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農林水産委員会審査状況(令和8年6月23日)

ページID:0666383 掲載日:2026年10月2日更新 印刷ページ表示

農林水産委員会

委員会

日時 令和8年6月23日(火曜日) 午後0時58分~​午後3時4分​
会場 第2委員会室
出席者
 朝日将貴、山口 健 正副委員長
 中野治美、峰野 修、青山省三、近藤裕人、石塚吾歩路、山田たかお、鈴木 純、福田喜夫、
 しまぶくろ朝太郎、末永けい 各委員
 農業水産局長、農林水産推進監、農業水産局技監、農政部長、畜産振興監兼畜産課長、水産振興監、
 農林基盤局長、同技監、農地部長、林務部長、関係各課長等​

農林水産委員会の審査風景画像​
委員会審査風景

付託案件等

議案

なし

閉会中継続調査申出案件
  1. 農林水産業の振興について
  2. 農地関係の調整及び土地改良について
  3. 緑化の推進について
  4. 農業水産局、農林基盤局、海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会の行政運営について

会議の概要

  1. 開会
  2. 一般質問
  3. 閉会中継続調査申出案件の決定
  4. 閉会中の委員会活動について
  5. 閉会
主な質疑
一般質問

【委員】
 最近、文部科学省が、公立高校に対して改革をしていくということで、今、愛知県も対象になっているが、改革先導拠点の募集をして、いろいろな高校が改革に取り組もうとしている。
 愛知県もまだ応募段階ではあるが、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援の中において、安城農林高等学校がスマート農業や農業に関する部分をかなり進化させて、将来農家になりたい子供たちを増やしていきたいという政策を基に、国に申請している最中である。まだ採択ではないが、このことと農業水産局の取組について伺いたい。
 今回の政策では、かなり先進的な牛舎の建設やデジタル化など、スマート農業の今考え得る、おおむね先端といわれる最新の設備を導入していくことになっている。
 これは、農業界にとってはとてもうれしいことで、我々が以前、学校訪問をしたときには、もう何十年か前に見た風景みたいな牛舎で農業についても古い機械を使っているような状況だったので、ここで何を学んで農家になるのだろうと思ったが、ほとんどの生徒が農家になることはなく、一般就職するということだった。
 国の目指すところは、例えば農林高校であれば、まさに農林高校の特色を生かした子供たちを育てようというところにあって、最近でいう偏差値ごとに入れる学校が決まるような形ではなく、農業のことを一生懸命勉強したい、ここに行ったら農家になるためのことが非常にたくさん学べる学校をつくりたいということでやっていると思う。
 私の父親ぐらいの時代には、そういったこともあったようで、昔聞いた話だが、土木科やいろいろな科がある中で、そのような学校に行き、皆の先輩になった人もいる。
 そのような時代を取り戻す、農業でいえば、農業の先端技術を学びながら、農家になりたい子供たちを育てることである。
 この教育委員会の所管する部分と、農林水産委員会の所管する農業水産局でやっていること、これをまさに融合していくことが、その学校をより進化させていくことだと思うし、今回、最新型のものを入れて、二十何億円かの投入ができたとしても、それはまたどんどん古くなっていくわけで、毎年新しいものを入れるわけにはいかないから、新しい技術はこのようなものがあるなど、もっとエキスパートが教えてあげることができると、今回投入した価値がまさに生きてくると思う。
 そこで伺うが、こういった学校が採択され、そして、新しい設備が入り、環境が整ったときに、農業水産局として、学校に対して、どんな支援や関係性を持って取り組んでいけるのか伺う。
【理事者】
 教育委員会では、本年度、文部科学省の基本方針を踏まえ、県立高校改革の実行計画を策定し、取組を進めていくこととしており、安城農林高等学校が改革先導拠点として先行して取組が行われる計画と承知している。
 国に申請している計画では、スマート農業機械設備を導入し、データを活用した生産管理等を学ぶこととされており、担い手不足の中で生産性や経営力の向上に資する重要な取組であると認識している。
 また、農業大学校では、スマート農業機器を段階的に導入しており、農林高校から進学する学生には、より発展的な教育が可能となることが期待される。
 農業水産局としては、こうした農林高校の改革の取組を本県農業の担い手確保につなげていくことが重要と考えている。このため、農業大学校と農林高校の教職員が共同で行う圃場や先進農家での研修を通して、産地や農業法人のニーズが農林高校の教育内容に反映されるように働きかけていく。
 また、こうした共同研修をさらに充実し、最新技術の共有による教育の質の向上に取り組み、学びの成果が将来の進路につながる環境づくりに取り組んでいく。
 さらに、教育委員会が設置した実行計画を策定する検討会議には、農業水産局の農政部長が参画し、担い手育成の観点から、必要な意見を述べていく。
 今後とも教育委員会と緊密に連携し、県立高校改革に積極的に関与しながら、農業の未来を担う人材の確保、育成に取り組んでいく。
【委員】
 農業大学校の人々とそうやって連携を結ぶのはすごくありがたいことだと思うし、先進農家の人々の意見や、それから技術を学ぶことに加えて、先進農業をやっている人たちの活躍を見て、このような農家になりたいという人々もたくさんいると思う。
 そのような人々を見て、成長していくこともあるので、先端農家を招いたり、また、圃場に行ったりしながら、よりその連携を深めていくことを願い、この質問を終わる。
 次に、農業分野のデジタル化について伺う。
 まず、単純なデジタル化についてであるが、最近たまたま土地改良区に関わることが多くなって、膨大な書類や過去の書類がたくさん保存されている現場に立ち会った。もう置き場がないから困っているようなことも言っていて、何とかしなければいけないということで、今回、伺いたい。
 土地改良区が持っているのは、図面やいろいろなものがあり、一つの申請に何十枚という書類がついているものがたくさんある。私もたまに行って、決裁印を押すが、毎回何十センチとあるので、これが毎日たまっていくと、膨大な量になると思う。
 そこで伺うが、この土地改良区などが持っている書類の管理方法について、全てデータをデジタル化して保存することが可能なのかどうかについて伺う。
【理事者】
 土地改良法に基づき、土地改良区に作成、保存または縦覧等が義務づけられている書類については、民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律及び同法の農林水産省令において、電磁的記録による方法が定められており、法律上これを禁止する規定はない。
 また、土地改良区が定款の規定に基づき作成、保存または縦覧を行う書類については、国が示す土地改良区定款例において、規約の定めるところにより、書類に代えて電磁的記録により行うことができるとされている。
 このことから、土地改良区が作成、保存または縦覧すべき書類については、関係法令及び定款の定めに従い、電磁的記録により行うことが可能であると認識している。
【委員】
 ルール上はデジタル保存できるということであるが、事務局に行くと、いや、それでも何かあったら心配、取っておかなければいけない、これは永年保存だから捨てられないなど、いろいろなことを言って、山ほど倉庫を造って、詰め込んでいるわけである。
 問合せがあればそう答えるのだろうが、もし可能ならば、保存についてはこのようなことで大丈夫だという何か広報などをすると、皆の理解が深まって、事務所が整理されるのではないかと思うので、よろしく願う。
 続いて、同じくデジタル化についてであるが、少し趣旨は変わるが、豊川用水の渇水対策について伺う。
 豊川用水は、昨年8月から今年の4月にかけて長期的に渇水になり、対策されてきた。
 渇水対策をするに当たっては、豊川用水節水対策協議会など、対面による会議を経て、意思決定していくことになっているようで、多くの時間を要すると思う。
 そこで、豊川用水地域の渇水対策について、どのような過程を経て進めてきたのか伺う。
【理事者】
 豊川用水地域での渇水対策については、通常、愛知県、静岡県、豊川総合用水土地改良区など六つの利水団体及び独立行政法人水資源機構を構成員とする豊川用水節水対策協議会で対策を決定している。
 協議会の開催に際しては、広範囲かつ多くの利水団体の関係者が集まる必要があるため、ウェブ会議、電話協議を活用し、調整の時間短縮や省力化を図っている。
【委員】
 渇水対策を具体的に検討するに当たって、現状及び今後の水利用について、詳細を把握する必要があると思われる。
 そこで、渇水対策の具体策はどのように決めているのか伺う。
【理事者】
 渇水対策の具体策については、豊川用水節水対策協議会の事務局である独立行政法人水資源機構豊川用水総合管理所が関係河川の流況、貯水池の貯水状況、用水の使用見込み量及び気象庁から発表される長期的な天気予報等、水象、気象に関する情報を把握し、渇水対策の具体案を作成し、協議会に諮って決定している。
【委員】
 いろいろな権利者、人々の意見、了解を得ながら、進めていることはよく分かる。
 水が命より大事な時代もあったわけで、水の管理について、そう簡単にはいかないとは思うが、一方で、効率的に管理することは非常に価値があることだと思っていて、今であれば、いろいろなデータがたくさん手に入る。使う側もそうであるし、どの程度、どこで雨が降るかなどもある程度の予測がつくわけで、それを機械的に制御し、節水もしくは渇水対策についても、ある程度のルール決めをしておいた上で、一番パフォーマンスのよい対策をすれば、会議を経ずに、ある程度のところまでは対応できるのではないかと思う。
 AIの活用というと少し大げさかもしれないが、水活用について、そういった方向で進めていくことによって、もしかしたら、もっと今よりも効率的なことができるかもしれないし、判断に時間がかからずに対応できるかもしれないと考えて、今回の質問をした。
 こちらで検討するかどうか分からないが、そういった観点で、いろいろな部分にデジタル、AIの採用を進めてほしい。
 最後に、農業分野のデジタル化について、もう一点伺う。
 農業は今、随分デジタル化されてきている。民間の事業者は、かなりデータを集めて、それを基に農家に営農してもらい、ドローンなどを運用する際についてもかなりデータを使っていることは現場で見るが、一方で、今の県の普及指導員などが、そこまで対応できているのかというと、やはり経験に基づくものなどで指導している部分もあるのではないか。
 民間の開発する人に聞くと、開発する事業者は、自分の分野だけしか資金投入ができないので、大げさなデジタル化やAI化などは難しいと言っている。
 一方で、県はいろいろな知見を持っており、農業総合試験場もある、それから、職員もたくさんいて、いろいろな人々にデータを集めてもらうことも可能であるので、それに対してすぐに採算が取れなくても、とりあえず県の費用でいろいろな準備ができるわけである。
 県として、デジタル化について、指導できる能力を備え、実際に現場で指導することがこれから大変重要になってくると思う。
 そこで伺う。農業分野のデジタル化とその活用について、県として、どのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 農業分野においては、労働力不足や高齢化が進行する中、データやデジタル技術を活用した生産性の向上や品質の安定化が重要であると認識している。
 このため、県では、現場フィールド活用型イノベーション推進事業において、普及指導員が中心となり、現場を活用しながら、民間企業と共同で環境モニタリング装置のデータを基に最適な栽培管理を促すアプリの開発などに取り組み、データ活用の普及を進めている。
 また、こうした取組を現場に定着させる上で、普及指導員の役割は重要なので、研修の充実等により、データ活用に関する知識や指導力の向上を図っている。
 さらに、普及指導員が、現場において、栽培管理支援ツールのAgriLook愛知県版を活用し、データに基づく指導を行うとともに、農業者自身がデータを実践的に活用できるよう支援するなど、デジタル技術の導入促進につなげている。
 今後とも、農業分野におけるデジタル化とデータ活用の一層の推進に向け、普及指導員による農業者への支援体制の強化を図っていく。
【委員】
 一旦、進んでいるということで理解した。
 この委員会で、最初の委員会のときの質問の中でデジタル部門はどこが担うかと尋ねた。農業分野の中で、どこかの部分だけが一生懸命頑張っていても、なかなか周りの人たちを巻き込まないとできないのが、データ活用だと思う。
 農業水産局や農林基盤局だけの問題ではないが、まずはここの中の皆でデータを活用する、人工知能を使うぐらいの意識を持ってもらい、農業がより進化していくことを願い、質問を終わる。
【委員】
 私からは、新規就農支援策等について伺う。
 日本の農業は、高齢化、担い手不足、耕作放棄地の増加や価格競争、自給率の低下、気候変動などの課題に直面していると思う。
 これらのテーマは、農業の持続可能性に直結し、農業の将来を左右する重要なテーマであることは、各委員、共通の認識だと思っている。
 そして、これらの課題に対処するためには、テクノロジーの活用や新たなビジネスモデルの導入、また、農業の持続可能性への意識の高まりが求められていると思う。
 このような農業を取り巻く情勢の中でも、特に農業従事者の高齢化と農業従事者の減少が喫緊の課題と考える。
 手持ちの資料には、県の作成した愛知県の農林水産業の担い手の現状、そして、愛知県新規就農者育成方針を読み込んできた。これは愛知県が実施している各政策ではあるが、その中で、いわゆる新規就農支援策、これが非常に重要だと思う。
 新たに農業を行おうとすると、生産するそのものの知識、技術、また、必要な農機具、そして生産する場所、いわゆる農地が絶対必要で、それらを強力に支援することで、新規に就農者を掘り起こすことができるものと考えている。
 そこで、農業人材力強化総合支援事業がある。この事業の実施状況及び本事業を活用して、新規就農した者の定着状況について伺う。
【理事者】
 本県では、国の新規就農者育成総合対策を活用し、農業人材力強化総合支援事業を実施している。
 まず、就農前後の生活資金の支援として、就農前の研修中には就農準備資金を最長2年間、年間150万円交付し、2025年度は40人に約4,900万円を交付した。また、就農後には経営開始資金を最長3年間、年間150万円交付し、2025年度は182人に約2億3,300万円を交付した。
 なお、これらの資金については、本県を含む全国からの要望を踏まえ、2026年度から年間165万円に増額されている。
 また、就農直後に必要となる機械、施設の導入支援として、経営発展支援事業では、2025年度、73人に約3億2,800万円、世代交代・初期投資促進事業では、62人に約3億5,100万円を交付している。
 こうした支援の結果、本事業を活用して、2019年度から2023年度に就農した者のうち、2025年度時点での定着率は97.2パーセントと高い水準を維持している。
【委員】
 新規就農者に対しては、多面的な支援策で支援していることは分かった。
 近年は、地域の農業、特に水稲、稲作は、土地所有者が高齢化して、農機具の更新に多額の費用がかかるので、自らは農業を行わず、生産を委託するような人が増加しているとも聞いている。
 もともと新規就農者は、本来、農業高校で農業、畜産、林業などの基礎知識や、実際に栽培生産を行って、将来は農業従事者として活躍することが一番重要だと思う。安定した農業人材の育成が図られるようにするためには、この農業高校を卒業後に農業をすることが本当に重要だと思うが、私の友人でも、農家に生まれ育って、農機具や、ある程度の耕作面積がある環境が整っている人は、農業に進むことが多いと思う。
 地元でも、農業高校を卒業して、今は大規模にカキ、ナシ、ブドウといった果樹と稲作を行っている人がいるが、そのような状況を見ていると、環境に恵まれないと、なかなか難しいと思う。初期投資も非常に多くかかる。また、生産も、1年、2年ではなかなか軌道に乗らないことが背景にあるのではないか。
 今後は、場合によっては、農業高校も、中高一貫校とすることなども考える必要が出てくるのではないか。農業人材の育成が重要となってくる。
 そして、スタートアップとのマッチングで、スマート農業の一層の推進を図って、若者にとって魅力的な農業、林業、畜産、水産業にしていくことが重要と考える。
 そのような中で、新規就農した人が持続的に営農していくことが重要なので、県として、今後も高い定着率を維持するために、どのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
 本県では、県立農業大学校に設置した農起業支援ステーションが窓口となり、新規就農希望者からの相談に応じ、地域や品目などの希望に応じて、県内8か所の農業改良普及課に設置した農起業支援センターが支援を引き継いでいる。
 支援センターでは、農地や資金の確保、営農技術の習得などについて、就農前の研修から就農後のフォローアップまで、きめ細かい支援を行っている。
 特に技術面では、安定した所得確保に向け、目標収量を実現するための技術習得を、普及指導員や産地と一体となって支援している。また、資金面では地域の関係者と連携し、中古の資材の活用などにより初期投資の負担軽減を図っている。
 今後もこうした取組を踏まえ、市町村やJA等の関係機関、地域の農業者と連携しながら、産地との円滑なマッチングを進めるとともに、就農初期の経営安定に向けた伴走支援体制の強化を図り、高い定着率の維持につなげていく。
【委員】
 重要なことばかりであるが、最後に要望する。
 農業に関する、例えばSNSでの県からの発信などが少し足りないと思っている。いろいろ調べても、なかなか成功モデルが見つからなかったので、できれば支援した人が、農業者として生活できるようになったことを発信して、魅力ある農業につながるように要望して終わる。
【委員】
 私からは、本県における農産物、食料品の輸出拡大の取組について伺う。
 本年5月23日から5月31日にかけて、愛知県議会海外調査団の一員として、オランダを訪問した。
 こちらは大変勉強になったが、オランダは、人口が約1,809万人、国土面積が日本の約9分の1、国土の約4分の1が海面より低い干拓地であるにもかかわらず、農産物、食料品輸出額が世界第2位である。
 今回の調査全般において、限られた農地を有効活用するため、高収量品種の育種や多収技術の開発、農作業の機械化や資材規格の統一等による生産コスト削減に努めていて、資本・労働集約型の施設園芸や酪農、畜産による高収益作物の生産の特化が進んでいることを実感した。
 今後見込まれる人口減少社会において、大消費地である名古屋市がある本県においては、域内における生産、流通、消費を拡大させることで、今後の社会構造の変化に柔軟に対応し得る環境であるともいえるが、農業産出額の維持、向上に関しては、近い将来、国内市場の縮小が予測される中、10年、20年先を見越して、本県の農業政策についても考えていかなければいけない。
 国内市場の縮小を前提としたときに、必然的に農産物、食料品の輸出について考えなければいけない。
 まずはじめに、県は、農産物、食料品の輸出拡大に向けて、これまでどのように取り組んできたのか伺う。
【理事者】
 農産物の輸出拡大には、海外の規制やニーズを踏まえたマーケットインの視点と効率的な輸送方法の確立が重要であると認識している。
 このため、2024年度から農薬規制などが比較的緩やかな香港などで現地量販店と連携した販売プロモーションを展開し、消費者ニーズの把握に努めてきた。
 あわせて、農業団体や輸出商社等から成る輸出推進会議を県主導で設立し、品質を保持しつつ、低コストでの輸送を実現する取組などを支援している。
【委員】
 次に、その取組内容と成果について伺う。
【理事者】
 2025年度は香港、シンガポール、グアムで現地量販店と連携し、メロン、ミニトマト、キャベツの販売プロモーションを夏と冬の2回実施し、現地消費者のニーズの把握に取り組んだ。
 その結果、香港やシンガポールの消費者は、小玉のキャベツを好む傾向が明らかとなり、こうしたニーズに対応したことから、今後の取引拡大につながる要請を受けている。
 また、菊については、米国への輸出に向け、県の農業改良普及課の栽培指導により、厳しい検疫条件をクリアし、日本で初めてとなる輸出を実現した。
【委員】
 答弁した内容を踏まえて、今後、具体的にどのように取り組むのか伺う。
【理事者】
 今週の26日から実施するメロンフェアでは、これまでの香港に加え、新たにシンガポールにも展開するなど、取組を拡大していく。さらに12月には、ミニトマトやキャベツ、果物の販売プロモーションも予定している。
 また、輸出推進会議では、エディブルフラワーやレンコンを新たな品目に加えて、効率的な輸送方法の検証を進めていく。
 今後は、こうした取組を着実に継続するとともに、新規の輸出品目のマッチング、輸出先国のニーズに合わせた生産の支援に取り組み、さらなる輸出の拡大につなげていく。

メロンフェアの様子の画像
メロンフェアの様子

【委員】
 様々な取組を進めているようだが、その答弁を踏まえた上で要望する。
 地形や、ニーズをはじめ、様々な条件が違うので、オランダのようにすぐに規模拡大といったことはなかなか難しいと思うが、今後、今答弁したように様々な取組を進めていくと思う。
 その取組を進めていく中で、本県の特性を生かしつつも、なかなか理想は高いが、現場の人がそれに応えるには、非常に難しい局面が出てくると思うので、現場の実情や生産者側にも配慮しつつ、収益性の高い、実効性のある農業政策の推進を要望して、質問を終わる。
【委員】
 私からは、地域計画のブラッシュアップについて伺いたい。
 年度初めに我々の手元に配られた動向調査資料、農業の動きの中に、地域計画のブラッシュアップと実現についてというページがあって、いろいろと読んだ。
 私は、これまで農林水産委員会に3回所属し、本会議でも何度も質問した。一番の懸案事項として、今、農業を取り巻く環境は大きく変わっているわけだが、根本的な課題としては、先ほど別の委員が質問したような担い手支援のことがまずは一つ、それと農地をどうやって守るかということだと思う。
 これまで私は、耕作放棄地をどうしたらよいかということをずっと論点として進めていた。最近は耕作放棄地という言葉を使わないようで、法律的な用語で遊休農地となっていると承知しているが、名称が変わったにしても、結局増えてきている。
 要するに耕作放棄地、遊休農地というのが、この資料によると、2019年で2,629ヘクタール、このときの耕地面積は7万4,200ヘクタールなので、比率にして3.5パーセントが遊休農地であった。
 最近でいうと、2025年の3月の時点で、遊休農地が3,026ヘクタール、今年の場合は耕地面積が7万2,000ヘクタールとなるので、4.2パーセントということで、3.5パーセントから4.2パーセントに増えている。
 私は2011年からずっとこの課題について取り上げているので、努力しているとは思うが、どうしてもこれが増えてきている。人口減少社会と同じような現象で、なかなか簡単にはいかない状況だとは思っているが、その手だてとして、何とかうまくこれがやれるかもしれないという望みをつないでいるのが、地域計画だと思う。
 もう少し違う話をするが、この地域計画の話の前に、国では、人・農地プランという名称で進めていたと思う。
 当時は、耕作放棄地をどうにかしようということで、地域でその課題にまずはどう向き合ってもらうかを考えて、それを県、国で取りまとめるということだったと思う。何年かは忘れてしまったが、私が質問したときに、この地域計画をもっと指導してもらえないかと要望したが、少し前向きな話ではなかった。あくまでも市町村でやるような話だと受け止めた。ところが、このブラッシュアップという話は、少し手を差し伸べているように聞こえる。
 最終的に地域計画のブラッシュアップの内容になると思うが、市町村で農地一筆ごとに将来の耕作者を明らかにする地域計画、これがいわゆる未来に向かって、この資料にも書いてある将来の設計図とも言えるものになるとされている。
 農業水産局で、愛知県内の将来の地図、設計図がつくれるというニュアンスに受け取れるので、大変効果が期待できると思う。そういった内容のことを国の指導もあってだと思うが、やることになっている。
 この内容について、現状のところ、県としてどのように、今考えているのか、ブラッシュアップをどうやって支援していくのか伺いたい。
【理事者】
 遊休農地の解消、ひいては農地の集積、集約に向け、地域計画の実効性を高める、いわゆるブラッシュアップを進めるためには、担い手の確保や営農条件の改善、産地づくりなど、各種施策を進めていく必要がある。
 このため、県内の各農林水産事務所では、今年度から地域計画のブラッシュアップを重点的に支援する地区を定め、これらの施策を組み合わせた支援を実施することとしており、現在は、市町村から地域の実情について聞き取りを行っている。
 また、地域計画のブラッシュアップには、地域における担い手や新規就農者等による話合いの活性化が重要であることから、話合いを円滑に進めるための手法であるファシリテーションについて、市町村職員等を対象とした研修を開催する。
 県としては、国やJA、土地改良区等の関係機関の協力を得ながら、これらの取組を進め、地域計画のブラッシュアップを支援していく。
【委員】
 今、説明があったブラッシュアップだが、よく理解できない言葉が出てきた。ファシリテーションと言ったのを具体的にもう少し分かりやすい言葉で、教えてほしい。
【理事者】
 地域計画を策定あるいは変更する場合には、協議の場といって、地域において農業者等による話合いの場を持つことが必要とされている。
 ただ、会議や打合せというと、声の大きい人の意見だけで決まってしまう。あるいは、少人数の人しか発言しないことがあると聞いている。
 そこで、こちらの研修では、参加した人全員が発言し、今日はこの話合いに参加してよかったと思えるような話合いの成立を目指した研修を行う。
【委員】
 今言ったように、声が大きい人だけの意見が通ってしまう、なかなか物を言えない人の話の対策のための研修ということであった。これからのことだと思うが、私は二つの市町から選出されているが、私の地元でヒアリングしたところ、東郷町では、今まさにそれぞれの地区で地域計画を組んでいるが、正直言って、農家に声をかけても、なかなか声を上げてくれそうな人がいないからと保留にしてしまっている。
 恐らく、県内自治体、あるいはそこの自治体の中の地域によっても、温度差があると思うが、まず、そこをフォローアップしないと、ペーパー上は地域計画ができているかもしれない。だが、中身としては、なかなかそこまでいっていないと思うので、ぜひともまず、同じレベルまで引き上げるように支援することをまず一つ願う。
 今、手を挙げてもらって、そのブラッシュアップする、フォローする自治体を決めていくニュアンスだったが、現状のところ、幾つぐらい、県としては対応していくのか。
【理事者】
 県内には七つの農林水産事務所がある。
 目標としては、各事務所に3地区を目標としているが、現状、今ちょうど地区の選定をしているが、3地区までいっている事務所は少ないと聞いている。
【委員】
 もう一つの、私の選挙区である日進市も書類は出した。それから、いわゆるブラッシュアップに値する、検討していけるような図面がある。
 だが、結局のところ、農家が具体的に何を考えているかをもう少し細かくしないといけないということで、なかなか本当に手が出せない。進んでいかない。
 資料を見せてもらったが、正直なところ、彼らもブラッシュアップという言葉自体はもちろん知っているわけだが、具体的にどんなことをしてくれるか見えていない部分がある。
 ということは、やはり県としての大方針、あるいは国としての大方針がまだまだ行き届いていない部分があると思うので、そこら辺を農林水産事務所からしっかりともう少し、こんなことをやる、このためにやるということをしっかりと示して進めてほしいが、その辺はどうか。
【理事者】
 地域計画のブラッシュアップ自体は、集積、集約のためのものだが、いきなり集積、集約といっても、なかなか手は挙がらないと考えている。
 そこで、このブラッシュアップ支援の取組の中では、農林水産事務所の中で、農地制度のほかに各種補助金を所管する農政課、農家への経営指導や技術指導を所管する農業改良普及課、土地改良事業を所管する建設課、この3課が連携して支援を行うこととしている。
 したがって、支援の内容が幅広になってしまうので、委員の指摘のような事情になっていると思われるが、ただ、集積、集約にいきなり絞ってしまうと、なかなか手が挙がらないと思われるので、その点は理解してもらえると幸いである。
【委員】
 今の時点ではなかなか難しいと思う。今、七つの事務所の中で三つずつと言って、手が挙がっていないと言ったが、少なくとも今年度からスタートではないと思うので、やるに当たっては、本当にやれそうなところ、本当にやる気があるところをしっかりフォローし、成功例をつくってほしい。
 今、言ったように、農家にしても、市町村にしても、予算がこれだけついて、これだけ効果があったというものが見えると、しっかり手が挙がると思う。
 私は、先ほどのヒアリングした資料を手にしているが、ここに地域農業の現状及び課題という内容がつらつらずっと書いてある。これを本当に一つ一つ片づけようといっても、それは当事者間では全然できないし、どうやったらよいかが出てこない。
 ただ、日進市の中の一つの地区の場合だが、小規模系農家が多く、個人で稲作用機械を所有、維持することが難しい状況であり、これは結構あると思う。いつも言っているあいち型産地パワーアップ事業がこういったところにしっかり機能できるようにしてほしい。聞くと、あいち型産地パワーアップ事業のことも、小規模系農家はそこまで知らない。
 そうかといって、知っていても、10パーセント、来年度に向けて伸ばせるかというと、それは自信がないということになってしまう。だからこそ、どこかがしっかりとした成功例を作る。個人経営では難しいので大規模化しかないと思う。
 そのため、いわゆる農業法人をしっかりとした形でつくって、それで伸ばしていくことをやらないと、せっかくやりかけた地域計画も、机上の論理だけで、たまには成功するかもしれないが、県内で、先ほど言った遊休農地を潰していくことはなかなか難しいと思う。ぜひ、少なくとも今年度については、本当にやる気があるエリアを真剣にフォローし、今、ほかの部署やセクションも含めた形で補助金のフォローすることになっているので、そういったことも積極的に情報を出して進めてほしい。
 ほかに、今このブラッシュアップの中で少し中身は違うが、先ほど一筆ごとの将来の耕作者を明らかにすることを謳っていた。これも以前議論したことがあるが、我々のエリアというと、どうしても都市型に近くて、いわゆる農家の後継者、相続する人が県外に出てしまっているという。もうそれが何代かにわたってくると、全然その所有者が分からない状況があるというのを議論したことがある。
 そういったことも含めると、本当に一筋縄では絶対いかない。農林水産推進監もいるが、国の施策で、最後の1人まで分かるようにしようと国は号令をかけたものの、残念ながら予算がついてなかったので、やる気はあったが、フォローできなかったというケースがある。
 そういったこと一つを取っても、愛知県として本当に農業をしっかり守っていくことを考えると、細かいことを一つ一つ積み上げていくことが一番大切なことだと思うので、農地だけではなく、先ほどの新規就農者もそうだが、しっかりとした対応をしてほしい。
 それこそ、我が会派は、愛知県の農業出荷額が今8位で、どうしても1位上げたいということで頑張ろうと言っている。
 でも、これをよく見ると、2011年の出荷額の金額よりも、今は、はるかに上にいっている。ということは、遊休農地がある、耕作面積は減っているが、効率よく売上げを伸ばしているということだけは事実で、皆の努力はすごく認める。
 だが、負けたくない、何とかまだ伸び代があるところをどんどん伸ばしてほしいということもあるので、どういった方策がよいかは、我々もまた、いろいろな提案するが、当局においてもしっかりと頑張ることを願い、質問を終わる。
【委員】
 私からは、山のことだが、主伐再造林について質問する。
 主伐という言葉は、言い換えると、皆伐、山を全部、立っている木を全部切ってしまうということで、再造林というのは、その切った後で、また新しく植林するということだが、先月、全国植樹祭で愛媛県に行ってきた。
 愛媛県庁で、林務部の人に少しヒアリングをしたら、愛媛県では、森林面積は愛知県よりも2倍ぐらいあるが、木材生産量は大体年間で50万立方メートルぐらいを生産していると言っていた。愛知県は多分30万立方メートルぐらいだと思う。また、その切った後に再造林している面積も300ヘクタールぐらいだと聞いた。愛知県が20ヘクタールから30ヘクタールぐらいではないかと思う。
 宮崎県でも問題になったが、よその山の木まで切ってしまったり、切った山の木をまた植えていないとか、いろいろと盗伐に近い話や約束違反みたいな話があって、生産量は宮崎県が全国一なのだが、愛知県は、割とそのような意味では慎重にやっている。
 それは評価すべきだとは思うが、やはり一定量の面積は切って植えるということをやっていく必要があるのではないか。まだまだ取組としては不十分なところがあると思うが、愛知県の人工林率、樹齢が大体60年を超えた人工木が7割ぐらいあるということで、戦後の先人たちが植えてくれた木がかなり適齢期になってきたということだと思う。
 この山の資源をいかに有効利用していくかということが、山に住む人間にとっても、また、街の人たちにも非常に効果的な事業であるということが認められて、国の森林環境譲与税ができた。また、愛知県の森と緑づくりが今16年目に入っているが、全ての人から税金をもらって、山の資源管理をしようと、それを県民共有の財産だと認めてもらえるようになった。
 また、最近では、J-クレジットといって、いわゆる森林がCO2を固定吸収することによって、地球温暖化の防止にもなるということで、環境保全に貢献していることを評価する新しい制度もできた。県有林が去年J-クレジットで何百万円かのお金をもらったと思うが、新しいそのような制度ができた。
 それから、先日、たしか日本経済新聞だったと思うが、森林がCO2を固定することによって、どのぐらいの効果があるのかという評価は、実際はもっと大きいのではないか、今の言われている評価よりも1.8倍ぐらいあるのではないかということで、今、林野庁が再調査しているという新聞の記事も出ていた。
 だから、改めて、そのような山の持っている環境貢献、それから資材としての評価を高めていく必要があると思っている。
 先ほどの委員も言っていたように、農業産出額が3,500億円ぐらいだと思う。従事者が減っていても、売上げを増やしているというのは、それだけ皆努力しているのだと思う。それと、水産業が多分300億円ぐらい。林業は素材の金額の計算でいうと30億円ぐらい。大体10倍である。
 だから、農業の100分の1、林業が、農業の売上げを上げるには100年かかる。そのぐらいしか木の評価はされていない実情の中で非常に苦労している。努力はするが、苦労しているというのが現状である。
 だから、まず、山の木を切って、出して、使うということに対して、それから、植え直すことについての今の実績を伺う。
【理事者】
 令和3年度は9ヘクタール、令和4年度が21ヘクタール、令和5年度が23ヘクタール、令和6年度が35ヘクタール、そして、令和7年度が46ヘクタールと増加傾向となっている。
【委員】
 面積としては、46ヘクタールの実績ができたということで、努力しているのは分かった。だが、46ヘクタールである。変な言い方だが、お茶を濁しているにすぎないぐらいの量である。
 今の森林の蓄積量、山の木が成長することによって、木の蓄積が増えていくことに対して、伐採量が5分の1ではないかと思う。
 5倍ぐらい切っても、山の木の蓄積量は変わらないと思うが、これからまだ主伐を増やしていくことは可能性、いわゆるポテンシャルを秘めていると思うので、主伐再造林をこれからさらにどのように増やしていこうとしているか伺う。
【理事者】
 昨年度、新たに策定した食と緑の基本計画2030において、主伐再造林の目標面積を2030年度に100ヘクタールと定め、目標達成に向けて推進していくこととしている。
 推進に当たっては、森林施業の効率化、助成事業による支援、森林所有者の意欲喚起が重要と考えている。
 まず、森林施業の効率化については、施業の集約化を進めるとともに、林業機械導入の支援や、木材生産、再造林の技術指導を行い、生産性の向上を図っていく。
 また、苗木についても、エリートツリー等の成長の速い苗木の安定供給を進め、保育の省力化、コスト低減を図っていく。
 次に、助成事業については、国の各種事業や県のあいち森と緑づくり事業などにより、主伐再造林から次世代の森林の育成までを支援し、後押ししていく。
 森林所有者に対しては、これらの取組により利益を還元していくことに加えて、循環型林業の推進がカーボンニュートラルやSDGsの達成につながるなど、社会的な要請に応えるという意義を周知することで、理解促進に努め、意欲の喚起を図っていく。
 こうした取組を総合的に進め、循環型林業の実現に向けて、主伐再造林を推進していく。
【委員】
 今、理事者の答弁でいろいろな努力をしているのは分かった。
 ただ、山主の立場とすると、SDGsやカーボンニュートラルは関係ない。自分の山を切って、幾ら手元に残って、それがどれだけの利益、収入になるのかが一番のポイントで、今の状態だと、山主が1ヘクタールの山を切る。切った山が、全部皆伐したとして、大体、手元に残るお金が数十万円ではないか。
 いろいろな条件があるが、奥地だともっと悪くなるし、50年育てた山を、再造林しなければいけない。それも山主の責任でやらないといけないとなると、実質赤字に近い。これで切る人がよくいると思う。
 だから、本当に切らせたいなら、やはりもっと大胆に、今の制度をうまく使って、山主の利益にどうなるかを説明しないと、より多くの人に協力してもらうことにならない。今いろいろと努力しているのは分かる。だが、まだまだやはり足りないのではないかと思う。
 2023年に100ヘクタール、もう愛媛県は300ヘクタールを切っている。私は、慎重なのはよいと思う。あまりたくさん切ることが正しいとは思わないが、もう少し大胆な伐採面積の拡大を図ってほしいと思っている。そうしないと、やはり山が生き返らない、山に活気が戻らない。
 それともう一つ願う。再造林のときの植樹の樹種、これは広葉樹でもよいと言われていると思うので、私は、針葉樹に限らず、適地適木が一番よいと思うが、できるだけ広葉樹も踏まえて、山全体の地力が残るような植林にしてほしい。
 短伐期林業といって、50年ぐらいで山を切っているところはいっぱいあるが、天竜区や尾鷲市でもそうであるように、長い目で見ると、山の地力が痩せていく。だから、最低でもやはり80年、100年ぐらいを一つの目安として、山、地力を維持することも大事に考えて、対応してほしいと要望して終わる。
【委員】
 多項目通告しているが、全体を通して大前提があるので、そちらを先に話したいと思う。
 私は、農林水産委員会は3年目である。どのセクションも大事だと思うが、やはり今、時代認識、国際的なマクロ環境を見たときに、日本の一次産業は非常に大事だというところがあって、その認識をぜひ当局とも共有したいし、一緒になって、この愛知県から農業水産を活性化させていくことをぜひ願いたいと思っている。
 国際環境が、私の認識では、有事、第三次世界大戦にもう既に入っていることになる。さきの大戦の中で枢軸国と連合国が当時もあったと思うが、日本はどちら側に次に入るかといったら、枢軸国側に入る。イスラエルとアメリカと日本になる。東側の諸国、BRICsを中心とするところが連合国になっていくのかと思っている。
 東側は、やはり資源などがすごく豊富にある。もう既にヨーロッパの各国も、東側に、外交上で軸足を移してきている。イスラエル、アメリカに関しても、金融の国なので、両建てをして、最終的には勝つ方向につくと思っている。もうかればよいという考え方である。
 だが、日本の場合は、資源もなければ、外交も今独自でできていない。周知のとおり、資源外交、アメリカのイラン攻撃が2月にあってから、私は、前回の委員会、2月定例議会でも述べたとおり、物が入ってこなくなることを伝えたが、案の定、そのとおりになっていて、一方、日本の政府は、目詰まりだといまだに言い続けている。
 さきの本会議でも質問した議員がいるが、経済産業省を中心に各省庁も動いているのは、あくまでも目詰まり解消、サプライチェーンの正常化に向けた動きしか取っていない。つまり、絶対量が日本に入ってきていないという現状認識に立たないと、根本解決にならない。
 数週間前の報道にも出ているように、4月期の原油の輸入は、中東から67パーセント減でこれはもう報道に出ているとおりである。事実が明らかになっているのに、政府が、目詰まりだといまだに言い続けているという、このうそが、いつまで続くのかと私は思っている。
 愛知県内のある会合で、ある自治体の首長が、物が不足していることを言いにくい雰囲気があると言っていた。すごく私は印象的で、そんなことすら言えない空気感が、今の日本社会なのだと本当に情けなくなった。
 これも報道に先日出たが、原油由来の製品の総量が足りていないという認識を大分県知事が示したので、この現状認識に愛知県も立たない限り、これからかなり厳しい状況が待ち受けていると予想している。
 先ほど言った枢軸国側、アメリカ、イスラエル、日本というのは、残念ながらシオニズムのカルトが政府の中にいる。そちらでうそも言い続けなければいけない世界戦になっているので、気付いて先に動くのはやはり自治体、民間でしかないと思っている。
 イランに関しては、G7で、ホルムズ海峡は協調でやらなければいけないと日本は言っていたが、先ほども言ったように、ヨーロッパ、隣の韓国ですらもイランと個別で交渉して、原油を確保できている。
 では、日本はイランとの関係はもともとどうだったかといったら、田中角栄総理の時代から、出光興産株式会社だったか、日本だけが、アメリカに言われても中東から原油を買い続けてきたし、そして、今のイランの外務大臣、アラグチ外務大臣ももともと駐日イラン大使で、かなりの親日家である。日本に理解がある。あと、皇室のつながりもあり、外交もしている。そのような外交ルートはいくらでもある国に対して、今の日本政府は、ただ電話で少し話すだけで、まともなことを何もやっていない。
 2月定例議会でもこちらでやり取りし、物が入ってこない状況の中で、食料供給困難事態対策法があると答弁があったが、油、エネルギーに関しては、食料供給困難事態対策法の中では想定されてないという話だった。
 今の近代農業は、原油がなければ動かないものだらけではないか。化学肥料、農薬なども原油を使っているものになる。つまり原油がこのまま入ってこないと江戸時代の人力農業、自給自足の農業に戻ってしまうのかということになる。
 3,000万人が人口最大で、9,000万人はもう餓死するか、今のこの現代の生活をダウンサイジングしていくことを国民、愛知県民が受け入れることができるのかである。私は今の日本人の感覚からしたら、それすらも難しいと思っている。
 社会が混乱してしまうから、そうならないように、先手で、愛知県庁、農業水産局としてできることをぜひ取り組んでほしい。
 私がずっと伝えているように、農業、一次産業もどの分野も、民間だけには任せられない。もう本当に直営で、行政が率先垂範して、殖産興業として手厚くやっていく局面にあるのではないかと改めて述べたい。
 質問に入りたいと思うが、まず、一つ目が、中東情勢の今起きている足元の状況において、農林水産業に使用する燃油、石油由来の資材にどのような影響が出ているのかということ。
 価格高騰というよりも、そもそも入ってきていない、入手困難な状況となっていると思うが、現場の人とヒアリングをどのようにしているのか、現状認識を伺いたい。
【理事者】
 中東情勢の不安定化は、県内の農林水産業に大きな影響を及ぼしている。
 農業関係では、生産者やJAあいち経済連によると、ハウス用ビニール、マルチシートが3割ほど値上がりし、出荷用ラップフィルムは一部で納期遅延や購入の制限がある。また、肥料や農薬は、秋以降の作付け分から値上げが予定され、農業機械等の導入では、価格高騰に加え、納期が長期化していると聞いている。
 畜産関係では、JAあいち経済連、愛知県酪農農業協同組合によると、飼料が値上がりし、今後も高値が予想されているほか、たまごパックや食肉用トレーなども値上がりしていると聞いている。
 水産関係では、漁業協同組合や愛知県漁業協同組合連合会によると、漁船の燃料に使用される軽油は値上がりし、漁で利用する網やロープについても値上がりしており、今後も値上げが見込まれているほか、飼料や発泡スチロール箱、ビニール袋なども値上がりしていると聞いている。
 林業、木材産業関係では、森林組合や製材業者などによると、林業機械に使用されている軽油や、木材乾燥施設等に使用されるA重油が値上がりしており、また、養生テープ、ブルーシートなどの資材やチェーンソーの替え刃、ワイヤーなどの金属類で、一部入手が困難な状況になっていると聞いている。
 なお、農林水産業者の関係者からは、中東情勢の不安定化が長期化することで、入手が困難となる資材等の発生や、さらなる価格高騰を心配している声があると聞いているので、引き続き関係団体と連携しながら、情報収集に努めていく。
【委員】
 各分野で、やはり物不足が発生している状況が分かった。
 もともと基幹的農業従事者が、私が把握している数字としては122万戸、現状ある中で、これは5年後には40万戸に減る。75歳以上の人が担い手の中心になるので、これはもう将来推計でそのようになることが決まっている。
 もともと中東情勢の前からそのような状態だったので、今回、現場の声を聞いても、これを機にもう農業をやめるという動きが早まってきている。
 今年の作付けの分に関しては何とか、今まで確保していた分を使ってやっているが、もう来年は厳しいというのは、皆の共通認識として、実際農家にヒアリングしても、そのように言っている。
 そのため、今年度中にぜひ来年の作付けに向けても、策をしっかり取っていかなければいけない。策を取らなければいけないと言っても、先ほども言ったように、国内に物が入ってきてない、作れないという状況にあるので、愛知県が独自で、名古屋港から中東にタンカーを出さなければいけないと私は思っている。エネルギーの確保全体を考えて、ほかの局とも連携して動かなければいけないと思っている。
 農薬、肥料など、中国との関係もまた、今の政府はよくないものだから、どんどん中国も輸出の制限をかけてきていることは現場でも聞いているし、報道にもいろいろ出てきている。独自で肥料、農薬などを利用しなくてもできる農業というのも今注目されているのではないかと思う。例えば自然栽培や自然農法などといったものの考え方について聞きたい。
【理事者】
 化学合成肥料や農薬を使用しない農業生産方式である有機農業について、本県は、愛知県有機農業推進計画に基づき、各種施策を展開している。
 技術面では、農業総合試験場において、水田の除草作業の省力化技術の開発や有機農業で活用可能な資材等の試験研究を進めている。
 また、担い手の確保に向けて、新規の有機農業者向けの公開講座を開設していて、昨年度は19人が受講し、うち13人が新たに有機農業を開始するなど、一定の成果が現れている。
 今後は、農家の圃場を活用した実践的なカリキュラムの提供なども検討していく。あわせて、有機農業者の集いなどを通じた県民の理解醸成や安定販路のモデルづくりを進めるなど、農業者、事業者、消費者の連携を促進していく。
 これらの取組により、有機農業の推進を図り、化学肥料や農薬に依存しない持続可能な農業の拡大に努めていく。
【委員】
 続いては、農業分野における国際協力について伺いたい。
 今年、アジア・アジアパラ競技大会が愛知・名古屋で開催されるのは、すごくよいタイミングだと思っている。この大会のテーマが、IMAGINE ONE ASIAで、45の国と地域が愛知・名古屋に参集し、先ほどのイラン、中国、中東の各国も来るということで、すごく平和外交の場としても活用できるのではないかと思っている。今の日本の一次産業の状況を見たときに、国内だけでそれを担っていくというのも、結構エネルギーが必要だという中で、少し視座を広げて、アジア全体で一つになって、仲よく農業を互いに活性化させていくという考え方もあるのではないかと思う。
 かつて日本は、東アジアの諸国などに日本の農業を伝えに行った。それが今もそちらに根づいて非常に感謝されているという歴史もある。
 今、愛知県では、愛知県国際農友会の活動、あるいは県内の農業分野での外国人の技能実習生の活動もあると思う。そういった状況、今後の展開についてどのように思うか、また、農業イノベーションプロジェクトについて、海外企業との連携も十分可能性があると思っており、そちらについても、併せて答えてほしい。
【理事者】
 愛知県国際農友会は、海外農業研修の経験者で構成される団体であり、研修生の受入れや派遣などを通じて、国際的な人材交流を進めており、愛知県としても、その取組を支援している。
 農業研修生の受入れについては、公益社団法人国際農業者交流協会の事業により、県内農家で実践的な研修が行われており、令和7年度は6人、令和8年度は4人が受け入れられている。また、研修生は、農業や関係機関との交流を通じて、技術習得に加え、相互理解を深めているほか、帰国後も交流が継続するなど、人的なネットワークづくりにも寄与している。
 一方、海外への農業研修生の派遣については、愛知県国際農友会は県内農業者の参加を推進しており、令和7年度は2人、令和8年度は1人がアメリカでの農業研修に参加しており、成果の報告等を通して地域への還元が図られている。
 県としても、これらの活動が着実に展開されるよう、引き続き支援していく。
【理事者】
 本県における技能実習生の動向については、愛知労働局が毎年公表している外国人雇用状況によると、農林業分野で、2023年度は1,986人、2024年度は2,098人、2025年度は2,048人となっている。
 技能実習生の帰国後の状況については、技能実習計画の認定や技能実習生に対する相談・支援を行う外国人技能実習機構が2024年度に実施した全国調査によると、農業分野では、帰国後に起業または雇用された人、雇用される予定の人のうち、68.4パーセントが実習と同一または同種の業務に従事すると報告されており、我が国での経験が母国でも生かされているものと考えている。
 外国人材は農業分野において今後も担い手としての活躍が見込まれる。県としても、外国人が農業分野において活躍するための制度について情報収集・研究し、県内農業者に情報提供していく。
【理事者】
 あいち農業イノベーションプロジェクトでは、2023年度から2025年度までの3か年間に、18課題で企業との共同研究開発に取り組み、4課題で社会実装、8課題で試作品が開発されるなど、一定の成果を上げることができている。
 さらに、2025年度からは毎年、新たな技術提案を募集し、本県農業の課題解決に向け、農業総合試験場との共同研究開発に取り組む民間企業を5件程度選定している。
 今年度も、6月3日に技術提案募集の記者発表をしたところである。この募集の際には、応募企業の国籍を限定せず、幅広に申し込んでもらえるようにしている(後刻訂正)。
 また、本日からAichi Sky Expoで開催している、海外企業も参加するAGTS農業展、こちらにブースを設けて、成果に加えて技術提案募集もしっかりPRする予定であり、多くの企業からの積極的な応募を期待している。
 引き続き、国内外の企業を問わず、革新的な技術を持った民間企業や大学等と共同研究開発を適正な手続の下で進め、農業分野での課題解決に取り組んでいきたい。
【委員】
 愛知県国際農友会、ODA、また、今説明があった技能実習生についてだが、もともとの趣旨は国内の担い手として、労働力不足を補うことではないと思う。あくまでも日本の農業の技術を学びに来ている人たちで、今答弁にもあったように、相当数の人が祖国に帰ってから、同じように農業に従事しているということで、日本の技術に対して非常に感謝していると思う。
 なので、そういった人脈、縁、つながりをしっかり生かして、例えば、知事が現地の国に行ったときに、そういった人々と農業に関する振興を図っていくなど、アジア圏全体での愛知県としての取組をぜひ、先ほどの農産物の輸出も含めて、やってほしいと思っている。
 では、次に移りたい。
 続いては、ウェルネスツーリズムに関してである。
 ウェルネスツーリズムとは、最近結構聞くようになった言葉だが、旅行というものに対して健康という観点を入れた概念だそうである。医療ツーリズムという言葉もあり、これは医療行為としてなのだが、ウェルネスツーリズムというのは、どちらかというと未病というか、人生や生活そのものを健康にしていく健康志向の観点の意味合いが強いと思う。
 実は、名古屋市が、Wellnestyle NAGOYAを全国初の取組として、都市型でやっている。実際ホームページ、チラシなどを見てみると、アクティビティー、飲食、リラクゼーションなど、誘客のためのコンテンツが非常に豊富にあって、現代人の志向にかなり合ったものを取り込んでいてすごいと思っており、愛知県もぜひ一緒になって盛り上げていくとよいのではないかと思っている。
 やはり農業水産局なので、食養生と、食の分野で、ウェルネスというところの最上位に来ると思う。なので、ウェルネスツーリズムと絡めて施策を展開していくのは、新しい需要創出にもつながってくると思っている。
 そこで尋ねるが、心と体の健康に着目した旅であるウェルネスツーリズムにつながるような、食や地域資源に関する県の取組について尋ねたい。
【理事者】
 本県では、都市と農山漁村の交流や農山漁村の活性化を図るため、地域資源を生かした取組を進めている。
 具体的には、県内各地の自然や農林水産物、食、伝統文化などの地域資源や、それを巡るルートを紹介したあいちの都市・農村交流ガイド、食や花をテーマに地域活性化と観光振興に向けた活動を行う食と花の街道18地域を県ホームページに掲載するほか、農山漁村で開催されるイベント情報を発信している。
 また、農山漁村で宿泊することで、地域資源を活用した食と農林漁業体験を楽しむ農泊の取組を進めており、昨年度は3人のインフルエンサーが県内七つの農泊地域を訪れてインスタグラムへ動画投稿を行うPRが好評であったことから、本年度も同様の取組を予定している。
 今後も健康志向の人を含め、幅広い層に情報が届くよう、農山漁村の魅力発信に努めていく。
【委員】
 では、続いての質問に移りたい。
 次の質問は、学校給食における牛乳の選択制についてである。
 学校給食における牛乳の選択制というのは、愛知県内ではまだ事例がないそうだが、実際、市議会、あと市民団体が市、教育委員会に要望しているという。かなりちまたでは盛り上がっていて、全国的には牛乳の選択制が取られている自治体も広がってきている。
 その一方で、牛乳は、農林水産委員会の所管であり、酪農家などの関係者が日々努力して生産しているものである。
 畜産振興の観点から、あるいは食育の観点から、学校給食における牛乳の提供について、県としてどのような考えか尋ねる。
【理事者】
 学校給食で提供される牛乳には、全て本県で生産された生乳が活用されている。この生乳は、2024年には年間約13万トン生産され、このうち、約2割が学校給食に利用されており、酪農にとって主要な供給先の一つとなっている。
 牛乳にはカルシウムをはじめ、児童生徒の成長に欠かすことのできない栄養素が豊富に含まれており、給食の献立を安価にバランスよく構成する上で重要な食材である。
 また、日常的に牛乳に親しむことで酪農への理解が深まり、出前授業などの機会を通じて命の大切さを伝えるとともに、地産地消の推進にもつながるなど、食育の観点からも意義あるものと考えている。
 県としては、今後も、学校からの需要に応じて、安全・安心な牛乳の安定的供給に努めて、全国第8位の生乳生産量を有する本県の酪農業を振興していく。
【委員】
 学校給食の牛乳選択制についてだが、私個人もいろいろ思うところがあり、まず、食育の観点から考えたときに、毎日牛乳が出てくるわけである。和食であったとしても、ラーメンであったとしても、牛乳がついているわけである。
 牛乳がそもそもアレルギーで飲めない子供に関しては、学校もそれを理解して、最初から飲ませないことになると思うが、これが、ただ体に合わない、好きじゃないとなったときに、対応が難しくなる。
 基本的には牛乳を提供するが、どうしても合わない子供に対しては、わざわざ病院で診断書を書いてもらって、学校に掛け合うという対応を取っているところもあるそうである。
 そこまでしなくても、最初から選択制にしていく制度を敷いているほうが、すごく分かりやすい。
 ラーメン屋、あるいは和食屋などで、普通、牛乳は基本的に出てこないと思う。
 市民団体が取った県内のアンケートだと思うが、牛乳を飲むことが苦痛で不登校になってしまったという話も、実際、アンケートを取ったら出てきたそうである。
 せっかく生産者が丹精込めて、愛情を込めて作った牛乳を子供の頃に嫌いになってほしくないとも思う。
 その辺り、柔軟な対応をしてほしいということで、なかなかこちらの局からは難しいのかもしれないが、そのような問題があることを知ってほしい。
 もう一つ、食品ロスの問題である。これも最初から、うちは飲まないと言っていれば食品ロスも生じない。そして、家庭の中でも、その足りないカロリーをどのように補っていくのか、足りないカルシウムをどのように補うのかという食に関する話合いを家族でもすることになるから、食育の観点からも非常に意義があることだと思うので、ぜひ課題として認識してほしいと思っている。
 では、続いての質問に移る。農業者への健康経営について尋ねる。
 先日出た報道、私も少しこれは驚いて、胸が痛んだが、こちらは農業新聞だったか、農林漁業者、自殺300人超、匿名相談できる場が必要だという題で、4年連続で300人以上の農林漁業者が自ら命を絶っているという現実に対して、重く受け止めるべきである。
 実際に様々な事情があると思うし、大変なのは経営、毎日の生活だと思う。24時間で向き合う仕事だと思うし、また、家族でやっているので、会社のように健康管理、労務管理がしっかりされているわけでもない現実がある中で、農業者のメンタル問題というのは、確かに社会的に見過ごされて、時給も10円ぐらいの実質赤字でやっているところもたくさんある。先ほどもあった新規就農に関しても、私の知り合いでも、2,000万円、3,000万円、新規就農で借金をしてスタートしている現実を見たときに、相当大変な業種になっていると思うので、健康経営の手厚い支援が必要だと考えるが、所見を伺いたい。
【理事者】
 農業分野においては、農繁期の労働負担や経営上の不安、地域特有の人間関係など、心理的負担を抱えやすいことから、経営と健康の両面に配慮した支援が重要であると認識している。
 県では、普及指導員が農業者から直接経営や技術の相談に乗るほか、農作業事故防止や安全講習等を通じて、心と体両面から、健康的な農業経営の促進に取り組んでいる。
 また、県と包括連携協定を結ぶJAグループ愛知においては、ウェルビーイングの考えの下、メンタルヘルス対策や、働きやすい環境づくりなど、健康経営の取組が進められている。
 今後もこうした関係機関との連携を強化し、農業者の経営と健康を一体的に支援する取組を進めていく。
【委員】
 もともと大変な仕事の中で、先ほど言ったような物価高騰、物が入ってこないという事態に見舞われている。非常に今、経営の存続性が危ぶまれるような社会情勢なので、農業者の健康管理と支援に対してしっかりと取り組むべきだと思っている。
 孤立化させてはいけないと思うので、ぜひ自治体なども巻き込んで、手厚い支援を願う。
 続いての項目に移る。
 小規模経営体への支援についてである。
 これは結構大きな話になり、私は農林水産委員会3年目になるが、自分で農業をやっているわけではないので新しい分野を勉強しており、国の政策などを見ていると、どちらかというと大規模農家の支援で、農地の集約化もしきりに言われている。そちらはそちらで進めてもらえればよいが、実際は住宅地、中山間地域等の農地は、虫食い的にどんどん耕作放棄地が増えていて、そういったところの担い手のマッチングが思うように進んでいないと思う。
 もともとは日本の農業というと里山からも始まっていると思う。小規模、家族経営体の支援と大規模農家の支援は、地域性もあるし、トレードオフの関係ではなくて、両立していくものだと思っているので、大規模農家だけではなく、小規模経営体に対しての支援を、国も愛知県庁としてももっと見える形で拡大していく必要があると思う。
 私が見落としているところもあるかもしれないが、小規模農家、経営体の支援について、県の考え方をぜひ聞かせてほしい。
【理事者】
 本県においては、担い手の減少や高齢化が進む中、農業生産の維持と経営の効率化を図るため、農地の集約化や法人化を進めているが、あわせて、農業経営体の大半を占める中小規模経営体の営農の継続、発展を図ることも重要である。
 このため、普及指導員による技術経営指導を通じて、経営の規模や実態に応じた支援を行っている。
 例えば、共同利用機械やスマート農業技術の導入による省力化に加え、経営、労務管理の改善や作業工程の見直しなど、経営の安定化に向けた取組を支援している。
 また、尾張地域の桃栽培では、繁忙期の作業に都市住民が参加するなど、多様な人材の確保による支援も進められている。
 県としては、こうした取組を通じて、中小規模経営体の営農継続と経営の発展を支えていく。
【委員】
 小さく始めて大きく育てることでもよいと思うし、何しろ担い手不足が言われる中、週末農家でも私はよいと思う。援農ボランティアでもよいし、地域で小規模からでも始める農家が増えてくれば、全体としては農業の活性化になると思うので、ぜひ小規模農家の支援もしっかりと政策の柱として打ち出してほしい。
 続いての質問に移る。次はジビエに関してである。
 まず、イノシシ、ニホンジカのジビエ利用について、全国と本県の利用頭数と利用率について尋ねる。
【理事者】
 2024年度における全国のイノシシ及びニホンジカの捕獲頭数は、イノシシが64万3,000頭、ニホンジカが73万8,700頭で、合計138万1,700頭となっている。
 これに対し、ジビエ利用頭数は、イノシシが4万247頭、ニホンジカが12万7,513頭で、合計16万7,760頭となっており、利用率は12.1パーセントとなっている。
 次に、本県の捕獲頭数については、イノシシが8,147頭、ニホンジカが7,642頭で、合計1万5,789頭、ジビエ利用頭数は、イノシシが180頭、ニホンジカが1,077頭で合計1,257頭となっている。その結果、利用率は8パーセントとなっており、全国と比較して4ポイントほど低くなっている。
 なお、本県の利用率が全国より低い要因としては、2018年度に発生した豚熱の影響により、イノシシ肉の流通が制限され、ジビエ利用が大きく落ち込んだことが挙げられる。その後は、豚熱陰性イノシシのジビエ利用の再開やニホンジカの利用拡大に取り組んでおり、徐々に回復傾向となっている。
【委員】
 まず、イノシシの利用率が2.2パーセント、シカの利用率が14.1パーセント、豚熱前がイノシシが15.9パーセント、シカが10パーセントということで、農林水産物の被害防止の観点から捕獲されている鳥獣が多いと思う。命をあやめることになっているので、せっかくなら有効利用し、適切に処理して食べる、調理することにすれば、すごくおいしいし、私自身もジビエは大好きである。この利用率を高めていくこと、利用頭数を増やしていくことが非常に、命の循環の観点からも大事なのではないかと思うが、県の取組について伺いたい。
【理事者】
 野生動物は寄生虫や病原体を保有する場合に食肉利用が制限されており、ジビエに適した個体の安定的な確保が困難であることに加え、処理加工施設の整備・運営には多額の設備投資や維持費を要することから、施設の増設のみでジビエ利用を拡大することは容易ではないと考えている。
 そのため、本県では、ジビエ利用頭数を増やすには、まずはジビエの消費及び販路を拡大していくことが効果的であると考え、愛知県産ジビエの振興に取り組んでいる。
 具体的には、昨年度、名古屋市内で開催されたイベントにおいて、県内ジビエ事業者の出店を支援したほか、豊橋市内において消費拡大を目的としたイベントを開催した。このイベントには12の事業者が出店し、約1,500人の来場者に対して、ジビエ料理等を提供したほか、ジビエ料理やジビエを使った商品を取り扱う飲食店等を紹介するリーフレットの配布を行った。
 今年度においても、県内のイベントでのブース出店を通じた消費拡大に取り組むとともに、将来の需要創出に向け、調理師を目指す学生を対象とした料理講習会を実施する予定としている。
 今後もジビエ事業者等との連携を図りながら、引き続き消費と販路の拡大に取り組み、ジビエ利用頭数の増加と愛知県産ジビエの振興に努めていく。
【委員】
 では、次の質問に移りたい。
 続いては、農福連携についてである。
 まず、現状を伺う。農福連携について、どのような取組を行ってきたのか、また、最近の農福連携の取組件数、現状、動向について伺いたい。
【理事者】
 本県における農福連携の取組は、2018年度からセミナーなどの啓発事業を開始するとともに、2019年度からは農福連携相談窓口を設置し、農福連携を行おうとする農業者と福祉事務所とのマッチングを行っている。
 また、2020年度からは、農業を自ら始めたいという福祉事業所の職員を対象にした実技研修も行っている。
 さらに昨年は、農福連携窓口でマッチングを行った農業者が、農福連携を試行する際に支援するお試しノウフクも行い、農福連携を促した。その結果、昨年度では8件のマッチングが成立し、お試しノウフクも4回の利用があった。
 県内の農福連携の取組は、2021年度の114主体から、2024年度には220主体まで拡大してきている。おおむね増加傾向にあるが、2025年度は212主体と前年並みとなった。
【委員】
 農福連携に関してだが、まさに一次産業と福祉の連携ということで、省庁、市役所でも部局が分かれるわけである。
 最近、福祉の事業者と見学に行ったりするが、昔と比べると、就労継続支援B型の事業所がかなり増えてきて、福祉の世界も、ここ10年ぐらいで結構大きく変わってきたと思う。
 利用者の特性を生かした仕事を受注したい、あるいは食の観点から、よいものを食べて健康になってもらいたいという考え方の事業者も増えていて、実際自分たちで農業をやりたいというニーズはすごく高い。
 ただ、農福連携の支援策といったものが、私の感覚だと、福祉には、あまり届いてない。国の制度もあるようなので、なおさら、国と直でやっている制度はなかなか事業者には伝わりにくいものだと思うので、ぜひその辺りをどのように活性化させていくのかといった点について尋ねたい。
【理事者】
 農福連携の取組はおおむね拡大してきたが、近年では前年並みとなっており、さらなる拡大に向けた取組が必要と認識している。
 福祉事業所への周知については、福祉局との連携をさらに密にし、農福連携に関する情報提供の充実を図っていく。
 特に、国の施設整備に関する補助事業については、福祉事業所等が自ら国のホームページで情報を見つけて申請するということもあるので、福祉局を通じて福祉事業所に適宜情報提供をしていく。
 また、農業者が人手の欲しい時期と福祉事業所が作業に対応できる時期が合わず、マッチングに至らない場合もあるため、今年度は農業者及び福祉事業者に対してアンケートを行って、双方のニーズを踏まえて、作業の切り分けや情報提供の仕方を工夫し、マッチング率の向上を図っていく。
 今後もマッチングや情報提供などを通じて、双方にとって、できるだけ負担が少なく、それぞれの目的に沿った取組が進むよう、引き続き取り組んでいく。
【委員】
 実際、私の知り合いの就労継続支援B型事業所が農福連携をやりたいと言って、地元の休耕田の所有者とマッチングし、もう三年、四年、水も通っていない休耕田だったところに、市役所の協力もあって水が通り、今年無事、田植ができた事例がある。
 つまり福祉事業者がやりたいと言ったから休耕田が動いたという、すごくよい事例に私も携わることができて感動している。担い手としては、福祉の分野の人もすごい強力な助っ人だと思うので、ぜひこちらの支援を願いたいと思う。
 続いての質問である。県産木材についてである。
 まず一つが、県産木材の優位性だが、一つ、建設の人から話を聞いたのが、県産木材と外国産木材に関して、乾燥させるためにボイラーを使うのか、あるいは自然乾燥でいくのかで、もし、外国産木材がボイラーを使っている場合、地元で自然乾燥したもののほうがよいのではないかという話もあった。どのような過程でできたものかによって、今のCO2排出を抑えるというエコの観点からも注目しなければいけないポイントだと勉強になった。
 あと、もう一つが、地元の春日井高等学校に、この前、見学に行き、校舎が木質化されている現状を見てきて、生徒からも直接話を聞くことができた。校舎や教室の雰囲気が明るくなったことや、勉強に集中できるようになったという、すごい好意的な声があって、私自身もそれを実感したところであり、県産木材を積極的に公共施設にも活用するのはすごくよいことだと思う。
 そこで、外国産木材と県産木材の比較が大事になってくる。県産木材はどういった点に優位性があるのかを、供給者側の建設業者、住宅施工業者、消費者にも知ってもらう必要があると思うが、その点に関して伺いたい。
【理事者】
 外国産木材に対して、県産木材には、供給面、環境面、地域経済などの点において優位性があると考えている。
 まず、供給面については、かつて、2021年に起きた輸入木材の不足や価格高騰、いわゆるウッドショックでは、それまで量、価格ともに安定していた輸入木材の供給リスクが顕在化し、国産木材への意識が高まった。県産木材は、国際情勢や為替の影響を受ける外国産木材に比べて、供給の安定性が高いという優位性がある。
 二つ目の環境面については、外国産木材は輸入する際の輸送距離が長くなる。そのため、二酸化炭素排出量が多くなるのに対し、県産木材は地域内で製材、加工、利用を行うことで、輸送距離を短くすることができ、環境負荷の低減に寄与することができる。加えて、県産木材の利用により森林の整備が進み、森林が持つ公益的機能の発揮につながる点も優位性として挙げられる。
 三点目の地域経済においては、県産木材の利用は木材の生産、加工、流通、建築といった各段階で、県内事業者に仕事の機会を創出し、雇用の確保、拡大に寄与することから、地域経済の活性化につながるので、このことも優位性となる。
 これらの優位性を県民にしっかりとPRして、県産木材の利用拡大につなげていく。
【委員】
 冒頭述べた資源不足というところからすると、今、回答にもあったように、輸入コストの今後の上昇も懸念されるし、資源の地産地消という観点から、県産木材、国産の木材が注目されるフェーズに私は入っていると思うので、ぜひその辺りを進めてほしいと思う。
 もう一点、森林資源に関しては、エネルギーとしても有効活用ができるし、されているものだと認識している。例えば木炭、薪があると思うが、間伐材、あるいは建築資材の廃材、未利用な木材、そういったものが使われていると思う。
 先ほどから言っているように、エネルギーの地産地消が必要になってくる。原油が入ってこないフェーズになっているから、エネルギーの地産地消でも木材は注目されていると思うが、本県におけるエネルギー源としての木材の生産状況と今後の考え方について伺いたい。
【理事者】
 エネルギー源としての木材は、かつては木炭や薪として日常的に利用されていた。しかし、燃料が石油やガスへ転換してきたことにより、現在、木炭や薪の生産量は減少している。
 令和6年度の県内の燃料用の木炭の生産量は32.1トンである。ピーク時の1943年には3万5,000トンを超える生産量があったので、現在はピーク時に比べると0.1パーセント未満となっている。
 薪については、令和6年度の生産量は1,362.5立方メートルであり、木炭と同様に大きく減少している状況だが、木炭、薪ともに、ピザ屋などの飲食店、薪ストーブ、アウトドアなどで利用されている。
 一方、近年では、再生可能エネルギーの一つとして、発電や熱源用の木材チップなどの木質バイオマスが利用されている。県内には、県産木材を燃料としたバイオマス発電所が2か所ある。また、木質バイオマスボイラーを設置している製材所も多数ある。
 さらに、新城市内においては、温泉施設に薪ボイラーが導入されるなど、木質バイオマスの利用は増えている状況で、それに伴い、正確な量は把握していないが、燃料用チップの生産量も増えていると考えている。
 県では、令和7年12月に策定した食と緑の基本計画2030において、県産木材の生産量について、年間21万立方メートルを目標としている。この目標の達成に向け、木材生産量を増加させていく中で、これまで林内に残置していた低質な木材などもエネルギー用として積極的に搬出し、活用していく。
【委員】
 非常に多様なエネルギー源として活用されていることが分かった。
 愛知県の木材利用促進条例の第17条、木材の有効利用の促進という項目があって、県は、間伐材その他の未利用の木材の有効利用を促進するため、エネルギー源としての利用への支援その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとするとある。これは非常によい条項だと思う。
 最近、アウトドアのニーズは、コロナ禍後、活性化しているし、木質バイオマスなど、こういった新しいエネルギー技術も出てきているので、ぜひ期待したいと思っている。
 昔の本を読んでいると、木炭車というのも使われていた時期があるようだが、そんな木炭車を走らせなければいけないような事態にならないように、国も、資源外交をしっかりやってもらいたい。
 最後の質問項目になる。花卉の消費量の需要の拡大、促進について尋ねたい。
 花屋から話を聞いていると、コロナ騒動の後、需要が回復しない、特に、例えば繁華街の飲み屋街でも、なかなか花の受注が昔のようにないという話も聞いていて、本当にどうしたものかと思っている。
 花があるというのはすごく豊かな生活ができると思うので、花が身近にある文化を途絶えさせてはいけないし、もっと逆に発展するような方策を考えていかなければいけないと思っている。
 そこで尋ねるが、花卉の消費と本県の花卉生産の状況について尋ねたい。
【理事者】
 まず、花卉の消費状況についてだが、国内生産量と輸入量を足した数量については、2000年頃をピークに減少していて、2024年は2000年と比較して、切り花類で75パーセント、鉢物類で53パーセントとなっている。
 また、全国の一世帯当たりの切り花に対する年間支出金額についても、2025年は7,737円と2000年の67パーセントになっている。
 次に、生産状況については、花卉の消費減少の影響もあって、縮小傾向にあり、本県の花卉産出額は、2000年の717億円に対し、2024年は531億円と74パーセントにまで減少している。
【委員】
 グラフを見ると、もう下げ止まっているような状況の中で、先ほどの新型コロナウイルス感染症の問題も起きたりして、停滞していると思うが、花卉の消費が減少している要因はどのように考えているか伺いたい。
【理事者】
 少子化や価値観の変化等によって、葬儀やウエディングでの需要が減少していることが大きな要因となっていて、特に葬儀については、コロナ禍を経て小規模化や簡素化が進んでいて、花卉の使用量が減少している。
 また、墓じまいなどによって、仏花を購入し、備える機会が少なくなっていることも花卉の消費減少につながっていると考えられる。
【委員】
 日本人の花の使い方は、今、葬儀、仏花という話もあったが、華道、茶道など日本文化と密接に関係していると思う。議会事務局も、職員がきれいに生けているが、特に今年はアジア・アジアパラ競技大会もあるので、インバウンドに向けて、日本文化や花をどんどんアピールしていく。これは別に花の需要だけではないが、内需だけを見ていくと年々下がっていくのはもう目に見えている。いかに新しい需要を喚起するのか、インバウンドも含めて考えていかなければいけないと思っているが、本県の取組について伺いたい。
【理事者】
 本県では、暮らしに花を取り入れることによって、心豊かな暮らしの実現を目指す、花いっぱい県民運動の推進や、県産花卉をPRする花と緑のイベントの開催、また、大規模イベントでのPR等、県産花卉の消費拡大に取り組んでいる。
 花いっぱい県民運動は、行政、生産者、流通や小売団体、花文化の普及を進める団体等、花卉に関わる関係者で組織する花の王国あいち県民運動実行委員会で推進していて、県庁舎などでの今月のあいちの花の展示、高等学校華道部における県産花卉の利用の促進、県内小学校等における花育教室の開催支援等を行っている。
 また、花と緑のイベントとして、あいち花マルシェを開催し、県産花卉を見て、触れて、購入できる機会を提供している。
 なお、本年度については、9月、10月に開催されるアジア競技大会、アジアパラ競技大会の会場等において、県産花卉の装飾展示を行うほか、2027年3月から開催される横浜国際園芸博覧会に出展するなど、国内外に県産花卉をPRし、消費拡大を図っていく。
【理事者】
 答弁を一点修正したい。
 先ほど、委員の農業分野における国際協力についての質問の中で、あいち農業イノベーションプロジェクトの海外企業との連携について答えたところだが、6月3日に技術提案の募集の記者発表をしたところと答えたが、6月2日に技術提案の記者発表をしたところと訂正する。

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