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子ども・子育て対策特別委員会審査状況(令和6年7月12日)

ページID:0601330 掲載日:2025年9月16日更新 印刷ページ表示

子ども・子育て対策特別委員会

委員会

日時 令和6年7月12日(金曜日) 午後0時59分~
会場 第7委員会室
出席者
 神戸洋美、福田喜夫 正副委員長
 川嶋太郎、神戸健太郎、丹羽洋章、辻 秀樹、宮島謙治、柳沢英希、
 鈴木まさと、おおたけりえ、阿部洋祐、大久保真一、柴田高伸、
 阿部武史 各委員
 教育長、教育委員会事務局長、同次長兼管理部長、教育部長、
 教育改革監、関係各課長等

子ども・子育て対策特別委員会の審査風景画像
委員会審査風景

議題

第3期愛知県特別支援教育推進計画(愛知・つながりプラン2028)の推進について

会議の概要

  1. 開会
  2. 正副委員長あいさつ
  3. 委員自己紹介
  4. 委員席の決定
  5. 理事に関する申合せの変更
  6. 理事の指名について
  7. 議題について理事者の説明
  8. 質疑
  9. 委員会活動について
  10. 委員による個別の県外調査について
  11. 閉会
主な質疑

【委員】
 4ページの全ての教員を対象とした専門性の向上に関して伺う。
 例えばNHKのおかあさんといっしょのような番組でも、体操のお兄さんが座って一緒に体操しているほか、歌番組でもハーフの子供や、障害を持つ子供が、一緒になって歌いながら番組が展開されており、放送の面でも共生について、当然に進める下地ができていると感じている。
 昨年、私は娘が通う保育園の保護者会の会長を務めていたが、北名古屋市の保護者会の各園の保護者会の会長が集まる会合があった際、これから市、県、国としてインクルーシブ教育を進めていくという流れの中で、参加者にインクルーシブ教育についてどう思うかと質問した際、ある母親から、これはすごくよいことではあるが、もしかしたら学校の教員が、障害がある子供の対応に労力を取られてしまうことにより、他の子供の授業がうまくいかなくなるのではないかという心配の声が上がっていた。
 今回、愛知県特別支援教育推進計画が第2期から第3期に一番大きく変わった点としては、通常の授業に障害の子供が共生して参加するということであるが、恐らく現場の負担感は増加すると思う。保育園は県の福祉局の所管になるとは思うが、このような状況の中で、当然想定されているとは思うものの、幼稚園、小中学校生、高校生の中で、障害のある子供が900人となるということで、段階的にこれから少しずつ進めてほしいとは思うが、教員の現場での負担が増えてくると想定される。計画を策定し、推進するに当たって、どのように考えているのか。
【理事者】
 教育委員会では、副次的な籍を、インクルーシブ教育システムの重要な取組として考えている。副次的な籍は、現時点では常時行き来をするものではなく、大体1学期に1回程度実施される、いわゆる交流及び共同学習と言われるところをさらに一歩進めるということを想定している。現在はICTが発達、充実しており、オンラインでの交流など、負担にならないように徐々に実施していくことを考えている。
 今年度、検討会議を開催し、仕組みづくりを進めている。
【委員】
 4ページ目の(3)の副次的な籍に関する研究の推進に関して伺う。
 今年度検討会議を開催し、事業方針を策定した上で、次年度以降モデル校において実践していくということであるが、このモデル校について、どのような基準でモデル校を選定していくのか。
【理事者】
 モデル校の選定は、今年度開催される検討会議の中で検討していくこととしているが、何よりもまず市町村で実施したいというところがなければならない。その意向を県教育委員会が聴取し、実施に前向きな市町村があれば、積極的に情報交換しながら進めていきたい。
【委員】
 モデル校は1校に限らず、手を挙げた学校はある程度優先的にモデル校として検討していくということでよいか。
【理事者】
 モデル校は、できるだけ多く確保したいと思っているので、手を挙げてもらえる市町村を探していきたい。
【委員】
 特別支援学校の長時間通学の解消について伺う。
 昨年6月定例議会の本会議において、県立港特別支援学校に通う児童生徒のうち、特に名古屋東部地域からの長時間通学の解消が大きな課題であるという視点から質問した。今回説明があった第3期計画の前の第2期愛知県特別支援教育推進計画、いわゆる愛知・つながりプラン2023では、名古屋東部地域から県立港特別支援学校への長時間通学を解消するため、地域の実情に合わせた通学環境の改善方法を検討すると明記されていた。
 この点について、新たな第3期計画ではどのように位置付けられているのか。
【理事者】
 県立港特別支援学校の長時間通学の解消について、本年2月に策定した第3期つながりプランでは、2027年度の開校を目指し、名古屋市天白区にある天白学校体育センターの敷地内に肢体不自由特別支援学校を設置することとしている。
 また、通学環境の改善として、肢体不自由特別支援学校のスクールバスについて、老朽化に対応し、毎年度計画的に車両の更新を図っていくこととしている。
【委員】
 今説明があったように名古屋東部地域における新設校として、天白区に2027年4月に新たな学校が開設されれば、新設校への通学区域となる名古屋市緑区、名東区、天白区内から発車するスクールバスによる通学距離は大幅に短縮されることとなり、ここから出発しているスクールバスは最長の乗車時間はこれまでは1時間以上かかっていたものが、1時間以内に短縮されることが見込まれている。
 また一方で、新設校への通学区域だけではなく、引き続き県立港特別支援学校への通学区域となる名古屋市中川区、そして千種区内から出発するスクールバスについても、通学区域の減少、変更が生じるため、県立港特別支援学校へのスクールバスの運行ルートを再編することに伴い、2027年度以降も引き続き通学する中川区、千種区、瑞穂区などの生徒たちにも長時間通学解消というメリットを生み出していかなければいけないと考えており、昨年の6月定例議会でも提案した。今後、2027年度の開校に向け、この点についても十分に検討し、長時間通学の解消を実現してほしいと切に願っているが、新たな計画に基づき、これをどのように進めていくのか。
【理事者】
 新設校の開校後、引き続き県立港特別支援学校へ通学する中川区や千種区などの児童生徒についても、現在スクールバスの乗車時間が1時間以上を要するルートについて、ルート分割などにより距離を短くするなど、通学時間が短縮できるように工夫していく。
【委員】
 通学区域が変更されることにより、スクールバスの運行について工夫をすることで、引き続き県立港特別支援学校に通学する児童生徒にも大きなメリットができる。
 現在県立港特別支援学校に配置されているスクールバスが6台あるが、新たな計画にもスクールバスの更新等がしっかり記載されているので、現在の県立港特別支援学校に配置されている6台のスクールバスだけではなく、新しい新設校においてもスクールバスを新たに配置して、それを共有して運行するなど、工夫を講じ、新たな学校に通う児童生徒だけでなく、引き続き県立港特別支援学校に通う児童生徒についても、長時間通学の解消を図るように要望する。
【委員】
 2ページの前期計画を作った後、社会状況の変化により、幼稚園・保育所等・小中学校・高等学校における特別な支援を必要とする幼児児童生徒の増加と記載されているが、そもそもこれだけ急速に進む少子化の中で、なぜ増加しているのかとの疑問は当然多くの人が持つと考える。その原因は何かということについては、恐らく答えることができる部分とできない部分があると思うが、教育の分野から何か考えていること、現場から見えていること、感じていることはあるか。
 また、第2期から第3期の間、第2期の計画のときの情勢変化で増加しているということであるが、第3期計画中に今後、幼児児童生徒が増加するのか、これだけ少子化が進んでいる中で、割合は増加するが数は増えないのかなど、今後の見通しをどのように立てているのか。
【理事者】
 小中学校で特別支援教育を受ける子供は確かに増加している。私が過去に勤務した学校での経験では、特別支援教育が以前よりも広く認知をされ、以前では発達に少し遅れがあると思われていた子供も、様々な支援が受けられるのであれば、特別支援学級で支援を受け、社会自立を目指したいという親が増加したのではないかと考えている。
【理事者】
 第3期の計画期間中に特別な支援を受ける子供の数が増加するかどうかについては、なかなか予測がつかないところではあるが、今までの状況を見ると、義務教育課長が答弁したように、一般の人にも、特に発達障害などの認知と理解が広まってきたことが一番大きいのではないかと考えている。
 委員の指摘のように、今後少子化が進んでいく中で、どのような状況になるかはなかなか予想がつかないが、あと何年かは増加していくのではないかと考えている。一定期間経過後は少子化の中で頭打ちになっていくと思っているが、計画期間である2028年までの5年間に減少トレンドに入ることはないものと考えている。
【委員】
 特別支援教育の認知が広がったことにより、特別な支援を必要とする子供の数も増加したとはよく言われることだが、本当にそうなのか、原因はそれだけなのかは、教育委員会だけではなく、医療などの他分野からも分析がされているかもしれないが、現実として、目の前にあることに対して現場が対応していることは私も承知しており、今後も引き続き取り組んでほしい。
 また、特別な支援を必要とする教育を受ける子供たちの増減について、他国の状況に関するデータは把握しているのか。
【理事者】
 把握していない。
【委員】
 4ページ目の1(2)の「医療的ケア体制の充実」のモデル事業の実施に関し、県立特別支援学校における医療的ケアガイドライン作成という記載があるが、内容を具体的に伺う。
【理事者】
 医療的ケアを実際に実施するに当たっての手続きについて、まず保護者から申請書や医師の指示書等の関係書類を提出してもらい、児童生徒の実態を把握した上で、学校の校内委員会で個別のマニュアルを策定する。次に、医師による看護師への手順等の研修の後、保護者の前で学校看護師による医療的ケアを試行し、保護者の同意を得た上で実施を決定している。
 ただし、例えば、人工呼吸器の使用など、児童生徒の状況により、個別の対応が必要となる医療的ケアについては、現在、県の医療的ケア連絡協議会において学校長等の教育関係者だけではなく、医療的ケア指導医等の専門的な知識を持つ医療関係者も交え、個別の児童生徒ごとに内容を審議するという手続を経ているため、審議を必要としない他の医療的ケアと比較して手続に時間を要しているという状況である。
 そのため、今年度、医療的ケアガイドラインを策定する検討会議を開催する予定である。ガイドラインを策定することにより、医療的ケアの連絡協議会において審議が必要なケアなのかどうかを整理し、より安全かつ早期にケアを開始できるようにする。例えば、現状では人工呼吸器を使うようなケアについても、今までの協議会の検討の中で知見が一定程度蓄積されているため、それをガイドラインとして整理することで、連絡協議会に諮るべき案件かを学校が判断できるようにし、本当に必要なものについては今までどおり協議会に諮り、協議会に諮る必要がないものについては早期に医療的ケアを開始できるようにしていきたい。
 このガイドラインは、年度末までに策定し、来年4月からの施行を予定している。
【委員】
 医療的ケアガイドラインは医者や看護師に向け、医者が判断を迷った際のガイドラインのようなものと理解してよいか。
【理事者】
 学校が医療的ケアをスタートさせるかどうかを判断するためのガイドラインである。従前は、例えば人工呼吸器を使用するようなケアは、全て協議会に諮らなければならなかったが、このガイドラインで諮るべきものと、そうではないものをある程度明確にし、人工呼吸器であっても協議会に諮る必要のないケアは学校判断で早期にケアが始められるようにするものである。
【委員】
 医療的ケアは、実際問題として医師の指示書がないと、医療行為は看護師も判断に迷い対応ができない。数年前、医療的ケアを受けている子供に対して、夏の水分補給について、指示書に記載がないため対応ができないということもあった。その辺りをもう少しスピーディーに対応できないのかという課題もある一方で、医師の指示がないと医療行為はできない。現場も悩んでおり、保護者も様々な苦悩があった部分があったため、確認した。
【委員】
 4ページの卒業後の生活への円滑な移行に関して伺う。
 (1)の高等部を卒業する就職希望者の一般就労就職率の向上の中で、株式会社D&Iとの連携による在宅就労支援や、昨年度も体験実習を実施していたと認識している。
 県立大府特別支援学校で県立港特別支援学校の生徒もオンラインで参加して実施していたかと思う。特に通学などができない肢体不自由の生徒には非常に有益な方法であると実感したが、今年度もテレワーク体験実習を実施するとのことである。昨年度の体験実習の結果を株式会社D&Iとも協議しているかと思うが、そのような中で、今年度はどのように課題意識を持って取り組むのか。
【理事者】
 昨年度の体験実習では、生徒には大変よい感触であった。特にテレワークは、一人きりで業務をするのではなく、コミュニケーションのスキルが不可欠であることが判明した。また、引き続きテレワーク体験実習を実施する中で、コミュニケーションのスキルを身に付けたり、チャット機能を活用しながら自分で学習する環境を整えることが必要であると認識できたため、その辺りを学校へバックアップしていきたい。
【委員】
 仕事をすることだけでなく、テレワークも子供には未知の分野であるので、まず環境づくりから慣れていくことは非常に大切である。
 在宅就労を進めていくことと同時に、キャリア教育が必要になると考える。例えば、中学部において、実際に会社において体験する社会学習を実施しているとのことであるが、在宅就労にあっても、社会学習の一つに組み込むなど、事前にそのような選択肢があることを子供にも伝えていかないと広がらないのではないか。
 3ページ右上には、キャリア教育の充実についても記載されているが、さらに詳しく伺う。
【理事者】
 キャリア教育の充実について、中学部でもチャレンジ体験学習として実施している。在宅就労のテレワーク実習も開始したほか、最近では、OriHimeというロボットを用いて、喫茶店のメニューオーダーなどの喫茶サービスを遠隔操作にて提供する会社から体験学習の話が来ているため、教育委員会を通じて、学校に紹介する取組を実施している。
【委員】
 就労拡大の部分では非常に有益な一つの方法だと思うので、よい形で進めてほしい。
【委員】
 委員の関連で伺う。
 医療的ケアガイドラインを策定する予定とのことであるが、保護者からの苦情も多い分野だったと思うので大変ありがたいことだと思う。今年度の3月末までに取りまとめ、4月から実施予定ということであるが、保護者からは、その学校に入学することは決まっているため、4月から会議を開くのではなく、入学前の段階で準備することで、6月や7月に看護師が決まるまで保護者が毎日通うことがないように対応できないかという話があった。来年4月から実施ということは、準備の前倒しも含め、4月から保護者が毎日通うことがないように改善できるということか。
【理事者】
 ガイドラインの実施は4月であるが、できるだけ年度末の早い段階で策定していきたい。策定が決まり次第、学校には前もって案内、周知していきたい。
【委員】
 現状一番不満のある、看護師が決定するまで毎日保護者が送迎する状態は、来年から改善されるという理解でよいか。
【理事者】
 来年度以降のケアについては、児童生徒の個別の状況が様々であるため、4月の早い段階からできるものもあれば、そうではなく、協議会に諮らなければならないものもある。保護者が付き添わなければならない状況が、1学期早々から全て解消されるかどうかはわからない。
【委員】
 名古屋市はスピーディーに対応していると聞いているので、参考にしてほしい。
 次に、1ページの3(2)県立高校における通級指導の支援について、6校に拡大したとのことであるが、定員はどの程度なのか。例えば1校に5人というような状態か。つながりプラン本編では、小中学校の通級に通っている子供が8,401人となっており、9学年で割っても1学年に933人もいるような状況であるため、結局合わない高校に入学したり、専門学校などや私立の通信制などに行って合わなくて中退してしまったり、不登校になってしまい、その後困っているというような話も問題化してきていると思う。公立高校の通級による指導の支援について、もっと増加させたほうがよいのではないか。
【理事者】
 県立高校の通級は、平成30年度から配置を開始し、徐々に増加させている。令和6年度はもう一校増やして7校配置となり、今後も拡大の方向で動いている。
 生徒数は制限等があるわけではないが、平成30年度の全県で2名から、令和6年度は61名と対象者は増加しているため、それに合わせて支援ができるように拡充に向けて動いている。
【委員】
 配置されている7校はどの高校か。ちなみにその7校についても、今までは公表されないという状況があったかと思うが、選ぶ側としては、通級があるところを選びたいということがあると思うが、現在の考え方を伺う。
【理事者】
 7校は高浜高校、一宮起工科高校、福江高校、日進高校、刈谷東高校、御津あおば高校、東浦高校の7校である。一宮起工科高校は昼間定時制である。
 公表については、対象生徒数が非常に少ない場合には、対象の生徒が明らかになってしまう可能性があり、学校名を言わないように配慮が必要と考え、積極的に公表していなかった。
【委員】
 生徒に配慮していたとのことだが、通信制に行くのか、専門学校に行くのか、通級学級のある公立高校に行くのかを選択する側としては、実施していることを公表してほしい。
【委員】
 特別支援教育に関する研修の充実について伺う。障害児の保護者からの、いわゆる難しい要望があった際の対応について、どのように研修を実施しているのか。
【理事者】
 教育委員会の研修、特に特別支援教育の研修は基礎編と応用編に大きく分かれている。保護者に対する対応の在り方については、まず基本的な対応は基本の研修で実施し、後に応用編ではいわゆるケース事例として、いくつかにグルーピングをして考えをまとめるほか、対応について協議をしている。
【委員】
 特に聞きたいのは、外国にルーツがある、障害のある子供への対応である。今後増加するのではないかと考えるが、その親は日本語が話せなくても、その国の人同士のコミュニケーションによって、日本に住んでいる人が大勢いる。そういう人は、学校からの通知文が日本語で書いてあると読めないとか、一人一人障害が違うため非常に説明するのも難しく、間に入る人も難しいと思うが、その辺りはどう対応しているのか。
【理事者】
 外国人等の語学支援が必要な児童生徒や、保護者への対応については、県立特別支援学校外国人幼児児童生徒教育支援員を特別支援学校に配置し、子供のサポートのほか、保護者対応時の通訳、保護者配付資料の翻訳などの支援を行っている。
【委員】
 支援員は、何人ぐらい県内にいるのか。
【理事者】
 2023年度末時点で、47人である。
【委員】
 3ページの第3期愛知県特別支援教育推進計画に記載のある、「連続性のある多様な学びの場における支援・指導の充実」に関して伺う。通常の学級、通級指導など、生まれ育った地域で、地域の友人と一緒の教育を目指したりや、逆に特別支援学校等で専門的なケアをしっかりと受けてできることを増やしていきたいという人など、様々な考え方の中で選ばれてきた。
 これまでは、ある程度段階的に分かれていたものが、今回の取組を見ると、かなり細やかな対応が可能になり、非常に選択肢が広がってよいと思うが、場合によっては、選択肢が非常に多くなることで、学校側が子供を見て思う選択肢と、家族が希望する選択肢のすり合わせが非常に難しくなってくのではないかと思う。家族はより自分の子供に合ったものにしたい、一方で教育する側は、この子には実はそうではない方が本当はよいのかもしれない、という認識をすり合わせしながら学校を選んでいると思うが、その点が導入するポイントになるかと思う。
 家族への情報発信について、現状の認識を伺う。
【理事者】
 インクルーシブ教育システムの推進に当たり、保護者との合意形成に向けてのやりとりについては、いわゆる教育相談に、力を入れていきたいと考えている。特に管理職や、1校に1人在籍するコーディーネーターの研修を充実させ、担任とともに、コーディーネーターが理解をして保護者に説明できる力をつけさせていきたい。
【委員】
 家族としては、自分たちにとっての最大値を取れる選択肢はどれかという選び方になると思う。家族の中には一定程度の諦めを持って、来る人もいると思うが、少しでもできることは多く望むという話となると、例えばこの地域ではできているが、この地域ではできていないなど、様々な不満が生まれやすいシステムであるとも思う。丁寧に実施できるように、コーディーネーターのほか、個々の教員の説明スキルも、非常に問われてくるのではないかと思う。
 次に、4ページに「全ての教員を対象とした専門性の向上」として、充実した研修を実施していることは、まさに、今言った話につながっていくと思うが、その前に学校教育の部分、教員行政の部分にも手を入れていく必要があるのではないかと感じている。全ての教員が専門性を有するということであれば、やはり最初の入り口である教育の部分で、そこをある程度補うことができれば研修の部分が少し楽になるのではないか。配置された後に、自分がそのような希望をせずに子供の面倒を見なければならないため、とても自分のスキルでは対応できないという不満につながる教員もいると思う。そのため、教育の部分にもアプローチをかけてほしいと考えるが、現状の認識を伺う。
【理事者】
 各大学に対し、教育委員会より特別支援教育に係る科目について要請しているところであるため、引き続き要請していきたい。
【委員】
 教育委員会の守備範囲ではないと思いながら質問したが、ただ、そのような狭間の部分は丁寧に対応しないと、結局、より大変な対応が求められることになってしまうため、その点についても考えを持ってほしい。狭間の部分は非常に難しいとは思うものの、インクルーシブ教育を実施するからには、国にカリキュラムの変更などを働きかけなければならないかもしれないが、県の進め方について協力してもらうような働きかけをこれからも実施してほしい。
 最後も、狭間の部分についてであるが、4ページ4番の「卒業後の生活への円滑な移行」について、就職後のフォローアップが非常に大事であると思っている。これは普通に高校を卒業した生徒でもそうだが、なかなかうまく定着できないこともある中で、初期段階で辞めてしまう人が多いと感じている。
 特に障害のある生徒が就職することになれば、職場側も本人も大変である。そこへ上手に間に入って繋いでいくことができればいいと思うが、これも労働政策と教育の狭間の部分なので、どのような取組ができるかと考えていた。社会に出したことでこれで終了ということではなく、最初の走り出しを上手に支えてあげることができるのは、これまで継続的に関わってきた教育部門ではないかと考える。
 狭間の部分で難しいことは重々承知しているが、就職後のフォローアップについての考えはあるか。
【理事者】
 卒業後のフォローアップについては、現在は学校教員、進路指導担当による巡回に加え、県内に5名配置している就労アドバイザーが、卒業した全ての子供の会社や事業所を巡回している。
【委員】
 フォローを実施している一方で、今の人数を聞くと、おそらく全体に丁寧にというところまでは少し難しい部分もあるとは思う。ただ、やはり一旦くじけてしまうと、また戻るということが、日本の社会では難しいと感じているので、ぜひ最初の段階でうまくフォローできるよう取り組んでほしい。
【委員】
 今の委員の関連で、教員を対象にした専門性の向上についての4ページ2番(2)について伺う。
 特別支援学校教諭等免許状の保有率の向上に向けて、2年で取得するものを1年に前倒しするなど様々な取組を実施しているとのことである。市町村に対して、免許状保有者を積極的に特別支援学級の担任や通級による指導の担当教員として活用するように働きかけているということは、つながりプランに記載のとおりであると思うが、それはどれぐらいの率になるのか。また、特別支援学級の担任や通級教室の担当を100パーセント免許状保有者にできるのはいつごろになるのか。その見込みと、また現在の担当者の免許保有率を伺う。
【理事者】
 特別支援学級の担当者の特別支援学校免許の保有状況は、2023年度、小中学校合計で26.4パーセントである。
【委員】
 全体ではなく、担任の先生の免許保有率が26.4パーセントであるということか。
【理事者】
 特別支援学級の担当者の免許保有率である。
【委員】
 つながりプラン本編の36ページによると、免許保有率が2022年で25.9パーセントとのことだが、特別支援学級の担任のパーセンテージとしてはかなり低いのではないかと感じる。発達障害のある生徒の特性として、最初の変化になかなか対応しづらく、最初の4月はとても大切にしたい時期であると思うため、免許保有者を適切に配置することを要望する。

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