本文
農林水産委員会審査状況(令和7年12月9日)
農林水産委員会
委員会
日時 令和7年12月9日(火曜日) 午後0時58分~
会場 第2委員会室
出席者
安井伸治、中村貴文 正副委員長
中野治美、須崎かん、島倉 誠、山田たかお、中村竜彦、浦野隼次、
鈴木 純、谷口知美、古林千恵、末永けい 各委員
農業水産局長、農林水産推進監、農業水産局技監、農政部長、
畜産振興監兼畜産課長、水産振興監、
農林基盤局長、同技監、農地部長、林務部長、関係各課長等
委員会審査風景
付託案件等
議案
第157号 令和7年度愛知県一般会計補正予算(第5号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳出
第6款 農林水産費
第10款 災害復旧費
第2条(繰越明許費の補正)の内
第10款 災害復旧費
第159号 令和7年度愛知県県有林野特別会計補正予算(第2号)
第206号 愛知県民の森の指定管理者の指定について
第207号 愛知県昭和の森の指定管理者の指定について
第208号 愛知県植木センターの指定管理者の指定について
第209号 愛知県緑化センターの指定管理者の指定について
結果
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第157号、第159号及び第206号から第209号まで
閉会中継続調査申出案件
- 農林水産業の振興について
- 農地関係の調整及び土地改良について
- 緑化の推進について
- 農業水産局、農林基盤局、海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会の行政運営について
会議の概要
- 開会
- 議案審査(6件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 委員長報告の決定
- 一般質問
- 閉会中継続調査申出案件の決定
- 閉会
主な質疑
議案関係
なし
一般質問
【委員】
木材利用の促進について、大きく二点伺う。
まず一点目は、被害木などの活用について尋ねる。
私は、本年10月26日から11月2日まで、北米調査団の一員としてカナダ・ブリティッシュコロンビア州での木材利用促進の取組について視察してきた。木材利用促進の担当者として視察してきたので質問する。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州は対日輸出の林産物が第3位、13パーセントを占めており、林業が主要産業となっている。そのため、持続可能性、地域経済、先住民の権利などを重視し、森林管理が徹底され、環境負荷の少ない建材として木材利用が進んでいる。中でもリッチモンド・オリンピックオーバルなどをはじめとする木材を活用した大規模公共施設が数多く、都市部での木材利用の先進的事例も多く存在していた。特にウィスラーというリゾート地においては、景観の観点から木材利用を推進していると聞いた。その大規模な木造建築を可能にするための複合木材技術を持った世界トップクラスのマスティンバー建築家などが多く在籍し、世界各地で画期的なプロジェクトを行っており、2007年以降、カナダでは860棟以上のマスティンバー建築が建設され、そのうち450棟がブリティッシュコロンビア州で建設されたと聞いた。
視察を行ったのはリッチモンド・オリンピックオーバルで、巨大なスパン木造ルーフ構造、スパン木造とは、柱を設けずに広い無柱、柱がない空間を実現するための建築技法であり、主に体育館や倉庫などの大規模な建築で使用されている工法になる。建築面積は2万5,000平方メートル、延べ面積は約4万7,000平方メートル、15本の集成材と鋼アーチに支えられた、梁スパン間隔は約100メートルで、アーチ構造はV字型の中空断面、中が空になっているため、空調や電気配管などを内部に入れた建設を行っていた。とても美しいアーチ型空間で、想像を超える広さで驚いた。
承知のとおり、元は2010年バンクーバーオリンピックの長距離のスケートリンクとして使用されていたが、現在はアイスホッケーコート2面、陸上トラック、クライミングウォール、バスケットコート、卓球施設など、仕切りの大きさや高さなどを工夫して多用途スポーツ施設として柔軟に活用され、地域の憩いの場やプロスポーツ選手の練習の場になっていた。
説明の中で一番興味関心を持ったことは、オリンピックオーバルの屋根に使用された直交集成板(CLT)についてだった。使用された木材は、持続可能な木材利用としてブリティッシュコロンビア州で発生したマウンテンパインビートル被害木を使用し、建築を行っていたとのことであった。視察見学の途中でオリンピックオーバルの建築時にその被害木をどれぐらい集めたのか質問したところ、ブリティッシュコロンビア州には被害木があふれているため、わざわざこのために集めたわけではないとの回答だった。後に調べると、マウンテンパインビートルによる被害は多く、2008年3月時点ではあるが、累計7億1,000万立方メートルとの記載があった。被害木は膨大であることが分かった。比較参考になるか分からないが、世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定された大阪万博の大屋根リングは約2万7,000立方メートルなので、数千倍で想像できないほどの量であることは確かである。
その膨大なマウンテンパインビートルによる被害に遭った木材利用は、林業全体を保護し、林業の発展と持続可能な取組であると学ぶことができた。
そこで尋ねる。
愛知県の森林ではどういった病虫害が多く発生しているのか。また、被害を受けているのであれば、その被害木の利用等に関する取組について伺う。
【理事者】
建築用材を生産する目的として造成されたスギ・ヒノキ林では、一部の地域でスギノアカネトラカミキリによる被害がある。この被害により木が枯れることはないが、製材加工した材は表面に食害の穴や材の変色が見られ、枝虫材や飛び腐れなどと呼ばれている。
こうした木材は強度、耐久性にはほとんど支障がないことから、建築用材として十分利用できる。しかし、見た目に影響があるため、木材価格は低くなる傾向にあることから、被害を受けたスギ・ヒノキ林は伐採や木材利用が進まない状況となっている。県では、従前から伐採、再造林、保育まで支援しており、被害を受けた森林においても、この支援事業の活用を促すとともに、建築物の表面に表れないところで使用するなどの使い方をPRして利用が進むよう取り組んでいる。
【委員】
愛知県内においては公共施設の木材利用としてSTATION Ai、愛知国際アリーナ、県営住宅、春日井高等学校や公園の休憩所やトイレなど、多岐にわたって木材活用を推進しているが、被害木についても積極的な活用のために活用方法の研究などを進めてもらいたい。
次に、学生が積極的に関わる木材建築について尋ねる。
カナダ・バンクーバーに到着後、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の学生センター及び寮の2か所の事前調査を行うことができた。UBCは医学部を含めた総合大学であり、カナダで2番目の規模で、6万5,000人の学生が学んでいた。1か所目はブロックコモンズと言われる学生寮で、2017年当時は世界一高い木材建築であり、当時の日本経済新聞電子版にも掲載されていた。現在は二番目の高さとのことだった。
2か所目は、UBCキャンパス内の学生センターネストと呼ばれる食堂やショップ、ラウンジ、学生スペース、イベント会場などの機能を有する木材を多く利用した施設だった。設計時に、学生によるワークショップやサテライト設計室、デザインキューブやユーチューブなどの電子メディアを使用して、学生が自ら設計チームを選び、意見を形にした学生がクライアントユーザーとして参画し、学生が理想とする社会像が反映された施設になっていた。建築費用の一部も学生生協などが負担し、現在でも飲食店の売上げの一部を施設管理に使用するなど、学生自らの意思を持って学生センター運営に関わっていることが分かった。
また、持続可能性について追求され、雨水収集、屋上ガーデン、厚い断熱、ソーラー熱収集など高規格の建物となっていた。CLTを利用し、地産木材による自然な断熱、軽量構造を実現し、コンクリートスチール構造とのハイブリッド建築で耐久性と意匠性を両立し、学生がよい環境で学習でき、リラックスし、意見交換ができる雰囲気を感じることができた。
このような取組は、学生が木材を身近に感じるだけではなく、学習環境がはるかによくなっていると感じた。また、学生が自ら木材建築の設計を行い、それを実際に建築するのは、将来の木材利用促進につながる取組であると感じた。
そこで尋ねる。
愛知県では、学生が主体的に木材建築に関わり、木材利用につながるような取組を行っているのか伺う。
【理事者】
建築物の木造化推進の課題の一つとして、木造に精通した建築士が不足しているという現状がある。このため、建築士等に対する講習の開催に加え、木造・木質化に携わる人材の育成を目的とし、建築を志す学生を対象とした木造建築の設計コンペティション、AICHI WOODY AWARDを実施している。初開催の昨年度は、行くたびに心惹かれるオフィス・商業施設をテーマに、世界的に著名な建築家である手塚由比氏を審査委員長に迎え、実施した。県内8大学の学生から多数の意欲的な作品が提出され、プレゼンテーションを踏まえた審査により、大通り沿いの大型衣料品店をイメージした実現性のある作品が最優秀賞を受賞した。
2回目となる今年度のテーマは、この街がもっと好きになる駅前建築物とし、12月21日日曜日に最終審査会を開催する。審査会と併せて、手塚由比氏による講演や、審査委員と学生との交流会を実施し、第一線で活躍しているプロから直接学べる機会も提供する。また、入賞作品を作品集として取りまとめ、建築関係者が集まる建築総合展や、木に親しむためのイベントなどで紹介し、木造建築の機運醸成に役立てている。
今後は、学生が木造建築に取り組む機運をさらに高めるため、受賞作品の専門誌への掲載などを行うとともに、企業等への働きかけなどにより、将来的には学生のアイデアを実現するような仕組みを検討していく。
【委員】
学生が木材建築についての理解を深めるための自らの考えたアイデアを実際に設計し、それを現在木材建築の場で活用している人に見てもらう機会を設けていることはよく分かった。今後もこういった取組を積極的に実施し、継続していくとともに、こうした機会に学生から出てきたアイデアを実際に建築できるように取組を推進してもらうよう要望して終わる。
【委員】
私からは県産木材の利用促進について三点伺う。
私も委員と同じ令和7年度愛知県議会海外調査団の一員として、カナダ、アメリカの2か国8都市を訪れた。カナダのブリティッシュコロンビア州では、木材利用によるカーボンニュートラルの実現に向けた取組について視察を行った。
県内での事前調査では、名古屋市中区丸の内にあるタマディック名古屋ビルの調査を行った。このビルの構造はRC造、一部鉄骨木造、地下1階地上8階建ての日本初の木質免震構造オフィスである。働きがいがある職場の実現、健康保持・増進を重点施策に据え、社員のモチベーションアップを通じて技術力と人材力を両輪とする総合エンジニアリング企業を目指すとし、特に社員のヘルスケアに力を入れており、快適なオフィスとして設計から携わったとのことであった。そのため、健康管理に特に留意している会社として取り組むべき内容を明確にし、経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度であるブライト500の上位50位にも選ばれている。
この建物の設計は、先週末、アメリカ建築家協会により贈られる2026年、AIAゴールドメダルを受賞した建築家の坂茂氏であった。日本人では4人目の受賞とのことである。AIAが坂茂氏を選出した理由は、紙や木材などを用いた災害用シェルターなど、強靱で持続可能な建築を目指し、建築界に革命をもたらしたからだとしている。樹木は光合成で空気中の二酸化炭素を吸収し、炭素として蓄えることで成長するが、その樹木を木材として長期間利用することで炭素は固定され続ける。そして、伐採した後に再び植林すれば若い樹木が二酸化炭素を吸収して育つ。こうしたことから、木材利用はカーボンニュートラルの実現につながるが、このほかに、建築物に木材を使うことのメリットとして、木材は人に対して癒やしなどのよい効果をもたらすといい、私自身、実際に視察している最中にも感じていた。
そこで伺う。
近年の研究により木材が人によい効能をもたらすことが実証されていると聞いているが、具体的にどのような効能があるのか伺う。
【理事者】
本年3月に公益財団法人日本住宅・木材技術センターから発行された内装木質化した建物事例とその効果では、様々な実証結果が取りまとめられている。木材の香りや見た目には心身をリラックスさせる効果があるほか、内装に木を使った部屋では睡眠の質が向上することに加え、集中力が増し、作業効率が上昇するとされている。そのほかにも、調湿作用や高い断熱性を持つこと、コンクリートや鉄骨に比べ加工しやすく、また、軽いことから基礎工事のコストを抑えることができるなど、建築材料として優れた特性も持っている。
【委員】
先ほどの答弁で、木材利用は環境面だけでなく人へのメリットも大きいことが分かった。そうであれば、なおさら木材利用を進めていってほしい。
先日、東三河総合庁舎に行ってきた。正面玄関を入ると、エントランス正面の階段を上がるところにも物すごいインパクトのある、上に長い丸太が6本浮いて乗っているように見える斬新なデザインの木のゲートが設置されていた。そのゲートの説明が書かれた木の板の案内には、いっぽん門、東三河の森と技を繋ぐ木のゲートとあった。このデザインコンセプトでは、東三河の豊富な森林資材と建築文化を再解釈し、来場者を迎える木の門を表現し、その門をくぐるたびに木のぬくもりや香り、この地域の森や人、そして受け継がれた技の力が感じられると書かれていた。
このように、県産木材の利用を県内全体に広げていくためには、行政が率先して公共建築物において木材を積極的に活用することが極めて重要である。特に公共施設での利用拡大は、県産材の安定的な需要創出、森林整備の促進、地域林業の体質強化に直結する。
そこで伺う。
木材利用を県内に拡げていくためには、公共建築物で利用することが重要と考えるが、県の公共建築物における木材利用の現状はどうか。

木質化された東三河総合庁舎エントランス
【理事者】
県の公共建築物については、庁内各局で構成する愛知県木材利用促進連絡会議にて意思統一を図り、全庁を挙げて木造化や内装等の木質化に取り組んでいる。近年では、県立芸術大学の彫刻・交流棟や、農業用揚水機場の建屋、森林・林業技術センターの全天候型研修施設など、様々な施設を木造で整備してきている。
さらに、建築基準法による防耐火等の制限がかかる規模が大きな建築物においても、春日井高等学校や、建設中の豊田加茂総合庁舎のように、木造と鉄筋コンクリート造のハイブリッド工法を取り入れることで法規制をクリアして整備している。
また、内装等の木質化についても積極的に取り組んでおり、STATION Aiや愛知県森林公園のこどもの家などを木質化している。
それから、委員からの質問の中でも紹介があったが、今年度は東三河総合庁舎のエントランスに東三河産のスギ、ヒノキを用いた木のゲートなどを設置した。
【委員】
最後に、今後の木材利用拡大の方向性について伺う。
私自身、海外調査団としてカナダ・バンクーバーを訪問したが、同地域では官民が連携して、建築物の木造化、木質化を積極的に推進し、森林資源の持続的利用、地域産業の活性化、そして都市の脱炭素化に大きく貢献していた。とりわけバンクーバーでは、中高層建築物における木材利用やCLTを使った革新的な木造建築が進んでおり、木材が単なる建材ではなく、環境政策、住宅政策、都市デザインの基盤として位置づけられている点が大変印象的であった。
愛知県としても、森林の適切な循環利用と地域材の価値向上を図りながら、県産木材の利用を学校、福祉施設、防災拠点など、公共施設はもちろん、民間建築物へ広く普及させていくことが重要である。
そこで伺う。
今後、県産木材の利用促進についてどのように進めていくのか。
【理事者】
引き続き、愛知県木材利用促進連絡会議により、全庁一体となって、県の公共建築物の木造・木質化を進めるとともに、商業施設やオフィスなど、多くの人が訪れるPR効果の高い施設への支援を行うなど、民間での木材利用の促進にも取り組んでいく。
また、現在国において、温室効果ガスの排出量を見える化する建築物LCAの制度化や、SHK制度における温室効果ガスの排出量と、木材による炭素固定量の相殺が検討されている。今後こうした制度を追い風にして木材利用の効果を明示し、企業等への働きかけを強化していく。
さらに、都市部での非住宅建築物の木造化の機運が高まっているため、この機を逃さず、こうした建築物に対応できる技術者育成にしっかり取り組んでいく。
【委員】
民間に県産木材の利用を促進していくためには、行政が率先して県産木材を利用し、波及させていくことが重要であることから、県はもちろん、市町村でも積極的に県産木材を利用するよう働きかけや支援を行うことを要望して終わる。
【委員】
私からは農産物の輸出促進について質問する。
まず、本県農業を取り巻く環境について述べると、我が国は人口減少社会が本格化する歴史的な転換点を迎え、2050年には日本の人口は1億人を割り込むとされていて、国内の食料需要は今後さらに縮小していくことが確実視されている。
こうした中、食料安全保障の確保は国家的な重要課題であって、これまでのように縮小する国内需要に合わせて生産を調整していくだけでは、我が国の貴重な生産基盤そのものが衰退し、食料自給率のさらなる低下を招きかねない。需要に応じた消極的な生産調整から戦略的な増産と海外市場への積極的な展開へとかじを切り、生産基盤の維持・強化を進める攻めの食料安全保障の実現が必要不可欠であると考えるが、本県の状況を見てみると、愛知県の農業産出額は令和5年で約3,200億円、全国第8位という高い水準にある。花き、野菜、畜産など様々な品目で全国トップクラスの生産実績を誇っており、海外輸出のポテンシャルは極めて高いといえる。
県においては、これまでテスト的な輸出段階から本格的な定着段階への移行を見据えて、輸出先国が求める品質基準を満たす農産物の生産、植物検疫条件に対応した栽培管理、輸送等の鮮度保持技術の確立など、様々な課題に取り組む農業者等への支援を展開していると承知しており、これらの取組は高く評価するが、一方で、輸出を一過性の取組に終わらせず、本県農業の持続的な販路の一つとして確実に拡大させていくためには、まだまだ乗り越えるべき課題があるように思う。
特に輸出における最大の障壁の一つが物流のコストではないだろうか。農業者からは、せっかく海外で需要があっても、輸出の輸送のコストが高くて採算に合わないであるとか、関東や関西の産地に比べて物流面で不利ではないかといった声を聞いている。輸出を拡大し、農業者の収益向上につなげるためには、県がリーダーシップを発揮して、中部国際空港や名古屋港、三河港といった本県が誇る国際物流拠点を最大限に活用し、効率的で低コストな輸出ルートを確立していく必要がある。
そこで伺うが、県は農産物の輸出に当たり、物流コストの削減に対してどのように取り組んでいくのか聞かせてほしい。
【理事者】
農産物を輸出するための方法としては、飛行機による航空輸送と、船による海上輸送がある。県産農産物の輸出に係る物流コストを削減させるためには、生産現場、すなわち産地から近い空港や港から輸送することが有効で、まさに委員の指摘のとおりである。このため、今年度、国の事業を活用して、中部国際空港と名古屋港から輸出される農産物の流通実態を調べるとともに、関東圏、関西圏から輸送した場合のコストや日数等の違いについて比較調査を行っている。
また、空輸より安い海上コンテナ輸送には、コンテナの一つを荷主が貸し切る場合と、複数の荷主が様々な農産物を混載する場合と、大きく二つある。この二つの方法のコストや、輸送にかかる農産物のダメージを加味した品質、こうしたものを調査して、適切な輸送方法を明らかにしていきたい。
こうした結果を踏まえて、農産物を輸出する際の最適な流通方法につなげていきたい。
【委員】
次に、もう一点伺いたい。現場で農業者と意見交換していると、輸出には興味があるが、具体的に何から始めていいか分からないであるとか、輸出先国の規制や手続が煩雑で、自分たちでは対応ができない、失敗したら損失が大きいのでなかなか踏み出せないといった声を数多く聞く。
輸出に関する情報は言語の壁もあり、一般の農業者が独自に収集し、理解することは容易ではない。また、輸出先国ごとに異なる検疫条件、残留農薬基準、表示規制など、専門的な知識が求められる場合も多々ある。こうした現状を踏まえると、輸出に意欲を持つ農家が気軽に相談できて、それぞれの状況や要望に応じて寄り添いながら、実際の輸出実現まで伴走型で支援してくれる人材の存在が不可欠ではないかと考える。
このような人的支援体制の充実こそが輸出に取り組む農家の裾野を広げ、ひいては本県農産物の輸出拡大につながるのではないだろうか。
そこで伺うが、県は輸出に意欲のある農家への人的支援についてどのように考えているのか聞かせてほしい。
【理事者】
本県の農産物の輸出を拡大していくためには、輸出先国の消費者ニーズに合致した生産に加えて、新たに輸出に取り組みたい農家を見いだし、そして後押ししていくことが重要である。
このため本県では、2024年度から各農林水産事務所の農政課及び農業改良普及課の職員を輸出推進員として新たに配置して、各産地における輸出の取組をサポートする体制を構築した。具体的には輸出推進員が中心となって、菊の産地において輸出先国の植物検疫上の基準をクリアするための病害防除対策の指導や、大葉の産地では新たに輸出に取り組む農家に対して、夏の増産に向けた高温対策の取組支援などを行っている。
また、輸出推進員に向けて、輸出先国が定める植物検疫等の研修会を開催するとともに、輸出に係る最新情報を共有するなど、その資質向上にも努めている。
引き続き輸出推進員が地域に密着した農家の支援を行うとともに、輸出に取り組む新たな産地の育成を行い、さらなる輸出拡大に努めていきたい。
【委員】
具体的な事例を挙げて答弁をもらった。取組を理解した。
二点要望させてもらう。まず一点目だが、人口減少が進行する中で食料安全保障を確保しつつ、輸出も積極的に推進していくためには、何より生産基盤の強化が不可欠である。どれだけ海外市場に需要があっても、それに応える生産力がなければ絵に描いた餅に終わってしまう。私も何回もこの委員会でも言ってきたが、今後農業人口も激減し、スマート農業技術の導入による省力化、効率化、農地の大区画化、集約化による生産性の向上は避けられないことから、次世代を担うやる気のある新規就農者の育成や法人化の推進など、生産基盤の強化にしっかりと取り組んでもらい、輸出の促進と両輪で進めてもらうことを要望する。
二点目だが、愛知県産農産物の輸出金額を正確に統計から算出することは、流通の実態から見て技術的に難しいと聞いている。国は税関で幾ら外国へ輸出したかが分かるわけだが、そこを通過した農産物はどこで生産されたものなのかまでは把握できない。
国は令和12年までに5兆円と目標を提示しているわけだが、県も令和何年までに何億円というような明確な輸出金額の目標数値を掲げることは、農業者も自らの取組が県全体の目標達成にどのように貢献しているかを実感でき、さらなる生産意欲につながると思う。ぜひとも農業協同組合(JA)などの農業団体や、輸出商社などの輸出の主体となるところに対し、何らかの輸出を応援するような施策があれば、勝手にそういった情報も集まってくるように思う。
先だって、香港や台湾へ食料品やお菓子などを輸出している商社が豊橋市にあって、生の鶏卵を毎月40フィートのコンテナに1杯分、15個入りの卵を1,440パック、2万1,600個調達できないだろうか、富山県や群馬県では行っているが、愛知県ではどうかという問合せがあって、担当課からいろいろ話を聞いた。結局、毎日ではなくて、月1のスポットでそれだけの数を用意するのは県内では難しいとのことだったが、そういった潜在需要はまだまだこの県内にあるように思う。そういった情報を集めてマッチングさせるような誘導をしていくことができ、そういった話の件数が増えれば増えるほど個別の案件についての問題のハードルを下げることができるように思う。様々な工夫をして実態把握に努めてもらい、本県農産物の輸出の具体的な数値目標を設定してもらうことを要望して、私の質問を終わる。
【委員】
私からは農地の地域計画について伺う。
以前、農地を農地として取得することの難しさについて少し話をした。実はあれは自分のことだったが、あれから何か月かかけて、やっと晴れて農地を取得することができて、堂々と農家といえるようになった。ただ、1日何時間ということはないが、150日間農家をしなければならないので、毎日畑に行って様子を見たり草を取ったりという作業が続いている。
農家になることの要件についてはものすごく厳しく指導をしてもらって、何を作るのかとか、ほかには農地はないかや、不法転用をしていないかなど、いろいろなことを言われたが、農地の地域計画のことについて一言も触れられずにきた。正直言って今回のことを知るまであまり地域計画について詳しく知らなかったし、ここまで指導をしてもらったにもかかわらず、地域計画が何なのか見えていなかった。
ただ、周りには耕作放棄地だとかいろんな農地が点在していて、このままでは、今質問にあったように生産性も上がらないし、今後、食料が不足するかもしれないし、産地の維持や食料安全保障を図るためには農地の集積、集約化は欠かせない取組であり、地域計画の策定は目指すべき将来の農地の利用を明確化するものとして重要なことは理解ができた。地元の人に聞いてもよく分かっていなかったし、正直このことを説明してもらった市の職員に聞いても、国が進めていることで、この地域計画の網をかけておかないと農地に関する補助金の対象にならないので、取りあえず現状に合わせてかけてあるという程度で、それが実効性があるようにはとても思えなかった。
県内の地域計画策定の現状について、どのようになっているのか伺う。
【理事者】
2023年4月に施行された改正農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村は地域計画を策定しており、今年の10月末までに策定された地区は、50市町村317地区に及んでいる。県内の策定された地域計画を分析したところ、将来の受け手が位置づけられていない農地は約4割あり、農地1筆ごとにどの農地を誰が担うのかが記載された目標地図が現況にほぼ近いものとなっている計画も見られ、地域計画の実効性を高める取組が必要な状況となっている。
【委員】
現状は分かった。多分そのぐらいの感じなのかと私も感じている。
せっかく国が決めて地域計画をつくって進めていこうということなので、これの実効性を高めるためには策定主体とされている市町村だけの取組では、人員やノウハウで限界があると思われる。
そこで伺う。
地域計画を実効性のあるものとするためには、策定主体の市町村だけでなく、県やJA、土地改良区などの関係機関が一体となった取組が必要であるが、地域計画の実効性を高めるための体制を県はどのように構築していこうと思っているか。
【理事者】
9月末に農林水産省から地域計画の実効性を高めるブラッシュアップに向けて、推進体制の構築や話合いの進め方などを示した通知が発出され、県ではこの通知を、市町村をはじめ、JA、土地改良区、農地中間管理機構等の関係機関に周知し、改めて地域計画のブラッシュアップに取り組むよう周知した。
また、農林水産省の職員が市町村を訪問し、意見交換を行った上でブラッシュアップにつながるよう、必要に応じてコーディネーターによる支援や関連予算の提案を行う取組が始められている。
さらに県では、ブラッシュアップに向けた地域での話合いが円滑に進むよう、話合いの進め方について、市町村の担当者を対象とした研修会の開催を検討している。本県では、農地集積、集約化の推進体制として、本庁、農林水産事務所のそれぞれに推進会議を設置し、関係機関が一体となって集積、集約化を進めているところであり、国からも助言を受けながら、こうした会議を活用して地域計画のブラッシュアップを進めていく。
【委員】
地域計画のブラッシュアップの件について、私も新聞で見た。鈴木憲和農林水産大臣が、農林水産省の職員を現地に派遣することが記事になっていたが、私の実感では、農地といっても非常に担い手がしっかりしている。生産性を上げられるにしても管理がしっかりしているところと、それから、ほとんど利用されていないところや、うちの近所でいうと植木の畑みたいな、ずっと植わっているだけで、畑なのか何なのか分からないようなところと、いろいろなところがあると思う。紙面の上で計画をきちんとつくって進めていこうという気持ちはすごく伝わってくるが、前回の計画のときもそうだったように、やはり紙面の上で書いたことは進んでいかない。それがいかに生産物が作れて、お金になってという、産地化などを進めていかない限り、実効性が担保できないと思う。とはいうものの、今農業をやっていない人、もしくは農地を持っているが、あまり取り組んでいない人などが、何かを作れと言われても、そう簡単に作れるものではないし、作目や、どんなことを今したらいいか、そのような具体的な提案みたいなものを、自分たちで何が作りたいかを申し出て、それを計画にしていくのが本来のルールのようであるが、それを今の農地を持っている人、農家に求めるのは難しいと思うので、産地の形成や夏の高温に強い品種の導入や、農地の大区画化、戦略という観点から、県が関わっていく必要があると思う。県は今後どのように進めていくか伺う。
【理事者】
地域計画は、目指すべき将来の農地利用の姿を明確化したものであるため、計画化の実効性を高めるためには、地域農業の将来像を共有した上で、担い手の確保や営農条件の改善、産地づくりなど、様々な課題に対応した取組を進めていく必要がある。
このため県では、戦略的な観点から、こうした課題に対応した施策を次期食と緑の基本計画2030で位置づけることとしており、市町村、JA、土地改良区、農地中間管理機構等と連携して様々な取組を引き続き進めることにより、地域計画のブラッシュアップを促進していく。
【委員】
気持ちは伝わったが、今の話を聞いても、何か作っていこうという気持ちにもやっぱりならないし、家族からは、何でこんなものを買ったんだ。後で管理するのが大変なだけではないかと言われている。私の買ったこの農地が実を結んで、私の小遣いが増えるような施策が広められると、地域計画全体が地域に広がっていき、農家が増えてくると思う。私を実験台に使ってもらってもいいので、ぜひ一生懸命取り組んでもらえることをお願いする。
もう一点、ウナギの資源の保護と管理について伺う。
12月5日にワシントン条約第20回締約国会議が閉幕した。11月には委員会で否決をされて、最終的に5日に本会議でどうなるかというところであったが、何とか否決をされて、この問題は一旦収束を見ている。ただ、この問題を見てみると、やはり初めてのことではないし、今後これが何回かやっぱり出てくる可能性はあるので、これからも一生懸命取り組んでいく必要があると思う。
今回のことを経て、いろいろなことを調べたが、国内で流通しているウナギの7割近くがやはり輸入物である。それから、私の地元はたくさんのウナギをつくっている人がいるが、ウナギの子どもとなるのはシラスである。シラスの約4割が海外から入ってきていることを考えると、正直これが附属書に掲載されてしまうと、国際的な取引がかなり不自由になって、生産者も、そして食べる皆さんにも随分な影響があると思う。
今回のことを経て、今後もしっかり資源保護とか管理について取り組んでいく必要があると思うが、今後の養殖業を持続していくために、今後のウナギ資源の保護と管理に対する県の取組について伺う。
【理事者】
ウナギ資源の保護については、県はこれまで産卵などのために海に下る下りウナギの採捕自粛やシラスウナギの採捕期間の短縮、親ウナギの放流などに養殖業者や河川漁業協同組合と連携して実施しており、この取組を継続していく。
また、資源の有効利用のため、1匹のシラスウナギを大きく育てる葵うなぎの消費拡大を図るとともに、水産試験場では、このウナギの開発に用いた大豆イソフラボンの成長改善効果に着目し、成長不良で商品化できないウナギを減らす技術開発にも現在取り組んでいる。
さらに昨年度、水産試験場に新たな施設を整備し、本年度から人工種苗の量産化に必要な安価で取扱いに優れた餌の開発試験を加速化しており、国などの研究機関と連携して天然のシラスウナギに頼らない養殖を目指していく。
ウナギ資源の管理については、国では、従来からウナギ養殖業の許可化や池入れ数量の制限などに加え、より厳格な管理を進めるため、12月から水産流通適正化法に基づき、国内採捕のシラスウナギのトレーサビリティを導入しており、県もこれらの制度が円滑に運用されるよう、養殖業者を支援している。
県としては、ウナギ養殖が持続的に行えるよう、これらの取組をしっかりと進めていく。
【委員】
最後のトレーサビリティが最も重要なところだと思って、今回もこれがどうなっているかが正確に分からないので、ヨーロッパがニホンウナギもターゲットにしてきたのだと思う。シラスの流通、ウナギの流通については、やはりいろいろな形で流通していると思うので、そこら辺をしっかり管理してもらって、ニホンウナギが確実に流通していることを証明できるように県にも努力してもらいたい。
【委員】
私からも一点、伺いたいが、朝起きて例えばテレビのスイッチを入れると、必ずクマがどこどこで出て人が襲われた、人家に侵入し、農家の果樹園の果物が食べられたという、連日そのような報道のニュースが流れる。少し調べてみると、クマの捕獲頭数も今年は過去最高だというようなことも報道されている。
ただ、原因を探っていくといろいろな要因が見受けられるが、一つよくいわれるのは、いわゆる山と人里、その境界区分が、耕作放棄地も含めて非常に境がなくなってきたのが一つの要因ではないかといわれている。よくよくそのことを突き詰めていくと、クマの個体が増えたのか、山の実りが減ったのかもあろうかとは思うが、その境目が曖昧になってきた。今たまたまクマの話をしたが、それ以前に、野生鳥獣の農林業の被害、これは今回、クマが人を襲ったことで全国的なニュースにもなっているが、それ以前のことを考えれば、それこそ野鳥が飛んできて、ヒヨドリなどが果実をつついて被害が出ることや、イノシシが畑に入って荒らしていって、せっかく丹精込めて1年かけて作っていても、いざ収穫時期になると、収穫できずにイノシシや鳥にやられてしまうということがあって、農業、林業もそうであるが、そういったものを諦めてしまうことがあるかと思う。
先ほどクマの話もしたが、クマだけではなくて、その背景には同じように、鳥獣の生息区域の拡大や個体数の増加もあるだろうし、人口減少でなかなか手が回らず、狩猟者の高齢化等によって捕獲の体制もだんだん弱体化してきていることも考えられる。そうすると、本当にますます農林業への鳥獣害が今後心配されることになると思うが、そのような状況の中で、資材価格の高止まりなどの影響によって、農業や林業を取り巻く環境は厳しさが増してくると思う。農作物は収穫しないと利益にならないので、経営の収益も減少するだろうし、不安定化を招くわけである。先ほども言ったように、そうするともう持続して営農していく意欲がなくなる。先ほど委員が計画のことを話したが、計画以前に、意欲がなくなればもうどうしようもないと思う。
同じように、林業でもせっかく新たに苗木を植えても、新芽がシカに食べられて枯れてしまうような被害もたくさんあると思う。林業については、愛知県もいわゆる循環型林業の推進に今懸命に力を入れているし、また、森林組合も県の意気込みに応じて、頑張ってやろうというような取組もしている。森林の資源の有効活用や、森林が持つ公益的機能の役割をしっかり果たしていくためにも、野生鳥獣による被害からどう守っていくかが非常に大切な課題だと思う。
そこで、野生鳥獣による農林業の被害は、今愛知県では増えているのか、減っているのか、その状況について伺いたい。
【理事者】
本県の2024年度の鳥獣による農作物被害額は5億7,663万円であり、前年対比で22パーセント増加し、被害量も3,371トンと、前年度から30パーセント増加している。被害金額については、ピーク時の2010年度の被害額6億835万円からは減少しているものの、近年は年間4億円から5億円台の範囲で推移する中、増加傾向が見られる。
被害金額の内訳を見ると、果樹類を中心に食害を与えるカラスによる被害が1億2,583万円と、全体の約2割を占めている。次いで、イノシシの9,975万円、ヒヨドリの7,913万円という順で被害金額が多く、これら三つの鳥獣で被害額全体の約5割を占めている。ちなみにシカについては5,110万円の被害金額となっている。
【理事者】
林業における鳥獣被害は、主にシカによる新たに植えた苗木が食べられるといった被害となっている。現在植栽をする場合には、植栽地へのシカの侵入を防ぐために、対象地を囲うように侵入防止柵を設置している。
しかしながら、被害が発生している原因としては、台風等により設置した防護柵が植栽地周辺の倒木により倒れてシカが侵入したことによるものである。
被害面積については、昨年度までの直近5年間のスギ・ヒノキ植栽地87ヘクタールのうち、約1割に当たる8ヘクタールとなっている。1年当たりの平均被害面積は約1.6ヘクタールとなり、本数に換算すると約2,700本の被害が生じている。
【委員】
今農業の関係では金額ベースで状況を聞いた。また、林業については面積ベースであるが、林業事業者が植林しているので、面積的にはそのようなことの被害が出ているんだろうと思う。
ただ、農作物については、今イノシシで約1億円弱だと話があったが、実態は金額ベースにしたら、多分これの数倍になるのではないか。というのは、日本の農業では、兼業や、自分のところや家族、親戚のために一生懸命作っている。この人を生産者という言い方が正しいかどうかは別にしても、やはりそのような形で農地も含めてしっかり守っていっている人が非常に多い。これは数字に表れない、目に見えないところだと思う。ただ、そのような人たちも含めてしっかり守っていくことが、日本、愛知の農業や農地を守っていくことにつながると思う。
そのようなところも踏まえながら、農林業への鳥獣被害を防止するために県は実際に今後どのように取り組んでいこうとしているのか、改めて伺う。
【理事者】
野生鳥獣による被害の拡大は、地域の農林業の持続性に深刻な影響を及ぼすものと認識している。
このため県としては、捕獲、侵入防止、環境管理の3本柱を軸に、市町村等と連携しながら、被害防止のための地域ぐるみの取組を進めていく。
具体的には、国の交付金や県独自の補助事業によって、捕獲者に対する活動経費の助成、捕獲おりやわなの購入、侵入防止柵の整備、緩衝帯の整備など、総合的な対策を行っていく。
特に林業被害については、侵入防止柵の確実な設置とその機能の維持が重要であって、柵の設置に加えて、点検や補修に対しても支援を行っている。現状の柵の規格や仕様で被害を抑止できなくなった場合には、速やかにその規格の見直しを行っていきたいと思っている。
また、ドローン等のICT技術の活用についても、鳥獣害の監視や捕獲の効率化といったものに加えて、侵入防止柵の点検に用いることも検討していきたいと思っている。
今後とも被害に苦しむ地域との連携を強化しながら、状況に応じた効果的な対策を講じて、野生鳥獣による農林業被害の軽減に努めていく。
【委員】
今理事者から非常に前向きな答弁や柔軟な対応も含めてしていくと聞いた。
やっぱり侵入防止や捕獲が非常に大切になってくるかと思う。高市早苗内閣総理大臣の働いて働いて働いてではないが、捕って捕って捕って捕りまくって被害防止に努めてもらいたいと思うとともに、イノシシもシカもやっぱり命ある生き物。捕ったものをただ廃棄にするだけではなくて、やはりジビエ化、こちらも併せてしっかりと進めてもらいたい。せっかく授かった命であるので、無駄にすることのないように、そういったことにもぜひ全力を挙げてもらいたいとお願いして終わる。
【委員】
それでは、私からは名古屋市中央卸売市場について質問させてもらう。
まず、名古屋市中央卸売市場についてだが、三つの市場から成って、青果と水産物を扱う名古屋市熱田区の本場と豊山町の北部市場、そして、食肉を扱う港区の南部市場があるが、食材を提供する大きな要となっている。ただ、この中央卸売市場というのは国の管轄であることと、それから名古屋市中央卸売市場は名古屋市が開設したもので、県が直接的に関わるのではないと認識しているが、やっぱり名古屋市の中央卸売市場は愛知県全体の生鮮食料品の流通において、県産品の取扱いや県民への食材の提供、それから地産地消の推進において大きな役割を担っていると認識している。そして、県内には愛知県所管の地方卸売市場が37あると聞いている。
ここでまず伺うが、名古屋市中央卸売市場の全体の取扱量と、県内37か所の地方卸売市場の取扱量をそれぞれ示してほしい。
【理事者】
まず、令和6年の名古屋市中央卸売市場3市場全体の青果物、水産物、食肉の取扱量だが、約57万トンになる。県内の地方卸売市場全体の取扱量は約17万トンで、約3倍以上となっている。
【委員】
それでは次に、名古屋市中央卸売市場における県産品の集荷量と、それから名古屋市内と名古屋市以外の県内への供給量、入ってくるほうと出ていくほうについて、それぞれ品目別の割合について伺いたい。
【理事者】
名古屋市中央卸売市場3市場での県産品の集荷状況については、青果物が約14パーセント、水産物は約19パーセント、食肉は約65パーセントとなっている。
また、供給状況については、令和6年の名古屋市中央卸売市場流通量推計調査報告書によると、青果物は市場のある名古屋市及び豊山町が約51パーセントで、それ以外の県内が約29パーセント、水産物は名古屋市及び豊山町が約46パーセントで、それ以外の県内が約30パーセント。
食肉については、名古屋市及び豊山町が約70パーセントで、それ以外の県内が約19パーセントとなっている。
【委員】
今示してもらったデータでいくと、やはり名古屋市中央卸売市場が名古屋市民のみならず、愛知県民にとっても大きな役割を果たしていることが示されているかと思う。品目によって扱いの量や、いろいろ違っている部分はあるが、名古屋市だけの卸売市場ではないことが示されているかと思う。
ただ、名古屋市中央卸売市場の三つの施設については多くが建設から40年以上経過して、老朽化が進んで市場経営にも支障を来していると聞いている。また、少子・高齢化による人口減少や消費量の減少、それから、食品流通形態の変化など、エネルギーの消費の問題や物流や労働時間に関わる法改正など、市場を取り巻く環境変化にもより一層対応が必要になってくるという現状がある。
そこで、これらに対応するために、名古屋市では今年度から今後8年間ぐらいかけての計画で再整備を行うことになっているが、やっぱり再整備に関わる経費というのが多額となっていて、名古屋市単独では負担が大きいとも聞いている。
そこで質問だが、先ほどから示してもらっているように、愛知県の食材も多く扱う名古屋市中央卸売市場の老朽化や機能改善に対して、県として何らかのサポートができないものかと考えるが、いかがだろうか。
【理事者】
最初に委員が言ったとおり、名古屋市中央卸売市場は、名古屋市が国に申請して開設した市場であり、国の所管となっている。また、名古屋市からは施設の老朽化が課題となっていると聞いている。
まずは、施設整備における国の補助制度である強い農業づくり総合支援交付金の確保に向けて、国に対して名古屋市の要望等への協力など、名古屋市の意向を踏まえ、丁寧にサポートしていきたい。
【委員】
丁寧にサポートしてもらえるということなので、よろしく願う。
最後、要望だが、先ほど卸売市場の時代の変化に伴う課題も述べさせてもらった。今回は名古屋市の中央卸売市場について質問したが、県の地方の卸売市場の課題も様々あると思うので、ぜひ地方の卸売市場へのサポートも引き続きお願いして質問を終わる。
【委員】
それでは、私から数点質問させてもらう。
まず、質問の前提としての国際情勢である。特に東アジアの国際情勢について、日本政府の動きがすごいきな臭くなってきたと感じている。この間政権も替わって、いろんな政策も変わって、その辺も聞いていきたいなと思っている。2027年に台湾有事という、ありもしないものに対して、日本政府が言われるがままに寝た虎を起こすかのごとく、具体的には中国を刺激するようなことを政府の高官も言っていることで、それに対して異議を唱えていかなければいけないと思っている。
今年、戦後80年で、戦時体制から脱却をしなければいけない、そろそろそのようなもう時期に来ていると思っていたが、高市早苗氏がトランプ大統領が来たときに空母に呼ばれてぴょんぴょん跳ねて、いまだに戦後体制の真っただ中にいることがあらわになったと思ったが、いずれにしても、80年、戦時中に食料体制がどうだったかをいろいろ私なりにも調べているが、台湾や朝鮮からの輸入米や、外国からの輸入に食料体制がかなり依存体質であった状況の中、ブロック経済になってから、あるいは実際大東亜戦争が始まってからは、さらに輸入状況が逼迫していたということがある。今は占領地が海外にないから、国内で食料体制をしっかりと生産して体制を築いていかなければいけないという観点で質問させてもらいたいが、まず、輸入の話からである。
今言ったように、いろんな国際情勢で、日本が例えば、ウクライナ情勢のときから特に日本とEUがロシアに対して経済制裁を政治的にしたが、そのような国ほど逆に物価が上がってしまっているという状況もあって、国際関係、中国とは例えばもう仲よくしていくことが基本路線だと思うが、仮に隣国や、ほかの国々からの輸入が止まってしまうようなことになってしまうことをすごく懸念している。
その点を伺いたいが、米は自給しているということだが、小麦、大豆、野菜、果実の自給率と輸入状況について、まず伺いたい。
【理事者】
全国の小麦、大豆、野菜、果実の2023年、令和5年のカロリーベースの自給率と輸入量についてである。
農林水産省の発表や、農林水産物輸出入統計によると、小麦の自給率は18パーセント、輸入量は503万トンで、主な輸入国はアメリカ、カナダ、オーストラリアの順となっており、大豆の自給率は7パーセント、輸入量は316万トンで、主な輸入国はアメリカ、ブラジル、カナダの順となっている。
野菜の自給率は76パーセントで、輸入量は62万トンで、タマネギ、ニンジン、ネギ、カボチャ、ゴボウの順に多くなっている。タマネギ、ニンジン、ネギ、ゴボウの大部分は中国から、カボチャについてはメキシコ、ニュージーランドからの輸入が多くなっている。
果実の自給率は29パーセントで、輸入量は172万トン、バナナ、パイナップル、キウイフルーツの順に多くなっており、バナナ、パイナップルはその多くがフィリピンから、キウイフルーツの大部分はニュージーランドからの輸入になっている。
【委員】
私の印象としては西側の諸国が輸入先として多いと感じたが、やはり中国からの輸入も主要品目の中に入っていると思ったので、こうやって輸入している以上、そういった国に対して政治的にちょっかいをかけていくこと自体が本当にナンセンスだと思って、誰が得することをやっているのかと本当に思う。
本当に不測の事態、有事が起きたときに、食料供給が実際に不足する場合の対応について、伺いたい。
食料供給困難事態対策法で、米、小麦、大豆、生乳、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵などが特定食料として位置づけされたが、生産者には具体的にどのようなことを求めることになるのか。
【理事者】
食料供給困難事態対策法では、異常気象などで食料供給が大幅に不足し、出荷販売の調整や、輸入では事態の解消が難しい場合に限り、内閣に設置された食料供給困難事態対策本部が米などの特定食料を栽培する一定規模の生産者に生産の促進を要請する。なお、この要請については、生産者の自主的な取組を促すものとされている。この要請をしても供給不足の事態の解消が困難な場合、必要に応じ、要請した生産者に生産計画の届出を指示することとなっている。計画は必ずしも増産する内容である必要はなく、実施可能なものでよいとされている。
さらに、国民が最低限必要とする食料供給が確保されない場合、供給熱量を確保するため、サツマイモなどの芋類を特定食料に追加し、現に生産している者や、生産可能と見込まれる者など、必要最低限、必要な範囲で生産の要請や計画変更の指示を行うこととされている。
【委員】
計画の作成、届出が指示された場合、県としては具体的にどのように対応することになるのか。
【理事者】
食料供給困難事態対策の実施に関する基本的な方針において、県や市町村、農業団体は、要請などの対象となる生産者の把握、整理に協力することになっており、県は関係者と連携して生産者の情報提供を国に行うことになる。また、県は、生産者が要請や生産計画の届出により増産等を行う場合については、必要な情報の収集と提供を行うとともに、栽培の指導を行っていく。
【委員】
いずれにしても、こちらの法律で転作などの強制力がないということだったので、実際そのような不測の事態になった場合、民間で自立的に、すぐにでも耕作放棄地などを転換して作らなければいけない動きに農家も一般の人々もなると思う。そのような場合に対して、県としても支援していかなければいけないと思うが、その場合の課題について伺いたい。
【理事者】
委員指摘のとおり、この対策法では強制的にサツマイモ等の増産を生産者に要請することはできないことになっている。一方、食料の大幅な不足により、生産者が自主的にサツマイモ等を栽培することとなった場合、県内で現在サツマイモの生産量はそれほど多くないため、大面積で作付転換を行う場合、苗や資材を直ちに県内で確保することは難しいと考えられる。
このため、県は国などから増産に向けた情報収集を行い、JAなどの関係機関と連携して苗や資材の確保に努めるとともに、栽培の指導を行うことになると考えている。
【委員】
前から言っているが、やはり県独自で民間の生産量を上げていくための支援策は考えておかなければいけないと思うのと、やはり県直営での農林水産業の実施についてもそのような不測の事態のときに動けるように、種の備蓄や、苗の流通の確保なども念頭に置いておかなければいけないと思う。
国の今の動きを見ていると、ありもしない台湾有事に対して、これは安倍政権からなのだが、台湾有事は日本の有事だということで、どんどん自衛隊がミサイルを配備して、北京に向けてというようなことで、本当に全く向こうも想定していないようなことを、どんどこ軍需産業をもうけさせたいがためにやっているだけのことで、それに対して、そのような事態になれば、当然米価格などもまた乱高下していくわけである。だから本当に生産をしっかり近いところで確保していく。愛知県はそれをする力があるので、ぜひ今まで以上に自給率を上げていくという観点で、官も民も取組を進めていくことを要望したいと思っている。
次に移りたいが、少し関連する話ではあるが、米の生産と備蓄に関してである。
高市政権になってから農林水産大臣も変わって、石破政権のときには主食用米、その高騰の要因を生産量不足などといって増産する方針にしていたものが、政権が替わってから減産に転換したと一般的にはいわれているが、本県においてその影響について伺いたい。
【理事者】
主食用米の生産について、今年8月に当時の石破茂内閣総理大臣は、生産量の不足があったことを真摯に受け止め、今後の需給逼迫に柔軟かつ総合的に対応できるよう、増産にかじを切ると表明した。2025年産の主食用米については、飼料用米や加工用米等からの転換も含め、供給量が増加した。
その後の高市政権では、鈴木憲和農林水産大臣が需要に応じた生産を原則に上げ、10月末に国が示した米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針、以下、基本指針とするが、この指針において、2026年産の全国の主食用米生産量の見通しを711万トンと示し、2025年産の推定収穫量748万トンよりも減少している。
本県での主食用米の生産は、県、生産者団体等で構成する愛知県農業再生協議会が、国が示す基本指針を参考に、生産目標の目安を地域に示すことにより、飼料用米や加工用米など主食用以外の米や稲、麦、大豆の2年3作ブロックローテーションによる小麦、大豆とともに需要に応じて行われてきた。
2026年産についても、国が示す基本指針を参考に、主食用米の需要に応じた生産を行うとともに、ブロックローテーションを中心とした小麦・大豆生産も行えるよう生産目標の目安を検討しているので、政府の方針による影響は本県においては今のところないものと考えている。
【委員】
続いて、備蓄米のことなのだが、令和の米騒動である。米相場だが、令和の米相場への対応として、石破政権のときに価格が上がっているから選挙対策で備蓄米の放出が行われたが、本来価格対策ではなくて飢饉や有事に備えたものであって、全然違う使われ方をされたことに関してはすごい問題であると思っているが、実際備蓄米がかなり使われたと思っていて、今、需要に応じた生産に転換するとあったが、まず、その備蓄米を元に戻さなければいけないと思うので、現状と今後の方向性について伺いたい。県の状況についても併せて伺いたい。
【理事者】
国によると、政府備蓄米の在庫は入札及び随意契約による売渡し、加工原料向けの売渡しによって、先月12日時点で約32万トンになるとの見通しが示されている。
こうした中、国は2026年、令和8年産米について、21万トンの買入れを行い、都道府県別の買入れの優先枠も設定する方針を示し、備蓄米の買入れ再開によって適正備蓄水準とされる100万トンの回復を目指すとしている。
県の備蓄米への対応については、生産者団体等が過去に対応しているので、検討されるかと思っている。
【委員】
こちらについても前から言っているのは、県独自で備蓄をしていくことである。田原市の田原藩の時代に報民倉というものがあって、飢饉のときに1人も餓死者を出さなかったというすばらしい歴史がある。選挙目的で備蓄米を放出するとかしないとか、そのようなことをやっているような政府はあまり信用できないので、自分たちで米の備蓄も考えていかざるを得ない時代に入っていると私は感じている。
続いて、次に移りたい。
一般的な、全般的な話になるが、ウクライナ情勢からの物価高が長期化していると思っていて、生産者が農業や一次産業を続けるに当たっての問題になっていて、この状況が長期化していくとますます農林水産業の廃業や衰退に拍車がかかってしまう。苗、種、肥料、燃料、電気、あとは人件費、最近賃金も上がっている、そういった声も具体的に聞いている。こうした資材や燃料、人件費などの価格動向について、どのように県として把握しているのか。生産者からどういった声を聞いているのか伺いたい。
あわせて、農林水産業者への支援に向けて、県としてこの問題、物価高という問題にどのように取り組んでいくのか伺いたい。
【理事者】
農林水産業の資材は、国際情勢や円安の影響で、委員指摘のとおり高騰が続いている。資材の代表である肥料については、肥料の3要素である窒素、リン酸、カリが配合されている高度化成肥料の全国平均小売価格は、農林水産省の公表資料によると、2021年、令和3年の平均は20キロ当たり2,915円だったが、2023年、令和5年3月は5,047円まで高騰した。直近の2025年、令和7年10月では4,263円となっており、下落基調にあるものの、高止まりの状況にあり、2021年と比べて46パーセント上昇している。
次に、施設園芸の暖房や木材乾燥施設等に使用されるA重油の全国平均小売価格は、2021年の平均は1リットル当たり93.25円だったが、年々上昇を続け、2025年4月のピーク時には123.7円となった。直近の2025年10月は120.6円となっており、2021年と比べて29パーセント上昇している。また、農業や林業機械、漁船の燃料に使用される軽油も同様の傾向であると認識している。
また、農業を中心に雇用しているパートの賃金の基準となる本県の最低賃金については、2021年度の時間額で955円であったものが、年々上昇を続け、2025年には1,140円となり、2021年と比べて19パーセント上昇している。
次に、県の支援策について答える。
燃料価格の高騰は、農林水産業経営への影響が大きいことから、県は、2021年度から国の地方創生臨時交付金などを活用して支援を継続して実施してきた。また、環境と安全に配慮した農業を推進するため、農薬、肥料の使用を抑えることとしており、土壌診断に基づく施肥の適正化や、有機資材の活用などの指導をしている。あわせて、雇用管理も含め、農業経営全般の相談活動を行っている。
なお、国において本年11月21日に物価高への対応等を柱とした総合経済対策が策定された。これを受けて県としても国の補正予算を活用して実施する農林漁業用燃料などの価格高騰に対する支援について、現在、庁内において検討を進めているところであり、国の状況を注視し、適切に対応していきたい。
【委員】
繰り返しになるが、物価高が、国際情勢上、あると思う。ウクライナ情勢のときから跳ね上がってそのまま高止まりしているのが現状で、これが1年、2年と続けば各農家は、本当に大変だと思う。やはり中間層が特に心配だと思っていて、経営体力があるところや、小規模でやっているところはまだしも、人を雇っている、そういった中間層の経営体がなくなってしまうことが一番懸念材料だと思っているので、ぜひ国の予算を待つだけでなくて、今予算査定の時期でもあると思うので、今は一次産業が本当に大事な時期だということを財政のほうにもしっかり掛け合ってもらって、しっかり物価高に対して、少しでも経営者、農家を支援できるような形を取ってもらいたいと思っている。
最後の質問項目に移りたい。
中山間地域の振興のための農地の維持に関してである。
先ほどクマなどの鳥獣の話が出ていたが、鳥獣が人の生活圏に入ってくることに関しては、メガソーラーの乱開発も要因として大きいと思っているが、一番は中山間地の人口が減っていることだと思っている。私も関わっている中山間地の農家の人たちは、みんなでよく手を入れているので、電気柵などを張らなくても鳥獣が入ってこないそうである。ちゃんとそこは人の生活圏だと認識して、電気柵などを張らなくても入ってこない。特別な対策をしないで農産物が守られているということを実際私も体感している。だから、中山間地域の農地を維持していくことが鳥獣対策にもなっていくと言いたいと思っていて、本県でどのような事業を行っているのかまず伺いたい。
【理事者】
農業生産条件が不利な中山間地域において、将来に向けた農業生産活動の継続を支援する中山間地域等直接支払制度と、集落維持に必要な機能の弱体化が進む地域において、農用地保全などに取り組む農村型地域運営組織を農村RMOというが、この農村RMOの形成を支援する農村RMO形成推進事業を実施している。
【委員】
それぞれ伺っていきたいと思うが、中山間地域等直接支払制度の成果と、対象地域となっているにもかかわらず制度を実施していない集落等に対して、今後どのように推進を図っていくのかについて伺いたい。
【理事者】
中山間地域等直接支払制度は、2000年度から5年単位で実施されている事業で、今年度から第6期が開始されており、特定農山村法をはじめとする地域振興8法対象地域、棚田法指定地域と県特認地域の計11市町村内の集落が対象となる。集落に交付金が交付され、農地ののり面や水路、農道の管理、鳥獣被害の防止対策、農地の利用集積、周辺林地の下草刈りの実施等、集落の共同取組等に充てられている。
2024年度の実施状況は、豊田市、新城市、設楽町など三河山間地域の6市町村の272集落等で、1,893ヘクタールの農用地に対して共同取組が実施され、国、県、市町村から合計で2億2,914万円を交付した。
こうした取組により、集落の農業生産活動が着実に行われるだけでなく、共同して農地を守っていこうとする集落内の意識が高まることで、農業生産の継続や耕作放棄の防止、多面的機能の増進などに大きな効果を発揮している。
しかしながら、集落等での協定の締結が必要であり、5年以上農業を続けることが条件となっていることから、高齢化や集落の代表となる人材がいないなどの理由で本制度に取り組んでいない集落等がある。
今後も、国や市町村と連携して、対象となる集落に対し、制度の周知や優良事例の紹介を通じて事業への参加を促していく。
【委員】
続いて、農村型地域運営組織、農村RMO形成推進事業について、事業実績も見ていて、すごくいろいろな中山間地域の活性化、農地の保全、いろいろな観点でいいモデルになっていくのではないかと思っていて、実施してみてよかった効果と横展開について伺いたい。
【理事者】
農村RMO形成推進事業は、農林水産省が2022年度に新設した事業であり、むらづくり協議会等による地域の話合いを通じた農用地保全、地域資源活動、生活支援に係る将来ビジョン策定、ビジョンに基づく調査、計画作成、実証事業の取組等に対して支援するものである。
県内では、2022年度から今年度までに、岡崎市下山学区、豊田市敷島自治区で実施している。岡崎市下山学区地域づくり協議会では、2022年度から2024年度まで、本事業により農業体験の実施、産地直売所や地域コミュニティ食堂の開設と運営等に取り組んだ。この結果、都市部の住民が農用地保全に参画できる仕組みを構築するなど、地域コミュニティ機能の維持・強化につながっている。
また、2023年度から今年度まで、豊田市のしきしまの家運営協議会では、米の販売を都市部の消費者と直接契約し、契約者には農作業などに参加してもらい、交流を図る自給家族という取組や、高齢者が生産する野菜の配送や高齢者の移動支援などの支え合いシステムの実証等を実施して、農地の保全や生産活動の維持を図っている。
今後も優良事例等を関係者に周知して取組地域の拡大を図り、中山間地域の集落機能の維持・強化に努めていく。
【委員】
都市部の住民が中山間地にこうやって関わっているという、すごくよい事例だと思っていて、都市部の生活、住宅都市の生活も中山間地なしには成り立たないものであって、教育の観点や、様々な観点で中山間地のことを都市に住んでいる人々にも知ってもらって、今、国も関係人口、交流人口といっている。そういった取組を農林水産部局だけではなくて、総務局などでもこういった関係人口創出の取組をしていると思うので、大々的に県を挙げて取り組んでもらいたいと期待して質問を終わる。
【委員】
昨年12月定例議会で、農林水産委員会において、あま市、名古屋市にある化製場、レンダリング産業の現状や移転に向けた取組について質問したが、当局から化製場においては食肉の処理加工等の際に排出される副産物を適正に処理し、肥料や飼料、また、ペットの餌の原料を製造するなど、畜産業を支える大変重要な役割を担っている、欠かすことのできない施設であると答弁があった。また、あま市の化製場は設置後約50年を経過しており、施設の老朽化が著しく、移転も含めた対応が必要な状況となっている。そのため、移転候補地となるような土地の情報収集を行い、その状況等について必要に応じた関係者との共有を図っていくとの答弁があった。
この質問の最後に、私は工場設備の老朽化や周辺の生活環境上の問題の発生や、化製場の従業員の子どもがいじめを受けているといった状況でもあるため、化製場の移転先を一日も早く見つけて移転してもらいたいという要望をした。
質問後、もう1年がたとうとしているが、今日に至るまでのこの問題について、どの程度進捗しているか、順次伺う。
まず、化製場の現状についてもう少し掘り下げて伺う。あま市で稼働している化製場においては、愛知県内のほか、各府県別にどの程度畜産副産物が搬入されているのか、まず伺う。
【理事者】
環境局資源循環推進課によると、あま市の化製場における2024年度の搬入量は6,897トンであり、その内訳は、県内からの搬入量は4,478トンで、県外からの搬入量は2,419トンとなっている。
県外搬入量の府県別の内訳は統計数字がないが、事業者によると岐阜県、三重県及び静岡県などの東海地域のみならず、大阪府や京都府などの関西地域からの搬入があると聞いている。
【委員】
あま市における化製場において、東海地区だけではなくて京阪神地域も含め、かなり広範囲な地域から畜産副産物が搬入されていると認識している。この施設は、昨年の委員会でも取り上げたとおり、建ててもう50年余りの年月が流れており、老朽化がかなり進んでいる。万一この化製場の設備整備に故障、要はストップしてしまったら、どこの化製場で処理することになるかを教えてほしい。
【理事者】
万が一、当該化製場の操業がストップした場合は、県内及び県外の別の化製事業者に処分を委託することとなると想定している。
【委員】
県内とは名古屋市のことか。
【理事者】
県内は豊橋市もある。
【委員】
県内の化製場で対応できず、遠方の化製場まで仮に運搬を余儀なくされた場合、その場合の負担は畜産業界が負わなくてはいけないのか。
【理事者】
家畜の死体や屠畜場の残渣は産業廃棄物となることから、排出事業者である畜産農家や食肉流通センターが化製場までの輸送コストを負うことになると考えている。
【委員】
化製場事業者からは全国的に見ても、あま市や名古屋市のような住宅市街地周辺で操業している化製場はなく、大体食肉市場の近くや住宅の少ない郊外の土地に移転し、操業しているところが多いと聞いている。化製業が単なる民間事業者ではなく、畜産副産物等を適正に処理をして肥料、飼料の原料を製造するための重要で公共的な役割を担っていると思う。そのため、この移転先についても、公共も一定程度関わっていく必要があると思う。立場が変わって自分の子どもがおまえの父ちゃん、骨を運んでいるよと、誹謗中傷されたらかわいそうで仕方ないだろう。
どう思うか。
【理事者】
いじめについてはあってはならないことと思っている。そういったことがないようにしていかなければならないと思っている。
化製場であるが、畜産からもらった命を余すことなく、無駄にしない、重要な役割がある。畜産業が安定して安心して営まれていく上ではなくてはならない施設という認識である。
具体的な移転先候補地については、事業者がどのような場所を希望しているのか、それが最も重要である。これを丁寧に聞き取りながら、早期に具体的な候補地が浮かび上がってくるよう必要なアドバイスを続けていきたいと思っている。いつまでにという予定を見通すことは大変難しいが、移転先候補地の検討に当たっては、法令上に定められた条件をクリアできる適地かどうかが大変重要であって、手戻りがないようにあらかじめ調整することが重要と考えている。そこは大変重要なポイントであるので、結果的に早期の移転につなげていきたいと考えている。
県としては、そういった様々な課題を関係者と想定しながら相談に応じていきたいと思っている。
【委員】
要望にしておくが、昨年の12月に引き続いて化製場の移転について質問をさせてもらったが、将来的にどのようにするか、この議論は平成2年か3年からやっていることである。いつまでもだらだらやっていては、今、本当に老朽化してしまい、東海・東南海の大きな地震でもあったら倒れてしまう。そうすると、あり得ない量の骨と肉を穴を掘って埋めるわけにいかないだろうし、畜産業が全部ストップしてしまう。肥料も飼料も、それからペットの餌も困ってしまう。一日も早く移転先を探して、子どもたちがすくすくと育つことができる環境もつくってあげてほしい。





