本文
教育・スポーツ委員会審査状況(令和8年6月25日)
教育・スポーツ委員会
委員会
日時 令和8年6月25日(木曜日) 午後0時58分~午後4時53分
会場 第5委員会室
出席者
日高 章、藤原 聖 正副委員長
直江弘文、神戸洋美、高桑敏直、中根義高、丹羽洋章、中村貴文、河合洋介、小木曽史人、
加藤貴志、神谷まさひろ 各委員
スポーツ局長、スポーツ監、
アジア・アジアパラ競技大会推進局長、アジア・アジアパラ競技大会推進監、 都市オペレーション統括監、
教育長、野杁教育委員、教育委員会事務局長、同次長兼管理部長、教育部長、教育改革監、関係各課長等
委員会審査風景
付託案件等
議案
第100号 令和8年度愛知県一般会計補正予算(第1号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳出
第9款 教育・スポーツ費の内
第1項 教育総務費
第5項 特別支援学校費
第2条(債務負担行為の補正)の内
天白あいおい特別支援学校建設工事
第107号 愛知県立学校条例及び愛知県教育委員会事務処理特例条例の一部改正について
第113号 工事請負契約の締結について(愛知県教育情報通信ネットワーク校内ネットワーク施設更新工事)
第119号 工事請負契約の変更について(明和高等学校校舎等建築工事)
第123号 訴えの提起について
結果
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第100号、第107号、第113号、第119号及び第123号
閉会中継続調査申出案件
- 学校教育の充実及び施設整備について
- 生涯学習について
- スポーツの振興について
- スポーツ局及び教育委員会の行政運営について
会議の概要
- 開会
- 口頭陳情(1件 陳情第15号関係)
- 議案審査(5件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 委員長報告の決定
- 一般質問
- 休憩(午後2時59分)
- 再開(午後3時9分)
- 閉会中継続調査申出案件の決定
- 閉会中の委員会活動について
- 閉会
主な質疑
議案関係
【委員】
私からは、予算に関する説明書21ページ、高等学校等教育改革推進基金事業費について、先ほどの説明にもあった対象になる改革先導拠点校4校、岡崎工科、安城農林、松蔭、新城有教館高等学校の特色と、約62億円の新規積立てが行われる高等学校等教育改革推進基金の活用について、三点尋ねる。
まずはじめに、この件については現在、文部科学省に申請中とのことであるが、今回の事業には安城農林高等学校が含まれており、農業・林業分野における次世代育成のモデル構築が大変期待されている。県内の農林業においては、スマート農業の社会実装や木質バイオマスエネルギーへの転換など、近代化が喫緊の課題であると私自身考えているが、本事業を通じて最新のテクノロジーを教育現場にどう落とし込み、本県の一次産業を牽引する次世代人材を具体的にどのように育成するのか尋ねる。
【理事者】
本県の基幹産業である農業分野において、生産性の向上と高度化を担う地域産業のイノベーションを起こすアドバンスト・エッセンシャルワーカーを育成する上で、最新のテクノロジーを教育の中に取り入れていくことは大変重要であると考えている。
改革先導拠点校である安城農林高等学校においては、スマート農業に対応した温室や牛舎、成分分析機器、加工に関する施設設備を計画的に整備して、生産から加工までを一体的に学ぶことができる教育環境を整えていく。これによって、生徒は、温度、湿度、生育環境、飼養管理、成分分析結果などの各種データを収集、分析して、得られた知見をその後の生産管理の改善や、あるいは品質向上に生かすとともに、商品開発を担う経験を通して、高付加価値化につながる学びを実現させていく。
また、地域の農業関係者や企業、大学等との連携を深めて、学校での学びと農業現場での学びの往還によって、生徒が自ら課題を発見し、データに基づいて解決策を考え、新たな価値を生み出す次世代農業人材を育成していく。
ネクストハイスクール構想の下、先端技術とデータ活用を核とした実践的な学びを充実させて、本県の一次産業を牽引する次世代人材の育成にしっかりと取り組んでいく。
【委員】
今の答弁どおりになるように期待している。
次に、改革先導拠点校4校において、県内に普及するパイロットケースを創出していくためには、学校現場だけで取組を完結するのではなく、学校外の多様なリソースを効果的に活用していくことが非常に重要になってくると思う。パイロットケースの創出に向けて、学校外のリソースをどのように活用していくのか伺う。
【理事者】
改革先導拠点校において、県内への普及可能なパイロットケースを創出するためには、学校という枠組みの中だけで取組を完結させるのではなく、企業や大学など様々な外部機関に協力してもらいながら、各拠点校において魅力ある取組を行っていくことが重要であると認識している。
幸い本県にはモノづくり企業をはじめとする数多くの企業が集積していて、特色ある研究を行っている大学や研究機関も数多く立地している。講師として事業に参加してもらったり、カリキュラム開発への助言をもらったりするなど、県内の様々な企業、あるいは大学等と緊密に連携して、その強みを最大限に発揮してもらうことで、本県ならではのパイロットケースの創出に努めていく。
【委員】
今の答弁にあったように、学校内だけではなくて学校外のリソース、資源を有効活用するように強く要望して最後の質問をする。
この本事業に係る補正予算案には、高等学校等教育改革推進基金への多額の新規積立てが含まれており、息の長い改革を進める強い意志を感じ取れる。一方、この大規模な投資を改革先導拠点校4校だけの成果に終わらせてはいけないと思うが、この4校で得られた教育モデルや実践的なノウハウをどのように他の高等学校へ普及させていくのか伺う。
【理事者】
4校で得られた教育モデルや実践的なノウハウについては、持続可能な形で他の県立高校へ普及させていくことが大切であると認識している。そのための方策として、拠点校の事業に他校の教員が定期的に参加できる仕組みを整えたり、改革先導拠点校が開発したカリキュラムや教材を他校に周知し、積極的な活用を進めたり、拠点校の取組の成果を発表し、共有する教員研修の機会を設けたりするなどの方法を考えている。
また、今年度策定する高等学校教育改革実行計画にも、改革先導拠点校の取組を盛り込んで、その成果を他の県立高校に共有、普及していく。
【委員】
私からは、議案書35ページの第113号議案工事請負契約の締結について、愛知県教育情報通信ネットワーク校内ネットワーク施設更新工事について伺う。
現在、県立学校において、普通教室2教室当たり1台の無線アクセスポイントを廊下側に設置しているが、教室との間に窓や柱等で通信が遮断されやすい環境が生じていることから、今回の議案は、県立学校181か所に普通教室1教室当たり1台を教室内に設置することで、接続負荷の分散や通信品質向上を図り、動画等を活用した授業でも安定した通信環境を実現するためのものと理解している。
今回の請負契約金額を見ると、予定価格約41億5,000万円に対して、落札額は約24億1,000万円、応札率58.1パーセントとなっており、通常の工事契約と比較してもかなり低い水準、破格の契約になっている。この予定価格を大幅に下回ったことに対してだが、安く済んだのはよいことかもしれないが、そもそもこの予定価格が妥当なものだったのか。また、一方で、あまりにも予定価格とかけ離れたことで、近年物価高騰や人件費が上がっていることも考えて設備仕様は大丈夫なのかとも感じる。
そこで確認の意味も含めて順次伺うが、まず、本契約における予定価格について、どのような積算根拠に基づいて設定したのか。その予定価格の妥当性について伺う。
また、低入札の場合には契約内容が本当に適切に履行されるのかを判断するために、低入札価格調査を設定していると聞く。今回、低入札価格調査ではどのような点を確認して、県として契約履行に支障がないと判断したのか聞かせてほしい。
【理事者】
本工事の予定価格については、複数の事業者から見積書を徴取し、これらの見積内容を比較検討し、市場価格の動向等を踏まえた上で、妥当と認められる価格を基に積算を行った。その上で、総務局総務部デジタル戦略課が実施する情報システム適正化事業の支援を受け、民間コンサルタントの専門的な知見を活用し、要件の明確化を行うとともに、過大な単価等の見直しを行って、経費の精査と積算額の適正化を図っている。
また、本工事の入札に当たっては、低入札価格調査制度を適用している。落札者であるネットワンシステムズ株式会社が調査基準価格を下回る価格で入札したことから、入札価格が低額となった理由のほか、必要な施工体制の確保の見通しなどについて調査を実施した。入札価格が低額となった理由については、全校で同一仕様の無線アクセスポイントを大量に調達できることのスケールメリットにより、機器の調達費用を大幅に低減できたことが確認できた。また、同社は2020年度の校内ネットワーク整備事業の施工実績に加え、現行ネットワーク運用保守業務の履行実績や県立学校のネットワークに関するノウハウを有していることから、設計業務をはじめとする各種作業を効率的に実施することが可能であり、工事費の精査を通じて大幅な費用の削減を実現できたことが確認できた。これらのことから、入札価格は合理的な積算に基づくものであると判断している。
施工体制の確保の見通しについては、本工事に必要な現場作業従事者の確保が可能であり、手持工事との従事者の重複もないことを確認したことから、本工事の施工体制は十分に確保されていると判断した。
以上について、低入札価格の調査結果を審議する愛知県教育委員会契約審査会に報告し、契約内容を適正に履行できるとの結果を受けて、同社を落札者として決定している。
【委員】
低入札価格調査を経て履行可能と判断したということだが、先ほども言ったように、近年は資材や人件費が上昇している。工事契約後に物価スライド条項等による契約変更が行われる事例も今は見受けられるが、今回の契約についても今後の物価変動等による契約額の変更の可能性はあるのか、その場合の適用条件などを聞かせてほしい。
【理事者】
本工事は、愛知県公共工事請負契約約款に基づく工事請負契約となっており、約款では、工期内で請負契約締結の日から12か月を経過した後に請負代金額の変更を請求できる旨が規定されているが、本工事の契約期間は12か月以内であるため、この規定は適用されない。
一方で、特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じた場合や、予期することができない特別の事情により工期内に日本国内において急激なインフレーションまたはデフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当となった場合についても、請負代金額の変更を請求できることとされているが、変更金額は発注者と協議して定めることとされ、協議が整わない場合にも発注者が定めるとされている。
本工事の入札は先月に実施しており、現時点の資材価格や人件費の動向を反映した適正な積算に基づいて入札されている。今後、日本国内において著しい価格変動がない限り、契約額の変更はない。
【委員】
余程のことがない限り契約額の変更はないと理解した。
今回の工事は無線アクセスポイントの設置工事のみを対象としていると認識しているが、機器設置後のいわゆる保守についてはどのように対応するのか聞かせてほしい。
【理事者】
本工事については、無線アクセスポイントなどのネットワーク機器を調達し、配置設計や電波の調整等を行って校内の適切な場所に設置するための工事である。一方、機器の設置後においても学習用端末がいつでも利用できる環境を維持するためには、校内ネットワークの安定運用や障害発生時の迅速な対応が必要となる。そのため、ネットワーク機器の保守業務については、本工事とは別に委託契約を締結する予定としており、一般競争入札により事業者を選定する予定である。
【委員】
一般競争入札で委託契約を締結する予定だと確認した。
今回、応札率が低くて、当初計上していた予算から大幅な費用低減見込みが立ったことは、県にとっても、言い方は少し悪いかもしれないが、とてもありがたいことだと思っている。結果論になってしまうが、結果だけ見れば今回は普通教室だけとなっているが、特別教室や体育館も含めて一気に無線アクセスポイントを充実させればよかったとも思う。特別教室や体育館においても、探究学習、実習、行事運営など活用場面は広がっており、将来的な通信需要の増加も想定される。ICT教育等も当然そのようなところで実施されており、体育館においては、近年、行事運営や体育の授業などでもICT利活用のニーズが高まっていると聞いている。
今回のこの事業は国のデジタル活用推進事業費を活用していて、この事業費は地方債充当率90パーセントで、交付税措置率が50パーセントである。平たく言えば全事業費の45パーセントを国の補助という形で県が事業を実施できるものであって、事業期間は令和11年度までと聞いている。
そこで最後の質問となるが、県として今回対象外となっている特別教室や体育館についても、今後、計画的に無線アクセスポイントの整備を進めていく考えがあるのか聞かせてほしい。
【理事者】
今回の工事で対象外となっている体育館や特別教室、グラウンド、武道場においては、多くの学校で無線アクセスポイントが整備されていない。現在、実習を伴う授業や習熟度別の少人数事業は普通教室以外の特別教室等を利用して日常的に行われているが、これらの教室ではICT機器を活用できる通信環境が整備されていないため、インターネットを利用したICTの活用ができない状況となっている。また、文部科学省が策定した令和7年度以降の学校におけるICT環境の整備方針では、普通教室及び特別教室へのネットワーク環境の構築が最低限必要とされ、かつ優先的に整備すべきICT機器等として位置づけられている。この方針を踏まえ、ICTツールのさらなる活用を実現するためには、学校のどの部屋からでも通信可能な環境を整備することが喫緊の課題であると認識している。
こうしたことから、昨年12月に策定した第五次愛知県教育振興基本計画、あいちの教育ビジョン2030において、無線アクセスポイントの増設を教育DXの推進及びICT教育環境の整備のための施策の一つとして位置づけており、早期に整備できるよう取り組んでいきたい。
【委員】
それでは、私からも予算議案について伺う。
まず、高等学校教育を先導するパイロットケース創出事業についてである。この6月議会の補正予算で高等学校等教育改革推進基金事業費として約68億円が計上されている。そこで、県立高等学校4校が改革先導拠点校として指定され、先導的な取組を推進するとしている。人口減少や産業構造の変化、デジタル技術の進展等々、高校教育を取り巻く環境が大きく変化していく中で、今後、未来を担う人材育成のためにこうした改革を進めていくことは重要なことであろうと私も思うが、今回、これだけの大きな予算を投入するので、当然その成果等々も求められてくるものだと思う。
そこで、もちろん、これは国が始めたということもあるのだろうが、この事業によって本県としてどのような人材育成を目指そうとしているのか。また、どういった成果を期待しているのか、まず伺う。
【理事者】
本事業により育成を目指す人材は、急速なデジタル化、あるいはAIの進展、人口減少など、将来の変化が予測しにくい時代においても自ら課題を発見し、多様な人々と協働しながら解決策を見いだし、地域や社会の発展に貢献できる人材である。具体的には、理数的な素養と文系的な素養の双方を備え、AIを使いこなす力や探究力、実践力を身につけ、新たな価値を創造できる人材、また、地域産業を支える高度な専門性を有する人材や、地域を深く理解し、地域の良さを発信できる人材の育成を目指している。
期待する成果としては、生徒一人一人の多様な個性、あるいは能力を最大限に伸ばして、希望する進学や就職の実現につなげるとともに、地域産業や地域社会を支える人材の確保、さらには地域発のイノベーション創出や持続可能な地域社会の形成につながることを期待している。
【委員】
一般的にはそのような答えになるだろうと思う。
それを受けて、その上で、今回この4校を改革先導拠点校として指定した理由である。どういった基準でこの4校を選定したのか伺う。というのも、ほかにも、例えば工科高校にしろ、農業高校にしろ、水産高校にしろ、例えば施設、設備が老朽化していて手を入れなければいけないなどということは従前から言われていた。本当に即戦力となる人材を育成するためにはこの設備で大丈夫なのかということは、もう随分前から言われていた一方で、これをするわけである。今回、国がこうした事業をやろうということで手を挙げたわけであるが、さきの答弁の考え方の中でこの事業を受けて4校を選んだということで、その基準、どういった基準で選んだのか聞かせてほしい。
【理事者】
教育委員会としては、国の高等学校等教育改革促進事業の趣旨及び本県の社会課題を踏まえて、各分野において今後の高校教育改革を進めていくための先導的役割を果たし得る4校を選定した。岡崎工科高等学校は企業集積地に立地していて、産業界との連携の素地があること、また、工業の幅広い分野の学科を備えているため、改革成果を他校へ波及させやすいことが挙げられる。同様に、安城農林高等学校も農業の全分野の学科を網羅しつつ、近隣の農業教育共同実習所と連携して、全県の生徒実習や教員研修を実施することで高い波及効果が得られると考えている。松蔭高等学校は文理横断型教育の先行実施校としての実績があること、また、理系学部を有する大学が多い地域で、高大連携の環境が整っていることを理由として選定した。新城有教館高等学校は、人口減少地域において多様な学びと地域連携を推進していける学校ということで選定した。また、新城市と高校が連携協定を締結しており、地域や企業、豊橋市内の大学との日常的な連携が可能な学校であるというのも選定理由の一つである。いずれの学校も他校への普及が期待でき、本県全体の高校教育改革を牽引することができると考え、選定した。
【委員】
揚げ足を取るわけではないが、例えば工科高校は、近くに連携できる企業があるからという答弁だったと受け止めたが、先ほどの委員の質疑の中にもあったとおり、校外リソースの活用をいかにしていくのかということはすごく大事なことだとは思う。
ただし一方で、そのリソースが使えないところは今後、さきの質疑にもあったが、横展開をどうやって図っていくのかというときに、リソースが使えないから無理であるなどということがあっては困る。例えば今、工科高校に触れているが、県内の工科高校を出る子供たちはどこの高校を出ても、やはり必要とされる、学びたいことがきちんと学べるという環境を整えてほしい。これはあくまでパイロットケースなので、これをいかに横展開を図っていくのかということが今後求められてくることだと思うので、その辺りもしっかり踏まえて進めていってほしい。また、学校は、選ばれた以上はこれをやることになっていくのだろうが、あくまで横展開も含めて考えて進めていってほしいと要望する。
もう幾つか聞くが、今回、新規積立金として62億円が計上されている。この積算根拠、内容について少し詳しく聞かせてほしい。
【理事者】
新規積立金の62億円については、改革先導拠点校4校において3年間の取組を進めていくための所要額である。
その内訳としては、岡崎工科高等学校においては20億円を積算していて、その主な内訳は、DX・GX技術に対応した実習用機器の整備に約10億円、ロボット実習室等の整備に約6億円である。
安城農林高等学校においては25億円を積算していて、その主な内訳は、ICTによる自動制御が可能なスマート温室やスマート牛舎の整備に約20億円、食品加工施設等の整備に約2億円である。
松蔭高等学校においては11億円を積算していて、その主な内訳は、高度な実験設備等の整備に約5億円、化学系と生物系の実験が一つの部屋で同時に可能となる教科・科目横断型の探究学習に対応した実験室の整備に約3億円である。
最後に、新城有教館高等学校においては6億円を積算していて、その主な内訳は、遠隔教育や学習支援等に係る施設整備に約4億円、遠隔教育や探究活動等に係る備品購入費に約1億円である。
【委員】
確かにそれぞれの学校の特色は、あくまでパイロットケースなので、強みを伸ばしていくことも含めて、弱みを補っていくところにお金をかけていくと理解した。
もう一点、お金のことで伺う。県事業費で6億3,000万円余りの中から5億円余りが委託料として計上されているが、この中身と積算根拠について聞かせてほしい。
【理事者】
委託料5億956万6,000円については、今年度、改革先導拠点校において施設等整備を行うための設計委託費のほか、アントレプレナーシップ教育コンサルタントの派遣やインターンシップ受入先の開拓などの学校伴走支援委託費などを計上している。
岡崎工科高等学校においては1億5,228万円を計上していて、主な内訳はロボット実習室等の整備設計委託費9,728万円、アントレプレナーシップ教育コンサルタント委託費4,000万円である。
安城農林高等学校においては、1億8,972万1,000円を計上していて、主な内訳はスマート温室、スマート牛舎等の整備設計等委託費1億7,509万1,000円、インターンシップ受入先開拓等のための学校伴走支援委託費1,363万円である。
松蔭高等学校においては8,521万3,000円を計上していて、主な内訳は実験室等の整備設計委託費2,258万3,000円、アントレプレナーシップ教育コンサルタント委託費4,900万円である。
新城有教館高等学校においては8,235万2,000円を計上していて、主な内訳は遠隔教育拠点施設や放課後学習支援施設等の整備設計委託費5,358万1,000円、遠隔教育コーディネーター委託費1,201万7,000円である。
【委員】
この予算案について最後に伺うが、こういった教育プログラムや企業連携等々も積極的に進めていくということで、今の委託費の中にもその開拓の予算が一部含まれていたと受け止めている。一方で、この事業を進めていくに当たって教員の負担が過度に増えることもまた避けなければならない。事業を進め、広げるために負担が増加されないように気をつけてほしいと思うが、この辺りをどのように対応していこうと考えているのか、教員の負担増加について聞かせてほしい。
【理事者】
本事業では、高度な知識、技術を学べる新たな施設、設備を導入し、それらを生かした新しいカリキュラムを開発していく計画である。また、インターンシップを推し進めるための受入先を幅広く開拓していくこととしている。それらのことを教員自身が日々の教育活動と並行して行っていくには負担が大きいと認識している。
そこで、教育改革を持続可能なものとするため、外部の多様なリソースを活用し、教員の負担を軽減していく。具体的には、それぞれの改革先導拠点校の取組に応じて専門家やコーディネーターを配置し、新たなカリキュラムの開発支援や教員の資質向上のための研修サポート、連携企業の新規開拓や連携先との連絡調整業務を支援してもらう計画である。
このように学校の支援体制を充実させて教員の負担軽減を図っていく。
【委員】
この4校を指定してパイロットケースとしてまず先行的に実施することは理解できるが、子供たちにとって3年間という時間はとても大事な時期であって、ここで得られた知見、新しい発見等々はぜひ間髪入れずに横展開してほしいと要望して、この件については終わる。
もう一点、第113号議案についてである。
この情報通信ネットワーク校内ネットワーク施設更新工事24億1,450万円について、先ほどの委員が触れていたので、私も一点だけ伺いたい。今回の工事、181か所の一括発注となっている。愛知県は広いので、例えば県内を幾つかのエリアに分けて分割して発注することも考えられたと思うが、そうしなかった理由、一括発注した理由を聞かせてほしい。
【理事者】
本工事は、県立学校の校内ネットワーク環境の改善を目的として実施するものであり、校内に設置している無線アクセスポイントを最新機器へ更新するとともに、これまで普通教室2教室に1台の割合で教室の廊下に設置していたものを各普通教室内に1台ずつ設置する。
全ての学校を一括して契約することとした理由であるが、本工事では、全校で約7,000台の無線アクセスポイントを整備することとしており、一括契約にすることで同一仕様の機器を大量に調達することができるため、スケールメリットによる調達コスト低減が見込まれる。また、無線アクセスポイントの配置設計や電波の調整、機器の設定作業などを全校共通の基準と手順により整備することができる。その結果として、学校ごとの通信品質や利用環境のばらつきを抑え、特定の学校のみつながりにくいといった問題の発生を防ぐことができる。さらに、機器の整備後に障害や不具合が発生した場合には、機器の設置基準や設定内容が統一されていることから、障害原因の特定や設定変更、機器交換などを共通の手順で効率的に行うことができる。
以上のことから、コスト面、通信品質面、運用面において効果が見込まれるため、一括契約とした。
一般質問
【委員】
私からは、公立高等学校の入試と空調整備についての2件尋ねる。
はじめに、公立高等学校の入学者選抜における特色選抜についてであるが、全日制課程の入試は推薦選抜、一般選抜などがあり、志願者に複数の受検機会を与え、また、志願者の多様なニーズに対応した制度であると理解している。その中で特色選抜があり、各高校が目指す学校像に基づき、多様な能力や適性を持つ生徒を意欲的に受け入れる制度として導入されたと聞いている。
まず、この特色選抜という選抜は具体的にどのような選抜であるのか伺う。また、今年3月の実施状況について教えてほしい。
【理事者】
特色選抜は、高校や学科の特色を生かした選抜であり、中学生の将来の進路目標や、その高校、学科で学ぼうとする意欲、学科やコースに関連する分野での能力、実績などを重視する選抜で、2023年度入試から導入した新しい選抜である。2026年度入試で4回実施したところであり、今年3月、最初の特色選抜で入学した生徒が卒業を迎えた。
この選抜を実施できる高校、学科は、農業科、工業科などの職業学科、理数、体育などの専門学科、総合学科、コースや特色ある教育課程を有する普通科、地域に根差し、地域貢献を特色とする高等学校である。なお、実施については高等学校長が決定する。
特色選抜の入学検査は面接を必須とし、作文、基礎学力検査、プレゼンテーション、特別検査のうち、高等学校長が定めたいずれか一つを行い、合否については出願時に登録する調査書、本人が作成した志望理由書及び入学検査の結果などで判定する。
2026年度入試では、全日制課程を持つ公立高校156校中77校で実施している。学科別では、普通科28学科、職業学科41学科、専門学科5学科、総合学科8学科、合計82学科で実施した。
【委員】
今年度で4回目ということであったので、この制度について、志願者層の広がりや入学後の生徒の学習意欲など、教育委員会としてどのような成果が現れていると認識しているのか伺う。
【理事者】
特色選抜は、導入当初の2023年度には1,250人であった志願者が、この2026年度入試では1,802人と552人増加しており、中学生や保護者、中学校の間で、中学生の興味、関心や得意分野を生かした受検機会として認識が広がっているものと考えている。高校からは、特色選抜によって入学した生徒は学校の教育内容をよく理解して入学していることから、学校生活の様々な場面で積極的に取り組むことができているという報告や、進路目標も明確であることから、自らが希望した進路先に進学、就職することができているという報告を受けている。また、文部科学省主催のスーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会で表彰される生徒などもいると聞いている。
こうしたことから、県教育委員会としては、特色選抜が一定の成果を上げていると考えている。
【委員】
今の答弁で、中学生の進路の幅が広がってニーズも増えていることが分かったが、そうやって中学生の進路が幅広くなることは、中学校の現場の先生にとって大変だと思う。その点で最後に尋ねたいが、進路指導の複雑化や特色選抜と一般選抜とのバランス、また、合格者の学力確保など、現場からは様々な課題の声も聞いている。しかしながら、今後、少子化が進行する中で、特色選抜は今の答弁にあったように各高校の個性を際立たせ、生徒一人一人の学びのニーズに応える重要な役割を担うと私自身は思う。こうしたことから特色選抜がより安定的かつ効果的なものとなり、各高校が真に特色ある教育を推進する選抜となるような改善がさらに必要だと考えるが、特色選抜の改善をどのように進めていくのか、見解を伺う。
【理事者】
特色選抜を4回実施したところではあるが、職業学科では多くの高校が実施しているのに対して、普通科では実施校が少なく、学科によって中学生が選択できる機会に差が生じている。また、中学生や保護者、中学校からは、各校が定める求める生徒像が分かりにくい、面接とプレゼンテーションの違いが分かりにくいなどという声もあり、特色選抜の制度や趣旨を周知し切れていないという課題があると考えている。
そうしたことから、公立高校入試に関する課題について協議する愛知県公立高等学校入学者選抜方法協議会議において、本年度5月に特色選抜の在り方について諮問した。現在、協議を行っているところであるが、答申を得たら、その答申を基に特色選抜が各高校のスクールポリシーや特色をより的確に反映し、中学生にとって選択肢が増え、学習意欲や自らの学びの成果が評価されるよりよい選抜制度となるよう改善を進めていく。
【委員】
私個人の考えだが、この学校に行きたいと思って受けるわけだから、学力調査が要るのかどうかというのは少し疑問に思う。その辺りも今、検討中だということであるので、よく検討してもらいたいと要望し、この質問を終わる。
続いて、高等学校の空調整備について伺う。
本年度から特別教室等への空調整備が始まる。それに先立って、体育館、武道場については既に2024年度から空調の整備が始まっていると理解している。私の地元の犬山総合高等学校は初年度に設置した。また、母校の犬山高等学校は今年度設置すると聞いているので、一日も早い整備を願う。
そこでまずはじめに、県立高校における体育館、武道場への空調整備について、今年度は4か年計画の3年目を迎え、順次整備が進んでいると思うが、現在の進捗状況を教えてほしい。
【理事者】
県立高校の体育館、武道場への空調整備については、2024年度から2027年度までの4年間で、県立高校145校292棟に順次整備を進めている。昨年度までの2年間で70校145棟の整備が完了し、棟数ベースで49.7パーセントの進捗となっている。今年度は40校79棟の整備を予定しており、競争入札の結果、先週、整備業者との契約を締結した。今年度末には累計で110校224棟に整備が完了する見込みであり、棟数ベースで76.7パーセントの進捗率となり、計画どおりに整備を進めている。
【委員】
今の答弁で順調に進んでいるとのことであるので、今年度、来年度でしっかり整備するよう要望する。
今の答弁で、体育館、武道場については順調に進んでいると理解したが、その一方で高校の現場からは、体育館が涼しくなっても、武道場が涼しくなっても、授業の合間に体育教員等が待機して事務作業を行う体育教官室、所によっては体育準備室と呼ぶところもあるが、この体育教官室について、今年は猛暑が予想される。体育教員、教員だけではないとは思うが、外で授業をする者にとっては大変苛酷だと思う。そこで、今年度から始まる特別教室等への空調整備に体育教官室が含まれているのかどうか、この特別教室等の等の内訳を教えてほしい。
また、体育教官室については体育館内にある場合もあれば、校舎や体育館から離れたグラウンドにある場合もあるなど、学校ごとに設置されている場所は様々であると思う。このような違いにより室内の暑熱環境にも差が生じており、とりわけグラウンドにある体育教官室は、先ほど言ったように極めて厳しい環境に置かれるだろうと予測している。校舎設置場所の環境差に伴う室内温度の違いに対して今後どのように対応していくのか、併せて尋ねる。
【理事者】
特別教室等には、理科室や音楽室などの特別教室に加えて、体育教官室、用務員室、調理場といった管理諸室を含んでいる。これらの管理諸室についても、今年度から2029年度までの4年間で順次リース方式により整備を進めていく。
次に、設置場所の環境差を踏まえた特別教室等への空調整備に係る考え方について答える。
体育教官室をはじめ、特別教室等の設置場所は学校ごとに様々であり、場所によっては他の教室等よりも暑く、暑熱環境が厳しい状況も想定される。空調を整備するに当たっては、学校からの要望を踏まえた上でリース業者との現地調査や打合せを丁寧に行い、室内全体を適切な温度に保てるよう十分な冷却能力を備えた空調設備を整備し、様々な環境下においても快適な環境を整備していく。
【委員】
等の中に体育教官室も含まれるということで、現場の先生にとってうれしい情報だと思う。私も昨年の9月定例議会の一般質問で、このことを質問はしなかったが、事例としてある高校の体育教官室は教官室の上にスプリンクラーを置いて、水をまいて屋根を冷やしてしのいでいるということも紹介した。働き方改革が叫ばれる中、こうした体育教員の働き方も大事であるが、体育教官室は先生たちのためだけの建物というだけでなく、外で何かあったときの生徒の一時避難所にもなり得る場所である。今、4年間で体育教官室も含めて整備するとの答弁であったので、できれば一日も早く全校に設置することを強く要望して私の質問を終わる。
【委員】
私からは三つのテーマについて伺う。
まず一つ目だが、教育現場における防犯について伺う。
昨年の名古屋市の教員を含む盗撮グループの事件発覚以降、全国的に学校の教員による盗撮事件が大きく報道されるようになった。これまでの教員に対する信頼に疑義が生まれ、安全であるべき学校において子供の安全・安心が心配される状況が続いている。
まず一つ目、過去5年間、県内の小中学校、県立学校において、学校に通っている児童生徒が被害者となった教員による盗撮事件は何件くらい起きており、県教育委員会として現状をどのように捉えているのか伺う。
【理事者】
令和3年度から令和7年度までの5年間、名古屋市を除く県内の公立学校において、学校に通っている児童生徒が被害を受けた教員による盗撮事案は合計7件であり、全て懲戒免職としている。
昨年の7月中旬以降、約1年間にわたって新たな事案は発生していないが、児童生徒への盗撮は最も許されない行為の一つであり、起きないことが当然である。県教育委員会として緊張感を持って、市、学校、市町村教育委員会への呼びかけを続けている。
【委員】
盗撮を防止するためには、他の犯罪対策と同様に校内に防犯カメラを設置することなども有効だとは思うが、費用面での問題だけでなく、学校が常に監視される場所となってしまうことに対しては、自己を形成する子供の心の発達に与える影響が懸念される。また、盗撮の機材などはどんどん進化していると聞いており、ハード的な対応には一定の抑止効果が期待されるものの、限界もあると考える。そこで大切になってくるのは、盗撮という犯罪が起きにくい環境をいかにつくるかという研修などのソフト面での対応であると考える。
二つ目の質問は、昨今の盗撮事件を受け、これまで県教育委員会は盗撮が起きにくい環境づくりを、研修などのソフト面からどのように行ってきたのか伺う。
【理事者】
県教育委員会では、盗撮が起きにくい環境をつくるために重要なのは、盗撮をさせないためのルールづくりと、教員一人一人の自覚を促し、倫理感を醸成するための研修であると考えている。
まず、ルールづくりとしては、昨年7月に自校児童生徒への盗撮行為・わいせつ行為撲滅のためのガイドラインを新たに策定し、全ての公立学校にその実施を求めた。このガイドラインは、個人所有のスマートフォン等による撮影を禁止し、学校で定められた機材を使用することや、児童生徒の画像や動画データの厳重管理についても規定するなど、従前と比較してかなり踏み込んだ内容となっている。さらに、教室、更衣室、トイレの点検を定期的に実施するとともに、不審物の隠し場所となり得る荷物等の放置防止についても指示している。
教員への研修としては、これまでの不祥事防止研修に加え、各種研修の場に教職員課職員が直接出向き、特に児童生徒に対する盗撮やわいせつ防止を呼びかけている。また、学校管理職の不祥事防止に向けたリーダーシップが高まるよう、県教育委員会幹部による訓示を実施するなど、強力な取組を進めている。
【委員】
では、続いて三つ目の質問だが、ソフト面での対策の成果というのは数字で具体的に表すことは難しいと思うが、県教育委員会としては、昨年度1年間の取組の成果をどのように捉えているのか伺う。
【理事者】
7月に発出した文書が各学校に行き渡って以来、新たな盗撮事案が発生していないことを考えると、県教育委員会の取組に一定の成果はあると考えている。教員研修における振り返りなどでも、信頼回復の必要性を強く感じ、自分事として捉えていることが分かる記述や発言が増えている。しかしながら、全国的にも教員による盗撮の報道を耳にすることは多く、強力な取組を継続する必要があると考えている。
今後も、盗撮防止に向けたルールがきちんと守られているかを確認しつつ、研修の充実を図り、盗撮行為をはじめとする不祥事防止に粘り強く取り組んでいく。
【委員】
続いての質問だが、子供の教育現場での安全を確保するという観点で、あいちの学校安全マニュアルもあるが、その内容はどのようなものなのか伺う。
【理事者】
県教育委員会では、児童生徒等の安全確保を図るため、あいちの学校安全マニュアルを作成しており、各学校が学校安全について取り組む際に活用している。学校における安全管理、組織活動は主に学校保健安全法に基づいて実施されているため、あいちの学校安全マニュアルの内容も、学校保健安全法の趣旨に沿ったものとなっており、学校安全の狙いや関連する法令の概要、安全教育の進め方や評価の方法、事故や災害に備えた安全管理、心のケアと自殺予防などの内容で構成されている。学校保健安全法においては盗撮の規定はないため、あいちの学校安全マニュアルにも盗撮に関する記載はない。

あいちの学校安全マニュアル
【委員】
あいちの学校安全マニュアルの規定に盗撮に関するものがないことは分かった。
では、伺うが、子供の安全・安心を確保する観点でのマニュアルのはずだが、その安全・安心を侵す盗撮が規定に入っていないことは、既にマニュアルの内容が環境に追いついていないと捉えることができるかと思う。よって、新たに盗撮をマニュアル規定に加えるべきだと感じるが、どうか。
【理事者】
先ほど教職員課から答弁したとおり、盗撮防止に向けた対策については、児童生徒の安全を第一に考えて、自校児童生徒への盗撮行為・わいせつ行為撲滅のためのガイドラインを策定するなど、強力に取組を進めている。このガイドラインには盗撮行為防止のための具体的な対策が示されており、内容的には本ガイドラインが盗撮対策のマニュアルに相当すると考えられる。このため、現時点ではあいちの学校安全マニュアルに盗撮について規定することは考えていないが、他県の事例も参考にしながら、本マニュアルの在り方について検討していきたい。
【委員】
昨今の盗撮は、スマートフォンだけに限らずどんどん巧妙化しているのが現状である。どのような手口で盗撮が起きているかという知識が増えれば、校内点検の際にも意識の持ち方が変わると思う。今後は民間団体や警察等とも連携しながら学校全体の防犯意識を高める研修に取り組み、保護者が安心して子供を送り出すことができる環境づくりを進めてほしいと思う。
続いて、盗撮からもう少し話題を広げると、今年の12月から日本版DBSと言われる学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(こども性暴力防止法)が施行されると聞いており、学校でも少しずつ準備が進んでいると思う。
そこで、まず、こども性暴力防止法の概略を教えてほしい。
【理事者】
こども性暴力防止法は、教育、保育などの子供に接する場での子供への性暴力を防ぎ、子供の心と体を守るため2024年6月に成立し、2026年12月25日に施行される。この法律では、学校や保育所など公立、私立を問わず、子供に対して教育、保育などを行う事業者に対し、子供を性暴力から守る環境づくりや子供と接する業務に就く人に性犯罪前科の有無を確認するなど、性暴力を防ぐための取組が求められている。
県教育委員会としては、今後、教職員に対する性犯罪前科の確認など、法律に基づく取組を進めていく。
【委員】
この新しい法の施行に対し、県教育委員会として今後どのような取組を新たに行っていくのか伺う。
【理事者】
学校における取組としては、現職教職員の性犯罪前科の確認及び研修を受講させることが求められており、こども家庭庁からの通知やマニュアルに沿って進めている。性犯罪前科の確認については、法施行後、教職員本人が戸籍情報を取得して国に直接提出し、国において審査された後、県教育委員会はその結果を確認することとされているので、今後こども家庭庁から示される予定のマニュアルに従って制度の内容と併せて周知を図っていく。
教職員の研修については、法施行前に受講させることが学校設置者に求められているので、こども家庭庁が公表している動画や研修資料を活用し、個人やグループで研修に取り組むこととしている。研修を通じて、学校内で子供に対する性暴力防止に対する関心を高めるとともに、そのために取り組むべき事項に関する理解を深め、子供性暴力を起こさせない環境づくりに努めていく。
【委員】
では、このテーマの最後に要望する。
犯罪が発覚するのはあくまで氷山の一角である。盗撮が起こっていないから安心ではなく、児童生徒を守るために様々な部局で連携し、今後も緊張感を持って対応してほしい。愛知県は学校や教育委員会での防犯対策に対し、改善の余地はまだあると考える。例えば教職員研修で防犯における予備知識と防犯コミュニティーの重要性を聞くことや、先ほど答弁にもあった自校児童生徒への盗撮・わいせつ行為防止のためのガイドライン、あいちの学校安全マニュアルの改訂など、やれることは多いと感じる。
盗撮は個人の努力だけでは防ぎ切れない、予防するためのモデル構築も必要だと考える。そのためには盗撮をさせない三つの構造を理解することが大切だと思う。すなわちピラミッドで考えると、頂点から防止、防犯、そして制度と社会ということになる。とにかく見つけるだけでなく盗撮が起こりにくくする視点を持つことが重要である。たくさんの目があるので、犯罪がやりづらいという環境づくりを願い、このテーマは終わる。
続いて、県立高校における自転車通学時の安全確保について伺う。
本年4月1日から自転車に対する交通反則通告制度、いわゆる青切符制度が始まり、街頭における取締りが強化されている。自転車を取り巻く交通事故情勢が厳しい状況にある中、私の地元豊田市は6月22日に今年2回目の交通死亡事故警報を発令した。今月、自転車に乗っていた高齢者が死亡した交通事故では、当人はヘルメットをかぶっていなかったとのことである。ヘルメット着用は自身の命を救う可能性が高くなるのは言わずもがなである。2023年に自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化が施行されている。そうした中、高校生の自転車通学時の安全確保について質問する。
まず一つ目だが、昨年度の県立高校における交通安全教室の主な内容、外部講師を活用した実施状況及びどのような外部組織の講師を活用しているのか伺う。
【理事者】
県立高校148校のうち、昨年度、交通安全教室を実施した学校は142校あった。主な内容は、交通安全に係る講話のほか、安全な自転車の乗り方の実習や交通法規などの確認であって、そのうち交通安全に係る講話を行う際に外部講師を活用した学校は120校であった。外部組織の講師の具体的な内訳については、所轄警察署の職員が61校、損害保険会社の職員が28校、自動車学校の職員が20校であった。そのほかにも、市町村の交通安全担当部署の職員や、JAFの職員、県警察の交通安全教育を行う専門チームである交通安全教育チームあゆみを外部講師として活用している高校もあった。
【委員】
中学生までは結構普通にヘルメットを着用している中で、高校生になるとその割合が劇的に下がる。その大きな要因として言われているのが、髪型が崩れる、周りがかぶっていないなどである。デザイン性にも課題があり、どのようにヘルメットをかぶってもらえるようにするかということは大きな課題である。
ある調査では、2025年時点で、自転車通学時のヘルメット着用を公立高校に義務化していると回答した都道府県教育委員会は、鳥取県、山口県、愛媛県、高知県、大分県、福岡県で全体の1割強だった。2024年の自転車乗用中の10万人当たりの死傷者数は高校生の年代が15歳から19歳まででは218.4人で、全体の52.7人に比べると4.1倍と高い数字になっている。中高生の自転車事故が多い理由は、通学時の利用が多く、高校生のほうがより通学距離が長いことが考えられる。全国で見た自転車事故等のヘルメット着用率は、中学生が70パーセントあるのに対し、高校生は10.7パーセントと低くなっている。このような調査結果もある。
愛知県警察によると、令和7年1月に実施した愛知県内のヘルメット着用率は16.2パーセントである。令和6年の自転車事故死者は23人で、その9割以上がヘルメットをかぶっていない状態であったほか、自転車事故死者の致命傷は頭部が6割以上となっている。ちなみに愛知県の高校生のヘルメット着用率は2025年6月現在で11.9パーセントと全国平均の21.2パーセントを大きく下回っている。
そこで二つ目の質問だが、県立高校におけるヘルメット着用の促進に向けた取組として、昨年12月にあいちの高校生自転車安全利用五則を定めて遵守するよう通知を出したと聞いているが、通知の発出に至った背景、目的、そしてその通知の内容を伺うとともに、ヘルメット着用の義務化についてどのように考えているのか伺う。
【理事者】
初めに背景であるが、2023年4月から全ての自転車利用者にヘルメットの着用が努力義務化された。また、本年4月施行の改正道路交通法によって、16歳以上の自転車利用者に対して、いわゆる青切符制度が導入され、信号無視や一時停止違反、また、ながらスマホなどの交通違反に対して反則金の納付が求められることとなった。また、県内の高校生のヘルメット着用率は、2025年6月末の調査時点において11パーセント程度にとどまっている。
こうしたことを背景として、県教育委員会では、生徒の交通ルールに対する意識の向上と自転車利用時の安全確保を目的として、2025年12月16日付けで、各県立高等学校長宛てに、自転車の安全利用に関する取組についての通知を発出した。通知の内容については、内閣府が作成した自転車安全利用五則を参考として、車道は左側を通行する、交差点では信号と一時停止を守る、夜間はライトを点灯する、ながらスマホをしない、ヘルメットを着用するの5項目によるあいちの高校生自転車安全利用五則を作成し、道路交通法改正を周知することと、五則の遵守について指導を依頼している。
なお、現時点では、ヘルメット着用の義務化については考えていないが、まずはあいちの高校生自転車安全利用五則の遵守を徹底し、その効果を見極めていきたい。
【委員】
今回の質問に際し、興味深い取組を行っている兵庫県を訪問して意見交換した。さきにも述べたが、高校生がそもそもヘルメットを着用しない理由の一番が髪型が崩れることである。ここへの対策をしない限り、ヘルメットのデザインを変えても着用率はアップしにくいと思う。
そのような中、兵庫県は高校生の視点に立って、花王グループカスタマーマーケティング株式会社と連携し、ヘアスタイリングの実演を含んだ交通安全の研修会、題して、ヘルメット着用に負けないヘアスタイリング講座を全国で初めて行った。兵庫県が指定した自転車安全モデル校に対して実施し、当日は高校生のまなざしが真剣であり、また、大変盛り上がったそうである。ヘルメット着用への意識がこの講座を通して変わったという声もあったそうである。
三つ目の質問だが、このようにヘルメット着用率向上について学校で工夫して取り組んでいる事例を県教育委員会が広く情報提供することで、県立高校全体のヘルメット着用の促進につながると考えるが、ヘルメット着用の促進に向けて県教育委員会としてどう取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
学校における好事例を他の県立高校へ広く情報提供することは、ヘルメット着用の促進につながると考えている。県教育委員会では、今年度から新たに国の委託事業である学校安全総合支援事業を活用し、東郷高等学校と岡崎工科高等学校の2校をモデル校に指定して、交通安全に係る実践に取り組んでいる。モデル校ではヘルメット着用強化週間を設けて、期間中のヘルメット着用率が高いクラスを校内で表彰するなど、生徒が主体的にヘルメットを着用できるよう、交通安全に係る実践的な取組が行われる予定である。
県教育委員会としては、モデル校の取組に対して警察等関係機関との調整の支援を行うとともに、学識経験者をはじめとする推進委員会を開催して、モデル校の取組の成果を検証し、県のホームページへ掲載することや、研修会などで広く周知することにより、事業成果の普及に努めていく。
今後も警察等関係機関と連携しながら、効果的な取組をしている学校を支援し、取組成果を県内全域の高校に広めていくことで、より多くの生徒がヘルメット着用の有効性について認識し、ヘルメット着用の意識を高められるよう、しっかりと取り組んでいく。
【委員】
最後に要望する。
ヘルメット着用率を上げるため、昨年、愛知県警察で行った命を守るヘルメット着用促進グランプリに応募し、受賞した高校の中でのアンケートにも、髪型が崩れる、髪型が崩れにくいセットがあればよいのに、という声が上がっている。その視点で、単なる交通安全ルールの説明や自転車の乗り方の実施だけでなく、ヘルメットをかぶらない高校生の気持ちに寄り添った内容の講座開催や、例えば空き教室や空きスペースを活用し、崩れたヘアスタイルを再セットできる空間をつくることも学校の魅力化向上につながるかもしれない。いずれにせよ自転車通学への安全確保をより高めていくような対策を積極的に行うよう願う。
最後に、アジア・アジアパラ競技大会経費の収入に関して伺う。
大会開催まで3か月を切ったアジア大会、アジアパラ大会の大会経費についてである。大会経費については、昨年12月22日に大村秀章知事から2,980億円と発表され、今年の2月定例議会においてこの枠組みに沿って予算が措置されたと認識している。発表の際、選手村の整備取りやめや一部の競技会場を県外の既存施設に変更するなどして経費削減を図ったものの、急激な物価高騰や人件費等の上昇など社会経済状況の大きな変動で大会経費が当初の額から約3倍になったと大村秀章知事から説明があった。大会経費の枠組みが決まったわけだが、現在も物価高騰などは続いており、また、イラン情勢を受けて石油製品が不足しているように、大会経費をめぐる状況は厳しいと推察される。こういった大きなイベントはめったにあるものではないので、私としてもぜひ成功に導いてほしいと思っているが、経費に限りがある中、大会を成功に導くためには、経費削減に向けた努力は欠かせない。しかしながら、大会開催まで間もないため、大きな契約はおおむね終わっており、削減の余地も限られているかと思う。そのため、大会成功に向けては、歳入面での収入の確保も必要だと思っている。
そこで、まず初めに大会経費2,980億円の収入内訳について伺う。
【理事者】
収入内訳としては、愛知県、名古屋市の公費負担が1,971億円、昨年12月に成立した特別措置法に基づく国からの支援が150億円、競馬、競輪、ボートレースをはじめとする公営競技等の収入が457億円、そのほか公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会の自主財源として402億円を見込んでいる。
【委員】
収入確保という観点からすると、今の答弁にあった一般財源や公営競技等収入は、組織委員会への負担金で愛知県、名古屋市が既に予算措置しており、また、国費についても国から予算措置されているので、確保がほぼ確定していると考えられると思う。そうすると、組織委員会自主財源が収入増の重要な鍵になると思う。
そこで、大会経費2,980億円の多くを愛知県、名古屋市の公費負担、一般財源で補うとのことだが、愛知県、名古屋市の厳しい財政状況を鑑みると、組織委員会として自主財源の確保に努めていくことが重要だと考えるが、どのような収入を見込んでいるのか伺う。
【理事者】
組織委員会の自主財源の主な内訳としては、パートナーシップ契約の締結による企業協賛金や観戦チケットの販売収入、企業、個人からの寄附金などを見込んでいる。企業協賛金については、多くのパートナー企業を獲得するため、マーケティング代理店による国内外企業への積極的な働きかけや、大村秀章会長によるトップセールスなど、組織委員会として精力的に企業訪問を実施している。その結果、本日時点で、アジア競技大会は58社、アジアパラ競技大会は48社とそれぞれパートナーシップ契約を締結している。
観戦チケットについては、アジア競技大会で230万枚、アジアパラ競技大会で45万枚、合わせて275万枚の販売を予定しており、本年3月時点で両大会合わせて約38万枚を先行販売している。今月30日からは大会公式チケット販売サイトにおいて、全競技を対象とした通常販売を開始する。
こうした取組を通じて、組織委員会として自主財源の確保に取り組んでいる。
【委員】
協賛金やチケット収入、あるいは寄附金などを活用しながら自主財源の積み上げを図っていることは理解した。
その自主財源のうち、寄附金について少し伺いたい。私の地元豊田市でも組織委員会の職員が商工会議所の総会などで寄附依頼をしたり、幾つかの企業を訪問して話をしたりしたと聞いている。寄附金獲得に向けてどのような取組をしているのか伺う。
【理事者】
組織委員会に対する寄附については、2025年4月1日付けで国の指定寄附金に位置づけられ、寄附金の全額を損金算入できる税制上の優遇措置を受けられるようになった。こうしたことから、組織委員会では寄附金の確保に向けてより積極的に取り組んでおり、委員指摘のとおり、県内22の全ての商工会議所への依頼をはじめ、一般社団法人中部経済連合会や名古屋商工会議所などの経済団体と連携し、紹介された企業への訪問を実施するなど、幅広く寄附のお願いに取り組んでいる。
【委員】
最後の質問だが、組織委員会のホームページを確認したところ、寄附金の募集のページがある。愛知県、名古屋市に寄附する方法と組織委員会に直接寄附する方法があり、とりわけ愛知県と名古屋市に寄附する場合は企業版ふるさと納税の制度が活用でき、最大9割の法人関係税の軽減措置が受けられるということであり、これは企業側にとっては非常に効果が大きいと思われる。一方で、組織委員会へ直接寄附する場合は、最大3割の軽減措置となってしまうようであるが、実際の寄附の状況としては、愛知県、名古屋市、組織委員会それぞれの寄附はどういった状況か伺う。
また、企業版ふるさと納税を活用して寄附があった場合、愛知県や名古屋市に一旦寄附金が入り、最終的に組織委員会の自主財源になろうかと思うが、いつどういった形で組織委員会にそのお金が渡るのか伺う。
【理事者】
愛知県に対する寄附の状況については、寄附者の了解を得られた場合に限り、県のホームページに寄附情報を掲載している。公表している範囲でいうと、これまでにもらった寄附は10件、1,687万円となっている。名古屋市に対する寄附についても同様であり、市への聞き取りによると34件、2,751万円余となっている。また、組織委員会に対する寄附については、組織委員会の公表情報及び聞き取りによると、2025年度末時点で78件、2,983万円余となっている。
次に、組織委員会に対する寄附金の流れであるが、愛知県に対する企業版ふるさと納税を活用した法人からの寄附のほか、個人からの寄附などを含め、アジア・アジアパラ競技大会基金に積み立てており、今年度中に基金を取り崩した上で組織委員会に対し支出する予定としている。
【委員】
それでは、私からは2項目について質問する。
私は先日の一般質問において、障害者の就労支援として、障害者就労継続支援事業所における受注の拡大や工賃向上に向けた愛知県の取組、そういった事業所に対する運営指導や監査の取組、一般就労への移行と職場定着といった視点で質問したが、障害のある人の就労支援においては学校教育との連携も重要である。特別支援学校の生徒が卒業後に円滑に就職できるよう、在学中から企業実習やキャリア教育を充実させる必要がある。また、普通高校に在籍する発達障害の生徒に対しても、将来の就労を見据えた支援が求められている。私は障害のある人が就職することだけではなく、働き続けることができる社会を目指すべきであると考えている。
そこで伺う。
特別支援学校におけるキャリア教育や就労支援について、現在どのような取組を行っているのか聞かせてほしい。
【理事者】
特別支援学校においては、児童生徒が早い段階から働くことへの興味、関心を高め、卒業後の生活の可能性を広げられるよう、発達段階に応じたキャリア教育に取り組んでいる。
小学部においては、ふれあい発見推進事業を実施しており、昨年度は26校、262人の児童がサービス業や小売業などで働く人々の様子を見学し、仕事への興味、関心を育んでいる。
中学部においては、チャレンジ体験推進事業を実施しており、昨年度は25校、278人の生徒が地域の製造業やサービス業、小売業などの職場で仕事や簡単な作業などの就労準備体験を行い、勤労感や職業感を育んでいる。
高等部においては、各校で企業等と連携した産業現場等における実習や体験活動の充実に取り組んでおり、実践的な職業教育を推進するとともに、県内で5人配置している就労アドバイザーによる就労支援を行っている。就労アドバイザーは昨年度861か所の企業や関係機関を訪問しており、新規の就労先、実習先の開拓や、学校と関係機関の双方への情報提供、助言を行うことで、就労支援の充実を図っている。
【委員】
答弁によると、発達段階に応じた取組によって、小学部では働く人を見学することで働くことに興味や関心を持たせる。中学部では、仕事を体験することで働くことへの意欲を高める。そして高等部では、企業等での実習や体験を通して、勤労感や職業感を高めることが分かった。また、現在は県全体で5人の就労アドバイザーが861社もの企業開拓を行っているということであった。以前は、この業務は授業も持ちながら進路指導の先生が行っていたことを考えると、この就労アドバイザーの取組は大変評価できると思う。
一方で、愛知県には多くの特別支援学校があり、障害の程度も様々である。現在の5人の体制では十分な支援が行われているのかどうか疑問もある。就労アドバイザー設置のさらなる充実を期待したいと思っている。
ところで、近年は社会の急速な変化に伴い、就労先の業種も多様化していると思うが、特別支援学校の生徒の実習や就労にも影響があるのではないかと思う。
そこで伺う。
特別支援学校の生徒一人一人の特性に合った業種での実習や就労に向けて、どのような取組を行っているのか聞かせてほしい。
【理事者】
特別支援学校の卒業生の就労先の業種については、従来、製造業が多く占めていた。学校で取り組む作業学習や実習の内容についても、モノづくりが中心となっていた。
近年、社会構造の変化により、製造業以外の障害者求人の増加や業務の内容も多様化してきていることを踏まえて、生徒一人一人の特性に合った進路の実現に向けた取組を進めている。
取組の一環として、教育委員会では、2025年度から生徒が身につけた就労に関する力を公的に証明するため、清掃技能検定と接客技能検定の開発、実施を企業と連携し、取り組んでいる。この検定を通じて人と関わる力や対応力、道具を適切に扱うことや丁寧に作業する力など、これらはどの職場でも共通して必要とされており、社会で自立するために必要な力を生徒が身につけるとともに、身につけた力が公的に認定されることで達成感や自信、働く意欲を高め、生徒一人一人の特性に合った進路の実現につながると考えている。
なお、2027年度から本格実施を視野に、今年度は一部の学校で各技能検定を実施していく。
【委員】
技能検定等も含めて、これまでの答弁によると、特別支援学校在学中には様々なキャリア教育や就労支援が行われていることが分かった。
一方で、障害のある人の離職が課題となっていると思う。就職直後だけでなく、数年経過してから職場環境や人間関係の変化によって起こる場合もある。学校卒業後にも切れ目のない支援体制が重要であると考える。
そこで尋ねる。
一般就労後の職場定着も見据え、現在どのような支援をしているのか聞かせてほしい。
【理事者】
一般就労した卒業生に対しては、卒業後数年間、特別支援学校の教員が就労先企業へ職場訪問や聞き取りなど就労状況の確認を行い、卒業生が働き続けられるよう支援を行っている。また、卒業後も就業に関する相談や継続的な支援を受けられるよう、障害者就業・生活支援センター等の関係機関と連携するなどして、学校から社会への円滑な移行と職場定着の充実を図っている。
【委員】
卒業後数年間は教員が職場を訪問している。そして、それ以後は障害者就業・生活支援センター、通称なかぽつが連携してやっているということであった。
この前一般質問で紹介した、この春に特別支援学校を卒業して4月から市内の医療機関に勤めるようになった女性とは、実は昨日も刈谷駅で会ったので話を聞いたら、もう仕事がものすごい楽しいと言っていた。それは多分、単に仕事の種類が合っていて楽しいとか、職場の人々がよい人ばかりで楽しいというだけではなくて、やはり社会の中で自分の居どころがある、自己有用感を感じる、そういったことがかなりあって楽しさを感じているのではないかと思う。そういった意味では、ぴったり自分に合った職場に行けるというのはすごく自己有用感を得るためにはよいことだと思っているので、ぜひ特別支援学校におけるキャリア教育や就労支援、そういったこともしっかりやって、障害を持った人々も本当に社会の中で一員として力になっていると感じられる社会にしてほしい。
二つ目の項目は、スクールカウンセラーの配置の拡充と処遇の改善について尋ねる。
近年、不登校児童生徒の増加やいじめ、家庭環境の複雑化、精神的な不調を抱える子供の増加などにより、学校現場における心のケアの重要性はますます高まっていると思う。そうした中、心理の専門家であるスクールカウンセラーは、児童生徒本人だけでなく、保護者や教職員への助言、支援も行う重要な存在である。
そこで、スクールカウンセラーの配置充実と処遇改善といった視点で質問したい。
まず初めに、小中学校におけるスクールカウンセラーの配置は1校当たり年間何時間あるのか。雇用形態はどのようなもので、給与はどれだけか。また、県内の市町村の中にはスクールカウンセラーを独自に雇用しているところもあると聞いているが、それはどれだけの市町村であるのか。そうした独自に雇用した場合には、国や県からの財政的な措置はあるのかどうか。まずこれらについて尋ねる。
【理事者】
スクールカウンセラーについては、小学校に年間64時間で月1回程度、中学校に年間207時間で週1回程度配置している。加えて、不登校児童生徒の出現率が高い学校やいじめの解消に向けて取組中の件数の多い学校には、小学校で18時間、中学校で72時間加配している。
任用形態については、会計年度任用職員として任用されており、給与は1時間当たり5,500円である。また、県内でスクールカウンセラーを独自に任用している市町村は、名古屋市を除く53市町村のうち39市町村である。市町村が独自に任用した場合の国や県からの財政的な措置はない。
【委員】
愛知県におけるスクールカウンセラーの配置時間は、予算ベースでは小学校が年間64時間、中学校が年間207時間とのことであった。もちろん18時間とか72時間の加配もあるということだが、それでは、中学校の207時間を年間授業日数約200日で割り返すと、1日当たり約1時間にすぎない。また、小学校では年間64時間であるので、週に換算すると一、二時間程度の配置となってしまう。一方で、現場のニーズは年々高まっている。例えば、私の地元である刈谷市におけるスクールカウンセラーの利用者数は、令和6年度の延べ2,084人から令和7年度には2,406人へと増加している。こうした需要の高まりを受け、県内では名古屋市を除く53市町村のうち39市町村が独自にスクールカウンセラーを雇用しているが、市町村が独自配置を行った場合、国や県による財政措置はないということであった。これは本来であれば県が配置すべき相談体制を、市町村が自らの財源で補完している状況と言えるのではないかと思う。
そこで伺う。
現在の配置時間で児童生徒や保護者の相談ニーズに十分対応できていると認識しているのかどうか。また、多くの市町村が独自配置を行っている実態を踏まえ、県としてスクールカウンセラーの配置時間をさらに拡充すべきと考えるが、見解を聞かせてほしい。
【理事者】
市町村が独自配置を行っているスクールカウンセラーは、県のスクールカウンセラーと同様に、主に学校において相談活動を行う者もあれば、不登校の未然防止を目的として、市町村や校内の教育支援センターなどに配置されているスクールカウンセラーもいる。このように、各市町村がそれぞれの教育方針に則り、より手厚く配置したり不登校などの未然防止のために配置したりするなど、実情に応じて取り組んでいる。
県としても、生徒指導上の諸課題の多様化によりスクールカウンセラーのニーズは高まっていると認識しているので、引き続きスクールカウンセラーの配置に係る予算の確保に努めるとともに、財政措置の拡充について国へ要請していく。
【委員】
必要性は感じていて、国のほうへ財政措置を求めていくということで、できれば県も独自でもう少し拡充してほしいと思う。
では次に、スクールカウンセラーの処遇について尋ねる。一つ目の質問の答弁であったように、愛知県のスクールカウンセラーは会計年度任用職員として任用されて、報酬は1時間当たり5,500円とのことであった。この時給だけを見れば決して低い水準ではないが、中学校の通常配置の場合、年間勤務時間は207時間であるので、単純計算すると年間報酬は約114万円にとどまってしまう。そのために、多くのスクールカウンセラーは病院や福祉施設で勤務したり、複数の学校を掛け持ちしたりしながら生計を立てていると考えられる。また、任用も非常勤であり、一定期間ごとに採用面接を受ける仕組みとなっている。もちろんこの採用面接によって専門性や適格性を確認することは重要であるが、一方で、雇用の不安定さは優秀な人材の確保や定着の妨げになりかねない。子供たちの心に寄り添い、長期的な信頼関係を築く役割を担うスクールカウンセラー自身の勤務環境が不安定であることに私は大きな課題を感じている。子供たちの心のケアをしていくスクールカウンセラー自身が、自らの生活が不安定で心に不安を持っている。私は、これではよいカウンセリングはできないのではないかと思う。不登校や心の問題への対応が重要性を増している今こそ、スクールカウンセラーを単なる補助的な存在としてではなく、学校教育を支える専門職として位置づけるべきではないかと考える。
そこで伺う。
県教育委員会は、現在の雇用形態や勤務実態についてどのように評価しているのか。また、優秀な人材の確保、定着を図るため、配置時間の拡大や処遇の改善、さらには安定した雇用環境の整備について、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺う。
【理事者】
県が任用するスクールカウンセラーは非常勤の会計年度任用職員である。スクールカウンセラーの中には、常勤での任用を望む人がいる一方で、知見を広めるため、学校以外の病院や福祉施設等との掛け持ちや他の自治体との掛け持ちなどを希望している人もいる。このような経験は学校現場における相談活動の充実につながっていると聞いている。こうしたことから、配置する際には個々の事情に応じた働き方となるよう、本人の希望を基にして配置校の組合せや配置時間を決めている。
また、優秀な人材の確保を図るため、毎年、学校長による人事評価を行い、臨床心理に関する専門性や経験を確認するとともに、3年ごとに任用試験を行うことで優秀な人材の定着を図っている。スクールカウンセラーに対する学校現場のニーズが高くなってきていることから、現在、国においてスクールカウンセラーの常勤化に向けた調査研究が進められているので、その動向を注視するとともに、配置時間の拡大や処遇改善など、一層の教育相談体制の整備が図られるよう、引き続き国に要請していく。
【委員】
答弁の最後のところだと思う。国においてもスクールカウンセラーの常勤化に向けた調査研究が進められているので、その動向を注視するとともに、配置時間の拡大や処遇改善など、一層の教育相談体制の整備が図られるよう、引き続き国に要請していくとのことである。そういった意味では、つまり県としても必要性は感じているということだと思うので、国においてなかなか整備が進まなかった場合には、県として独自にやっていくこともぜひ検討してほしい。
【委員】
大きく二点伺う。
まず一点目である。学校施設のLED化について伺う。
この件についてはさきの2月定例議会で、別の委員が議案質疑をしていると思う。その際は、2029年度までの長寿命化計画において整備予定となっている棟については引き続いて長寿命化改修工事に合わせてLED化を実現し、整備予定となっていない棟についてはLED化を前倒しして、今年度から2029年度までの4年間で進めていくという教育長の答弁であった。
LED化に当たっては、リースで進めていくと聞く。なぜ工事ではなくてリースで進めるのか伺いたい。加えて、LEDは蛍光灯と比較して寿命も長いと言われているが、予定しているリース期間がどの程度なのか教えてほしい。
【理事者】
県立学校の照明については、2029年度までにLED化する計画としている。このため、2029年度までの長寿命化計画において整備予定となっている棟については長寿命化改修工事に合わせてLED化を実施する。これは、工事期間中は教室等を空けるため、そのまま工事でLED照明に切り替えるほうが学校現場への負担が少ないことが理由である。
一方、長寿命化計画の対象となっていない棟については、リース方式によってLED化を実施する。LED化に当たっては基盤の取替え作業が必要となるので、工事による設置かリース方式による設置のどちらかとなる。リース方式は工事方式と異なり設計業務を必要とせず、短期間でLED照明への切替えが可能であること、工事方式に比べて設計費用が不要となるので総事業費を抑えられると見込まれることなどがその理由である。なお、リース期間については、業者にヒアリングをした結果や基盤の保守が必要となることなどを考慮して、10年の期間としている。
【委員】
リースで、その期間は10年間ということであった。いずれにしても今後4年間でLED化を進めていくということだが、学校はどのような順番でLED化を進めていくのか、優先順位等々何か考えや基準等があるようであれば聞かせてほしい。
【理事者】
まず、LED照明への切替え時に配慮すべき事項を述べると、切替え作業を実施する際は、ランプの切替えだけでなく基盤の取替え作業を行う必要がある。そのため、1か月程度は業者が教室等に入って作業を行う必要があり、学校運営に負担をかけることになる。加えて、別の棟で長寿命化改修工事等を実施している場合には、切替え作業の期間中は学校運営にさらなる負担をかけることになる。そのため、長寿命化改修工事等とリース方式による照明のLED化作業を同時期に実施しないよう配慮する必要がある。
こうした配慮すべき事項を前提とした優先順位の考え方について答える。
体育館、武道場については、既に2021年度から照明用の高圧水銀ランプの製造、輸出入が禁止されていることから最優先で実施しており、本年度中に全ての学校をLED照明へ切り替える。そして、教室棟をはじめ、その他の学校施設については校内の工事状況に配慮しながら、原則として蛍光灯照明が多く残っている学校を優先し、LED照明の切替えを順次実施していく。
【委員】
原則として蛍光灯照明が多く残っている学校から替えていくという答えだった。これはあくまで原則と理解する。例外も含めてあるということでぜひ考えてほしいと要望するが、中には、ある難病を抱えている子供が通っている学校等もあって、現状は蛍光灯のままだが、紫外線カットのフィルムを貼って対応しているところがある。そうしたところは紫外線を出さないLEDに早くしてもらえないかということもある。学校によっては、そういった事情や要望もあるので、原則は原則だが、そうした事情も汲み取った中でLED化を進めてほしいという要望である。
次に二点目であるが、県立学校の体育施設スポーツ開放について伺いたい。
このスポーツ開放だが、昭和51年に学校教育の支障のない範囲で学校体育施設を地域住民のスポーツ活動等に開放するという目的で要綱が定められていて、この趣旨に沿って市町村等の申出があった場合に開放を行ってきているものだと思う。
その要綱によると、必要な事務は名古屋市以外においては市町村の教育委員会が行うとされ、市町村等は開放施設の使用について、開放校の学校長の許可を受けることになっている。一方、開放する学校の校長先生はスポーツ開放に伴う管理上の責任は負わないとされていると聞いている。県立学校の体育施設スポーツ開放、広く県民にスポーツ活動の実践の機会を与えているもので、県民の健康の保持、増進と体力の向上を図るための役割を今まで担ってきたものだと思う。
間もなくアジア・アジアパラ競技大会が始まるが、今こうした県民のスポーツ意識も高まってきて、体育施設の使用ニーズも高まっていくと思う。そこで改めて、県立学校の体育施設のスポーツ開放について伺いたい。
まず、現在の状況について、県立学校全体の何校が開放していて、開放率は何パーセントなのか伺う。また、県教育委員会が定める県立学校体育施設スポーツ開放要綱によれば、開放する施設は、運動場、屋外体育施設、体育館等の体育施設とされている。それぞれの開設区分ごとの開放状況についてはどのようになっているのか伺う。
【理事者】
県立学校の体育施設スポーツ開放は、学校教育に支障のない範囲で、運動場、屋外テニスコートなどの屋外体育施設、体育館等の体育施設を地域住民に開放するものである。2024年度に実施した直近のスポーツ庁の体育・スポーツ施設現況調査によると、県立学校182校中53校で開放しており、開放率は29.1パーセントとなっている。また、体育施設の区分ごとでは、運動場を開放していた学校は40校、屋外体育施設を開放していた学校は19校、体育館等を開放していた学校は15校であった。
【委員】
182校中53校の29.1パーセントで、それぞれ40校、19校、15校ということであった。
平成15年3月の愛知県議会文教委員会では、体育施設のうち、特に体育館について活用が少ないのではないかと指摘された。それに対して、学校体育施設は教育施設として使われることが第一であって、高校では夜間定時制のある学校や対外試合や学校行事等で学校を使うところが小中学校と比較して多いので、活用が少ないのではないかという答弁だった。ただし、市町村からの活用の申出があれば100パーセント活用しているという答弁だった。その答弁ではさらに、今後も各学校に学校教育に支障のない範囲で協力することを要望したいということであった。
現在の状況を見ても、確かに先ほどの答弁のとおり、体育館の開放はまだ少ないという印象を持つが、体育館の開放が少ない理由をどのように考えているのか、また、過去の答弁も踏まえて現在の見解を聞かせてほしい。
【理事者】
委員が示すとおり、調査でも体育館等の体育施設を開放していた学校は15校と、運動場や屋外体育施設と比較して少なくなっている。多くの学校では、体育の授業や学校行事に加え、バスケットボール、バレーボールなど複数の部活動が交代で体育館をほぼ毎日使用している状況である。そのため、開放施設として使用できる時間が限られてしまうのが大きな理由であると考えている。
県教育委員会としても、学校教育に支障のない範囲にはなるが、広く県民にスポーツ活動の実践の機会を提供するために、県立学校の体育施設を開放することは大切なことであると認識している。
引き続き、学校施設開放について市町村から要望があった際には、可能な限り施設開放に協力するよう、各学校に伝えていく。
【委員】
確かに小中学校と違って、高校の体育館等々の体育施設は利用状況が違うのももちろん承知している。そうは言っても、やはりこのような時期であるので、引き続いてこうした高等学校の体育施設の開放が可能な限り進み、地域の人に利用してもらう機会をぜひ増やせるとありがたいと要望して終わる。
【委員】
今朝、岩手県沖を震源に東北地方で震度6強の揺れを観測した地震があった。また、台風7号については、沖縄県宮古島付近にあって北上中とのことで、被害に遭った人々へは心から見舞いを述べたい。
私からは大きく2項目を質問するが、まず1項目めとして、県立学校の避難所としての利用について伺いたい。
先日、地元の会合の際に、高校は避難所になっているのかとふいに聞かれて、たしか県立高校も避難所になっていると思うという話をしながらも、自分自身明確になかなか答えられないと思ったので、防災安全局や私の地元の選挙区の岡崎市と幸田町にいろいろと聞いてみたところ、岡崎市と幸田町に八つの県立高校があるが、体育館、武道場が指定避難所に指定されていることが分かり、東岡崎駅に近い県立高校は災害時帰宅困難者の支援施設にも指定されているということであった。また、指定避難所ではないものの、各校それぞれの学校の状況に合わせて屋外のトイレや別棟の特別教室なども使用してよいと県立高校から協力を得ているという話を聞いた。
改めて避難所指定についておさらいすると、指定避難所の指定を行う主体は誰かというと、これは市町村である。また、避難所の開設や物資の供給などの運営を行うのも市町村が行う仕事ということで、避難所として開設するに当たって、市町村立の小中学校を先に開設してから、2番手として県立高校を取り扱うといった順番はあるか尋ねると、そのような順番はないという回答が返ってきた。なので、例えば大雨で河川が氾濫し、避難が必要な地域が発生した場合に、どこの学校施設に避難することが適切かということを判断基準として開設避難所を選定するので、小中学校は避難所として開設されていないが、県立高校のみが避難所として開設される場合も可能性としては考えられるということである。
今回の質問のきっかけが、高校は避難所になっているのかと聞かれたことであるように、県立高校の中には指定避難所に指定されてからまだ日が浅いところがあり、地域住民の認知を高める方法としては、避難訓練の会場に県立高校を使うことも考えられるのではないかと思う。そこで一つ目の質問になるが、市町村や地元の町内会から県立高校に対して、地域の避難訓練の会場として使用したいという要望があった場合に対応するのか伺う。
【理事者】
市町村から避難所指定の依頼があった場合には積極的に協力するよう、県教育委員会から県立学校へ通知しており、避難所指定後も定期的に市町村と協議を行い、協力して災害に備えることとしている。避難訓練の実施は災害時の円滑な避難者の受入れにつながるので、市町村が県立学校を使用する訓練を計画する場合には、避難所指定を受けた施設としても、教育活動に支障のない限り協力すべきものと考えている。
また、避難所の開設及び運営は市町村が行うので、避難訓練についても市町村から依頼してもらうことが望ましいと考えているが、地元町内会からの依頼についても、日頃の学校と地域住民との関係性を考慮しながら柔軟に対応すべきものと考えている。
【委員】
自分が通っていない高校に入っていくのはなかなか勇気が要ると思うので、ふだんから地域の中でここは避難所として入ってよいのだという刷り込みができることが大切かと思うので、申出があった場合にはぜひよろしく願う。
続いて、指定避難所の開設について話を進めていくが、風水害の場合には、今、台風が近づいているが、気象予測に基づいて自治体の職員が避難所施設の鍵を開けるなどの対応がしやすいという場面もある。一方で、地震など被害が市内一円に及ぶ大規模災害の場合には、自治体の職員の到着を待たずに、地域住民自らが避難所を開設するファーストミッションボックスという取組もある。ファーストミッションボックスは、避難所に集まった住民自らが早期に避難所を開設できるように、初めにやるべき任務を記載した手順書と、最低限必要となる資材を入れた箱、最初のミッションの箱ということで、指定避難所の入口脇などに置かれている。岡崎市では令和7年度までに市内47全ての小学校に配置を完了して、現在は市内に20ある中学校への設置が進められている。住民への説明会を順次行っている段階にある。幸田町においては、町内に30か所ある集会所に設置が完了している。
そこで二つ目の質問になるが、大規模災害が発生した場合、避難してきた住民が自ら避難所の鍵を開けられるような取組が、指定避難所に指定されている県立学校で行われている事例があるのか伺う。また、ファーストミッションボックスを県立高校にも設置したいと市町村から申出があった場合に対応するのか伺う。
【理事者】
まず大規模災害が発生した場合、避難住民が自ら避難所の鍵を開けられる県立高校の取組としては、例えば地震の際、震度5強以上の揺れを感知すると扉のロックが外れ、中にある鍵を取り出して体育館などを開けることが可能なキーボックスが設置されている学校がある。
次に、ファーストミッションボックスの県立高校への設置については、学校教育上支障がないこと、それから地方公共団体において災害時の対応という公共用に供するため特に必要と認められることから、行政財産の特別使用許可による対応が可能であると考えている。また、使用料については地方公共団体において公共用に供するものであり、事業遂行上真にやむを得ない使用であることから、全部免除の整理となると考えている。
【委員】
既に震度5強以上でキーボックスがぱかっと開く、そういった事例があるということである。ファーストミッションボックスも優れたものだと思うが、そういった取組もあるのだと改めて思った。自治体、市町村のほうからいろいろな協力要請があった場合に、またこちらも協力をお願いできればと思うのでよろしく願う。
このテーマの最後の質問になるが、県立学校といったときに高校のほかに特別支援学校もある。例えば岡崎市内だと四つの特別支援学校があるわけだが、この四つの特別支援学校についても避難所としての指定があるのか、また、どのように使用する想定なのか伺う。
【理事者】
岡崎市内の特別支援学校は4校全て岡崎市により福祉避難所に指定されており、施設利用について、学校と岡崎市とで協定書を締結している。
なお、岡崎市における福祉避難所は、まず、避難した一般の避難所での生活が困難な要配慮者とその家族などが安心して避難生活を送れるよう、二次避難所として開設されるものである。実際には、一般の避難所を市の保健師などが巡回し、要配慮者に面談を行った結果を基にして、福祉避難所としての開設が可能な学校との調整を行うとともに避難者を決定し、受入体制が整い次第、開設した福祉避難所へ避難、移動してもらうことになっている。
【委員】
福祉避難所なので、特別支援学校の前に行っても避難所指定の看板はないことになると思うが、特にその学校に通っている子供と保護者にとって、その学校に避難できることが分かれば、子供にとっても行き慣れた学校の空間であり、障害を持っている人が避難所への避難をためらうというのはよく聞く話でもあるので、そういった誰が避難してくるかが市町村と学校とで話合いができていることが一つ。また、地域の中で障害を持っている人や家族も保健師と相談して安心して移っていくことができる環境が望ましいと思うので、実際の学校との話合いの中でこれからも柔軟かつ温かい避難の受入れができるように努めてほしい。
続いて2項目めの質問に移るが、アジア・アジアパラ競技大会のために来県する国内外の要人に関する取組について伺う。
アジア競技大会、アジアパラ競技大会の両大会の開催に伴って、大会の視察や自国選手の応援のために国内外から多くの要人に本県を来訪してもらうことになると思っている。
そこで、まず一つ目の質問だが、直近の大会として杭州アジア競技大会があったが、この杭州アジア競技大会において要人とは、どのような人々が大会の視察に来ていたのか教えてほしい。
【理事者】
2023年の杭州アジア競技大会における海外の要人情報については、大会の公式報告書ではその詳細を確認することができないが、当時の現地報道等によると、シリアの大統領やカンボジアの国王、韓国、ネパール及び東ティモールの首相、マレーシアをはじめとした各国のスポーツ大臣などが大会を視察したと報じられている。
【委員】
それぞれの国のスポーツを担当する大臣や国王たちということである。
昨年、大阪・関西万博の年であった。万博の開幕前を含めて、何度か博覧会協会の人と会い、意見交換したが、意見交換の中で毎回言っていたのは、万博で築いたアジアの国々との絆をアジア競技大会へつなげたい、来年はスポーツ、文化をテーマに愛知・名古屋で会おうを合い言葉にしていきたいと毎度話してきた。アジア競技大会の開幕まであと86日と迫っているが、大会を契機として特にアジアの国々の要人たちに、ここ愛知・名古屋へ実際に来訪してもらうことが大変重要なことだと捉えている。
そこで二つ目の質問になるが、より多くの要人たちに本県へ来訪してもらえるよう、開催都市としての仕掛けづくりとして、どのような取組を行っているのか伺う。
【理事者】
開催都市としては、まずはアジア・アジアパラ競技大会により多くの要人に来てもらうとともに、大会視察と併せて県内の観光施設を訪問してもらうなど、愛知・名古屋の魅力も体感してもらうため、特に海外の政府要人をターゲットとして働きかけを行っている。具体的には、アジア・オリンピック評議会(OCA)・アジアパラリンピック委員会(APC)加盟国、地域のうち、開催都市である県や名古屋市と親交のある国、地域の在京大使館や在名総領事館等を5月から6月にかけて個別に訪問し、大会のPRを行い、来県を呼びかけるとともに、愛知・名古屋の魅力や開催都市の取組を紹介し、各国要人の大会視察等に向けた働きかけを行った。
加えて、昨年12月と本年4月には組織委員会が大会に参加する国、地域のオリンピック委員会やパラリンピック委員会、在京大使館、在名総領事館等を対象として、大会時の要人の受入れに関する手続等を案内するための要人登録ブリーフィングを開催した。その際にも、開催都市の紹介として県内の観光名所やなごやめし等、愛知・名古屋の歴史や文化のPRを行い、来県を呼びかけた。
【委員】
先ほども述べたように、合い言葉に来年はスポーツ、文化をテーマに愛知・名古屋で会おうというふうにできたらよいと言ってきた。先ほど魅力という話があったが、来訪した要人たちに1日でも長く本県に滞在してもらい、日本の文化、愛知県のすばらしさを感じてほしいと思っており、次にまた来るなら愛知県の行程だけは絶対外せないと言ってもらえるような感動体験をして帰ってもらう、そうなってほしいと思う。そこで三つ目の質問になるが、国内外の要人たちに対して、大会視察だけではなく愛知・名古屋の魅力を伝えることも重要なことだと思っている。開催都市としてこの機会を捉え、どのように地元のPRを行っていくのか伺う。
【理事者】
開催都市としては、大会開催を契機として多くの要人たちが国内外から来県する機会を捉え、愛知・名古屋の魅力発信を行っていくことが重要であると考えている。
その取組の一つとして、アジア・アジアパラ競技大会に併せて、開催都市、愛知県・名古屋市主催の歓迎レセプションを開催する予定としている。このレセプションにおいて、愛知・名古屋らしい飲食の提供、ステージ演出、会場内における展示や実演などを通じて、この地域が有する伝統や文化、さらにはモノづくりの技術といった当地域ならではの魅力をゲストに分かりやすく伝えていく。
また、要人から県内視察の希望があった場合には、観光施設や歴史・文化施設、産業に関する展示施設など、愛知・名古屋の多彩な魅力を感じられるような視察先を案内していく。加えて、要人と大村秀章知事との表敬、会談の実施に向けた働きかけを進め、本県との連携や国際交流の契機となるよう、当地域のPRを行っていきたい。
このような要人たちへの愛知・名古屋の魅力発信を通して、この地域の成長、発展につながる国際交流、経済連携、誘客等の促進を図るとともに、大会後の各国、地域との継続的な連携強化につなげていきたい。
【委員】
両大会を契機にして愛知・名古屋に来る国内外の要人たち、その前段には、先ほどもあったが準備してくれる在外公館の皆もいるかと思う。愛知・名古屋の魅力の発信について引き続き願うとともに、儀典室、今年できた部署だと承知しているが、いよいよ本番に向けてというところである。儀典室の職員だけではなくアジア・アジアパラ競技大会推進局の皆、本当にもうあと秋までというところで本当に大変だとは思うが、ぜひ頑張ってほしい。エールを送って終わる。
【委員】
私からも、アジア・アジアパラ競技大会のエールも込みで質問したいと思うが、少しそれに絡めて、最初に全国障害者スポーツ大会についても伺いたいので、先にこちらの障害者スポーツの件について伺う。
本年は全国障害者スポーツ大会が青森県で開催される。国民スポーツ大会終了後の10月に日程も出ており、開催されると聞いている。まず、この青森大会に出場する愛知県選手団の選考状況や、競技別の施行状況を伺うとともに、例年行われているこの全国大会であるが、選手のみでなく監督、コーチ、そして介助者の移動や宿泊、競技支援体制は確保されているのか、まず聞かせてほしい。
【理事者】
全国障害者スポーツ大会は、障害のある選手が大会に参加し、競技等を通じ、スポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害者の社会参加の推進に寄与することを目的とする大会となっている。
愛知県代表選手の選考については、大会目的を踏まえ、個人競技は県社会福祉協議会に委託し、選手出場枠に合わせて選考会の成績や障害区分、男女比、出場機会の公平性等に考慮し、決定している。また、団体競技については北信越・東海ブロックの予選会の結果によりチームでの出場が決定する。選考状況については、今年度まだ全ての種目選考が終わっていないため、最終確定には至っていない。
昨年度の選手派遣実績としては、陸上競技、水泳など六つの個人競技に62人、同じく団体競技では、バスケットボール、バレーボールなど七つの種目に84人を派遣しており、今年度も同程度の派遣を見込んでいる。
大会への派遣に係る選手及び監督、コーチ、介助者など、役員等の移動費や宿泊費については、開催基準要綱に基づき、県で負担している。また、派遣に当たっては、競技日程や障害特性を踏まえた日程を確保するとともに、愛知県障害者スポーツ指導者協議会に登録している指導員や特別支援学校関係者などが役員として支援に当たる体制を取っており、支援体制は十分確保できていると考えている。
【委員】
支援体制は十分ばっちりだと聞いて安心した。私自身も大変不勉強なところがあって、今回質問に臨むに当たり担当者からも大変勉強させてもらったが、実はこの全国大会の日程がアジアパラ競技大会とかぶっている期間があるので、当初は、素人目に見ると限られた関係者やアスリート、あるいはファンが分散してしまっているのではないかと思っていた。この日程は一体どのように決まったんだという気持ちで最初臨んだが、それぞれの大会の性質の違いや、あるいは障害者スポーツ大会の全国大会に関しては、まず大会何連覇などがないと聞いた。初出場の選手を特に大事にしていこうということや、障害者の社会参加というものが第一義にあるという。大変そのとおりだと、短絡的に質問しようとした自分を少し恥じた。しかしながら32年ぶりにこの日本で行われるアジア競技大会、アジアパラ競技大会、障害者のスポーツの国際大会が愛知県・名古屋市であることと、また、時期を近くして青森県でこの全国大会が行われる、障害者スポーツに関係する人たちが来ているということで、何とか上手な連携が取れないものかと、実はいろいろな相談をした。
次に、青森大会とアジアパラ競技大会の開催時期が一部重複する時期があるが、アジアパラ競技大会を開催することで青森大会を運営する競技団体や、愛知県選手団に帯同する役員や関係者などの体制に影響はないのか聞かせてほしい。
【理事者】
全国障害者スポーツ大会の競技を運営する競技役員等については、基本的には開催県や近隣県の競技団体関係者がその任に当たるため、今回の青森大会の開催についても青森県の実行委員会に影響はないことを確認している。また、アジアパラ競技大会と青森大会の開催時期が一部重複しているが、県としては、県社会福祉協議会と連携しながら、監督、コーチ、介助者、看護師、手話通訳者等をはじめとする帯同役員等の編成を進めており、特段影響なく大会に選手団を派遣できると考えている。
【委員】
様々確認して、途中で一つ要望を入れてしまうが、ぜひとも私、何とか連携を取れないかという切り口で話すと、やはりアジアパラ競技大会は様々なスポンサーや権利の関係でなかなか難しいということがまず前提であるので大変残念なところはあるが、先ほど述べたとおり全国障害者スポーツ大会が青森県であって、そして日本で開催するアジアパラ競技大会もある。実は青森県の県議会議員にも少し相談したが、前段の国民スポーツ大会もあって、アスリート、スポーツの祭典が青森県でせっかく開催される。全国大会は毎年持ち回りでやるので、たまたま今年は青森県だったというのはあるが、このタイミングでアジアパラ競技大会が今年あるので、ぜひ青森県としてパブリックビューイングでもやって一緒に盛り上げてくれないかと相談した。正面から行けばきちんとスポンサーはくぐり抜けてやってくれるだろうかと、青森県にも少しお願いしてみたので、何か相談があった際にはぜひ一緒に盛り上げていけるような体制を一緒になって相談してほしい。アジアパラ競技大会はトップアスリートのほうが近いが、ぜひ障害者スポーツにとっても全国障害者スポーツ大会、そしてアジアパラ競技大会を通じて裾野もしっかりと広げていくように上手に連携を取れるよう願う。
次は、裾野を広げるほうの質問である。競技力の向上だけでなく、地域で障害者がスポーツを続けられる環境づくりが非常に重要だと捉えている。こちらは、特別支援学校や福祉施設、あるいは市町村などとしっかりと連携して、今後、障害者のスポーツ参加を促していってほしい。加えて、これはもしかしたらアジア・アジアパラ競技大会の関係とも連動してしまうかもしれないが、選手の発掘や指導者の育成などに関してもぜひ連携を取ってほしいと思っている。今後、県としてどのように取り組んでいくのか聞かせてほしい。
【理事者】
障害者スポーツの推進は国内外の大会でのアスリートの活躍にとどまらず、障害者の健康づくりや社会参加の促進、さらに、共生社会の実現に資する重要な取組であると認識している。
本県では、県内各地域の総合型地域スポーツクラブにおいて、地域住民と障害者が交流しながら共にスポーツ活動に親しむ地域で障害の有無にかかわらず誰もが参加できるスポーツプログラムを実施している。また、障害のあるなしにかかわらず、様々な世代がパラスポーツ体験やパラアスリートのトークショーなどを同時に楽しめる体験・交流型イベントあいちパラスポPARKを開催している。昨年度はオアシス21で実施し、多くの県民が参加した。
今後も地域の人々をはじめ、関係者との連携を強化し、障害者のスポーツへの日常的な参加機会の拡大を図っていく。
【委員】
この後はアジア・アジアパラ競技大会の全体の話にも少し移るが、まず、この障害者スポーツについてである。障害者のスポーツについて、今回のアジアパラ競技大会を契機に、大会後のレガシーについて、愛知県の障害者スポーツ施策や地域づくりに生かしていってほしいと思っている。アジアパラ競技大会を成功に導いていくのはこれからの話であるが、大会後のしっかりとした成果を愛知県の障害者スポーツ施策に生かしてほしいと考えるが、その辺りの考えを聞かせてほしい。
【理事者】
県としては、アジアパラ競技大会で高まったパラスポーツへの機運を一過性のものとせず、レガシーとして将来へつないでいくことは重要であると考えている。そのために、パラスポーツをする、みる、ささえる、環境整備に向けた取組を推進していく。具体的には、大会において実施する競技をはじめとするパラスポーツの魅力発信に取り組むとともに、地域や関係団体、企業等とも連携しながら、スポーツを行う場や用具の提供、担い手の育成など、パラスポーツの普及に向けた環境づくりを進めていく。
あわせて、障害の有無や性別、世代等の違いにかかわらず、共にスポーツを楽しむことができる機会を創出し、スポーツを通じた障害への理解の促進や障害のある人の社会参加を図っていく。
【委員】
全国大会への応援はもちろんだが、県の障害者スポーツの施策に関しても、これからもしっかり応援したい。
続けて、秋にいよいよ迫ってきたアジア・アジアパラ競技大会への準備状況について聞きたい。いよいよ開幕目前に迫って、テレビのCMなどでも種目によってはいよいよアジア大会などという言葉、フレーズが出てくるようになってきたので、わくわくしている。まず前段として、今現在、愛知県として準備状況はどういった評価をしているのか、順調に進んでいる点、あるいはなお課題として認識されている点、言いにくいかもしれないが、あれば聞きたい。また、組織委員会と愛知県、名古屋市への役割分担は十分整理されているのか。大会本番に向けて現場が混乱しない運営体制が構築されているのか、まず確認したい。
【理事者】
はじめに大会の準備状況についてだが、各競技会場においては仮設整備に順次着手しており、宿泊施設については5月に名古屋港ガーデンふ頭での移動式宿泊施設の設置を完了している。また、今月には開・閉会式を想定した大規模な輸送演習を実施するなど、大会の開催に向けて着実に準備が進められている。
なお、中東情勢が不透明な状況が続いていることから、国外で開催予定であった代表選手選考大会で中東諸国の選手が参加できなかったという事案を把握しているものの、現時点において大会への特段の影響は生じていない。
次に役割分担についてだが、組織委員会は大会の開催準備及び運営を担う役割を担っていることから、競技をはじめとした大会運営についての調整、開・閉会式の準備、競技会場の仮設整備等の業務を行っている。愛知県と名古屋市は開催都市として、大会の広報、機運醸成に関する業務、観客輸送、観客警備に関する業務、都市ボランティアの研修等の業務を合同で行っており、こうした役割分担により連携して準備を進めている。
最後に、大会の運営体制については、県、名古屋市から組織委員会へ職員を派遣するなど、現在1,500人体制で大会準備を行っており、大会時には全競技会場に会場運営責任者を配置し、また、全ての競技、種別において、競技運営に関する専門的な知識や経験のある人材を配置するなど、万全の体制で大会本番を迎えることとしている。
【委員】
何か言わせてしまったみたいで申し訳ないが、万全だということで大変心強い限りである。リハーサルなども始まってきており、聖火リレーが発表されるなど、いよいよ機運も高まってきてわくわくしている。
もう一つ二つ聞きたいのが、市町村との連携について、特に職員の派遣である。県が、市町村から人を出してほしいと願い、いろいろ人員的な協力も得ていることと思う。開催前、現段階でもたくさんの人数が来ていると思うし、また、大会期間中にはまたプラスオンでの派遣も多分出てくるのではないかと思っている。この人数を教えてほしい。あとは人件費負担、勤務形態、この辺りも聞きたい。加えて、人的以外にも物的、例えばトイレカーやトイレトラックなどの仮設のものや、あるいは会議を行うコンテナハウスなど移動式の物品などの支援を行っている市町村もあると聞いている。物品と呼んでいいのか分からないが、この辺りの人的支援以外の協力体制の全体像を伺う。
【理事者】
まず、県内市町村から大会組織委員会への職員の派遣については、現在29市町から合わせて71人の職員を派遣してもらっており、本年9月頃からは県内全市町村から大会時の応援として職員を派遣してもらう予定である。また、人件費は基本的に派遣元の市町に負担してもらっている。勤務形態については、勤務時間や休息等は組織委員会の就業規則をはじめ関係規定を適用しており、主に派遣元自治体の競技会場で勤務してもらっている。
次に、人的支援以外に市町村に協力を得るものについてであるが、アジア競技大会では県内12市18施設、アジアパラ競技大会では5市6施設を競技会場として使用させてもらうこととしており、各競技会場の既存の備品等も可能な範囲で使用させてもらう予定である。また、大会期間中には市町が保有するユニットハウスや仮設トイレを組織委員会に貸し出してもらう予定としている。
【委員】
現在29市町から71人が派遣されているということである。どの部門もそうだと思うが、市町村も本当に今、人が足りない足りないと言って、そのような中でも大変な協力を得ているものだと思う。そして私の地元の東浦町、阿久比町などもそうであるが、トイレトレーラーやトイレカーを貸し出すなどして、少しでも何か役に立てればという話で行っている。競技会場や練習会場なども、もちろん協力を得ている点もあろうかと思うので、地元の町長たちからは、何か目に見えた形でその後よいことがあるのかなどいろいろ聞かれる。なかなかそれを文書化するのは難しいのではないかと答えてはおいたが、大会後のレガシーを含めて、市町村によって協力体制が強いところと、協力してくれないところというのは少し変な表現だが、やはり濃い薄いは絶対あるので、何らかの形でぜひ成果の面も共有できるようなものがあるとよいと思う。
続いて人的確保の面で、先ほどの職員派遣だけではなくボランティアについても聞きたい。ボランティアの確保状況については、充足率も含めて今現在どのようになっているのか。研修の実施状況や活動日の決定など、本番に向けた準備体制も併せて伺う。これに併せて、大会期間中、大会期間前も含めて、今、機運醸成を相当行っていると思う。先日も話を聞いたが、例えば大会期間中にメダリストのランウェイを久屋大通でつくっていく、あるいはパブリックビューイングを正式にオアシス21でやっていくなど、そのような話も聞いた。このボランティアの体制と、大会の盛り上げ策、こちらについて併せて聞きたい。
【理事者】
大会のボランティアについては、一昨年の10月以降、一般ボランティア、専門ボランティア、学生ボランティアを募集してきたが、全体として目標であった4万人を超える応募をもらっている。
充足率については、現在、組織委員会において最終的な配置調整を行っていることから、数字で示すことはできないが、今後、応募者について、希望する役割や活動場所、それから活動日数、専門性や辞退の状況なども踏まえて、各部署で過不足が生じないよう調整を行っていく。
また、ボランティアに関する研修の実施状況としては、昨年度、令和7年7月から共通研修やリーダー研修を順次実施してきた。本年4月からは役割ごとに活動内容を学ぶ役割別研修を実施しており、今後、8月末からは各会場で現場の理解を深める会場別研修を実施することとしている。併せて、この7月から8月にかけて、個々の活動日の調整、決定を行って、大会本番の活動に備えていく。
【理事者】
次に、今後の機運醸成の取組についてであるが、今月30日から全競技を対象としたチケットの一般販売が開始されることから、これに合わせ、ウェブやSNS、新聞、テレビなどマスメディアを用いた大会PRを予定している。特にアジアパラ競技大会100日前や両大会の開催直前期には、県内をはじめ、東京都、大阪府の主要鉄道駅などにおいてデジタルサイネージを活用した大会PRを展開するほか、大会マスコットなどをデザインしたバス車両を名鉄バスや名古屋市営バスの路線で順次運行していく。アジア競技大会期間中には組織委員会が久屋大通公園において機運醸成イベント、ワンアジアワールドを開催し、メダリストを招いて来場者の前で祝福するメダリストセレブレーションや大会パートナーによるブース出展などを実施する。また、愛知県、名古屋市主催のパブリックビューイングなどが楽しめるワンアジアライブをオアシス21などで、ワンアジアワールドと一体となって開催する。
こうした取組により大会の機運を盛り上げ、多くの人々に会場へ来てもらえるよう積極的に大会をPRしていく。
【委員】
次に、受入れ環境について聞く。
名古屋港のガーデンふ頭に、整備する選手団の宿泊拠点について、去年、私が名古屋港管理組合のビルの上から見たら、模型ではないが、本当にすごい勢いでコンテナが運び込まれてびっくりした。今はもうそれも準備できていると聞いており、あとは金城ふ頭のほうのクルーズ船である。クルーズ船も着いて宿泊拠点として選手などを受け入れる。そこについて、食事やバリアフリー、あとは日本の夏特有の暑さ対策であるが、こういったものの準備状況はどうか伺う。もう一つ、選手村が今回ないので、例えばそれが選手やコーチ、そしてその国々ごとの関係者、医療スタッフなどが別々の拠点に分散してしまうなどといった課題はないのかどうか聞きたい。
また、会場と宿泊拠点との移動手段について、こちらの交通事業者との連携状況はどうなっているのか。特に公共交通機関を使う可能性、場合があるのかどうか伺う。
【理事者】
ガーデンふ頭に整備する選手団宿泊拠点には、選手をはじめとする選手団の人たちが安心、快適に過ごせるよう、宿泊施設だけでなく、ダイニングやフィットネス、医務室等を設置し、適切なサービスが提供される環境を整えている。選手団の食事についても、一般食のほか、ハラール、ビーガンにも対応できるとともに、栄養成分表示を掲出する等の配慮をしていく予定としている。
また、移動式宿泊施設は内装に木材を使用して、木のぬくもりが感じられるようにしつつ、高性能な断熱素材を用いた暑熱対策も行っていて、皆に快適に過ごしてもらえる工夫が施されている。さらに、各棟の出入口にはスロープを設けるなどバリアフリーに配慮した仕様となっている。加えて、医療体制については医務室に医師や看護師等が常駐して診療を行うように準備を進めている。
金城ふ頭に停泊するクルーズ船についても、同じようにクルーズ船の施設を最大限活用しながら、全ての選手、選手団の皆が快適に過ごせるような工夫をしている。クルーズ船については、アジアパラ競技大会には使わないので、アジア競技大会の選手に使ってもらうようになっている。
また、選手の分散についてだが、基本的に選手、コーチを含む選手団においては、各競技において、選手、コーチがそれぞれ同じような宿泊エリアに配宿される計画となっているので、分散による課題は特にないと認識している。
【理事者】
選手や大会関係者の移動についてである。
選手等の移動方法やルートなどについては、輸送事業者や公益社団法人愛知県バス協会などの業界団体、それから国土交通省中部運輸局などの行政機関といった幅広い関係者が参画する輸送連絡調整会議で情報共有して、各機関との連携を図っている。また、こうした選手や大会関係者の移動については、組織委員会が準備する貸切バス等の車両で宿泊場所から競技会場等へ移動することとしているので、公共交通機関の利用は想定されていない。
【委員】
もう一点だけ手短に伺う。
大会期間中に、今日の朝ではないが地震やあるいは時期的には台風などが接近する、あるいは猛暑といっても危険な暑さ、危機的酷暑に、もしもなった場合、選手、観客、ボランティアや職員、大会関係者の安全確保のためにどういった準備をしているのか教えてほしい。
【理事者】
選手等の安全確保のための準備として、組織委員会では自然災害等が発生した場合の連絡体制や対応の方針、手順について定めた計画を競技会場ごとに作成している。また、会場最寄り駅等から競技会場までのいわゆるラストマイルにおける観客輸送サービスの提供については、開催都市である愛知県と名古屋市が組織委員会と同様に計画を作成している。
災害等の発生時には、組織委員会においては会場ごとに作成された会場避難計画に基づいて、会場内の選手、大会関係者や観客の安全を確保するとともに、開催都市においても、組織委員会及び関係機関から速やかに情報を収集し、観客等の安全を確保するとともに、観客輸送サービス提供の中止、継続を決定することとしている。
なお、こうした計画を実効性のあるものとするため、組織委員会では大雨や台風といった災害発生時の対応フローを確認する机上演習を実施している。開催都市としても、不測の事態を想定した演習を実施するとともに、組織委員会の演習にも参加することで計画の精度向上につなげている。
【委員】
様々聞いてこれで最後の発言にするが、今、宿泊施設の話もあった。あとは公共でつくるものとしては、メインのメディアセンターなどが金城ふ頭に整備されると聞いている。競技会場も含めてだが、宿泊施設やこうしたメディアセンターなどで使用する備品や通信機器、あるいは競技用品の調達方法について伺いたい。加えて、大会終了後については、これらを廃棄するわけではなく様々な学校や福祉施設、市町村、競技団体などでリユースやリサイクルを積極的に進めるべきだと思っているが、現状のその辺りの備品の取扱い状況について、大会後及び今現在の取組と併せ、県の考えを伺いたい。
少し詰め込んでしまったが、アジア競技大会、アジアパラ競技大会は次の委員会のときにはもう終わっている。もう信じられないぐらいなのだが、何年も前から準備して、本当に最後の準備だと思っている。先ほどの委員ではないが、私も本当に心から皆には敬意を表して、最後はしっかりと大成功に向かって、我々としても地域を挙げてしっかり頑張っていこうと思っている。そこで最後の質問だが、この大会を一過性のイベントで終わらせずに、最後のレガシーを今後、愛知県政にどのようにつなげていくのかを伺って私の発言を閉じたい。
【理事者】
大会関連備品の調達方法は、大会のコンセプトである既存施設の活用を念頭に、経費節減やSDGsの観点から、まずはリース、レンタルによることとしており、それらが困難な備品については組織委員会が購入等による調達を進めている。調達した備品の処分は大会後も有効活用されることを目的として、組織委員会が有償による譲渡先を公募している。なお、県においては大会で使用可能な競技用備品等を購入し、大会後には特別支援学校を含む県立学校や県所管のスポーツ施設等へ配備し、今後広く活用していく。
【理事者】
大会をどのようにレガシーにつなげていくのかについてである。
本県は、愛知・名古屋2026大会をスポーツ振興や観光、産業振興、人材育成など、レガシーとしての地域活性化につなげていくため、アジア競技大会、アジアパラ競技大会を活用した地域活性化ビジョンを2019年3月に策定している。地域活性化ビジョンでは2030年頃の本県の姿を見据え、スポーツで愛知をブランディングするやアジアと愛知の次世代を育む、すべての人が活躍できる愛知をつくるなど、五つの目標を掲げ、様々な取組を通して地域の活性化を推進している。
例えば、県内の児童生徒には競技会場で直接試合を見てもらい、スポーツのすばらしさや多様性を学ぶ機会を提供することにより、次世代を担う子供たちの育成を図っていく。また、学生をはじめ、多くの県民にボランティアとして関わってもらうことで、ボランティア人材の育成やボランティア文化の定着につなげていく。
さらに、県内自治体、特にアジアパラ競技会場のある自治体と連携し、大会を契機としたパラスポーツの普及や障害に関する理解促進など、共生社会の実現に資する取組を進めている。そのほかにも、国際大会の運営経験や競技団体との関係構築によりスポーツによるブランディング化が加速され、今後のスポーツ大会の招致といった地域の活性化につなげていくことが期待される。大会開催により得られた知識や経験、人材等を絶やすことなく、県内各地における大会のレガシーへとつなげていく。
【委員】
私からは、三谷水産高等学校実習船、愛知丸について伺いたい。
本県唯一の水産科を有する三谷水産高等学校は、本県の水産業や海洋関連分野を担う人材の育成に大変重要な役割を果たしており、その教育において実習船愛知丸は欠かすことのできない存在である。新しく建造され、昨年5月に竣工した愛知丸については、実習環境の充実や安全面への配慮、さらには幅広い実習への活用が期待されている。
私がどうしてこのような遠いところの高校の質問をするかというと、実は私の地元、春日井市からこの高校に通って、海技士免許3級を取得して船関係会社に就職したいと頑張っている生徒がいた。ところが、この愛知丸に乗って実習に行けると張り切っていたところ、機器等の不具合により実習内容が大幅に変更され、がっかりしているとの話を保護者から聞いた。当初の実習内容とかなり変更され、このままでは免許取得に影響がないのかと心配していた。実習船を活用した学びは水産・海洋教育において重要なものであるが、これほど中止や変更が度々あると生徒や保護者の皆も不安を感じている。それで、何とかならないかということで私のところを頼ってきた。
そこで伺う。
愛知丸が新しくなって約1年、どんな実習や学びをしてきたのか、その内容について聞かせてほしい。
【理事者】
新しい愛知丸は船の操縦などの操船実習、エンジンなどの機関実習、無線などの通信実習以外にも、船内調理実習や海洋調査など、動く教室として幅広く活用されている。海洋科学科では最新の衝突予防援助レーダーを活用して、伊豆諸島沖、静岡市清水区、下関市、鹿児島市などの港に立ち寄りながら、太平洋を中心とした約90日間の安全な長期乗船実習を行った。また、学校ホームページから愛知丸の現在の位置情報も確認できるようになっており、保護者にとっても安心できるシステムを搭載している。海洋資源科3年生では奄美大島へ行き、海洋調査やダイビング実習を8日間実施している。また、水産食品科の2年生では広くなった船内調理場で船内調理の方法を学び、情報通信科においては新愛知丸が完成したことにより通信室の拡大によって初めて乗船実習を行うことができるようになった。最新機器のデータ管理が制御室で詳細に把握できるようになって、当直業務の効率化につながっている。また、水中ドローンを使用して愛知丸の船底調査をするなど、新しい学びが可能となっている。さらに、本科生や専攻科生用の教室が設置されたことによって、国家資格の取得に向けた学習環境を整備できたことや、女子生徒用の居室が設けられるなど、居住環境の充実も図ることができている。

県立三谷水産高校実習船「愛知丸」
【委員】
今、動く教室と言い、船が前のものより大きくなり船内も広くなったと答弁があった。より一層充実されている。私も改めてホームページを見たら、本当に楽しい画面がいっぱい出てきて、女子生徒もいっぱいいる。私が聞いた内容を確認したところ、最初に四代目愛知丸の竣工がまず遅れ、大幅な日程変更があった。今度は、出港式の何日か後に船が止まって寄港したが、その2日後に再出発した。次に、カツオ一本釣り実習に出たところ、冷凍装置が壊れてジギング実習に変更された。似たような活動なのだろうと思う。さらに、済州島など様々な港に寄港するためにパスポートを取得するように言われてパスポートを取得したが、汚水処理装置の基準不適合が判明して済州島行きは断念し、カツオ一本釣りもいまだに実習できないままと聞いた。せっかくその学校に行っていろいろできると思ったのにである。では、当然すぐに変更して、次はどこでやるとなったのだろうと聞いたら、そうではなく、ほかの学年の実習などもあるので、あの日できなかったから、いきなりすぐこの日にできるというわけではない。非常に複雑なカリキュラムでなかなか達成できないままと聞いた。
ここで伺いたいが、現在、それほど壊れるとはどういうことなのか。どのような不具合が起こっていて、実習にどんな影響が出ているのか尋ねる。
【理事者】
昨年5月に竣工した愛知丸においては、本年度に入ってから汚水処理装置と魚倉用冷凍設備の二つの機器に不具合が確認されている。汚水処理装置については、本来の浄化能力を十分に発揮できず、茶色の汚水が排出されてしまう状況を踏まえて、韓国などへの入港において罰金や入港禁止のリスクがあることから、済州島への国際航海を中止した。また、魚倉用冷凍設備の不具合で大量の冷凍保管ができないため、カツオ一本釣りの漁業実習についても中止した。
【委員】
中止したまま何もないのか。もちろん学校側からは変更のたびにおわびの手紙が出て、生徒の安全を第一に考え内容を変更すると丁寧に書かれていたと保護者も言っていたが、令和8年度に入って、まず5月20日も乗船実習の日程変更、またすぐ6月4日に日程変更と立て続けにおわびの手紙が届いている。これだけ続いて内容が変更されると、もう保護者からは学校に対して不信な思いしか湧いてこない。確かに手紙をもらって、壊れたから仕方がない。でもこれは、民間だったら既にお金を返してくれみたいな話にならないか。公立だから駄目であると何か流されてしまっているが、船が大きくなってこれからと本当に一生懸命応援しているのに、本当にどうしてこんなに船が度々整備不良、不具合が起こってしまうのかと言われて、私は返答に非常に困ってしまった。そこで伺うが、生徒、保護者の不安の解消につながるようにどのような対応策を考えているのか。駄目だったではなくて、それに代わるものをきちんと返してあげてほしい。そのようなところをどのように考えているのか伺う。
【理事者】
県教育委員会としては、今回の不具合により当初計画していた学習内容の一部に変更が生じたと認識しているが、生徒の学びに支障が生じないよう、代替となる乗船機会の確保に努めている。その対策として、実習内容を見直し、国際航海を国内での乗船実習や救命講習に代替するとともに、カツオ一本釣り漁業実習を大量保管が不要なルアーを使用する漁業実習で代替している。
確認された不具合については、現在、造船会社において原因調査を進めている。また、できるだけ早く修理し、予定していた生徒の実習ができるように、造船会社と相談しながら進めている。それを踏まえて、生徒、保護者に対しては実習船の不具合と学習内容の変更による学びの保障について、不安の解消につながるよう、学校を通じて丁寧な説明に努めていく。引き続き生徒の安全を第一に、安心して実習に臨める環境づくりに取り組んでいく。
【委員】
最後に要望する。
何回も何回も壊れてしまって、造船会社に対するペナルティーはないのか。普通はそれだけ失態を繰り返していたら使わないだろうし、もう少し何か対応策をきちんと考えてほしいと思う。
先ほども言ったように、三谷水産高等学校に春日井市から通うのはかなりの時間がかかる。私はてっきり寮に入って近くで勉強しているのかと思ったら、自宅から通っている。それでもそれだけ魅力があって、そこに通いたいと生徒が思っているから、一生懸命頑張って行っているのだと言っていた。本当に海技士免許を取りたいと熱心に希望して入学して頑張っているのに、度重なる変更に生徒たちも少し疲弊しているようなことも言っていた。しかし、三谷水産高等学校には就職先や学校外の企業まで紹介してくれるなど、大変親身になって相談を受けてくれるすばらしい先生がいる、だから今回のことも、言ってよいのか悪いのかとすごく悩んだが、でもやはり実習ができなかった部分の何か見返りというと変だが、代わりのものをきちんとやってほしい、そこはすごく要望を願いたいのでと保護者は言っていた。
もう一回言う。すばらしい先生はいる。だから、あとは船をしっかり直してもらってと思うが、これから超少子化時代でどんどん子供が減って、県立高校も定員割れがかなり起こってきているので、そのような特異な、ユニークなカリキュラムがある学校がどんどんこれから人気になってくると思う。せっかくそうやって子供たちが行きたいと思って行く学校なので、そのような不具合にすぐ対応して、しっかり生徒たちが資格を取って将来の自分の夢をかなえられる、ぜひそのフォローをするように要望して終わる。
【委員】
愛知総合工科高等学校の専攻科のことを聞きたいと思うが、大村秀章知事の肝煎りで国の戦略特区を利用して、2017年度に公設民営で民間の学校法人名城大学に運営を任せて10年目となる。これは大成功だったと思う。就職先の一覧を見ても、名立たる企業、愛知県内に就職している。そして、第一線の技術の責任者が講師として、そしてデュアルシステムの下に座学と実学を勉強している。就職すると今の時代には少ない礼儀や序列、整理整頓、お互いに力を合わせること、思いやりなど、企業が教えてくれるわけである。本当に私はすばらしいと思った。これが事実上の県立高専だと思って喜んでいたところ、急に県立高専をつくると聞こえてきた。これはこれでよいが、どのような立ち位置になるのか。それも同じ総合工科高校の敷地の中につくるわけであり、総合工科高校、専攻科がうまくいっているのだから、役割と立ち位置をはっきりしないといけない。公設民営で、そのまま進化させたらよいのではないかと思わざるを得ないが、その目的、コンセプト、それからどのようないきさつでそうなったのか。
県民文化局の学事振興課がやるわけだが、今までせっかくうまくいっているのに、今後、全く経験のない人に任せて、型どおりの今までのような公立教育をやってもらっては困るとそう思わざるを得ない。県教育委員会がどう絡んでいくのか。今までの専攻科のレガシーをどう引き継いでいくのか。全く違う価値観でやるのか。公立離れが始まっている。後でも言うが、二次募集で37パーセント定員割れしており、危機である。そのときにあって、どのような県立高専にしていくのか考えを伺う。
【理事者】
委員が今言ったとおり、専攻科は2017年度に、国家戦略特区で全国で初めて公設民営化された学校である。指定管理法人は公設民営化されてからずっと学校法人名城大学が担っており、大学のノウハウやリソースを生かした教育体制の下、非常に高度な、また、実践的な教育内容で実施している。
この公設民営のメリットとしては、多様な雇用や給与体系によって、企業の一線級の技術者を柔軟に登用できることなどにより、高度な教育ができている。
現在、この専攻科と今後、2029年4月に開校を目指して進んでいる高専については、県民文化局と高等学校教育課でしっかりと話し合いながら、こちらの専攻科の良さも引き継いで、発展していけるよう話をしている。
【委員】
決まったことは仕方ないが、ぜひその意思と教育内容を引き継いでほしい。要は企業との連携教育である。実学と座学を両方やらないと駄目である。今、全国的にも高専ブームである。それは、高度な技術もさることながら、即戦力だということで企業が欲しがっている。さきほど文理融合の話も出たが、かつては高度経済成長で文が優勢だった。ところが、今度は理が優勢になってきた。ソフトウェアが有利になってきたわけである。工場もロボットもAI、フィジカルロボットである。そして、プロンプトもロボットでやる中で、7割も普通高校なんて全く時代遅れである。時代錯誤と言っても私は言い過ぎでないと思う。なぜなら社会のニーズに合わない。だから、もう少し立ち止まって、どのような教育内容をしたらよいかということを我々含めて考え直さなければならない。このままだと子供たちは漂流する。
私の視点であるが、例えば戦後、高度経済成長は、進学があるから、よい大学や普通大学に行かないといけないから記憶力と偏差値を上げないといけないと、指導要領に基づいて教育内容は真ん中に照準を合わせてきた。それでできる子はやるが、少し足らない子は教え方もうまく、大学受験に受かるから塾に行く。ところが、今はあまりないが、真ん中から下の子は15の春を泣かせるなと、親も教師も高校、それも普通高校くらい行きなさいという時代があった。それでこうなっているが、時代ががらっと変わってきたので、その時代に合わせた教育内容制度をつくっていかないと、未来の子供たちは大変である。偉くなりたくない、外国に行きたくない、こんなことでよいのか。我々の未来を彼らに託すわけである。
もう一つは、AI、ITでも、習熟度に合わせたアプリがいっぱいあるのだから、真ん中から下の子にも分かるように教えてほしい。恐らく相当の子供がいじめ、非行、不登校、ストレスがたまってやめていると思う。分かるようになればみんな勉強するようになる。一部では学び直しをやって効果も出ていると思う。既に大学は学び直しをやっている。AIがきちんと教えてくれるのだから、中学校のことを教えたらよいではないか。失礼な話だが、教師も、一方的な知識を教え込む時代はもう終わった。幾らでもスマートフォンやタブレット、パソコンで調べられ、勉強できる。だから、これからはファシリテーターというまとめ役、調整役となり、子供たちがそれぞれに合った勉強を一生懸命するように雰囲気、環境をつくっていくのが教師の仕事ではないかという意識改革を、教育長をはじめとする人たちにやってほしい。AI活用である。産業界の全ての社会はAIで動くので、プロンプトという技術を持ってAIをうまく活用する。それを持っていれば、自分が入った企業でもこれは合わないとなったとき、今度はリスキリングするときの武器になる。普通高校であれ何であれ、私はAIの活用をするようにしてほしい。そうしないと大変なことになる。日本はすり合わせの技術や基礎的な技術があるから、AIを徹底して使いこなす。相当自然に無駄が省かれて生産性が上がり、給料が上げられる。教育長が、総務局長のときに英断を下してDX推進本部を総務局に置いた。総務局長がやらなければできなかった。最先端を行っていると思う。教育もAI活用を徹底して、愛知県の教育が最先端になってほしい。管理教育と言われて久しい。答弁は結構なので、まず意識改革から我々みんなで合意して、徹底的なIT、AI教育をやっていこうと誓っていきたいと思う。
そこで私は盛んに、皆も我々も、魅力のある公立高校にしたいと言っている。理想はそうであるが、具体的にどうやるか。私学助成もしているので、時々我々は私学も見にいくが、全然違う。やる気がまず違う。時代に合わせていかなければ生徒は入ってこないので、借金してでもやっている。校舎もきれいで、トイレに行ってもきれいである。公立高校みたいな和式のトイレなんかない。漫画の世界である。そして決定的なことは、私学の授業料の無償化で拍車がかかった。私学は、既にAIを使ってどんどん授業をして、生き残りをかけている。それが実態である。もう偏差値、記憶力の時代ではない。自分の好きなこと、得意なところを見つけ出して伸ばしてあげ、それが仕事になれば幸せである。ぜひそうしていこうではないか。イチローや大谷翔平と一緒で誰でも好きこそ物の上手なれで、スーパースターができるのは、好きだからである。得意を早く伸ばせるのがAIなので、徹底してAIを活用してほしい。
今までみたいに公私2対1の割合なんて、なしにしないといけない。やる気のある私学を伸ばせばよいではないか。公立も負けないようにするには、お金がある程度かかると言われているが、パソコンとタブレットで既にやれるのでAIはお金がかからない。ただでもやれるのだから、私の持論はAI教育を徹底して底上げしてほしいということ、これだけである。
最後にもう一点、先ほど別の委員から盗撮の話が出たが、今と昔は違ってあれはどこでも起こり得ることである。学校で犯罪が行われていた。それを見過ごし、芽のうちに摘まないからそうなる。
ニューヨーク市の割れ窓理論ではないが、検察の出身のルドルフ・ジュリアーニ市長が、徹底的に窓が割れていたらその原因を追及し、それを直すと言った。そうしたらまちの治安がよくなった。誰が悪いというわけではなくて、校長も当然二、三年の任期なので、うちの学校で不祥事を起こしたくないとどうしてもかばいたくなるが、それでは駄目である。徹底して芽のうちに、一番下の担任教師から聞いて、学校の中にいじめ・不登校対策、教員不祥事も含めて対策会をつくり、そこには犯罪が起こっているのだから警察OBを入れないといけない。時々警察官に立ち寄ってもらうだけでも抑止力になる。そうやってOBに校内を回らせ、駅やコンビニに行くだけでも、私は抑止になると思う。担任にそのようないじめ、非行、不登校や、教員の不祥事があったらすぐに連絡するようにと、みんなで未然に防ぐため、このようなことはやめるよう声をかければ、よほどでないとやらない。
教員はアナログのところもあって、ものすごく忙しい。モンスターペアレントもいるから対応が大変である。全部デジタルやAIで負担を軽くしてあげないといけない。できることを全部して、負担を軽くして、ファシリテーターではないが、子供たちが一生懸命勉強できる、する雰囲気をつくる。AIでやれば個々に見れるので、本当に好きなこと、得意なところを伸ばしてあげる。さらにスキルアップしたい子は大学へ行けばよい。私は国でもできると思うが、少なくともこのような不祥事があれば、人手不足になるに決まっている。人間対人間の仕事も出るし、思いもよらない仕事がどんどん出てくるが、AIが代用できればそれも多少は緩和できる。まずは世界の流れがそのような流れだから、それに乗り遅れないようにしないと、後で気がついたら大変なことになるので、答弁は要らないが、教育長の感想を聞かせてほしい。
【理事者】
今、委員から大変多岐にわたるテーマで見識をもらった。全体を俯瞰して、総括的ではあるが、私の意識を述べたい。
私は、最後のほうで委員が言ったことと基本的に同じではないかと思うが、どのような学びを実践していくのかについては、子供たちの個性や能力を生かして、可能性を最大限に引き出し、伸ばす学びの実践が重要であると思っている。個別でいくと、社会の変化は非常に速いことと、将来の予測も極めて難しいという時代であるので、そういった時代に求められる力としては、課題解決のプロセスを繰り返しながら問いを立て続ける力、そして困難な課題にチャレンジして粘り強く取り組んでいく力、さらには多様性を尊重し、互いのよさを生かす力、こういった力をそれぞれ育成していくことが教育の中では大事であろうと思っている。
もう一つは、委員が生成AIの活用について発言した。AIについては、先般、一般質問でも議員から質問があったので、それに答えたところである。AIに関して言えば、今後、AIをつくり上げていく人、使いこなせる人、そのような人材が必要になってくるのは間違いないが、必ずしも全ての子供たちがそういった高い位置を極められるかというと、なかなかそのようなものではないと思う。その一方で、先ほど委員も言ったように、AIに代替されない、人間でないとできないところを深めていくことで、それぞれの持ち場で社会の担い手として社会を支えていけるような人材を育てていくことも当然必要であると思う。
いずれにしろ社会の担い手、つくり手というと、チェンジ・メーカーのようなすごい高い能力に限定される感じもするが、そのようなことでもなく、社会の担い手となって一人一人が自己肯定感をしっかりと持ち、自信を持って変化の激しい、厳しい時代であっても時代の波を乗り越えていける人材をこれから育てていくことが理念的ではあるが、重要だと思っている。
個々のもらった宿題については、それぞれ県教育委員会の中で受け止め、いろいろと検討したいと思っているが、今日の委員からの指摘に対して、私の考えとしては今述べたとおりであるので、今後とも委員に引き続き指導鞭撻を願う。
【委員】
理事者のやる気のほどがよく分かった。ぜひお願いする。
最後に、何で興味を持ったかというと、10年前に佐賀県の武雄市という小さい市に行って、小学校4年生の社会科の公開授業を見た。その頃からみんなタブレットを持っていて、先生が、地震が起きたらどうするかとテーマを出す。そうすると30人か35人いる子が全員、私が私がと手を挙げる。五、六人ですぐ相談してやっているのである。それで、五、六人のチームでやるから、できる子にみんな聞いている。全員が手を挙げて発表し、そうしたら今度は、発表した子が次に手を挙げた子を指名する。自然にどう対処するか分かるようになる。これがこれからの教育だと思って興味を持った。これで終わる。





