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県民環境委員会審査状況(令和8年6月24日)

ページID:0666210 掲載日:2026年10月2日更新 印刷ページ表示

県民環境委員会

委員会

日時 令和8年6月24日(水曜日) 午後0時58分~午後1時58分​
会場 第6委員会室
出席者
 朝倉浩一、浦野隼次 正副委員長
 神野博史、須崎かん、石井芳樹、新海正春、南部文宏、村瀬正臣、森井元志、江原史朗、
 井上しんや、柴田高伸 各委員
 環境局長、同技監、環境政策部長、地球温暖化対策監、資源循環推進監、関係各課長等

県民環境委員会の審査風景画像​
委員会審査風景

付託案件等

議案

なし​

閉会中継続調査申出案件
  1. 文化芸術の振興及び文化財の保護について
  2. 青少年の健全育成及び県民・NPOとの協働の推進について
  3. 男女共同参画社会の形成の促進について
  4. 生活環境及び自然環境の保全について
  5. 地球温暖化対策について
  6. 県民文化局及び環境局の行政運営について

会議の概要

  1. 開会
  2. 一般質問
  3. 閉会中継続調査申出案件の決定
  4. 閉会中の委員会活動について
  5. 閉会
主な質疑
一般質問

【委員】
 先進環境対応自動車導入促進費補助金について三点伺う。愛知県はSDGsの実践と脱炭素化を重要な政策目標として掲げており、本補助金もその一翼を担うものとして位置づけられている。私は環境政策そのものには非常に賛成である。ただ、限りある県民の税金を投入する以上は、本当にCO2が削減されているのか、また、費用対効果は適切なのか、倫理的にもそれが適切かどうか、そういった三つの観点から客観的に検証する責務が議会にはあると考えている。
 以下、三点にわたって当局の見解を伺う。
 まず、基本的な事実の確認からである。本補助金は、令和8年度の当初予算として3億738万2,000円が計上された事業である。中小企業や運送事業者などを対象に、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)の導入費用の一部を補助するものである。
 議会として補助事業を評価する出発点は実績の把握かと思う。いかなる政策効果の検証も、どこに幾ら、何台分の公金が使われたのかという事実の把握が重要である。特に、環境補助金においては、補助した車種の内訳によっても、実際のCO2の削減効果は大きく異なってくると思う。
 EVは、走行段階のCO2はほぼゼロというところは非常に評価すべき点だと考えているが、後述するとおり、ライフサイクル全体では評価が複雑である。PHVは、エンジンとモーターを併用するため、走行実態に応じてCO2の削減効果が変動する。FCVは、水素製造段階の電力源によって評価が分かれる。こうした車種ごとの特性を踏まえた上で実績を精査することが政策検証の第一歩となると考えている。
 そこで、令和7年度における本補助金の補助実績と、令和8年度の進捗状況を伺う。
【理事者】
 令和7年度の補助実績は、EVが418台、PHVが454台、FCVが31台の合計903台である。補助額は、EVが約1億8,700万円、PHVが約4,500万円、FCVが約1億6,400万円の合計約3億9,700万円となっている。
 次に、令和8年度の5月末時点での申請台数は、EVが74台、PHVが36台の合計110台である。申請額は、EVが約2,900万円、PHVが約400万円の合計約3,200万円となっている。令和8年度は昨年度の同時期と比べ、申請台数、申請額ともに上回っている。
【委員】
 やはりEVが非常に多いことがわかった。
 続いて、本補助金制度の根幹となる環境効果の妥当性について伺う。
 先述のとおり、EVは走行中にCO2を排出しないという点は最大のセールスポイントだと思っている。しかし、自動車の環境負荷を正確に評価するには、製造、使用、廃棄に至るまでの全過程を通じたライフサイクルアセスメントが不可欠である。
 スウェーデンの自動車メーカーのボルボ・カー・コーポレーションが2021年に公表したライフサイクルアセスメントの報告書によると、EVはその心臓部であるリチウムイオンバッテリーの製造段階において、同クラスのガソリン車と比較すると、製造時の温室効果ガスの排出量が約70パーセント多くなるとのことであった。
 EVは購入した時点で、既にガソリン車よりも大量のCO2を先払いしているような状態になっている。この製造時の先払いCO2を走行中の削減効果で取り戻すには、一定以上の走行距離を走らなければならない。ボルボの報告書では、損益分岐点を7万キロメートルから11万キロメートルと試算していた。EVがトータルで、ガソリン車よりもエコで地球に優しいとなるには、それだけの距離を実際に走り切ってからの話になる。
 日本でEVを充電すると、その電力の相当割合が石炭や液化天然ガス(LNG)によって発電されているので、走行時のCO2ゼロという表現には、発電段階のCO2もかなり見えにくくなっている側面があることも認識している。
 さらに、ここで深刻なのが日本人の実際の走行実態との乖離である。ソニー損害保険株式会社が2024年に公表している全国の自家用車ユーザーの年間走行距離実態調査によると、自家用乗用車の年間走行距離は6,972キロメートルとなる。また、一般社団法人自動車検査登録情報協会の最新統計によると、乗用車の平均使用年数は13.35年となる。この二つを掛け合わせると、大体、平均的な生涯走行距離は9万キロメートルになっていた。この数字は、先ほどの損益分岐点7万キロメートルから11万キロメートルというところでいくと、ぎりぎり達成するかしないか、ちょうど真ん中に当たるところになる。したがって、こうしたライフサイクルアセスメント全体で見たときに、必ずしもEVが普及していくこと、全てがEV、PHV、FCVになることで二酸化炭素がゼロになるとは言いづらいのではないかと私は思っている。
 また、サプライチェーンに関しても、SDGsの理念と少し矛盾するのではないかと私は考えていた。EVバッテリーの正極材に不可欠なコバルトは、コンゴ民主共和国にほぼ一国集中しており、様々な資料から、人権的にどうなんだという指摘もある。リチウムの主要産地である南米チリのアタカマ塩湖では、大量の塩水をくみ上げて蒸発させる手法が用いられていることからも、環境や人権の部分で問題があるのではないかと指摘されている。
 EUでは、2023年に施行した欧州バッテリー規則では、バッテリーサプライチェーン全体における人権や環境デュー・ディリジェンスを法的に義務づけた。
 そこで伺う。EV等におけるライフサイクル全体でのCO2削減についての環境局の考え方を示してほしい。
【理事者】
 本県が2022年12月に策定したあいち地球温暖化防止戦略2030(改定版)において、2020年に示された国際エネルギー機関のデータを基に、EVとガソリン車のライフサイクル全体におけるCO2排出量を比較したところ、10年で15万キロメートル走行すると仮定した場合ではあるが、EVの排出量がガソリン車に比べて約3割下回る結果となっている。
 また、2030年度における国のエネルギー需給見通しによると、発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーの割合は、2019年度の18パーセント程度から、2030年度には36パーセントから38パーセントまで拡大し、エネルギーの脱炭素化が進んでいく見込みとなっている。
 これに伴って、EV等のライフサイクル全体のCO2排出量についても一層削減が進むと考えられることから、カーボンニュートラルを達成するための重要な施策の一つとして、今後もEV等の普及に取り組んでいく。
【委員】
 最後に、本県全体の脱炭素化戦略における予算配分の戦略的な妥当性と局横断的な連携体制について伺う。
 愛知県が2026年3月に公表した2023年度の温室効果ガス総排出量は6,874万トンCO2で、最低値を更新した。これはかなり前向きなデータだと思っていて、一昨年、2022年度から比較しても1.9パーセント減で、実際に減らせていることは、事実として非常に前向きなデータだと捉えている。
 ただ、愛知県のCO2排出構造の最大の特徴は、やはり産業部門が全体の52.7パーセントを占めていることだと思う。この割合は全国平均の34.3パーセントをかなり上回っていて、これはやはり産業構造上、自動車産業、モノづくり分野で排出が非常に多くなってしまう構造にある。
 一方で、本補助金が対象とする運輸部門の排出量は18.9パーセントとなっていて、産業部門の3分の1ほどになっている。仮に愛知県内の全ての自動車が完全にEVに置き換わったとして、運輸部門の排出量が理論上ゼロになったとしても、産業部門の52.7パーセントがそのままであれば、県全体のCO2はなかなか減っていかない。
 加えて、愛知県における脱炭素化の推進は、環境局単独で完結できる課題ではない。複数局にまたがる政策は縦割りのままではなかなか進んでいかない。
 そこで、EV等を増やすこと以外のCO2削減に向けた取組を、今後どのように部門横断的に展開していくのか伺う。
【理事者】
 本県では、あいち地球温暖化防止戦略2030(改定版)に基づき、自動車をはじめとする運輸部門だけでなく、産業、業務、家庭部門など、全ての部門の対策を進めることとしている。
 例えば、排出量が一番多い産業部門については、大企業等の温室効果ガスの排出量が相当程度多い事業者に対して、愛知県地球温暖化対策推進条例に基づき、地球温暖化対策計画書及び実施状況書の提出を義務づけるとともに、現地調査や助言等を実施し、自主的かつ計画的な削減を促進していく。
 また、中小企業等に対しては、金融機関や経済団体、行政機関等から成るあいち脱炭素経営支援プラットフォームを核として、相談窓口の設置や無料の省エネ診断による支援などを行っていく。
 なお、委員指摘のとおり、各局においてもそれぞれのステークホルダーに関わる地球温暖化対策を実施していることから、庁内会議の開催などを通じて、各種施策を総合的かつ計画的に推進している。
 今後も、各局等と連携しながら、全ての部門において、徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの導入拡大を促進するとともに、新たな脱炭素プロジェクトの創出支援などを実施していく。
【委員】
 部門を横断した脱炭素化の取組の推進の強化、また、本施策、先進環境対応自動車導入促進費補助金のPR、公表に向けた努力をより一層強化することを要望する。
 私も前職で実はSDGsの推進に関わっていた。やはり大事な要素として、全ての目標を同時に達成することがSDGsの理念の中に含まれていると思う。
 環境部分ももちろん大事であるし、それ以外のところも含めて愛知県全体で一体となって、課題は多いかもしれないが、同時に強化して取り組んでいくことが環境に対して根本的な取組かと思う。ぜひその取組を強化してほしいと要望して、質問を終わる。
【委員】
 私からは、特定外来生物であるオオキンケイギクについて質問する。
 オオキンケイギクは1880年代、明治中期に観賞用として日本に導入されたと聞いていて、そのときは緑化用として種子が全国にばらまかれて、今では道路の脇や河川敷、海岸などできれいに黄色い花を咲かせてよく目立っている。私も木曽川の堤防道路を車で走っていると、きれいに咲いているなと見ているところだが、2006年の2月に特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律で特定外来生物に指定され、栽培、保管、運搬が禁止されたと聞いている。
 私の地元、江南市でも、オオキンケイギクに関して、様々な駆除活動をしているところである。参考に紹介すると、地元の古知野高等学校福祉ボランティア部の生徒たちが外来種のオオキンケイギクの駆除活動のアンケート等を行っていて、昨年も藤まつり、曼陀羅寺公園において大村秀章知事が来訪した折に、大村秀章知事にもアンケートをして、協力してもらっている。私も江南市の行事のときにオオキンケイギクのアンケートがあったので、協力した。そして、地元企業も江南市の環境課と連携して、駆除活動を行っている。そういった活動が広がりつつあって、年々、参加企業も増えてきていると聞いている。
 国の外来生物法で指定した特定外来生物は、全国で動物が143種類、植物が19種類の計162種類が指定されているが、愛知県においては動物が29種類、植物13種類の合計42種類が確認されて、オオキンケイギクはこの植物の13種類の一つと聞いている。
 そこで、まず、オオキンケイギクが特定外来生物に指定されている理由、影響について伺う。
【理事者】
 特定外来生物とは、海外起源の外来種であって、外来生物法に基づいて、自然の生態系、人の生命や身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、または及ぼすおそれがあるものの中から国が指定しているものである。
 オオキンケイギクは、強い繁殖力で河川敷の様々な在来植物の生育環境を奪うとともに、カワラサイコ、ケブカツルカコソウ、これらは県のレッドリストの絶滅危惧種となっているものだが、こういった希少な在来植物なども駆逐してしまい、地域の生態系へ悪影響を及ぼすことから、特定外来生物に指定されている。
【委員】
 先ほど言ったように、オオキンケイギクは、木曽川の堤防で本当に黄色くきれいに花を咲かせる。先ほど紹介した古知野高等学校の福祉ボランティア部がなぜアンケートをしたかというと、木曽川河川敷にカワラサイコという希少植物があって、それを保護する上で、外来種であるオオキンケイギクに対する駆除活動の認識を持ってもらうため、アンケートを行ったと聞いている。
 ただ、植物は駆除するタイミングが非常に重要である。オオキンケイギク駆除を実施するのに適した時期と効果について、また、駆除方法について、どのようなものが最適なのか伺う。
【理事者】
 駆除時期については、種子が飛散する前の実施が効果的となるので、黄色い花の識別が容易となる開花初期の4月から5月の時期となる。また、この植物は多年草で再生力が強く、駆除の際に根を残してしまうと、翌年にまた生えてくる可能性がある。このため、小型のスコップなどを用いて根ごと取り去ってしまうことが効果的となる。さらに、周囲にある花の咲いていない小さな株も、併せて駆除をする必要がある。
 また、1年のみの駆除では取り残しもあるので、翌年、再生することも多く見られる。このため、根気強く複数年にわたり駆除を継続することが望ましい手法となる。

オオキンケイギクの駆除作業の画像
​オオキンケイギクの駆除作業

【委員】
 実は、先ほど紹介した企業はリンナイ株式会社の大口工場で、正面が国道155号線沿いにあり、そこで活動していたが、今では国道155号線沿いと木曽川河川敷を駆除してもらっている。それもやはり5月にやっていて、国道はかなり効果的に駆除がされていると私も感じている。
 恐らく全国的にオオキンケイギク自体は広がってきていて、根絶は難しいと思うが、県内の市町村の駆除の実施方法について伺う。
【理事者】
 オオキンケイギクは県内全域に広がっており、種の判別や駆除が容易であることから、本県では外来種問題の普及や啓発を図る一環として、毎年4月、市町村に対して、当該年度のオオキンケイギクの駆除予定を調査している。その結果、本年度は14の市町村で駆除活動が実施されている。
 この駆除活動は地元自治体や企業、NPO、地域住民など様々な主体で行われており、また、実施場所によっては、複数の主体が協働で実施しているところもある。
【委員】
 14の市町村はかなり少ない、少し残念な気持ちである。これから県もこういった活動を広げて、県からも各市町村に対して、駆除協力をしてほしい。
 河川敷の除草は県の建設局がやるが、やはり最適なタイミングで除草等をすれば、種子の飛散も減るのだろうし、少なからず効果はあると思う。道路、河川で見かけるオオキンケイギクに対して、建設局等、県の各局への環境局からの駆除の働きかけは、どのようになっているのか。
【理事者】
 道路や河川におけるオオキンケイギクの駆除は、国や県、市町村等施設管理者に加え、住民参加型の活動として、企業、地域住民、NPO等の活動により行われているところもある。
 県が管理している道路や河川をはじめとする土地や施設については、県庁内の関係各局の各課に対して、防除活動の実施を呼びかけている。これを受けて、それぞれの管理者が適切に駆除等の対応をしていると考えられるが、本年度からは実施状況の情報提供を求めることとしている。
【委員】
 全体的に、特定外来生物は県内でアライグマやブルーギル、桜や桃につくと木が枯れてしまうクビアカツヤカミキリなど、様々な種が確認されているが、これらに対して県は今まで、また、これからどのような対応を取るのか。
【理事者】
 特定外来生物の防除対策は、外来生物法に基づき、地方公共団体の責務となっている。
 まず、県は、侵入が初期段階にあり、分布が局地的な種に対して、主体的に分布調査や初期対応を行っている。また、市町村をまたいだ広域的な連携が必要となる場合は、防除に対する助言や支援を行っている。
 一方、県内に広く定着したものの防除は、市町村や土地の管理者が中心となって行ってもらっている。これに対して、県では市町村やNPOを対象とした外来種研修会を開催し、実際の防除活動の現場へ専門家派遣を行っている。これにより、市町村にスキルを高めてもらう技術的な支援を行っている。
 県民への啓発としては、ウェブページ、STOP!あいちの外来種を開設するとともに、愛知県特定外来生物対策ハンドブックの冊子を作成し、正確な知識の普及や具体的な対策の実施に活用してもらっている。
【委員】
 先ほど紹介したリンナイ株式会社の活動は、実は2017年からスタートしている。リンナイ株式会社と、近くに株式会社東海理化という会社もあって、その2社から参加人数15人、オオキンケイギクの駆除量が30キログラムからスタートしたと聞いている。2026年、本年については、参加者が275人、駆除量が1,376キログラム、1.4トン弱が駆除できたということで、各参加企業と団体を含めて、今28社あるそうである。
 そういった活動をする中で、先ほどの質問でも言ったが、やはり県として、関係局の建設局と河川の関係も含めて協力して、適切な時期に駆除すると少しでもオオキンケイギクの広がりが止められると思う。ぜひ全庁的にそういった共通認識を持つ形で、これから業務を進めるとよいと思うので要望する。
【委員】
 愛知県が行っている災害廃棄物図上演習について質問する。
 私は以前、愛知県自治センターで開催された災害廃棄物図上演習を見学した。愛知県の職員、県内市町村の担当者、一部事務組合、さらに、民間事業者も参加していた。南海トラフ地震が発生したと仮定して、発生する大量の災害廃棄物をどのように処理するかを、チームに分かれて会議室の机の上で検討する図上演習である。廃棄物処理について詳しくない私でも、処理に至る過程が見えて、理解を深めることができた。また、次々と与えられる課題に対してチームで知恵を出し合って、いかにして迅速に適切な判断をするか、チームとしての動きの違いも見えて、ある意味、ゲームを見ているような感じもした。
 与えられる課題にも様々ある。ごみ回収車が足りなくなり、他県に支援を要請したり、要請はしたが、支援を断られ、さて、どうしようかと考えたりする。道路が土砂などで通行できなくなり、土砂を取り除くために事業者に作業を発注するも、すぐ動ける業者は見つからなかったり、災害発生時に現実に起こり得る事態を想定していると感じた。
 大災害が発生した場合、その災害ごみは一般廃棄物であり、市町村が処理するのがルールである。処理し切れない廃棄物が発生した場合、市町村は愛知県に応援を依頼する。それでも手に負えない場合には、愛知県は国に応援を願うことになる。
 災害廃棄物の処理について、市町村の業務が円滑に行えるように、県は図上演習をいつから開催しているのか。また、毎年開催しているのか。その目的と手法についても説明してほしい。
【理事者】
 本県では、災害廃棄物の処理に係る図上演習を2017年度から毎年開催している。2016年度の愛知県災害廃棄物処理計画の策定を契機に、災害廃棄物を迅速かつ適正に処理するため、処理の主体となる市町村等と連携し、実効性のある処理体制の構築を図ることを目的として実施している。
 この演習には、県、市町村、一部事務組合のほか、相談役として環境省中部環境局及び民間事業者団体も参加している。昨年度は2日間で59人が参加した。
 この演習は対応型の図上演習として行っており、具体的な手法としては、参加者が大規模な災害が発生した市の廃棄物部局職員として、避難所のごみの回収や被災した住宅のごみの収集に関する問合せなど、時間経過に応じて生じる様々な問題に対し、迅速に判断していく研修内容となっている。

災害廃棄物処理に係る図上演習の様子の画像
​災害廃棄物処理に係る図上演習の様子

【委員】
 災害発生時のし尿処理に絞って質問する。県が想定している災害発生時の最大のし尿処理量について伺う。
【理事者】
 愛知県災害廃棄物処理計画では、発災1週間後に避難所に設置された仮設トイレや、断水地域において自宅にとどまる人が利用するために設置された仮設トイレなどから排出されるくみ取りし尿を想定しており、県全体の処理必要量は、最大で1日当たり4,800キロリットルである。これは、通常の1日当たりの約250キロリットルに比べ、約20倍弱の量である。
【委員】
 現在、愛知県の下水普及率は80パーセントを超えていると思う。下水普及率の上昇に応じて、し尿を処理するためのし尿処理車も減少しているだろう。南海トラフ大地震が発生した場合、し尿を収集するために必要なし尿処理車両、いわゆるバキュームカーは何台必要で、県内にあるし尿処理車両で足りているのか伺う。
【理事者】
 愛知県災害廃棄物処理計画において推計したし尿の発生量に基づき、県内におけるし尿収集車両の必要台数を想定すると、1日当たり最大413台である。これに対し、計画では発災時にし尿収集車両70台と浄化槽汚泥収集車両582台の、合わせて652台で対応することとしており、十分に足りるものと想定している。
【委員】
 足りているという回答である。想定を上回る災害によるし尿が発生し、県内のみでは処理できない場合の対策はできているのか。
【理事者】
 災害廃棄物について、県内のみで処理ができない場合は、まず、第一に、国と中部ブロックの9県が中心となって策定した災害廃棄物中部ブロック広域連携計画に基づき、環境省中部環境局に支援要請を行うことにより、中部9県の中で広域的に処理を行う体制が構築されることとなっている。さらに、中部9県の中で処理体制が不十分な場合は、全国的な応援要請をすることとなっている。
【委員】
 名古屋市内では下水の整備率は99パーセントに達している。災害により下水が使えなくなった場合、し尿処理に手軽で有効な凝固剤を使うことが想定されている。近年、凝固剤を保管する家庭や避難所が多くなっていると感じる。凝固剤で固めたし尿は、どのように処理することになるか。
【理事者】
 凝固剤で固めたし尿は、可燃ごみとして空気を抜きながらしっかりと袋の口を閉じるといった衛生面での対策を行いつつ収集し、一般廃棄物焼却施設へ運搬を行うことになる。
【委員】
 本年は、災害廃棄物図上演習をいつ、どこの会場で行うのか。
【理事者】
 本年度の図上演習は、11月9日、10日に西三河総合庁舎で予定している。
【委員】
 西三河で行うとのことだが、名古屋では行わず、西三河で行う理由があるのか。
【理事者】
 三河地域の市町村職員も参加しやすいよう、昨年度から西三河総合庁舎で図上演習を実施している。
【委員】
 おおむね健康な人であれば、1日や2日、食事をしなくても、どうにか生きていける。しかし、トイレは一日たりとも我慢できない。トイレは全くもって待ったなしである。災害発生時には、まずトイレの確保が大切である。災害発生時のし尿処理について、一層研究を重ねるよう要望する。
 また、愛知県の行っている災害廃棄物図上演習に処理業者として参加していて、実際に災害時に出動したことのある事業者から聞いたが、実際の災害で災害ごみを仮置場に運んだところ、仮置場がごみでいっぱいで置く場所がなかったり、道路が通行不能で運べなかったりしたそうである。指示ではその道路は通行できると聞いていたところ、現実にはそうではなかったわけである。災害である以上、様々な予期せぬことが起こるものだが、その業者としては、情報の共有がもっと密であればと言っている。県、市町村の担当者だけが情報共有するにとどまらず、できるだけ業者にもリアルタイムで災害の状況、ごみの発生状況、道路の事情が共有できるような仕組みがあればと望んでいた。
 情報共有には便利な方法が幾つかある。よく利用されるのはLINEである。LINEよりももっと秘匿性の高いコミュニケーションツールもあるようである。情報の共有にも研究を重ねるよう要望する。
【委員】
 我が国が掲げる2050年カーボンニュートラル達成に向けて、省エネ住宅の普及について伺う。
 2025年、昨年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、住宅用太陽光発電については、2050年において設置が合理的な住宅、建築物には太陽光発電設備が設置されていることが一般的となることを目指し、2030年において新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指すとする政策目標を設定している。
 本県においては、2003年度から住宅用太陽光発電設備の導入に対して、市町村と協調した補助制度を開始していて、過去20年以上もの長きにわたって、住宅への再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいる。したがって、太陽光発電の設置は着実に進んでいると承知している。
 そこで、本県における住宅用太陽光発電への補助実績と普及状況について改めて伺う。
【理事者】
 まず、補助制度を開始した2003年度から2018年度までは太陽光発電単体の導入に対する補助、2018年度からは太陽光発電に加え、家庭用エネルギー管理システム、いわゆるHEMSや、蓄電池などの一体的な導入に対する補助を実施している。これらを合わせた2025年度までの補助件数は9万5,719件となっている。
 次に、国が公表している統計によると、本県における固定価格買取制度、いわゆるFIT制度の認定を受けた住宅用太陽光発電の件数は、2025年12月末時点で約29万6,000件であり、全国1位となっている。
【委員】
 全国1位の普及実績ということで、頑張って補助を行っていることも大きな要因の一つだと思う。一方、環境省の調査によると、太陽光発電を使用している世帯の割合は、全国でいうと僅か6.3パーセント、愛知県はもう少し多いと思うが、東海地域だと10.3パーセントだそうである。つまり、まだ太陽光パネルが乗っていない世帯、住宅がたくさんある。
 ただし、環境団体が実施した意識調査によると、環境に関心がなく、省エネは不要だと考えている層にあっても、その約4割から5割と決して少なくない人々が屋根付太陽光なら許容できると考えているそうである。したがって、まだ余地があると考えてよいと思う。
 太陽光発電は、発電時に二酸化炭素を出さない、国産のエネルギーであり、災害時に有効な、いわゆる平和的なエネルギーだという、この本来のよさをもっと社会に訴える必要があると思うので、ぜひさらなる普及に努めてほしい。
 あわせて、これは本会議でも取り上げられたので少し重複になるが、いわゆる2030年代後半以降の太陽光パネルの排出量の顕著な増加問題がある。これはもう言わずもがなで、釈迦に説法だが、埋立て費用とリサイクル費用との差額が大きいことや、あるいは全国的な処理体制が構築途上であることが課題となっている。
 そうした中、国では5月に、太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律を成立させた。一部の事業者にパネルの廃棄・リサイクル計画の策定を義務づける内容だと承知しているが、それにとどまったという言い方のほうがよいかもしれない。リサイクルそのものの義務化は、先送りになったと承知している。必要に応じて見直しを行うとのことであるので、義務化を含む制度変更を進める必要があると考える。この新法は、いわゆる迫りつつある太陽光パネルの大量廃棄時代に備えて、再資源化の仕組みづくりを推し進める大きな一歩になるものだと思うので、この点についても、県としてしっかり対応してほしい。
 建築物省エネ法が改正され、昨年4月から全ての新築住宅、非住宅に省エネ基準適合が義務化された。増改築の場合は、増改築を行う部分のみに省エネ基準に適合していることが必要となる。増改築部分の壁、屋根、窓などに一定の断熱材などを施工したり、一定性能以上の空調、照明設備などを設置したりすることで、増改築された部分が省エネ基準に適合することが必要となる。なお、リフォームや改修は、省エネ基準適合義務の対象ではない。
 一方、既存住宅について約8割を超える数が現行の省エネ基準を満たしておらず、省エネ性能の向上に向けた取組の一層の強化が必要である。特に、CO2排出量の二大要素である冷暖房と給湯に関する省エネリフォームは大変重要だと思う。
 先ほども少し触れた第7次エネルギー基本計画においては、2050年にストック平均でZEH基準、ZEHはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスということであるが、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、これに至る2030年度以降に新築される住宅は、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指すとの目標を掲げている。建物の省エネ基準は遅くとも2030年までには大きく引き上げられ、さらなる断熱性の向上やエネルギー使用量の削減を図るZEH水準の省エネ住宅が新築基準となる。
 そこで、本県におけるZEHへの補助実績と普及拡大に向けた取組について伺う。
【理事者】
 まず、本県はZEHに対する支援として、2019年度から太陽光発電、HEMS、ZEH水準を満たす断熱性能が高い壁や床などの一体的な導入を補助メニューとして追加しており、2025年度までの補助件数は2,360件となっている。
 次に、住宅は一度建築されると、長期間使用されることから、家庭から排出されるCO2を削減するためには、新築時における省エネ対策が重要と考えている。このため、本県では、現行のZEH水準を満たす住宅への支援に加え、より省エネ性能が高い住宅、いわゆるGX ZEH水準を目指す住宅に対し、本年度から市町村への補助上限額を4万700円から12万8,900円に増額し、支援を強化した。
 今後も、社会のニーズや市町村の要望を踏まえ、補助メニューの見直しを行うなど、市町村と協調しながら、省エネ性能が高い住宅の普及を進めていきたい。
【委員】
 ZEH住宅についても、県として積極的に補助を行い、実績を上げていると承知する。
 一般論だが、やはりZEH住宅にしようと思うと、初期費用が高く、かけたコストを回収するまでに期間が長いということで、少し逡巡する人もいるのが実態である。先ほどの太陽光発電の話でも出たが、意識の問題、光熱費の削減に寄与する、夏は涼しく冬は暖かい快適な暮らしが実現できる、あるいはエネルギーの自給自足による災害時の安心など、ZEH住宅には大きなメリットがある。単に補助を行うだけではなく、広くメリットを周知し、普及を図るよう努めてほしい。無論、環境局だけでなく、建築局とも大きく関わることだと思うので、連携して普及に取り組むよう要望する。
【委員】
 今、県内では、愛知県環境調査センターの中にあいち環境学習プラザがある。そしてもう一つ、愛・地球博記念公園内にもりの学舎が拠点としてあるが、今回は後者、環境学習の拠点の一つであるもりの学舎について質問する。
 愛・地球博記念公園内にあるもりの学舎は、環境万博、愛知万博において、愛知万博のテーマであった自然の叡智を継承、発展するために2007年の3月に開館した環境学習施設で、来年3月に20年になる。開館当初は森の案内人と呼ばれるインタープリターによる自然と触れ合うもりのツアーや、小学生を対象に四季を通じて環境学習を行うもりの学舎キッズクラブなどを実施し、年間5万人以上の人々が来館して、とてもにぎわっていたと記憶している。
 そこで、まず、現在の来館者数はどのようになっているのか伺う。
【理事者】
 昨年度、2025年度の来館者数は1万9,196人となっている。2007年度の来館者数は約5万4,000人、次の2008年度はもりの学舎の来館者で最多となる約5万7,000人となっており、その後徐々に減少した。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度には約1万1,000人とピーク時の5分の1と、これまでで一番来館者が少なくなっている。2021年度以降、来館者はゆっくりと回復してきたが、まだコロナ禍前の5万人の水準までには至っていない。
【委員】
 今の質問だが、2007年に開館したときには5万4,000人、ピーク時が5万7,000人、2020年に新型コロナウイルス感染症の流行時に最低の1万1,000人、それから回復して現在、昨年は1万9,000人ぐらいだという話である。コロナ禍で激減した来館者が徐々に増加しており、皆が頑張って、だんだん多くなってきていると思うが、まだ低い水準にとどまっている。
 そこで、来館者が減っている原因をどのように分析しているのか伺う。
【理事者】
 来館者が減少している原因としては、施設内に設置している体験型のコンテンツが年月を重ねるにつれ、老朽化、陳腐化していること、自然体感プログラムの内容に変化が少なく、また来たいというリピーターが少ないことが考えられる。
 それ以外に、開館当時の2007年度は約43万人であった県内の小学校の児童数が2025年度には約38万人に減少していること、また、2007年には年間14日であった猛暑日が2025年には52日と急増しており、これにより屋外で行うもりのツアーが開催できなくなっていることも、来館者減少の要因になっている。
【委員】
 原因分析すると、老朽化や体験型のコンテンツが少し陳腐化し、児童数が減少するなど、いろいろな要因があるとのことであるが、やはり万博の理念を継承するために、そして、子供たちに自然のすばらしさを知ってもらうために、再び多くの人々に利用してもらう施設にしていく必要がある。
 そこで、利用者を増加させるために、今現在どのような取組を行っているか伺う。
【理事者】
 利用者の増加を図るため、これまでも、例えば、来館者が気軽に参加しやすい短時間の自然遊びやセルフ工作を追加するなど、プログラムのリニューアルを行ってきた。
 また、昨年度、2025年度は愛知万博20周年記念事業と連携して、万博で行われた森の自然学校を再現したプログラムや、もりの学舎をはじめ、現存する万博当時の施設等を巡るスタンプラリーを実施した。これにより、2024年度より約3,800人の来館者増になった。
 さらに、現在、幼稚園児や保育園児が自然に親しむもりの学舎ようちえんについては、毎年定員を上回る多くの申込みがあるため、受入れ人数の大幅な増加を予定している。また、平日に来館できる幼稚園・保育園入園前の幼児などを対象としたプログラムの新規開発も進めている。
 今後とも、時代に即した自然体験プログラムのリニューアルを進めるとともに、IT等も活用した体験型コンテンツの見直しを行うなど、多くの人に来館してもらえる施設にしていきたい。

もりの学舎 自然体感プログラムの画像
​もりの学舎 自然体感プログラム

【委員】
 私は先日、実態はどうなのかと思い、愛・地球博記念公園にあるもりの学舎に行ってきた。20年たって、どのような形になっているのか見てきた。一番感じたことは、先ほど話があったが、やはり20年たつと、体験型のコンテンツに関しても、全然時代に合わない。それを直していかないと、子供たちにとって魅力がある施設にならず、リピーターも来ない。プログラムのリニューアルや、体験型のコンテンツを変えていかないと、20年前のままではよくない。私が見たところ、チェックするのにマウスを使っているが、今の若い人、子供たちは皆、ポケモンをやるときでもタッチパネルでやっていて、やはり時代に合ったものにしていかないと、魅力がないと来なくなってしまう。
 建物も少し老朽化してきたし、水回りの壁が少し落ちてきたと聞いた。また、私も見せてもらったが、自然との触れ合いの場、池の周りが塀のような形になっていて、そこの踏み台なども危なくて入れないような状態なので、修繕しないと、これから利用者がどんどん増えるに当たって、不都合が生じると思う。
 一番重要なのは自然との触れ合いである。触れ合いの中で子供たちの自然と環境を守る意識を育てていくことがポイントである。今後とも、もりの学舎がハード・ソフト両面にわたって、子供たちにとって魅力ある環境学習の拠点となるよう要望する。

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