、事業者が事業用自転車を利用するときはヘルメットを着用させるよう努めなければならないと規定している。
また、令和5年4月だが、道路交通法改正が再びあって、同様に、全ての自転車利用者の乗車用ヘルメットの着用がここで法律的に努力義務化された。
言うまでもないが、自転車利用者の乗車用ヘルメットは、事故に遭ったり、あるいは自ら転倒したりというような場合に、頭部への衝撃を軽減する効果が大きいことから、法律・制度的に、さきに述べたように、これまで自転車のヘルメット着用を段階的に規制強化する取組がされてきた。
そこでまず、改めて自転車のヘルメット着用の必要性について認識を伺う。
【理事者】
県内の過去5年間の自転車乗車中の交通事故による死傷者数について部位別の負傷箇所を分析したところ、重傷者では全体の24.8パーセントが、死者では全体の63.5パーセントが頭部を負傷している。
交通事故により頭部を負傷した場合は、より重篤な障害を負うリスクが高いことが分析の結果から明らかになっていることからも、被害軽減を図るためにヘルメットを着用することが重要である。
【委員】
客観的データで指摘があったとおりであるが、令和2年から令和6年の5年間における県内の自転車死亡者の負傷主部位の構成率を見ると頭部が一番多く、自転車死者総数115人中73人で6割を超えているとともに、ヘルメットを着用していなかった人の致死率が着用していた人に比べて1.7倍高い。
そうしたことから、被害軽減には頭部を守ることが非常に重要で、言い換えれば、自転車に乗るときにヘルメットを着用していれば助かる命もあったといえると思う。
そこで、本県のヘルメット着用率について伺う。
【理事者】
道路交通法の改正によってヘルメットの着用が努力義務化された令和5年から、警察庁が毎年実施している全国調査における当県の着用率は、令和5年が7.8パーセント、令和6年が10.5パーセント、令和7年が11.9パーセントと年々上昇しているが、いずれの年も全国平均を下回っている。
【委員】
これもまた客観的データを披瀝してもらったとおりだが、警察庁が公表している自転車乗車用ヘルメット着用率に関する調査結果があって、直近の、例えば令和7年のヘルメット着用率の全国平均が21.2パーセント。愛知県は11.9パーセントとのことだったが、都道府県別で着用率の高かったのは、愛媛県で70.3パーセント、続いて大分県で53.7パーセントと、5割を超える県もあることが分かる。
そうしたことから、ヘルメット着用率の高い県の取組は大いに参考にすべきだといえると思う。こう考えるのは私だけではなく、県警察でも大いに参考にしていることを事前に確認した。そこで、自転車のヘルメット着用に向けた県警察の取組について伺う。
【理事者】
県警察としては、自転車乗車時のヘルメットの着用は、交通事故発生時の被害軽減だけではなく、規範意識を高めることにもなるので、自転車の安全対策の中でも特に力を入れて取り組むべきと考え、ヘルメット着用の重要性を訴える啓発チラシや動画を活用した広報啓発活動のほか、交通機動隊の自転車対策小隊による交通安全教育などに取り組んでいる。


ヘルメット着用啓発のチラシ
また、昨年中の自転車の交通事故による負傷者のうち、15歳から19歳までの高校生の年代の負傷者が他の年代と比べて突出して多くなっている一方で、ヘルメットの着用率は高校生が最も低いという現状を踏まえ、本年は高校生を対象とした取組にも力を入れている。
具体的には、県内の高校の生徒と教員を招致して、命を守ることをテーマにヘルメットの着用について考えるシンポジウム、高校生サミットin Aichiを開催したほか、高校ごとにチームをつくり、ヘルメット着用に向けて創意工夫を凝らした取組を一定期間行ってもらう、命を守るヘルメット着用促進グランプリを現在開催している。
来年4月からは自転車の交通違反に対する交通反則切符の適用が開始される予定であるので、自転車の交通ルール等に対して県民の関心も高まっていることから、引き続き、ヘルメットの着用促進と交通ルールのさらなる周知に向けて取り組んでいく。
【委員】
広く広報啓発活動あるいは交通安全教育などを行っていることに加えて、高校生に着目して取組を様々しているとのことだった。
ちなみに、警察庁が公表した令和6年中の交通事故の発生状況によれば、自転車乗車中の死傷者数は6万5,000人を超えている。令和6年中の自転車乗車中の死傷者をヘルメット着用の有無別で見ると、非着用が全体の8割とのことである。そうした中、年齢別の死傷者数を見ると、15歳から19歳の高校生年代が18.3パーセントで最多とのことである。
これは10万人当たりで換算すると、高校生年代は全年代に比べて4倍以上高いことになる。高校生の交通事故の82.3パーセントが自転車乗車中であって、しかも、多発時間帯は朝と夕方の通学時間帯とのことだから、高校生の通学時のヘルメット着用が大変重要だといえる。
一方、一般社団法人自転車協会が発表した令和6年中の高校生あるいは中学生の通学時における自転車事故発生件数調査分析結果があるが、それを見ると、義務教育課程である中学生は、校則で決められていることもあって、全国的に高くて70.9パーセント。一方、高校生は12.8パーセントと極めて低く、翻って8割半ばが自転車通学しているが、ヘルメットは未着用とのことである。
これら中高生に自転車で通学時、運転していて危ないと思ったことがあるかとのアンケートで聞くと、思ったことがある割合が6割を超えるとの結果となっている。危ないと思ったことがあるにもかかわらず、ヘルメットをかぶっていない現状がアンケート結果の分析から分かる。
先ほど触れたヘルメット着用率の高い愛媛県や大分県の特徴は、高校生のヘルメット着用率が非常に高いことである。それは、通学時におけるヘルメット着用が徹底されている。なぜなら、校則によって義務化されているからである。また、ヘルメットを着用する高校生に聞くと、その8割強が自転車の安全利用ルールの認知度が非常に高いことが分かっている。
こうしたことから、高校生の自転車乗車中のヘルメット着用率の向上は非常に重要で、その鍵は通学時の校則化にあることが私見である。来年4月からは16歳以上を対象に、自転車の交通違反に対して、交通反則通告制度、いわゆる青切符も導入されることになっている。このように自転車ルールが厳格化される中にあって、自転車利用する高校生により一層、特に、通学時におけるヘルメット着用を含めた自転車の安全利用ルールの指導を徹底することが強く求められる。
ここは警察委員会だから、私も県教育委員会に対して、こうした客観的データをひもとくと、高校生の交通事故で自転車によるものが多く、しかも通学時間帯なのだと、ヘルメットをかぶっていれば、助かる命もあることをきちんと述べて、校則化も視野に、通学時におけるヘルメット着用の指導徹底を働きかけていきたいと思っているが、県警察としても同様に、いろいろな機会を通じて働きかけ願いたい。
最後になるが、愛媛県や大分県は高校生がかぶっていることから、その上の年代の大人へと、社会全体へと波及効果があったと聞いているので、愛知県も高校生からさらに大人へ、社会全体のヘルメット着用率が向上するよう、従来の広報啓発はもとより、来春から導入される交通反則通告制度に係る取組もしっかりするように願い、この質問を終わる。
【委員】
私からは、認知症高齢者の行方不明の発見活動について伺う。
以前、新聞紙上で、家族などから警察へ捜索願を出した認知症高齢者の行方不明は、全国で1万9,000人を超えて過去最多となって、これは10年前と比較すると2倍近くに増加したとの記事を目にしたことがあった。
まず、認知症高齢者の行方不明の本県の現状について伺う。
【理事者】
2024年中、認知症高齢者として届出を受けた行方不明者数は1,452人で、統計を取り始めた2012年の700人と比較して約2倍に増加している。本年は11月末現在1,293人で、昨年同時期と比較して45人減少しているものの、2021年以降、横ばいで推移している。
また、そのうち発見された人については、2024年中が1,411人、本年11月末現在が1,257人で、行方不明の届出当日に約7割の人が発見され、3日以内には約9割の人が発見されている。
一方で、残念ながら亡くなった状態で発見された人については、昨日までで2024年中の届出の人が32人、本年11月末までの届出の人が30人となっている。
【委員】
今の答弁からすると、県警察へ行方不明の届出があった場合、当日、7割の人が発見されるとの話を聞いたので、比較的早い段階で発見、保護されるのが現状と思った。
そこで、県警察として、認知症高齢者の行方不明届を受理した際には、どのような対応を取るのか伺う。
【理事者】
警察署で行方不明者届を受理する際は、届出人から行方不明者の氏名、年齢、不明時の服装、所持品などのほか、行方不明となった原因、動機や立ち回り先などについて聞き取りを行う。その際、自治体が運営する認知症高齢者の見守りネットワークなどでの公表、非公表の希望を尋ねている。その後、警察本部に速報の上、県内及び全国に捜索の手配をし、事件、事故に遭っている可能性も考慮して、あらゆる警察活動を通じて発見活動を行っている。
特に、認知症高齢者については歩いて遠方まで行くこともあり、暗くなれば河川への転落や交通事故に遭うなど危険度が高まる。そのため、執務時間外など捜索体制が弱いときには、必要に応じて警察官を出勤させて対応するなど、可能な限りの人員を動員している。状況に応じて、警察犬、船舶、ヘリコプター等を活用し、隣接の県警察と連携して捜索することもある。また、届出人の承諾を受けた上で、自治体が運用する認知症高齢者の見守りネットワークや防災無線を活用した捜索も実施している。
【委員】
いろんな手段を取って捜索活動するのだと思った。
そこの中で、一つ、警察犬の話があったが、認知症による行方不明者の捜索では警察犬を活用した捜索活動も有効な手段だと思うが、具体的に、本県の場合、警察犬の出動状況や、あるいは警察犬の効果などについて伺う。
【理事者】
行方不明者の捜索に関しては、原臭、すなわち行方不明者の臭いが付着したものの有無、気象状況、それから届出までの経過時間などを考慮し、警察犬による捜索に効果が見込めると判断されるときには、積極的に警察犬を出動させている。
本年11月末時点における認知症高齢者の行方不明者届受理件数1,293件のうち、245件について警察犬を出動させており、行方不明者の発見に至った事例は15件となっている。
【委員】
245件の出動で15件、警察犬が捜査に出向いて発見したとのことである。警察犬も活躍していることは理解できた。
それで、行方不明の認知症高齢者について警察への捜索願を出すときは、家族にとっては大変迷うことがあるとも聞いている。確かに、自宅などから認知症高齢者の行方が分からなくなった場合、時間が経過するにつれて、先ほども話があったように、行動範囲が広がり、捜しにくくなることから、認知症高齢者の行方不明者を無事発見、保護するためには、家族だけで捜そうとせず、まずは警察に連絡することが重要であることを私も以前から聞いている。
しかし、現状は、家族が捜した後、相当時間を経過してから警察へ通報するケースが多いと推察する。実際に認知症の高齢者を抱える家族にすると、多分戻ってくるだろうとか、あるいは認知症で徘回したことを周囲に知られたくないとか、あるいは徘回で警察に連絡してよいのか迷うなどの理由で、警察への通報をちゅうちょするケースもあると聞いている。どうしても警察への通報は最終手段と考えている家族は多いようである。
高齢化の進展に伴って、今後一層、認知症高齢者の行方不明が増加すると思うが、さらに、社会問題の一つでもある身寄りのない独居の高齢者の増加は、仮に行方不明者になっても身元が分からなかったり、捜索活動に必要な身元を特定する情報が乏しかったりで、発見活動も困難になっていくのではないかと推測する。
そこで、最後の質問だが、今後、認知症高齢者の行方不明の捜索活動は、高齢化に加え、身寄りのない独居高齢者の増加などでさらに対応が難しくなっていくと思うが、県警察として今後どのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
委員が示したとおり、行方不明となった認知症高齢者を無事に発見するためには、警察への早期の通報が極めて重要であるが、家族が通報をためらう場合や、一人暮らしの人で行方不明になったことが周囲に気付かれにくい場合には、捜索の開始が遅れる原因となり、より危険度が高まる。
県警察においては、認知症高齢者の家族や一人暮らしの認知症高齢者の生活支援に携わる人に早期に通報してもらえるよう、自治体、関係機関、団体が行う研修や、県警察が行う講話の機会を通じて啓発を行っている。
また、警察官は昼夜を問わず街頭活動を行っているが、例えば、深夜に一人歩きしている、道路に座り込んでいる高齢者を見かけた場合には、積極的に声かけをし、必要があれば適切に保護している。
さらに、認知症高齢者の行方不明を防ぐための対策についてだが、行方不明者の発見活動を通じて入手した情報は自治体への支援につなげるため、家族などの同意が得られた場合には、高齢福祉の担当部署に提供している。
県警察としては、引き続き、行方不明となった認知症高齢者の早期発見と適切な保護について、自治体や関係機関、団体とも連携しながら取り組んでいく。
【委員】
どうしても家族からすると、認知症の高齢者が行方不明になったときに最後の手段として警察に捜索願を出す、そのタイミングに迷うと話をしたが、今の質問のやり取りで、県警察としては早期通報が大切なので、早期通報してほしいと答弁があり、取組もよく理解できた。
ただ、一般的に、なかなかこのようなことで警察にすぐ通報してよいものか迷っている人も多いので、すぐ通報してほしいことを何かの形で今以上に広く周知してもらえればありがたい。以上で質問を終わる。





