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経済労働委員会審査状況(令和7年10月6日)

ページID:0060801 掲載日:2025年12月10日更新 印刷ページ表示

経済労働委員会

委員会

日時 令和7年10月6日(月曜日) 午後0時58分~​
会場 第7委員会室
出席者
 日高 章、細井真司 正副委員長
 直江弘文、久保田浩文、近藤裕人、田中泰彦、神谷和利、宮島謙治、
 かじ山義章、桜井秀樹、阿部洋祐、大久保真一、神谷まさひろ 各委員
 企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長
 関係各課長等

経済労働委員会の審査風景画像
委員会審査風景

付託案件等

​議案

なし

​閉会中継続調査申出案件
  1. 中小企業の振興、次世代産業の育成及び産業交流の促進について
  2. 労働者福祉の向上、職業能力開発の推進及び雇用対策について
  3. 観光振興及び国際会議等の誘致について
  4. 水道事業及び工業用水道事業について
  5. 用地造成事業について
  6. 経済産業局、労働局、観光コンベンション局、企業庁及び労働委員会の行政運営について

会議の概要

  1. 開会
  2. ​一般質問
  3. 閉会中継続調査申出案件の決定
  4. 閉会
主な質疑
一般質問

【委員】
 私からは、豊田貞宝次世代産業地区について伺う。
 8月7日、トヨタ自動車株式会社は、豊田市貞宝町周辺に車両工場を新設するための土地の取得を決定したと発表があった。新工場は2030年代初頭の稼働開始を目指しているとのことであった。
 トヨタ自動車株式会社の車両工場の新設は、国内ではトヨタ自動車東日本株式会社の宮城工場以来14年ぶり、県内では田原工場以来47年ぶりとなる。トランプ関税の関係もあり、アメリカへの投資が進んでいる中で、国内に投資するのはうれしいニュースであった。トヨタ自動車株式会社の関連企業、サプライチェーンは、本年6月現在で国内3万9,344社、県内でも1万881社あって、本県の産業基盤を強固にするだけでなく、国全体の産業発展に貢献するものであると思う。
 8月7日のトヨタ自動車株式会社の発表の後、どのような経過で企業庁がやることになったのか伺う。
【理事者】
 8月7日の公表後に、トヨタ自動車株式会社と豊田市から豊田市貞宝町周辺の開発に関する要請を受けて、企業庁として開発区域内の土地の買収と土地の利用計画の策定などの開発の検討を進めていくことを決定した。
 最初のステップとなる開発区域内の土地の買収については、地元市の協力を得て進めていくこととなっているため、豊田市において、8月26日、30日に、地権者説明会を開催するとともに、用地取得及び物件補償などについて、地権者との具体的な交渉を進めている。
【委員】
 早速動いているということである。
 この事業は、オーダーメイド型の工業用地であるので、取得にかかったいろいろな経費も含めて、全てトヨタ自動車株式会社に持ってもらえるし、売れ残りのリスクもない。
 早速、事業に着手しているようであるが、この事業を円滑に進めるために豊田市は用地担当56人を含む総勢71人の推進チームを編成したと聞いている。
 そこで、今後この事業をどのように進めていくのか伺う。
【理事者】
 まずは、豊田市の協力を得ながら、用地取得及び物件補償の交渉を引き続き進めていき、同意書の取得を目指していく。
 また、現在、企業庁において地質調査などの準備を進めていて、今後、土地利用計画の策定に向け、トヨタ自動車株式会社と調整を行うとともに、アクセス道路や緑地、調整池などの計画について、関係機関と協議を進めていく。あわせて、今回の事業は大規模であることから、生態系の自然環境調査や、開発事業が環境に与える影響の予測・評価を行う環境アセスメントの手続を進めていくことで、早期の工事着手を目指す。
 企業庁としては、本県の基幹産業である自動車産業の維持発展のため、着実に事業が進むよう周辺の道路整備などの課題について、国や県をはじめ、関係機関との連携を密にして調整を行い、本事業に取り組んでいく。
【委員】
 しっかりやってもらいたい。
 冒頭で言ったとおり、この事業は豊田市にとっても愛知県にとっても歓迎すべき事業だと思っているが、地権者以外の地元関係者にも話があると思う。既に私の耳には、地元から心配する声が届いている。何かというと、渋滞に関する対策のことである。予定地は、衣浦港からずっと40キロメートル延びている衣浦豊田道路の一部であって、衣浦豊田道路の北、ちょうど半分ぐらいに豊田南バイパスと豊田北バイパスが予定されていて、この豊田南バイパスの終点がちょうどこの逢妻町、貞宝町のところなのだが、豊田南バイパスは令和8年度中に供用開始されると決まっている。その北になる、豊田勘八インターまで続く豊田北バイパスは、実は、事業化されているが、供用開始がいつになるか全然めどが立っていない。逢妻町以北、いつできるか分からないというのが現状であって、そうすると、衣浦豊田道路、豊田南バイパスに入った車は必ず貞宝工場ができる逢妻町で降りることになる。その降りる道が、国道155号、瀬戸街道と呼ばれているが、そこが今でも渋滞していて、愛知県道路交通渋滞対策推進協議会によると、豊田エリアの主要渋滞路線16路線のうち、この逢妻町を挟んだ東西の2路線が、渋滞路線に現在指定されていて、これから新工場ができると、従業員が何人か分からないが、例えば高岡工場だと従業員が8,000人である。今も高岡工場で駐車場が足らない話はよく聞くが、今でも渋滞している国道155号がさらに混むのではないかとの心配の声を聞いている。先ほど言った豊田南バイパス、豊田北バイパスは国の直轄事業であるし、この国道155号についても国の管轄である。ぜひともこの国道155号、今2車線だが、拡幅して4車線にするように、ぜひとも県からも、国にしっかりと要望してもらいたい。豊田市、そしてトヨタ自動車株式会社も含めて要望してもらうことを強くお願いして、私からの質問を終わる。
【委員】
 私からも今、委員が質問した豊田市における車両工場建設に伴う用地整備について伺う。
 8月7日の報道で車両工場を新設するとあったが、この報道によると、国内の雇用を守るため、必要とされている300万台の生産の維持に向け、2030年代初頭の稼働を目指すとされている。
 そして、今回、この用地造成の実施については、豊田市及びトヨタ自動車株式会社が企業庁に要請している。また、進め方も、以前、豊田市と岡崎市にまたがる、トヨタ自動車株式会社の研究開発施設であるトヨタテクニカルセンター下山と同様の手法によって、豊田市が用地の取得を主に担い、企業庁が造成すると聞いている。
 私自身も、この下山地区研究開発施設整備では、自民党の委員と同様に市議会議員として豊田市側に立って関わっていた。用地取得の難しさや、また、企業庁においては環境に配慮した整備や埋設物への対応など、当時の苦労を知る者として、また、この委員会には、豊田市選出の県議会議員4人中3人が在籍していることも踏まえて、以下二点について伺う。
 まず、一点目だが、亜炭廃坑への対応についてである。
 昨年9月定例議会のこの委員会において、自民党の委員が、尾張東部から北部地下に広がっているとされている亜炭廃坑の問題を取り上げていたが、2023年度までの10年間に名古屋市や小牧市など、県内8市で計59件の陥没が発生し、宅地や農地が被害に遭い、陥没した部分の埋め戻しは、国や県が出資した基金で対応しているとのことであった。
 そもそもこの亜炭とは、石炭より熱量が小さく、品質は劣るとされているが、石炭よりもろく掘りやすいため、明治時代から昭和30年代まで、高温を必要としない繊維業や一般家庭で利用され、特にエネルギー事情がよくなかった戦時中から戦後に需要が高かったとされている。
 そして、今回の造成予定地である貞宝カントリークラブの地域においても、専門家の話では、亜炭層が岐阜県御嵩町から春日井市、長久手市を経て豊田市まで延びているとされている。
 また、日本充てん協会、名古屋市が発行した充てん第27号(1994年3月号)では、貞宝町地内で行った亜炭廃坑の充てん工事の概要が記載されていることから、造成工事には対応が求められてくると思っている。
 これまで、この問題は、亜炭廃坑により陥没などの被害が確認できた場合は、その埋め戻し費用を国・県の基金で対応していた。今回は、どこで採掘し、どこが空洞なのか、過去のことなので分かりにくいと思うが、現時点における企業庁の対応について伺う。あわせて、空洞が確認された場合の埋め戻しに関する費用負担についての考えも伺う。
【理事者】
 最初に、亜炭廃坑の対策についてであるが、豊田市貞宝町周辺に亜炭層の採掘圏が存在することは、これまでの文献から承知している。まずは、開発区域内全域を網羅するように一定の間隔で地質調査を行い、亜炭が採掘された空洞の位置、深さ、層の厚みを把握する。この調査結果を基に、トヨタ自動車株式会社の意向を確認しながら、空洞対策の要否を含めて検討を進めていきたい。
 次に、費用負担についてであるが、この地区は、陥没事故が発生しておらず、廃坑の範囲や有無が判明していないため、委員の質問にあった特定鉱害復旧事業等基金での対応は発生していない。今回の開発は、立地予定企業と地元市から要請を受けて、企業庁が事務費を含む開発に係る全ての経費と報酬を企業から受け取るものである。したがって、空洞などが確認された場合、埋め戻し等に関する費用負担についても、全て企業の負担となる。
【委員】
 企業が負担すると、規模にもよるが、膨大な費用になった場合、このプロジェクトが本当に進むのかという不安は、今の時点では正直持ってしまう。
 二点目だが、整備及び引渡し後における周辺への影響について伺う。
 先ほどの委員の要望にも少し関係があるかもしれないが、今後整備するに当たり、周辺から不安視する声はもちろん上がっている。例えば用地造成では、大型車両による影響、また、トヨタ自動車株式会社が供用開始した後には、通勤や部品搬入車両等、渋滞問題も心配される。さらに隣接するみよし市からのアプローチも同様に心配される。現在、国の事業で豊田南バイパス、豊田北バイパスを整備していると思うが、渋滞対策に関して企業庁の方針を確認する。
【理事者】
 今回の開発は、企業庁の開発事案としても大規模なものとなるため、道路など周辺地域に対して大きな影響を与えないように対応や配慮が特に重要であると認識している。
 とりわけ、道路においては、新設される工場によって新たに発生する交通量が現状の交通量に付加されることになる。このため、企業庁は、トヨタ自動車株式会社と話し合いながら、工場への進入方法の検討など、渋滞の緩和策に努めていく。あわせて、新設されるバイパスを含め周辺道路の整備については、国、県及び市の道路管理者に様々な機会を捉えて要望していく。
【委員】
 道路については、先ほどの委員と同様に、しっかり渋滞対策をやってほしいと思うが、それ以外で二点要望する。
 まず、一点目として、近隣自治体への理解を得る活動をお願いしたい。特にみよし市である。隣のみよし市にとって、今回トヨタ自動車株式会社が新しい工場を建てても、みよし市に税収が入ってくるわけではないし、ほとんどメリットがないと言われている。そして、市境のみよし市側には住宅街が多いため、豊田市の住民もそうであるが、みよし市側にとってみたら、もっと生活の影響を心配する声が上がってくる。そして、地域説明会を以前やったと聞いているが、火葬場をあの地域に建てる話も水面下でやっているため、そういった意味では、みよし市側としては、渋滞は来る、火葬場はできてしまう、いいことがあまりないとネガティブな印象を持つ人が非常に多い。主体である豊田市やトヨタ自動車株式会社がしっかりと説明するのはもちろんであるが、企業庁においても、みよし市に対してしっかりと説明をお願いしたい。
 二点目は先ほど質問で触れた亜炭廃坑への対応である。
 答弁では、トヨタ自動車株式会社の負担になるということであったが、99ヘクタールあるゴルフ場のどこが空洞になっているかが不明で、その量、規模が定かでない中、埋め戻し費用が幾らになるか見当がつかない。企業庁としては、これまでの用地造成を手がけてきた豊富な経験があると思うが、亜炭廃坑に対して経験は少ないと思っているので、ぜひ豊富なネットワークを生かして、東北など、まだ亜炭廃坑があるほかの地域の対応に関する情報を収集して、効率的でかつ安価な対応になることを要望して終わる。
【委員】
 私から、用地造成事業のうち、内陸地区の内容について伺う。
 令和3年度の委員会で、当時の企業庁が、内陸用地は造れば造るだけ売れるという表現の答弁をしたと承知している。特に製造業に向けたことだったと思う。令和4年度の委員会の中でも、工業用地については、製造業、物流業を中心に、旺盛な需要に支えられて、大変よい調子だという表現も答えとしてあった。
 今、我々が説明をもらっている内容として開発地区で8地区ある。これらについては、もう企業がついたと報告を都度受けており、先ほどの話のとおり、順調にいっているのだろうと思っている。
 さらにこれからのことになっていくが、既に開発検討地区として企業庁が動いていると公表しているのが4地区と承知している。
 改めて述べると、日進市東部が約18ヘクタール、弥富市南部が約12ヘクタール、幸田町北部が約12ヘクタール、豊川市西部が約18ヘクタールだと思うが、部分的にこんな感じだと承知しているものの、改めてこの4開発地区について、現状どのようになっているか、進捗状況を伺う。
【理事者】
 日進東部地区は、令和2年2月に開発検討地区に位置づけ、開発規模に必要となる都市計画法、森林法、砂防法及び盛土等規制法に基づき、それぞれの手続に必要な資料の作成及び関係機関協議を行っている。また、並行して、日進市が地権者からの同意書の取得に向けて事務を進めており、現在、権利者数で約9割の取得率となっている。
 弥富市南部地区は、昨年3月に開発検討地区に位置づけ、昨年度は地質調査、測量及び予備設計を実施し、土地利用計画を策定した。今年度は、関係機関との協議を進めるとともに、開発を決定する上で必要となる要件について整理を進めていく。
 幸田町北部地区は、本年2月に開発検討地区に位置づけ、今年度は地質調査及び予備設計を実施し、土地利用計画の策定を行うとともに、関係機関との協議を進めていく。
 豊川市西部地区は、本年3月に開発検討地区に位置づけ、今年度は地質調査、測量及び予備設計を実施し、土地利用計画の策定を行うとともに、関係機関との協議を進めていく。
【委員】
 それぞれ進捗度合いは違うようであるが、この4開発検討地区の事業化の目途はどのようになっているか。
【理事者】
 開発を決定するに当たっては、地権者の同意書取得による用地取得の見通しや、関係機関との協議の成立、事業採算の確保などが必要な要件となる。
 日進東部地区については、残る地権者の同意書を取得することができたら、直ちに開発決定に必要な要件について整理し、開発決定できるよう取り組んでいく。
 ほかの3地区についても、引き続き関係市町と連携し、各要件の整理を進め、早期に開発決定できるよう取り組んでいく。
【委員】
 目標年度は設定できるものなのか。
【理事者】
 目標年度について、現在検討中の地区は地権者の意向などもあって、なかなか設定することは難しい状況にあるが、これまで開発検討を進めてきて、開発決定し、開発地区となった地区の状況について言うと、開発検討地区に位置づけてから、開発決定するまで、おおむね2年間から3年間を要している。
【委員】
 要するに開発検討地区に位置づけてから開発決定まででおおむね2年間から3年間だとなると、先ほど現状も進んでいる開発地区と言われる八つの地区があると話したが、今どれだけ進捗しているか、これは目標年度が出ている。
 例えば、豊明柿ノ木地区は2020年から始まって2025年、つまり5年で事業を終わる。幸田須美地区、愛西佐屋地区、豊川白鳥地区も同じく5年、あとは6年、7年、8年とか、規模にもよるが、ざっと見て5年からせいぜい8年となっている。そうなると、日進市の場合は、開発検討に入ったのが先ほどの4地区の中で一番古い2020年。もう既に5年たとうとしている。規模的に18ヘクタールだからそれなりにかかると思う。だから内陸部の需要が旺盛であろうとも、昨今の経済状況が大きく変わってくる可能性があるので、地元としては心配する部分だと思う。
 私は、地権者の同意書取得は比較的すんなり解決しており、都市計画法だとか森林法すなわち保安林解除などがネックになると思ったが、そうではなくて地権者の同意書取得であるということになると、相手があるため大変だが頑張ってもらわなければいけないと思う。その辺の考えはあるか。
【理事者】
 日進東部地区については、2020年2月に開発検討地区に位置づけて、これまでもずっと調整並びに関係機関協議、地権者との同意書取得を進めてきた。今年度も、日進市とは密に連携を取って、同意書を取得できていない地権者の意向をしっかりと確認しながら、市に助言するなどして取得が進むよう努めている。
【委員】
 企業庁の仕事は、先ほどの豊田貞宝次世代産業地区のような新しい開発のことについても、地元の自治体との連携でもって進めるのが一番オーソドックスなスタイルだと思うので、連携を深めてもらってやってもらいたいが、先ほどの日進東部については、もともとスマートインターチェンジをやるからぜひ進めようという意向もあった。実はこのスマートインターチェンジの完成目途も本当は令和6年、令和7年だったが、これもいろいろな加減で遅れているとなると、供用自体は合わせておいてもいいのかとなりがちだが、経済状況は随分変わっているので、やはりやれるときに一気にやらないといけない。これだけ資材高、人件費高になってくると、企業庁としても、大企業がバックにいる開発であれば、それなりに対応できると思うが、採算が合って成り立つ事業であるし、また、地元としても優良企業に立地してもらって税金が落ちて初めて、自分のところにも成果が出てくることになるので、いずれにしても、市町と連携を密にして進めるようお願いする。
 それから、令和4年や令和3年とは随分状況が変わってしまっている気がするが、やはりまだ愛知県は投資意欲のある企業も多いと思う。ということは、開発検討地区も、今は四つだが、この先もまだまだやらなければいけないのではないかと思うし、企業が自ら手を挙げてここをやってほしいということもあるのだろう。あるいは、自治体も今、自分のところの財政力を高める上では、必ず企業誘致をとよく聞く。そのような内容からして自治体間競争にもなっているのかもしれないが、そのような開発、今の開発検討地区以外に、その前段階の地区があるようだったら教えてほしい。
【理事者】
 開発検討地区として位置づける前の相談中の地区については、地区により市町村の検討熟度が異なっているが、様々な地区について開発相談を受けている。開発相談を受けている各地区については、要件が整い次第、速やかに開発検討地区へ移行できるよう、市町村への助言をしっかり行っていきたい。
 また、直接市町村を訪問するなどして、用地造成事業の積極的なPRを行うなど、今後も新たな地区の掘り起こしに努めていく。
【委員】
 本当に、様々な市町が企業誘致を考えていると思う。だから、ぜひ企業庁が持つノウハウをうまく合致させる形で進めてもらいたい。
 特に製造業や物流業の話、先ほど委員会の答弁の中の話を出したが、これからITだ、デジタル化だという話になってくると、データセンターなどの話もあると思う。実は我々の名古屋市の東部、尾張東部地区は岩盤も固くて津波も来ないことで、狙いの場所だとも言われている。なかなか、すぐさまそういった方向性にならないが、できれば、企業庁としても、市町の相談に乗る上で、具体的に企業をイメージしてもらいながら、ここにはこういうのが合うのではないかなど、そこまで踏み込んだ提案をして進めてもらえると、より愛知県企業庁の価値が高まり、頼りにされる存在になれると思うので、ぜひともこれからも頑張ってもらいたいというエールを送りながら、私の質問を終わる。
【委員】
 今、委員からデータセンターの話が出たが、現在、開発造成した内陸、臨海で、どれぐらいまだ売れ残りがあるのか伺う。完売しているのか。
【理事者】
 現在分譲中の地区においては、内陸用地は、豊明柿ノ木、あま方領の2地区で7.7ヘクタール、臨海用地は、衣浦14号地、御津1区、田原1区、田原4区、中部臨空都市合わせて約81.2ヘクタール、合わせて企業庁全体としては約88.9ヘクタールを、今、分譲中である。
【委員】
 開発造成すれば、造れば造るほど売れるという時代があった。私は企業庁の果たした役割は、戦後の日本の経済に対して大きいと思う。
 しかし、産業構造はハードからソフト、ハイブリッドに来ている。そのような中で、市町村はもちろん税収、固定資産税が欲しく、それも製造業で要望しているのだろうが、これだけの土地がまだ売れ残っているのと同時に、膨大な組織と人件費を使って、予算をつぎ込んで営業しているにもかかわらず売れ残っているのであるから、民間企業だと責任問題である。だから、あまり製造業にこだわらずに業種を変える、それから、これから伸びる産業にシフトして、積極的にこういうところにこういう土地があると、客のニーズを捉えながら、使い勝手のよい土地、商品をつくっていくことをやらない限りは、私はうまくいかないと思う。
 人手不足もあって、これからは工場がAI搭載のロボットになるし、フロントもAI搭載のロボットになってくる時代であるから、そこを踏まえてもう少し広く考えを持っていったほうがよいのではないか。かつて、私は提案したことがあるが、製造業ではなくて、高速道路横に例えば一宮インターチェンジで物流に業種を広げたらどうかと言って、広げてもらったら、運送業者が進出した。時代に合わせて変えていかない。当然そんなことは考えていると思うが、とりあえず、今、どうしても売れ残っている臨海、内陸の土地を徹底的に完売させるという試みでやってもらわないといけない。毎年予算、県税を使ってやっているわけだから、もう少し積極的に営業してほしい。それと、臨海が苦戦していると聞くが、先日、国が2050年のカーボンニュートラルを踏まえて、これから15年間で3兆円の水素燃料を普及させるということで、今、愛知県と川崎市で行われる計画が支援対象として認められて、豊田通商を中心に水の電気分解により製造した低炭素水素を供給するプロジェクトが行われる。臨海でこれがだんだん広がってくると、土地が足らなくなってくると思う。経済産業局でも次世代エネルギーを一生懸命研究しているので、そういう人たちと一緒になって新たな産業分野にも、注目してほしいと思う。
 それから、膨大なAIの時代になるとデータセンターが要る。KDDIが、コンビニエンスストアチェーンのローソンを買って、いずれAIを活用したコンビニエンスストアをつくると言っている。それに対して遅延が起こらないよう、近くに小さいデータセンターをコンビニエンスストアに置くという記事が日本経済新聞に出ていた。それほど大、中、小のデータセンターが要る。それには電力も要るが、余っている土地があったら、水素のサプライチェーンの土地にもこういう土地があるがどうかと駄目元で営業してもらったらどうか。
【理事者】
 一点目の未処分用地の早期売却であるが、企業庁としても最重要課題であると認識している。引き続き、土地の需要の高まりなど、社会情勢の変化を踏まえて、そういった状況にタイムリーに応えられるよう、社会、時代のニーズに即して、低炭素水素供給事業をはじめとした、新しい産業分野など様々な業種の企業を的確に把握し、専門家の意見なども聞きながら、さらなる企業誘致活動に積極的、精力的に取り組んで売却促進に努めていきたい。
 二点目のデータセンターの誘致についてである。
 現在、データセンターは電力消費の平準化の流れによる地方分散化に伴って、大規模なものから中規模、小規模のものまでその役割に応じて、規模の多様化が進んでいると認識している。
 こうした中で、AI自体の進歩やデータセンターのさらなる効率化、省電力化などが進むことによって、小規模なデータセンターのニーズは今後、高まっていくのではないかと考えている。
 現在、企業庁が保有している分譲用地や今後造成する用地に、データセンター事業者をいかにして呼び込むのかという方策について、政府がこのほど公表した、電力と通信インフラを連携させる構想においても、データセンターの地方分散化を促進していくと言及されている。こうした国の動向にも注視しつつ、情報収集を継続的に行いながら、しっかりと研究を進めていきたいと思うので、引き続き貴重な情報や教示をお願いする。
【委員】
 数か月前に名古屋港で国の方針にのっとって、愛知県の8万台あるトラックのうち7,000台を水素トラックにしようというキックオフの会があったが、先日、港湾のトラック業者に聞くと、水素トラックは1億5,000万円ぐらいするそうであり、なかなか手が出せないようだ。ところが、国が約1億円補助金を出している。それから、水素が少し高いので、燃料費も補助する。これなら手が出せると言っていた。恐らく拍車がかかってくると思う。そうすると、トヨタ自動車株式会社を中心に水素を大量に作って大量に使わせないとコストが下がらない。
 先ほど言った国が認定したプロジェクトの内容は、水を電気分解して水素を作るものだが、水素は、今、ガソリン価格の7倍、8倍の値段である。たくさん作ってコストを下げないことには普及しない。そうすると、名古屋港はもちろんだが、水素、アンモニアのサプライチェーンをどうやってつくるか、コストをいかに下げるかが勝負になる。だから、名古屋港かいわいで、愛知県の臨海で、土地がもし空いていたとすれば、ぜひ積極的に売り込んでもらいたい。
 今は、オーストラリアから褐炭を液化して船で持ってきて、これを気化して割る。実証的にやるのは既存の企業の土地でよいものの、だんだん広がってくると、製造、それから貯蔵、物流、こういう基地がたくさん出てくると思う。水素も、それからデータセンターも駄目元で一度、こういう土地があるが何か使うことはないかと、とにかく売れ残っているのはああだこうだ言わず全部売る。予算をかけて人を使っているわけだから、こんなことはいつまでも許されないとの企業庁の決意を聞いた。期待しているので、全員が営業マンになって頑張って売り切る、次世代のエネルギーを確保すると頑張ってもらいたいと要望して終わる。

 

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