本文
県民環境委員会審査状況(令和8年6月23日)
県民環境委員会
委員会
日時 令和8年6月23日(火曜日) 午後0時58分~午後2時57分
会場 第6委員会室
出席者
朝倉浩一、浦野隼次 正副委員長
神野博史、須崎かん、石井芳樹、新海正春、南部文宏、村瀬正臣、森井元志、江原史朗、
井上しんや、柴田高伸 各委員
県民文化局長、県民生活部長、学事振興監、人権推進監、女性の活躍促進監、文化部長、関係各課長等
委員会審査風景
付託案件等
議案
第100号 令和8年度愛知県一般会計補正予算(第1号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳出
第9款 教育・スポーツ費の内
第8項 大学費
第2条(債務負担行為の補正)の内
愛知県美術品等共同収蔵庫整備等事業契約
第108号 財産の出資について
第122号 愛知県公立大学法人定款の変更について
結果
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第100号、第108号及び第122号
会議の概要
- 開会
- 口頭陳情(3件 陳情第10号、第11号及び第12号関係)
- 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 委員長報告の決定
- 一般質問
- 閉会
主な質疑
議案関係
【委員】
私のほうからは、先ほど説明があった愛知県の美術品等共同収蔵庫債務負担行為165億円という部分について質問する。
既に本件の概要については、昨年の12月の大村秀章知事の会見、それに、さきの代表質問で議員が質問して、その概要については承知しているが、インターネットで検索すると、大分、専門誌のみならず、全国の地方紙もこの事業については報じていて、この反響の大きさをうかがい知ることができた。それだけ美術館や博物館が抱える収蔵庫のキャパシティ問題は、どの美術館、博物館も直面している大きな課題であるということだと思う。
そういったことで理解しているが、この反響の大きさが、つい全国初であることや3館共同という部分がとかくクローズアップされているけれども、どうも注目すべき点は、本当はそこではなくて、収蔵庫が本来持つ役割や機能に対して、今回、愛知県が165億円、24年間総額の債務負担行為を設定し、真正面から博物館、美術館の倉庫問題に向き合ったことが全国的なインパクトの大きさなのかと感じている。
残念ながら、そのインパクトの大きさが、地元の愛知県の中で有権者の県民に伝わっているかというと、どうもまだその意義や意味が伝わり切っていないと感じているので、そういった観点から質問したい。
四点、今日は伺いたいと思うが、まず一点目、愛知県美術品等共同収蔵庫整備等事業については、マスコミや美術関係者から大変注目を集めているが、まだまだ県民にその意義、意図が伝わっていないと感じている。現在、美術館がどんな課題を抱えているのか、また、なぜ共同収蔵庫を整備しなければならないのか、その意義についてまず尋ねる。

共同収蔵庫 外観イメージ
【理事者】
美術館や博物館の収蔵庫については、その収蔵能力が限界に近づいていて、全国的な課題となっている。
本県の美術品等を収蔵している3館、県立3施設の収蔵庫もほぼ満杯であって、収蔵率は9割以上である。
また、近年、現代美術では大型の作品が増えてきていて、このまま収蔵率の高い状態が続けば、現在の収蔵庫で新たな作品の受入れが困難となることも想定される。収蔵スペースが限界に達すると、収蔵庫内で隣接する作品同士の間隔が十分に確保できず、作品損傷のリスクが高まることになる。
さらに、新たな作品を収蔵できなくなることで、鑑賞機会の喪失や資料の散逸を招くおそれがあり、結果として、県民が美術作品に触れる機会の減少につながることになる。
美術館は、作品の展示だけではなく、収集、保存、調査研究といった重要な役割があるので、県立3施設が引き続き作品の保存及び収集活動を継続できるよう、新たな共同収蔵庫の整備を行うものである。
【委員】
もらった資料を見ると、年に100件以上寄贈してもらうような場面もあり、9割近いキャパシティがもう占用されているということで、今後を見据えて共同収蔵庫の設置が必要だということを理解した。
続いて、複数の施設、今回、3館共同ということである。愛知県美術館と愛知県陶磁美術館と愛知県立芸術大学であるけれども、3館共同で収蔵するメリットがあれば教えてほしい。
【理事者】
県立3施設ともに収蔵スペースが不足している。この共通の課題に対して、共同収蔵庫を整備することで、スケールメリットを生かした効率的な解決策を講じることができると考えている。
例えば、事務室や機械室など建物の管理部分のほか、作品の搬入物であるトラックヤードの共有化などにより、3館が別々に収蔵庫を整備するよりも、県としての支出総額を抑制することができる。
また、温湿度管理や防災、セキュリティーなどの設備投資を集約することで、効率的に保存環境を確保することが可能となり、長期的にもコストの抑制に貢献できると考えている。
共同収蔵庫とすることで、こうした複数の効果を期待していて、収蔵環境の最適化と管理機能の集約により、県民の貴重な財産を、より適切に保存、活用できる体制を構築していく。
【委員】
合理的に考えてとのことである。どうもこの3館が合同でというのが全国初、日本初である。単独館が収蔵庫を整備する事業は、大村秀章知事も言っていたが、幾つか事例があるようである。今回は、3館合同で行うことで、合理的、経済的なメリットを生み出していくということかと思う。
続いて、三点目であるが、美術品等の収蔵機能を先ほど来、説明してもらっているが、今回、3館合同とすることでそれ以外にどのような特徴を備えることができるのかという部分が何かあれば、説明してほしい。
【理事者】
本来、収蔵庫は、美術館のバックヤードに設置していて、作品を適切に保存するため、通常は、各館の職員以外は立ち入ることができない。
しかし、今回整備する共同収蔵庫では、県立3施設の各本館では見ることのできない美術館活動の基盤となる取組を県民に知ってもらって、作品の保存について学べる機会を提供できるよう、収蔵環境を一部公開する。
また、今後40年にわたり必要な収蔵面積の確保を目指して建設するため、当面の間は、未利用となる収蔵スペースが生じることとなる。この未利用スペースを有効活用するために、営業倉庫として他の美術館や個人コレクターなど、県立3施設以外の作品も保存できるようにしたいと考えている。
このほか、共同収蔵庫を訪れ、美術品等の保存について学んだ人々に、近隣であるINAXライブミュージアムやとこなめ陶の森などにも足を運んでもらい、地域全体で多様な文化体験が得られるよう、周辺施設との周遊性も確保していきたい。
【委員】
今回、コンセプトが、まもる、ひらく、つながるである。まもる部分以外も、ひらく、つながるということで、県のほうもいろいろ考えていることが分かった。
最後の質問は、お金、予算に関わる部分であるが、今回、債務負担行為が途中、20年分の三十数億円の運営費も含めて165億円と、大変巨額である。私もネットで同類の事例を調べてみたが、設計、建設で132億円、これは群を抜いて大きな予算だと感じていて、全国初、日本初で、なかなか3館共同の事例はほかにはないのだろうが、この予算額がどのように設定されたのかと、また、なぜPFIを導入したのか、この二点について教えてほしい。
【理事者】
共同収蔵庫は、繊細な美術品等を保護、管理するために、24時間365日の厳密な温湿度管理が求められ、高度な空調設備や二重壁構造といった特殊な仕様が必要となる。このため、一般的な庁舎などと比較して、建設単価が高くなる傾向にある。
また、国土交通省が発注する際の積算に用いる技術者単価や建築工事費デフレーター等の指標は、いずれも上昇傾向を示していて、資材価格の高騰や労務費の上昇の影響による物価上昇等も見込んでいる。
こうした単価上昇の中で、少しでも県の負担の軽減を図りながら、優れた機能を有する共同収蔵庫を効果的に整備するために、PFIでの整備手法を導入することとした。
本事業は、設計、建設、管理、運営を包括的に行うBTO方式により実施し、民間のノウハウや創意工夫を活用して事業の効率化を図るとともに、共同収蔵庫のさらなる魅力向上につながる事業提案も得られることを期待している。
【委員】
先ほども国交省のインフレのインジケーターも指標の参考にしているということであったけれども、ここ数年特に、県が関係する公共建築物のインフレスライドで、予算のまき直しが多く続いている。なかなか、ここから4年先を見通すのは難しい状況ではあるけれども、そういったものも織り込んで、今回の債務負担行為が設定されていると理解した。
いずれも165億円という巨額の予算である。これが支出で終わらないために、民間のノウハウをしっかり活用して、公募を今、始めるに当たり、県のほうでその実施基準、採択の基準もいろいろ練っているかと思う。この先、恐らく40年以上にわたって県民の財産を守っていく共同収蔵庫であるので、ぜひ、そのみそとなる実施要項が県民の負託に応えるようなものになることを期待して質問を終える。
【委員】
私も先ほどの委員がお金に触れたので、お金についてまずは質問したい。
まず、ここに至るまでに、当初予算を見ると、愛知県美術品等共同収蔵庫整備等事業費で約1億1,000万円、当初予算についていたと思う。ここに至る経緯の中で、1億1,000万円をまず何に使ったかを答えてほしい。
【理事者】
令和8年度当初予算において、愛知県美術品等共同収蔵庫整備等事業費として1億999万円を計上している。
その内訳であるが、PFIのアドバイザリー業務委託費として7,000万9,000円、整備予定地の地質調査費が3,796万1,000円、事務費が202万円である。
共同収蔵庫の整備については、昨年12月に公表した基本計画に基づいて、施設の設計、建設、維持管理、運営を包括的に発注するPFIのBTO方式により実施するため、現在は、7月にPFI法に基づく実施方針の公表、その後の入札公告、関係資料の作成を進めている。入札公告後は、事業者選定に向けて、入札に関する説明会の開催や、民間事業者との個別対話の実施、提案内容に対する基礎審査等、総合的な評価を行う予定である。
共同収蔵庫の整備に当たっては、入札関係書類の作成や事業者選定を適切に進める必要がある。このため、美術館運営やPFI事業に精通したコンサルの支援を受けながら、今回の事業費を算出して、6月補正予算に債務負担行為として計上した。
【委員】
7,000万円のPFIのアドバイザリー契約、それをかけたがために、今、こういう方式で決まったということでよいのかと、そんなにかかるものかを聞かせてほしい。
【理事者】
7,000万円であるが、このPFI事業については、入札関係書類の作成や、今年度行う事業費については、法務・財務アドバイスが非常に重要な内容になっていて、どうしてもその辺の人件費で高くなってきている。
【委員】
分かった。
先ほどの委員から出た莫大なお金165億円、これは、債務負担行為であるが、県債を起債する理解でよいか。
【理事者】
今回議会に提出している債務負担行為であるが、この補正予算案は、共同収蔵庫の設計、建設から、その後20年の維持管理、運営に関する事業費総額の上限を計上している。
補正予算案は、総額で約166億円、その内訳は、設計・建設費が約132億円、維持管理・運営費が約34億円となっているが、PFI事業では、事業者提案により額が具体化されることになるので、現時点で最終的な事業費は確定していない状況である。
支払いは、原則として施設完成時の一括、または出来高払いによるものとしていて、県債の充当については、本債務負担行為とは別に、今後の当該歳出予算額を計上する段階で検討していくことになる。今の段階で県債を充当するかどうかは未定である。
【委員】
そうすると、民間から借り入れるということか。では、どこから、借金するのか。
【理事者】
恐らくであるけれども、実予算化したときには県債の充当が図られるとは思うが、今の時点でどういう財源で調達するかは未定である。
【委員】
予算も含めて審議している話なので、ざっくりと債務負担行為である、多分、県債だと思う。県債でも、例えば3、4年ぐらい前までは利率が0.1パーセントだったが、多分、今、2パーセントぐらい取られる。そうすると、この165億円が最大の中で2パーセント取られて、40年、10年ずつ借換えしたとしても、利率として莫大な利率になる。もっと言えば、今の話だと、造られた後から債務負担行為が発生するということは、多分、2030年なのか、それを聞かせてほしい。今の状況だともっと利率は上がっていくような、高くなる可能性はあるが、県債ではないという話もあるので、いつ、その支払期間が始まるかを再度確認させてほしい。
【理事者】
まず、県債の発行時期については、施設の完成時において一括で支払いをするのか、もしくは、設計から管理段階、当然、前払として人件費が関わってくるので、事業者がそういったところから出来形に応じて支払うという方法の2種類あると考えられる。事業者が入札・落札後、どういう提案をしてくるかによって、県債の発行時期は変わってくると思う。
だが、基本的には、今までのパターンだと建設完成時に一括という場合が多いが、委員が言ったとおり、巨額の166億円で建設費が132億円なので、出来形になるのではなかろうかということで、2027年度や2028年度あたりから、県債の充当を含めた予算の議論が始まってくると考えられるしか、今は答えられない。
【委員】
全部仮定の話になってしまうので難しいが、県債が起債できるかである。なぜかというと、県のものに対しては、多分、県債は発行できると思うが、どこまでいっても、この3施設は、独立行政法人である。一応、100パーセント、愛知県が出しているとはいえ、民間といえば民間のものに、実際に県債が起債できるのか。
ただ、今は何の借入れをするかがまだ決まっていない話なので、その点も含めて、今後しっかりと考えて進めてほしいと思うので、よろしく願う。
そして、次は、仕組みの問題について数点質問したい。
まず、さっきも言ったが、独立行政法人に任せている。陶磁美術館と愛知県立芸術大学、県美術館に任せてある中で、本来は収蔵庫も含めた契約で独立行政法人に任せたはずなのに、これを造ることによって、今度契約がどういう契約になるか、すり合わせしているのか聞かせてほしい。
【理事者】
今回、収蔵庫については、県の財産として整備するものである。独立行政法人の関係で言うと、3館ともに独立行政法人なので、預けて、そこで本来は賃借料が発生するものだと思うが、その部分については、今現在は無償で考えている。
【委員】
常滑高校の跡地に全部持っていって、展示するときには、もう一回持ってこないといけない。そういうところの送料は、どちら持ちか。
【理事者】
まず、前提として、全部収蔵庫の作品を常滑市のほうに持っていくかについては、全部持っていくとは考えていない。
【委員】
行ったものだけでよい。
【理事者】
行ったもの、送ったものと、また戻す搬送費については、一定部分、今、県のこの事業費の中に含めて考えている。
【委員】
もう一回展示するといって戻すのは、県のお金をまた使うと理解した。
あとは、もらった美術品が今後どのぐらいのペースで増えていくかが、たしかもらった資料に載っていた。県美術館では、年間120件、陶磁美術館では年間170件、愛知県立芸術大学では10件ずつ、ある意味、毎年増えていくわけであるが、もらうもの、もしくは買うものに対しての基準がどうなっているのか教えてほしい。
【理事者】
受入れの基準についてであるが、県美術館及び陶磁美術館では、各美術館の役割に即した収集方針を定め、その方針に基づいて所蔵作品を収集している。
県美術館の収集方針は、20世紀の優れた国内外の作品及び20世紀の美術動向を理解する上で役立つ作品や、愛知県としての位置を踏まえた特色あるコレクションを形成する作品等の収集を図ることである。
陶磁美術館の収集方針については、日本陶磁史の全体像を系統的に理解できるよう、全国の主要な窯業地の陶磁作品、それから、海外の代表的な窯業地の陶磁作品、国内外の現代陶芸、陶磁器産業資料及び窯業関連資料、こういったものの収集を図ることを受入れの基準、収集の方針としている。
なお、県美術館、陶磁美術館については、この4月に地方独立行政法人愛知県美術館機構による運営に移行したが、この収集方針について変更はない。
また、愛知県立芸術大学では、主に大学の教育研究活動の成果物として蓄積させるため、美術学部の当該年度の卒業生を対象として、特に優秀な卒業作品を選定の上、所蔵品として収集している。
【委員】
逆に言うと、もらったものに対して、もう一回価値について今後どうしていくか見直すことはしないのか。
【理事者】
今ある所蔵品については、先ほど言った収集方針に基づき収集し、県民共通の財産として保存した後世に継承すべき貴重なコレクションであるため、この所蔵作品を選別、いわゆる見直し等をすることは、現在は想定していないが、今後の美術品等の収集に当たっては、収集方針をより的確に適用し、収集の可否を判断していくことが必要になってくると考えている。
【委員】
極論で言うと、収蔵庫は入り口はあっても出口がない。そうすると、今後また40年後どうするかという話にもつながる。今あるものはきちんとした価値のある利用ができないかを考えなければいけないし、今後来るものに対しても、どうするかの施策がそろって、はじめて共同収蔵庫の事業を進めていかないと、また40年後、きっと同じ議論になってしまう。そういう意味では、結局、どんどんたまっていくが、展示ができるスペースは限られているので、裏を返せば、収蔵庫にはいっぱいあるが、外に出せないものは一生見れないまま、終わっていく話になってしまう。
本来であれば、県民の財産は公共の福祉に資するものなので、展示していかなければいけない。収蔵庫に埋まったまま終わってしまう作品も人生の中で出てくることを考えると、どこかに貸与したり、学校の授業で使うなど、中のものをもう一回外へアウトプットするような施策は考えているか。
【理事者】
県美術館及び陶磁美術館については、この4月に地方独立行政法人となっている。地方独立行政法人の定款の中に、設置目的として、美術作品等を収集、保管、公衆の観覧に供するとともに、これらに関する教育普及事業、それから調査研究等を行うことを設置目的としている。
所蔵作品については、作品そのものの鑑賞価値にとどまらず、調査研究の対象として収集保管するものもある。現時点では展示等を行っていない所蔵品もあるが、県民共通の貴重な財産であるコレクションを、他の研究機関や他の自治体等の施設へ移管や譲渡等をすることは、現在、想定していない。
一方、所蔵品の有効活用は重要であるので、公衆の観覧に供するための展示については、地方独立行政法人美術館機構が策定した5年間の中期計画においても、コレクションを積極的に活用した展覧会を開催、実施することとしている。
また、所蔵品の展示に当たっては、未公開の作品に限定したものではないが、毎年、県内の市町村において、県美術館と陶磁美術館が連携した収蔵品を展示する移動美術館を開催するなど、より多くの人に見てもらえるよう、両美術館の所蔵作品の積極的な活用も図っている。
【委員】
何度も言うが、インプットする施設であるが、アウトプットも要は考えてくれという話である。ずっと入れ込んでため込んでいるとただのコレクターになってしまうので、それをきちんと県民に公共の福祉として返すことを踏まえての共同収蔵庫だと思うので、そこは絶対考えて進めてほしいと思う。
その中で、例えば、東京都は3D化して、見えないものをネットで気軽に見られるような施策も含めて行っているが、本県としては、そういうのは考えているのだろうか。
【理事者】
美術品のうち、3Dデータ化に適した立体的な作品は、陶磁美術館で多く所蔵している。陶磁美術館では、2023年6月からの長期休館中の取組として、オンラインで所蔵作品を鑑賞できるよう実証実験を行い、埴輪やつぼ、それから土器など、計23点の作品を3Dデータ化し、ウェブサイトで公開している。
なお、所蔵作品の3Dデータ化については、予算的な課題もあって、現時点では、体系的な3Dデータ化は計画されていないが、両美術館における事業の優先順位を踏まえて、必要に応じて3Dデータ化の充実について検討していくことになると考えている。
なお、両美術館の収蔵作品の電磁的記録として作成するデジタルアーカイブ化は推進していて、ウェブサイトにおいて県美術館では7,943件、陶磁美術館では2,431件の作品を公開し、所蔵作品に関する理解の促進を図っているところである。
【委員】
最後に、一括収集することは、ある意味、よいことかもしれないが、リスクもあり、3分割してあるものを1か所に集めることで何かあったときには、全部駄目になってしまう可能性もある。その中で、民間に委託して、管理してもらう。一つ一つの物は県にとってすごく価値があるものであって、それを結局、民間に任せることは、後で開いてみて、もう一回何かを展示しようと思ったときに、壊れていたり、カビが生えていたり、破れていたりしたときに、民間との補償、保険で済ませるというお金で済む話ではない。民間に任せる契約をするときに、収蔵庫に持っていくものは、全部、写真を撮って、検品して持っていくのかという作品の扱いをどう考えているのか聞いて、質問を終わりたい。
【理事者】
作品の検品、写真等であるが、現時点で、正直、そこまで厳密に管理や、どうやって収蔵品を持っていくかというところまで、まだ詳しいことは決まっていないが、基本的には、作品の保存に関する学芸業務については、県立3施設の職員が担って、それ以外の業務については、県及び各施設の指示に基づきながら、PFIの事業者が実施することを想定している。
リスク分担については、これからつくっていくが、PFI事業におけるリスク分担は、リスクを最も適切に管理できる主体が負担するという考え方に基づいていて、施設の設計、建設、維持管理、運営に関する責任は、当然、原則として事業者が負うことになる。
一方で、先ほど言った、例えば、収蔵作品の保存の方針や、取扱いのような専門的判断を要する事項で、県が責任を負うことが合理的である事項については、県が責任を負うことにしている。
繰り返しになるが、具体的な責任分担、リスクの管理の方法については、今後、入札公告において、入札説明書等関係資料の中で示していきたい。
【委員】
最後に、いずれにしろ、契約が先の話なので、今回は問題提起するという思いで質問した。決して反対するつもりでもないし、愛知県が全国に先駆けてなので、しっかりとやってほしい。先ほども言ったが、例えば、県債を充当するにしても、独立行政法人で大丈夫かという話も当然あるし、また、インプットはあるがアウトプットがない中で、上手に県民に示してほしい思いもあるし、また、あわせて、一個一個の美術品は貴重な価値があるもので、保険やお金で済ませる問題では決してないので、その辺も、まだ時間はあるので、一つ一つしっかりと詰めていって進めてほしいと思うので、よろしく願う。
一般質問
【委員】
私からは、外国人児童の地域日本語教室支援について伺っていく。
昨年の12月に、あいち民主の議員が、第3次の日本語学習支援基金の今後について質問した。県民文化局長はじめ、大村秀章知事からも答弁があった。
知事答弁の中からも、県として、この地域日本語教室の重要性は大変十分に認識している前提で質問していきたいと思うが、今年度以降の地域日本語教室の支援の在り方について伺う。
本県は、文科省によると、令和5年度で日本語学習支援が必要な生徒児童の数が1万3,984人で、第2位は神奈川県であるが、第3位の東京都が6,000人台であるので、東京都の倍以上、日本語支援を必要とする外国籍児童がおり、ある意味、多文化共生のフロントランナーであると承知している。
私の地元の南区も外国籍児童が大変多く、小学校にも在籍しているが、そうした子供たちに対して、学区が交流会を開いたり、地域のNPO、その他の任意団体やボランティア団体が日本語学習支援を開催している。
その中の団体と意見交換しているが、総じて皆から、行政による継続的な支援が必要だという声をもらっている。南区の団体は日本語教育の専門家が主催しており、学区ももちろん関与していて、そこには、ボランティアの学生が市外からも来て子供たちに教えてくれているが、第二・第三・第四土曜日に1時間半ずつ開いていて、ある意味、手弁当でやっている状況である。
残念ながらその教室は、今回の第3次日本語学習支援基金を受けることがかなわなかった。理由として、生徒数やスタッフ、内容については要件をクリアしていたが、残念ながら月3回の開催では駄目で、毎週、週1回以上の開催が必要だということである。県が設けたこの支援基金を受けることができなかったことは、大変残念であったけれども、そうした地域で外国籍児童への日本語学習支援だけに限らず、居場所づくりも行っていて、本当に苦労している。そうした取組を少しでも後押しできる支援をつくっていく必要があると思うので、以下、何点か質問をする。
まず、県は、これまで日本語学習支援基金、今回第3次ということで進んでいるが、どのように地域日本語教室を支援してきたのか伺う。
【理事者】
本県では、2008年度に地元経済界の協力を得て、公益財団法人愛知県国際交流協会に日本語学習支援基金を造成し、地域日本語教室の活動を支援してきた。
2016年度の第2次造成、2022年度の第3次造成に当たっては、県が基金総額の2分の1を拠出し、学習教材費や教室の会場使用料、ボランティアの旅費等に対する助成を継続している。
【委員】
第3次にわたって基金がつくられて、様々支援してきたということである。次の質問だが、県内の地域日本語教室の数を把握していると思うが、その数と、その中の子供向けの日本語教室の数を教えてほしい。また、現在進んでいる第3次の支援基金で助成を受けている教室の数がどれぐらいか、その推移も含めて教えてほしい。
【理事者】
県内では、2025年10月末現在で、地域日本語教室数は235教室、うち、子供向け教室数は133教室となっている。
そのうち、第3次日本語学習支援基金で助成を受けている教室数は、2026年度現在、41団体63教室となっている。
基金による助成教室数は、各教室に対し、国や市町村独自の助成制度の活用を促してきた結果、ピーク時である2019年度の55団体96教室に比べ、徐々に減少してきた。近年は、横ばいとなっている。
【委員】
第3次の日本語学習支援基金の具体的な支援内容についても教えてほしい。
【理事者】
外国につながりを持つ5歳から18歳の児童生徒のための日本語教室を運営する団体に対し、教室運営に必要な経費として、運営費と会場費の合計額を助成している。教室規模、人数により助成額は異なっているが、年間助成額の上限は40万8,000円となっている。
【委員】
一応、今年度で第3次の日本語学習支援基金が終了となる。新たな支援内容をきっと考えていると思うので、そこを教えてほしい。
2023年3月に多文化共生推進室が子供向け日本語教室の実態及び支援に関する調査結果をまとめている。
その冒頭を見ていると、調査の趣旨に、今後、当基金によらない日本語学習支援体制の整備について検討を行うための基礎資料だということが明記されていて、この第3次で終了し、第4次はないということなのだと思うが、その後、どういう支援策が行われるのかを、できれば可能な限り具体的に、現状詰まっているところを教えてほしい。
【理事者】
現行の第3次造成基金が2026年度をもって終了することから、地域日本語教室がある市町村に対して、地域の実情に応じた独自の助成制度の創設などを県から働きかけている。
一方で、NPOやボランティアが日本語教室を開設し、日本語の習得を手助けしていることは、大変有意義な活動であると承知している。
昨年12月定例議会の一般質問において、第3次造成基金終了後の対応について大村秀章知事が答弁しているが、県としても、今後も地域日本語教室をしっかりと支援していく必要があると考えている。
2027年度以降は、現在、県が拠出して新しい基金を造成することも含め、経済団体や市町村など、関係機関との調整を進めつつ、検討しているところである。
【委員】
この調査結果を見ると、県の方針としては、もう基金を造成しないで各市町村に支援の主体を移していく、既に市町村もやっているところがあるけれども、そちらのほうにシフトしていくと理解したが、今の答弁を聞くと、基金の造成も含めて可能性があると理解した。
この調査結果を見ると、行政に対するもの、それから学校、教育委員会、地域の日本語教室に対しても、それぞれの主体に対してヒアリングとアンケートを取っている。なかなか問題だと感じたのは、行政の回答結果であって、2023年当時の話であるから、もう改善されてきていると思うが、半数以上の30の市町村が、特に対応は検討していない、実際にはしていないという回答をしていた。愛知県内で、外国籍の児童生徒がいる市町村は偏りが当然あるとは思うが、2分の1以上が特に何もしていないという回答を出していた。
そういった中で、仮に、今回、愛知県が第3次でこの基金を終わると、今後、市町村に頑張ってほしいと言ったとしても、もう今年度は始まっている。2027年度、そういった事業を各市町村に働きかけるとしても、現状やっているところであれば、多少なりとも理解や準備は早いかと思うが、2023年当時で30市町村が何もしていないという答えであった。県はこの日本語教室を大変重要視していると信じているので、市町村に働きかけはしつつ、ただ、一方で、受け手の市町村の体制がしっかりと整うまでは、県の責任で日本語教室の支援を行っていく必要があると思う。
その要望が一つと、今回、この調査結果に載っていなかったので、付け加えたいが、実際に教室を運営している人に話を聞くと、仮に、公益財団法人愛知県国際交流協会に認めてもらって、月々7,000円の運営費補助を出すとなったとしても、精算が年度末であることによって、主催者が、例えば、借りた物品、教室など、様々な支出を一時的に個人で負担して、精算されるのを待つようなケースがあると聞いた。
金額が多い、少ないという話ではなくて、手弁当でやっている地域のボランティアに、時間だけではなくて、お金も含めて負担を強いるような教室運営にならないように、例えば、年単位ではなくて、1か月とは言わないが、3か月、半年といった区切りで、そういう金銭的な資金援助、支援もしてほしいと思う。
教室が安心して運営できることが何より大切ということをどの教室の人も言っている。そして、さらには、もらう活動費が可能な限り柔軟に運用できることがありがたいと言っている。これから各市町村に働きかけるにしても、もしくは、これまでとは違った形で基金を造成するにしても、そういったところに目配り、気配りして、最大限、地域の教室が持てる力を発揮できるように配慮してほしいと要望して終わる。
【委員】
私からは、本県における女性の活躍推進について質問する。
女性活躍推進法が全面施行されたのは、平成28年4月のことである。それから10年が経過した今年、令和8年、国は新たな段階へと踏み込んでいる。令和8年3月13日には、第6次男女共同参画基本計画が閣議決定され、令和17年度末を見据えた施策の方向性が示された。
令和7年6月に成立した改正女性活躍推進法では、女性活躍推進法の期限が10年間延長されるとともに、常時雇用101人以上の企業を対象に、女性管理職比率の公表が2026年4月から義務化され、制度的な整備がいよいよ本格化してきている。
しかし、現実は、これらの目標から大きく乖離していると思っている。厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査によれば、民間企業の課長相当職以上に占める女性の割合は、全国平均で13.1パーセントにとどまり、帝国データバンクの女性登用に対する企業の意識調査でも、全国平均は11.1パーセントとなっている。女性版骨太の方針2025では、東証プライム市場の上場企業に対して、2030年までに女性役員30パーセント以上を求めていることと比較すると、現状との乖離は依然として大きいと言わざるを得ない。
こうした現状を踏まえ、本県の取組と課題を正面から質問したい。
愛知県庁の職員で見ると、課長級以上の女性管理職比率は、令和7年度4月時点で16.4パーセント、令和8年度4月時点では16.97パーセントと、令和8年度では過去最高となっていて、直近2年でも着実な上昇が見られているとも思っている。
しかし、問題は、県内の民間企業における実態である。本県は、自動車産業を中心にモノづくりとともに発展してきた。全国有数の経済規模を誇りながら、産業構造そのものが男性比率の高い職場環境とも結びついているのではとも思っている。
そこで伺う。
女性活躍について、本県において直近2年の女性管理職の推移、また、全国平均と比べてどのようになっているのか伺う。
【理事者】
本県の女性管理職割合は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2025年は7.9パーセント、前年の2024年は6.3パーセントとなっていて、1.6ポイント増加している。
その一方で、全国平均は、2025年で11.4パーセント、2024年で11.2パーセントであって、本県の女性管理職割合は、全国と比べて低い水準にある。
【委員】
全国と比べると、もちろん比率は低いが、伸び率が高いというところで、直近のこの1年、2年での努力がすごくあったのではないかと推察する。そういったところも踏まえて、本県では、女性活躍推進のために多面的な施策を展開してきたと認識しているが、施策を実施した実績の部分と、施策が実際に効果をもたらした成果の部分では、別物だという視点も重要だと考えている。
令和6年度の愛知県アンケート調査では、女性活躍推進について重視すると答えた企業は74.8パーセントに達する一方で、具体的に取り組んでいるという企業は41.8パーセントにとどまっている。重視しているが、行動に移していない企業が3割以上存在するという事実は、施策が意識の変革までは届いていても、行動の変容には至っていないことを示唆している。
そこで伺う。
本県において、女性管理職を増やすために様々な取組を実施してきたと認識しているが、その取組と実績をどのように評価しているのか伺う。
【理事者】
本県では、女性の活躍に向けた取組を積極的に行う企業を、あいち女性輝きカンパニーとして認証する制度を2015年度から実施していて、この1年間で516社増加し、現在、2,112社を認証している。
このカンパニーの認証では、女性管理職の増加や登用目標を審査項目として設定していて、認証した企業のうち、女性管理職が5パーセント以上増加している企業は428社、登用目標を設定している企業は460社となっている。
また、県内企業で働く女性社員を対象に、2013年度から女性管理職養成セミナーを開催していて、昨年度までの13年間で1,023人の修了者を輩出した。
2023年度からは女性リーダー講演会を開催して、これまでに122人が参加するなど、業種の垣根を越えて女性管理職のロールモデルを提示したり、女性社員の情報交換やネットワークづくりを支援している。
こうした取組によって、本県の女性管理職割合は着実に増加しており、事業の効果は一定程度あったと評価しているが、その一方で、全国平均と比べて依然として低い水準であることを踏まえると、女性管理職の登用に向けた取組を一層推進していく必要があると考えている。
【委員】
それでは、最後の質問になるが、愛知県が令和6年度に実施した企業経営と女性活躍に関するアンケート調査において、県内企業が女性を管理職に登用する上での課題を尋ねたところ、最も多かった回答としては、女性本人が希望しないというものであった。29パーセントの人がそのように回答していた。
これは、全国的に見ても同様であって、帝国データバンクの女性登用に対する企業の意識調査を2024年に実施したものであるが、こちらでは、女性管理職が増えない要因として、女性従業員が昇進を望まないと回答した企業が36.2パーセントに上っていた。
ここで問わなければならないのは、女性が希望しないという現象を、個人の意思や能力の問題として捉えてよいのかという点だと思う。多くの研究と実態調査から、希望しないという回答は、女性個人の資質の問題ではなく、職場環境や組織文化、社会構造が積み重なって形成されたものだと考えている。
その背景には、3層の構造があると私は考えている。
第1は、合理的不利益の計算である。厚生労働省の女性活躍に関する調査では、管理職への昇進意欲を阻む要因として、責任が重くなること、仕事と育児、家事の両立が困難になることが上位に上がっている。特に、愛知県は製造業、自動車産業において、長時間の労働文化が根強い地域であり、管理職になることで、得より損をするという認識が形成されやすい環境にあると思う。これは、個人の問題ではなく、労働環境の設計の問題だと考える。
第2は、ロールモデルの不在による自己抑制のスパイラルである。女性管理職が少ない職場では、昇進後の自分のキャリアイメージを描くことが難しく、自分のような人間が管理職になれるとは思えないという認識が形成されやすい。これは、少数であることが新たな少数を再生産する構造的な悪循環であって、まずは、初めの1人を意図的につくることで、その連鎖が変わると実証されている。
第3は、インポスター症候群と呼ばれる心理的なメカニズムである。これは、自分の成果を正当に評価できずに、自分はその地位にふさわしくないと感じる傾向のことで、女性に多く見られることが心理学の研究でも確認されている。
これは、個人の性格ではなく、リーダーシップイコール男性的特性であるというステレオタイプを組織が内包していることで形成されるものであって、研修や評価制度の変革によって緩和できると考えている。
2026年4月には、女性管理職比率の公表が101人以上の企業に義務化された。見える化が進む中で、単に数値を公表させるだけでなく、希望しないという実態の構造的背景に踏み込んだ施策を設計していかなければ、数値目標の達成はなかなか難しいのではないかと考える。
そこで伺う。
2024年8月に愛知県が実施した企業経営と女性活躍に関するアンケート調査結果によると、女性を管理職に登用する上での課題のうち、最も多かったものが、女性本人が希望しないことである。その背景をどのように分析し、これからの取組に生かしていきたいと考えているのか伺う。
【理事者】
女性を登用する上で、女性本人が希望しないという課題がある一方で、同時期の2024年8月に本県が実施した県民向けの男女共同参画意識に関する調査によると、管理職以上に昇進することについて、責任が重くなるとの回答が男女とも最も高く、女性で73.7パーセント、男性で77.8パーセントとなっている。また、仕事と家庭の両立が困難になるとの回答については、女性が40.4パーセントに対し、男性24.0パーセントと、男女間で最も大きな差が見られるなど、特に女性において仕事と家庭の両立への不安が大きいことがうかがえる。
こうしたことから、女性が管理職を希望しない背景には、その責任の重さに対する不安に加え、仕事と家庭の両立に対する懸念があるものと認識している。
そこで、本県としては、引き続き、女性管理職養成セミナーや女性リーダー講演会を開催して、管理職に必要なスキルの習得や、ロールモデルとの交流を通じて、管理職になることへの不安を払拭するとともに、あいち女性輝きカンパニー認証制度によって、企業における仕事と家庭の両立支援に向けた取組を促していく。
さらに、今年度、新たに、家庭内における固定的な性別役割分担意識の見直しを促すため、家族向けセミナーを開催する。具体的には、県内2か所で各20組を対象に、家事分担やファミリーキャリアについて家族で意見交換を行うグループワークを実施していく。
今後とも県としては、女性が生き生きと働き続け、管理職への登用に対して前向きに考えられるよう、しっかりと取り組んでいく。
【委員】
要望して終わりたい。
様々な取組をしている中で、私も男性と女性で家事と仕事の両立についての考え方が違うというのは、すごく印象的だと思っていて、まさにこの取組を進める上では、男性と女性をしっかりと公平に捉えていくことが必要であると私は思っている。男女間での逆差別みたいなものも、同時にここは払拭していかないといけないと考えている。
株式会社パーソル総合研究所の研究によると、女性活躍に対して懐疑心や抵抗感があるというようなデータも上がってきている。企業の中で、女性活躍施策への懐疑心について定量調査を行った際に出てきた回答結果だと、自社の施策は法律の改正に合わせて行っているだけで、自社の施策は表面的な世間体を整えているだけであり、実際には効果が薄いと回答している比率が最も高かった。しかもそれを答えている人が、男性よりも女性のほうが多いという結果があった。
数値的な部分を求めているばかりであり、他社の好事例をまねしているだけだと、実際に中で働いている女性からもそういった不満が上がっている。同時に、その結果を見ている男性からも男女共同参画と言いながら女性ばかりの施策であって、女性を優遇しているだけであると、そういった反感も生まれてくると、本当に目指すべき男女共同参画というものが、より遠のいてしまうと思っている。
こういった男女共同参画を進める際には、逆差別の部分もなくしていくこと、そういった意識を払拭していくことも県の課題として捉えていかなければいけないとも思っている。
同時に、家事とライフイベントと仕事の両立、ここも非常に重要な観点であると思っている。
あいち女性輝きカンパニーの中で、項目としても様々あるかと思う。育児や介護に関する休業後の復帰に当たっての支援を行っていること、こういったこともあいち女性輝きカンパニーの項目の中に含まれていると思っている。これは、別のテーマでのデータであるが、女性の東京都への流出、こちらに関してのアンケートの中では、やはり女性であっても、自分の能力を生かせる仕事をしていきたい、また、社会のために役立つ仕事をしたい、そして、残業がない職場で働きたい、こういった声は非常に多かったことを含めると、もちろん制度を整えていくことと同時に、女性であっても男性であっても、働く中での自己実現、社会に対しての貢献、こういったものを求めているということは、非常に重要な視点であると思っている。
なので、出産や結婚、こういったライフイベントがあっても、男性も女性も同様に、それらを両立しながら、自分の自己実現を社会とともに果たしていくこと、そして、それを応援するような愛知県であってほしいと私は思っている。
最後に、男女での賃金の同一という部分について要望する。
2026年3月23日に、あいち女性輝きカンパニーのウェブページの中に、男女の賃金差異の情報公表に向けた取組ガイドのウェブページを作成し、実際の企業へのアンケートを取り入れたページを追加してもらった。これは、男女での賃金の格差、また、差異の解消に向けた取組の施策を、実際に愛知県がインタビューして取り上げた。こういった施策は非常に重要だと思っていて、今は4社しかないけれども、こういった企業がより多く声を上げるようになって、男性であっても、女性であっても、同一の福利厚生、賃金関係を持って施策を整えている愛知県であることが、しっかりと全国に向けてもアピールできるようになっていけるとなおよいと思っている。
こういった施策をより強固に進めていってほしいと最後に要望して、私からの質問とする。
【委員】
私は、昨年8月20日、名古屋市中区役所ホールで開催された令和7年度少年の主張愛知県大会に参加し、選抜された14人の中学生が、自身が作成した作文を発表するのを聞いた。中学生らしい、飾りのない素直な文体と、饒舌でなく、一生懸命な発表の姿に大いに感銘を受けた。

令和7年度 少年の主張愛知県大会
最初の質問である。
少年の主張愛知県大会の事業目的について伺う。
【理事者】
委員には、昨年度の本大会に愛知県議会副議長として参加してもらうとともに、その際の生徒の発表を高く評価してもらい、礼を言う。
本事業の目的について答える。
昨年3月に策定した愛知県こども計画はぐみんプラン2029において、基本施策の一つに、子供、若者の社会参画、意見反映の機会の充実を掲げており、本事業は、その中の子供、若者の主体的な取組を応援する事業の一つとして位置づけている。
具体的には、中学生が日頃の生活を通じて考えていることや実践していることなどを作文にまとめ、自ら発表することで、思考力、判断力、表現力を高め、自主性や社会性を培うことを目的とするとともに、発表を聞いてもらった県民に、青少年の健全育成に対する理解を深めてもらうことも意図している。
【委員】
この大会は愛知県では、いつから開催しているのか、回答を求める。
【理事者】
本大会は、少年の主張全国大会が、国際児童年を記念して1979年度から開催されたことに合わせ開始したもので、本年度で48回を迎えるものである。
【委員】
長い歴史のある大会であることが理解できた。
令和7年度大会は、何人の中学生が参加しているのか、また、参加学校数は何校か、回答願う。
【理事者】
昨年度の大会には3万3,831人、240校に参加してもらった。
【委員】
令和7年度の本大会には14人が出場しているが、出場者の選出はどのようにして決定されるのか伺う。
【理事者】
出場者の選出については、作文による三段階の選考を経て決定している。
まず、各学校における選考により、代表1人を選出してもらう。次に、各地区の教育事務所等において中間選考を実施し、最後に、名古屋市及び尾張ブロック、西三河ブロック、東三河ブロックの三つのブロックごとに、教育事務所の教員や県民事務所の元教員など、複数の委員による審査を実施して決定している。
【委員】
これまで47回開催されているが、第1回大会から今までの参加人数と参加校の推移を答えてほしい。
【理事者】
第1回の大会の参加人数は344人、参加校数は110校であった。その後、参加人数、参加校数とも増加し、最多参加人数は、1989年度の8万3,012人、最多参加校は、2013年度の312校である。ここ10年ほどは、参加人数5万人、参加校数300校程度で推移していたが、コロナ禍の2020年度において3万1,940人、219校まで減少した。翌2021年度には3万9,517人、262校まで回復したが、その後のここ5年間では減少傾向にあり、参加人数が約15パーセント、参加校数が約8パーセント減少している。
【委員】
減少傾向にあるという回答を得た。その要因は何だと考えているか。また、減少傾向にあることをどのように捉えているのか、回答を求める。
【理事者】
減少傾向の要因としては、生徒数自体の減少に加え、コロナ禍以降は、参加学校数が減少するとともに、参加している学校においても、これまで全校生徒や学年全体で取り組んでいた規模を縮小していることが理由の一つであると分析している。
一方、2025年度の参加人数については、全国で2番目に多い数であり、また、参加校数についても、開催要領を送付している県内中学校等の半数を超える学校に自主的な協力をしてもらっており、各学校における取組には大変感謝している。
参加校及び参加生徒の減少は望ましいことではないので、今後も各地区の小中学校長会において事業説明を実施するなど、できるだけ多くの学校、中学生に参加してもらえるよう丁寧な周知に努めるとともに、昨年度から開始した大会の様子をユーチューブで配信するなどの新たな取組により、中学生により興味を持ってもらい、応募につなげていきたいと考えている。
【委員】
14人の選抜された生徒は、すばらしい作品を作成した努力が評価されて、晴れの舞台で発表している。立派なことである。
この大会で最も重要視すべきことは、昨年度参加した3万3,831人の大勢の生徒が、作文を自ら考え、推敲を重ね、作成したことにあると考える。
作文は、自己表現方法としては古典的なものである。自分の考えを表現する今どきの手法には、ショート動画がある。映像と音楽、そして文字は極力少なくして、情感に訴えるようなショート動画は、若者はもちろん、高齢者にまで圧倒的な支持を得ている。ショート動画で自分の意見を表明することを決して否定するものではないが、多感で伸び代ある中学生が、古典的な手法である作文にいそしむことは、とても重要なことと考える。
担当局としては、半世紀近くも同じ手法をかたくなに守り、作文にこだわってきた理由を聞かせてほしい。
【理事者】
作文は、中学校の国語の授業と密接な関係にあり、文部科学省が策定する中学校学習指導要領において、書くことに関して身につけるべき事項として、目的や意図に応じて、社会生活の中から題材を決め、集めた材料の客観性や信頼性を確認し、伝えたいことを明確にすることや、表現の仕方を考えたり、資料を適切に引用したりすることなど、自分の考えが分かりやすく伝わる文章になるよう工夫することなどが挙げられている。
こういったことから、少年の主張で作文を作成することは、国語の授業で学んだ内容を実践できる場として、委員の指摘のとおり、大変有意義であると我々も捉えている。
【委員】
47回の長い歴史ある大会において、社会情勢の変化もあるが、中学生らの主張にも変化はあるか。
【理事者】
発表者自身の身近な体験を基に主張すること自体に変化はないが、この10年の本大会の発表内容を見ると、以前は、発表者自身や家族らが障害や病気を乗り越え、助け合いながら前向きに生きていきたいというような主張が多かったが、近年は、より幅広い視点での主張が増えたと感じており、特に、多文化共生やLGBTQ等の多様性をテーマとしたものが増加している。
そういった意味でも、少年の主張愛知県大会での中学生の主張は、時代の変化を敏感に反映したものであると捉えている。
【委員】
外国にルーツを持つ子供たちも参加しているが、彼らの参加によってどのような影響が見受けられるのか、答えてほしい。
【理事者】
先ほども言ったように、多文化共生をテーマとした主張も近年増加しており、多文化共生に関心のある中学生も増加していると感じている。
また、外国にルーツを持つ生徒が大会で発表したり、毎年度作成している発表文集に作文が掲載されることで、県内の中学生が多文化共生について自分事として捉える機会になっていると受け止めている。
さらに、中学生のみならず、本大会や動画配信を見た県民にも、外国にルーツを持つ中学生の思いを聞いてもらうことにより、多文化共生がより身近な話題と感じてもらっているのではないかと考えている。
【委員】
生成AIを使って作文を作ることが可能となった今、作者が推敲を重ねて、自力で作成した作文なのか、あるいは、生成AIを利用して作成した作文なのか、見分けはつくだろうか。
また、生成AIを全面的に利用する、または一部利用して作成した作文を、少年の主張大会にエントリーした場合、当局はどのように考えるのか、回答を求める。
【理事者】
まず、生成AIで作成した作文の見分けがつくかとの尋ねについてだが、生成AIかどうかを判定する方法の一つとして、生成AIチェッカーと呼ばれるAI技術を使ったツールの活用が考えられるが、本事業の審査では使用していない。
その理由は、生成AIチェッカーは、文書の語彙の偏りや言い回しの特徴を、統計的、機械学習的に分析し、生成AIが作成した可能性を数値で表示するが、完全に生成AIか人間かを断定することは難しく、あくまで参考値として利用される。このため、中学生が一生懸命に書いた作文を、万が一にも誤って、生成AIが作成したと判断してしまうことがあってはならないと考えている。
また、生成AIが作成した作文で本大会に応募するような行為は、さきに説明した本事業の目的に沿わないと考えている。本事業の募集案内には、応募する作品について、自分の言葉でまとめるようにと記載している。
中学生が自分の言葉で表現した大切な作文をしっかりと選考し、表彰していくことで、中学生の健全な成長に資する機会となるよう、今後も取り組んでいきたいと考えている。
【委員】
私は、本日、県担当者に生成AIを使って作成した作文を提出した。私自身が今、中学3年生と仮定して、生成AIに全面的に手伝ってもらって作成したものである。私が幼い頃の実体験が半分、全くの想像によるものが半分ぐらいの内容を生成AIに投入し、数回推敲を重ね、作成した作文である。この作文について、生成AIが関わっているか否か、判断はつくだろうか。
【理事者】
委員から今朝もらった作文を、さきに説明した生成AIチェッカーにかけてみた。その結果、生成AIが作成した確率が33パーセント、人間である確率が67パーセントと出た。この結果から見ても、生成AIで作成したものであるかの判断は、完全にはつかないと考えている。
【委員】
私が生成AIに作らせたこの作文の出来はどれほどのものか、回答を願う。
【理事者】
委員の実体験に基づく、大変分かりやすい作文であったと思うが、私個人的には、昨年度の大会で委員に高い評価をもらった生徒の主張のような感動にまでは至らなかった。それは、文字数自体が本大会の作文より少なく、大会は1,600文字程度、委員の作文は、500文字程度であったので、そういうこともあるとは思うが、作者の心情に関する表現が浅く、正直、中学生の作文としては物足りないと感じた。
文部科学省が2024年12月に公表した初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドラインでは、生成AIのリスクを理解した上で、最後は人間が判断し、生成AIの出力結果を踏まえた成果物に自ら責任を持つという基本姿勢が重要であるとされている。生成AIをどう活用するかは、使う側次第と考えている。
繰り返しになるが、我々としては、中学生が自分の言葉で表現した大切な作文をしっかりと選考し、表彰していくことで、中学生の健全な成長に資する機会となるよう、今後も取り組んでいく。
【委員】
要望となるが、大会に出場した14人の中学生は、作文することに加えて、大勢の聴衆の前で発表するという緊張感ある貴重な体験をすることになった。すばらしいことである。
一方、本大会の大切なことは、出場した限られた生徒のための大会ではなく、本大会に出場はできなかったけれども、生徒たちが悪戦苦闘して作文作りに汗をかいたことにあると考える。
これからも多感な中学生にとって、古典的な作文作りの場所を続けるよう願う。
そして、より多くの生徒が参加できるような工夫も講じてほしいと考える。
強く要望して質問を終わる。
【委員】
私からは、修学旅行等における生徒の安全確保について、端的に伺う。
今年の3月、記憶に新しいところであるが、京都府内の高等学校において、校外活動中に生徒に死傷者が出る重大な事故が発生した。亡くなった生徒には、心からお悔やみを言いたいと思う。
この事故に関連して、本県の私立高校の状況について何点か伺いたい。
まず、学校教育上、修学旅行はどのような位置づけになっているのか、教えてほしい。
【理事者】
修学旅行の学校教育上の位置づけについてであるが、国が定める学習指導要領において、高等学校の教育課程は、国語や数学といった各教科科目、総合的な探究の時間及び特別活動で構成されている。
このうち特別活動は、ホームルーム活動、生徒会活動及び学校行事によって構成されており、修学旅行は、旅行・集団宿泊的行事として学校行事の中に位置づけられている。
【委員】
この修学旅行だが、県立高校において実施する場合には、日数、旅行費用、あるいは引率教職員の人数など、県教育委員会が定める基準に従って企画する必要があって、その内容について事前に届け出ることとされている。
他県だと、保護者への説明、あるいは同意取得というものまで細かく求めているところもあるようであるが、それでは、私立高校の修学旅行について、本県では、そうした県立高校のような基準を設けているのか、あるいは、事前に県に届け出るよう求めているのか、教えてほしい。
【理事者】
私立高校の修学旅行については、県立高校のように、日数や旅行費用、引率教職員の人数などを定めた基準はなく、各学校が建学の精神や特色ある教育方針を反映し、各学校の責任において企画するものとなっている。
また、各学校から県への事前の届出についてであるが、国内旅行の場合は届出を求めておらず、県として各学校の旅行先等を把握していない。
一方、旅行先が海外の場合は、国の通知により、行き先や期間、参加人数、フライト番号、現地宿泊先、連絡先などを出発日の15日前までに県並びに外務省及び文部科学省に届け出てもらっている。
【委員】
旅行先が海外の場合は、要するに邦人保護の必要性があるということで、国のほうも県のほうも内容を承知しているということであるが、国内については、県では日程も行き先も把握していないということであるので、生徒の安全は専ら各学校に委ねられていることになる。
今、話があったように、私立学校は建学の精神に基づいているので、独自の教育を実施することについては承知している。したがって、県の関与が限定的にならざるを得ないものであることは認識している。
そうした中で、やはり重要となるのは、生徒の安全のため、どのような体制を敷くのかであるが、その点、各学校で作成が義務づけられている危機管理マニュアルがあるが、まず、この危機管理マニュアルの法的な位置づけについて教えてほしい。
【理事者】
危機管理マニュアルとは、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の実情に応じて、危険等発生時において、当該学校の職員が取るべき措置の具体的内容及び手順を定めた対処要領である。この対処要領は、学校保健安全法において全ての学校が作成することを義務づけられている。
【委員】
全ての学校が作成するよう義務づけられているということである。
この事故を受けて、当該事故のあった高校の所在地である京都府では、各学校の危機管理マニュアルを点検して、修学旅行などの校外活動の安全対策に不備のある学校には見直しを求めたという報道もあった。
そこで、今回の事案を受けて、本県においては、今後、各学校の危機管理マニュアルについてどのように対応していくのか、教えてほしい。
【理事者】
これまで本県においては、国が定めた学校の危機管理マニュアル作成の手引及び学校の危機管理マニュアル等の評価・見直しガイドラインを各学校に周知し、各学校が適切に危機管理マニュアルを策定し、必要に応じて見直しをするよう促してきた。
また、全私立学校設置者を対象として実地検査する指導検査において、危機管理マニュアルの策定状況等を確認している。
危機管理マニュアルは、一度作成すればよいというものではなく、学校を取り巻く様々な状況の変化や、国内外で発生した事故・災害事例の教訓などを基に、常に見直し、改善を行うことが必要なものである。
各学校に対しては、生徒の安全確保のため、各学校の危機管理マニュアルを適宜適切に見直すよう、今後も引き続き指導していきたい。
【委員】
ぜひ、引き続き、適時適切にこのマニュアルの運用状況についてフォローアップしてほしいと思う。
先ほど披瀝があったように、学校保健安全法の第29条にこの危機管理マニュアルがうたわれているが、その要請は、生徒側が安全を求める権利というよりは、学校が危機管理マニュアル等を作成して安全を確保する義務は学校にあるということだと思う。
ともすると、旅行先費用の見積りを取るので、旅行会社が介在する。旅行会社任せにならないとも限らないわけであるが、旅行会社の介在にかかわらず、学校は、主体性を持って、しっかりとした自覚を持って、生徒の安全確保に万全を期さなければいけない。そういうつもりがあるかどうかというところまで掘り下げて、しっかりフォローアップをしてほしいと思う。
最後になるが、今取り上げたように、公立高校と私立高校では、修学旅行について取扱いが違うと当然ながら疑問が上がるので、国のほうではその整理がされつつあると承知している。
先ほども披瀝があったが、私立学校法でその目的はうたわれていて、私立学校の特性に鑑みて、その自主性を重んじるということである。私立学校の自主性とは、つまり、私立学校が私人の寄附、あるいは財産等によって設立されたものであることに伴って、その運営を自立的に行う性格を持つと解釈されていると私自身、認識している。一方で、公の教育を担う機関で、とかく私学助成の際には、私学側からもそういう主張がされているわけであるから、公立にあって私立にないが公立並みの自覚、あるいは実務的な体制を含めた処置をしてもらわなければいけないと思う。繰り返しになるけれども、必要に応じて見直しなどをマニュアル等についてする際には、ぜひ、そういうことにも配慮しながら対応するよう願い終わる。
【委員】
私からは、外国人県民の子育て支援について伺う。
先日、西三河地域で、外国人県民の子供たちに対して学習支援や生活支援、また、居場所づくりといった支援活動を20年以上前から行っているNPOの話を聞かせてもらう機会に恵まれた。このNPOは、幼児から児童生徒、時には成人、社会人に至っても、こういった外国人県民の子供の支援活動を幅広く行っているということであった。

愛知県多文化共生シンボルキャラクター タコスくん
その中で私がすごく気になったことが一つあって、それは、NPOのメンバーは、外国人県民の子供たちの日本語能力の課題もさることながら、それ以前の、いわゆるダブルリミテッドの壁、この壁の厚さと高さを強く感じるというそんな懸念を訴えた。
このダブルリミテッドであるが、幼児期の保護者とのコミュニケーションの在り方などが大きな原因の一つとされており、そのダブルリミテッドは、やがてその子が児童生徒、時には成人に至って、技術的には十分な日本語能力を身につけた後でも影響し、不登校などを含む多くの課題に強く影響を及ぼすと感じているということだった。
そこで、県民文化局では、このダブルリミテッドへの対応も含め、乳幼児の子供を育てる外国人県民と地域をつなぐ多文化子育てサロンの開催を支援していると聞いているが、県内の多文化子育てサロンについて、その実施状況についてまず伺う。
【理事者】
多文化子育てサロンであるが、外国人親子と日本人親子が交流を楽しむ活動を通じて、子育て世代の外国人保護者に対し、乳幼児期の言語習得に大切なポイントや日本における育児に関する情報を提供し、日本語能力の育成と子育ての不安解消を図る貴重な場であり、県内には、2024年度時点で20市21団体に設置されている。本県で多文化子育てサロンの設置促進に取り組み始めた2018年度の7市8団体からは倍以上の設置数となっている。
【委員】
このサロンの設置促進に取り組み始めた2018年度から増えているということで、これは喜ばしいことだと思うが、県では、これらの多文化子育てサロンのさらなる普及に向けた多文化子育てサロン普及説明会を開催していると聞いているが、その実施状況と今後の計画について伺う。
【理事者】
多文化共生推進室では、2018年度から多文化子育てサロン普及説明会を開催し、多文化子育てサロンの取組が県内各地に広がっていくよう、市町村担当者やNPO、保育士などを対象に毎年説明会を開催している。
2025年度は、愛知淑徳大学の鈴木崇夫教授による講演や、多文化子育てサロンに取り組む団体の事例発表を行い、市町村担当者や保育士など40人の参加があった。
今年度についても、県内一、二か所で引き続き開催する予定であり、こうした取組を通じて、外国人の乳幼児に対する日本語教育、家庭教育の支援に努めていきたいと考えている。
【委員】
この多文化子育てサロンやその主催者に対して支援している、それを少しでも広めているということであるが、ダブルリミテッド、先ほど言ったこの課題に対して、多文化共生推進室としてどのように考えて、どのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
多文化共生推進室としては、2017年度に本県独自に作成した多文化子育てサークル実施マニュアルにおいて、家庭内では無理に日本語の使用を優先するものではなく、親自身が最も得意で、気持ちや考えが伝わる言葉で日々子供とやり取りをすることが重要とする内容を盛り込んだ冊子を配付し、啓発に努めている。
また、2019年に施行された日本語教育の推進に関する法律では、幼児期及び学齢期にある外国人等の家庭における教育等において使用される言語の重要性に配慮が必要であるとの基本理念が示されたことから、多文化共生推進室としても、この基本理念を踏まえ、多文化子育てサークル実施マニュアルも活用しながら、引き続き適切に対応していく必要があると考えている。
今後も多文化子育てサロン普及説明会において適切な情報提供に努め、ダブルリミテッドへの理解が一層広がるよう、引き続き普及啓発を図っていく。
【委員】
課題意識を持って事に当たっていることであるので、安心したが、少し考えてみると、2017年から始めて、今、2026年のこの期に及んでも、NPOがそういった不安感を持っていることをぜひ重く受け止めてほしいと思う。
もちろん県行政としては、日本語をしっかり習得してもらう、これも大事であるが、先ほど冒頭言ったが、やはり外国人県民の子供が成長するに従って、大きな課題、もしくは問題の種になる可能性のあるダブルリミテッドの問題、これを早期に対応して、しっかり解決していく、そんな環境づくりをしっかり進めるよう願い、質問を終える。





