本文
議事概要(平成18年度第1回愛知県特別支援教育連携協議会)
平成18年度第1回愛知県特別支援教育連携協議会
とき
平成18年8月23日(水)午前10時から午前11時30分まで
ところ
愛知県庁西庁舎 9階 教育委員会室
出席者
委員 19名
氏名 | 所属・職名 |
---|---|
神野 秀雄 | 愛知教育大学教授 |
横田 雅史 | 愛知みずほ大学教授 |
羽谷 篤 | 健康福祉部児童家庭課長 |
牧野 高明 | 健康福祉部障害福祉課長 |
村上 健次 | 健康福祉部医療福祉計画課長 |
鏡味 次男 | 愛知労働局職業対策課長 |
藤本 一 | 産業労働部就業促進課長 |
山崎 嘉久 | あいち小児保健医療総合センター保健室長 |
伊藤 憲治 | あいち発達障害者支援センター長 |
鈴木 由郎 | 岡崎市立甲山中学校長 |
北川 邦男 | 愛西市立勝幡小学校長 |
岡田 禮子 | 愛知県立春日井高等養護学校長 |
三浦美智子 | 愛知県知的障害者育成会副会長 |
岡田ひろみ | 日本自閉症協会愛知県支部副支部長 |
安田由美子 | 愛知県小中学校PTA連絡協議会副会長 |
鈴木 眞二 | 愛知県総合教育センター相談部長 |
山田 敦夫 | 尾張教育事務所次長 |
尾崎 智 | 豊田加茂教育事務所次長 |
加藤 文雄 | 名古屋市教育委員会学校教育部指導室長 |
審議の概要
議題
〔報告事項〕
1 平成18年度愛知県特別支援教育連携協議会について
2 平成17年度愛知県特別支援教育連携協議会の経緯等について
3 平成17年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
4 平成18年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
5 平成18年度発達障害支援体制整備事業について
〔協議事項〕
1 平成18年度第1回地区特別支援教育連携協議会での課題等について
会議録
1 開会
2 教育委員会あいさつ 教育長
本年6月国会において「学校教育法の一部改正について」の法案が可決成立した。この法案では、すべての幼稚園、小・中学校、高等学校等において障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うこと、特別支援学校においては、在籍児童等の教育を行うほか、小・中学校等に在籍する障害のある児童生徒等の教育について助言援助に努めることが規定された。県としても、条例等必要な改正について準備しているところである。
本協議会は、関係諸機関の協力なくしては成り立たないものである。国の法律は改正されたが、マンパワーの不足という課題は解決されていない。国に対し繰り返し要望しているところであるが進展は見られない。
この夏、アメリカの州代表の教育長と懇談をもつ機会があった。その際、特別支援教育に関する意見交換を行った。アメリカでは法律に関しての整備は進んでいるようだが、その対応についてはまだまだ課題を多く抱えているとのことであった。今後、この問題について共同研究を行うよう提案してきたところである。
本協議会は、特別支援教育を推進するための体制作りの方策を総合的に検討していただくもので、大変重要な会であると認識している。委員の方々の忌憚のないご意見がいただければ幸いである。
3 委員等紹介 ―資料2により委員紹介(典礼にて)―
4 本協議会開催の目的の確認 ―開催要綱第1による(典礼にて)―
5 会長・副会長選出 ―開催要綱第3の2による(典礼にて)―
[委員] 昨年度の会長で、愛知みずほ大学の横田先生を本年度も引き続き会長に、同じく総合教育センターの鈴木先生を副会長に選出したいと思う。
[委員](賛同拍手)
6 会長あいさつ
3年前から愛知県特別支援教育連携協議会とかかわっている。本年度は特別支援教育にとって維新元年というほど重要な年である。特別支援教育の流れは、平成13年に始まったといわれるが、その始まりは平成11年からである。そして、平成15年3月に「今後の特別支援教育の在り方について」(最終報告)が調査研究協力者会議から出され、中央教育審議会において、平成17年12月に「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」(答申)となった。そして、本年度の6月国会において「学校教育法の一部改正について」の法案が可決成立し、平成19年4月1日に施行されることになった。特別支援教育が、近年突然話題に上っているような印象を受けているかもしれないが、長い時間の検討を経て具現化されたものである。今回の改正で、盲・聾・養護学校という名称がなくなって、特別支援学校に変わっていく。この改正を機に、特別支援教育がよりよいものになるようにしていきたい。
7 副会長あいさつ
特別支援教育を巡る流れとして、会長の話にあったように昨年12月の中央教育審議会の「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」を受け、6月国会において「学校教育法等の一部改正について」の法案が可決成立した。平成19年度から、盲・聾・養護学校から特別支援学校としてスタートする。来年度は、特別支援教育元年と認識している。今までの障害種別に対応する特殊教育から、発達障害を含むすべての障害のある幼児児童生徒に対し、個々の教育的ニーズに対応する特別支援教育に移行する体制は徐々に整備されつつある。特別支援教育に対する理解は、各学校において確実に進んできていることを肌で感じている。しかしながら、まだまだ地域や一部の学校において格差があることも事実である。管理職の指導によって、特別支援教育体制が推進した事例も多くある。総合教育センターとしても、コーディネーターの養成に力を入れているところである。また、本年度から保育園・幼稚園と小学校の連携について研究を行う予定である。また、県立高等学校の教員に対する発達障害についての研修を計画しているところである。本会はネットワークの構築にあると考えている。
8 議事
〔報告事項〕
(1) 平成18年度愛知県特別支援教育連携協議会について
―資料1~資料2により事務局から説明―
[会長] 質問はありますか。
[委員] (なし)
(2) 平成17年度愛知県特別支援教育連携協議会の経緯等について
―資料3により事務局から説明―
[会長] 今後の特別支援教育を進める上でネットワークを構築することが必要である。そのため、本日参加の方々の協力が重要と考える。この点について質問はありますか。
[委員] (なし)
(3) 平成17年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
―資料4~資料6により事務局から説明―
[会長] 本年度は研修を充実させ、教員の力量を高めていくことをねらった事業展開である。資料4について質問はありますか。
[委員] (なし)
[会長] 別冊で配布された高浜市についての資料について、質問はありますか。
[委員] (なし)
[会長] 資料5で、昨年度巡回指導を受けた児童生徒の延べ数が、1,686人でそのうち、診断を受けている児童生徒が626人という結果が出ているが、この点について何か質問はありますか。
[委員] (なし)
[会長] 1年間で延べ561回の訪問であったが、小・中学校からの希望をすべて聞くとこの数では収まらない。資料6からは、巡回指導について小・中学校からは大変効果があったという意見がある一方、専門家チームからは、発達障害についての研修をさらに継続して実施する必要が報告されている。保護者への対応について課題が残っていると思う。
(4) 平成18年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
―資料7~資料8により事務局から説明―
[会長] 巡回指導の方法が昨年度と変わったということだが、もう少し詳しく説明をしてほしい。小中学校には,ボトムアップの研修、管理職のための研修が行われる。
[事務局] 本年度は昨年のように定期巡回・不定期巡回といった枠は設けていない。これは、巡回校数が減少する中、より各地域の実情に応じて訪問校を決定できるようにしたものである。
[委員] 保護者へ巡回指導の内容を伝えているのか。昨年度の巡回指導の結果を見ると、医療機関による診断を受けていない児童生徒が対象となっている場合が多い。巡回指導の実施後に、医療機関で診断を受けた事例はあったのか。また、校内委員会等で対応していると思うが、保護者との連携はどのようにしているのか。
[事務局] 巡回指導実施後に医療機関を受診したという事例は聞いてはいるが、その実数は把握していない。また、保護者との連携については、巡回指導を受ける前提として不可欠な要素であるので密にとるよう指導している。巡回指導後の保護者への話の詳細については把握していない。
[委員] 発達障害のある子ども、あるいは特別な支援が必要な子どもについて、教師だけが気づいていない場合、教師も保護者も気づいていない場合等多様な事例がある。子どもは学校と家庭とで見せる姿が変わる場合がある。学校と保護者が同じ認識で対応する必要がある。
[会長] 個人情報に配慮しながら、巡回指導への対応、巡回指導の依頼、フィードバックの仕方をより工夫して連携を図ってほしい。
[委員] 各市町村レベルでの連携協議会の動きはどのようになっているか。
[事務局] 少しずつ進展しているが、まだまだ少ない現状である。
[会長] 次回の連携協議会では、一人の子どもに焦点しぼってその子の支援がどのように連携し対応するようになっているのか示してほしい。また、市町村における連携の実際についても示してほしい。
(5) 平成18年度発達障害支援体制整備事業について
―資料9により事務局から説明―
[会長] 教育と福祉のみならず応援協力体制を構築する必要があることを如実に表している。何か質問はありますか。
[委員] (なし)
〔協議事項〕
(1) 平成18年度第1回地区特別支援教育連携協議会での課題等について
―資料10により事務局から説明及び提案―
[会長] 事務局から説明および提案があったが、それぞれの立場から積極的にご意見をいただきたい。
[委員] 発達障害のある子どもの指導について、小・中学校においては少しずつ体制が整ってきたように感じるが、中学校を卒業してからの進路がないという相談を多く受ける。手帳のある子どもは高等養護学校に進学できるが、手帳のない子どもはどこに相談したらよいのか悩んでいる。県立高等学校に、発達障害の子どもの通える学級ができればよいと考えている。中学校卒業後の就労について聞きたい。
[事務局] そういった学級を作るとか作らないとかという議論より、高等学校に進学する生徒に対しどのように対応するかが重要である。そのため、高等学校の教員に対し発達障害に関する研修を進めること、総合教育センターの職員が訪問するなどして、障害の理解および啓発を図ることで指導のノウハウをつけることが大切である。
[副会長] 総合教育センターでは、本年度高等学校から発達障害に関する教育相談が2件入っている。また、研修の申し込みも受けている。今後予算的な問題もあるが、研修をさらに進めていけるようにしたい。
[委員] 発達障害のある子どもは、高等学校に入学はできるがその後の支援が必要になるという課題がある。発達障害のある子どもでボーダーの子どもたちが進路について大変悩んでいる。保護者として,発達障害について高校では,話をしにくいところがある。
[会長] 私立高等学校の教員に対する発達障害についての研修は総合教育センターでは実施していないのか。
[副会長] 実施していない。
[会長] 小・中学校での支援体制は整ってきたが、一方でその前後に課題があることも出された。例えば、手帳がないボーダーの子どもたちの進路はどうか。進学先で私立高等学校や専門学校へ進学した場合の先生の理解や対応についてが、今後の課題である。
[委員] 発達障害について理解されないことで、子どもたちが二次的な障害を起こしている事例がある。中学校を出てからも子どもが理解されるようにしてほしいし、理解できる人が必要である。
[会長] 特別支援教育は、一人一人を生涯にわたり支援することが求められている。総合的に調整して、工夫・検討してもらいたい。
[委員] 発達障害の問題については、連携の中で支援することが大切である。教育では教育支援計画が、福祉、医療、労働からは支援計画が作成されるようになっている。この両者について個人情報の保護と連携について今後どのように考えればよいのか気になっている。
[委員] 名古屋市でも、保・幼小の連携について検討を進めている。具体的には、保健所で実施している5歳児検診・就学時検診の結果をどのように共有するかについて中間まとめを行っている。今回の法改正では、生涯にわたる支援が求められている。生涯のどの段階で支援計画を立てるかとなると、保育園・幼稚園でのレベルでの支援が大切となる。私立保育園に対しても情報提供が必要ではないか。個別の支援計画の在り方や必要性についての啓発が必要である。
[会長] 昨年度もこの点が話題になった。就学前の情報をどのように引き継いでいくのか、個人情報の提供についてどのように考えているのか。
[事務局] 幼稚園・保育園と小学校の連携、保育士・保健センターとの連携について現在検討しているところである。
[会長] 健康福祉部でもその点について認識し、現在取り組んでいるということである。データが学校にどのようにいくのか、提供できる内容は何か、学校側も、どのような情報が必要なのかという視点で考えてほしい。
[委員] 医療機関の受診について、時間がかかるという意見があったが、現在県内の小児科医で、心の問題について診察できる医師を養成するための研修活動が行われている。先に行われた研修会には、80数名の小児科医が参加したと聞いている。
[会長] 各委員からのご協力に感謝したい。
(2) その他
[会長] その他について事務局何かありますか。
[事務局] 特になし。次回は、来年2月を予定している。
9 閉会あいさつ 学習教育部長
ご多用の中早朝よりご出席いただき、本年度の特別支援教育の推進体制の整備にかかわる事項等につきまして貴重なご意見を賜りまして誠にありがとうございました。横田会長さんには議事運営でお世話になり、たいへんありがとうございました。
特別支援教育体制の充実に向けては、さまざまな課題があるかと思うが、その課題一つ一つについて、十分検討を行い、解決を図っていくことが重要である。また、先ほど教育長も申し上げましたが、「学校教育法等の一部改正」の施行を来年に控えた本年は、特別支援教育体制を整備していく上で大変重要な年になろうかと考えている。法令・政令の改正、特別支援学校の教育課程の改善・充実、教育職員免許法の施行規則の改正、専門性を兼ね備えた教員の養成、小・中・高の障害のある子どもへの支援が必要であろう。それぞれの関係機関、関係部署が、今まで培ってきたノウハウを有効に活用し、お互いに連携をとりながら必要な支援が提供できるようなシステムを作り上げていくことができたらと願っている。
今後とも、乳幼児期から学齢期、就労まで、障害のある子どもたち一人一人を生涯にわたって支援する体制の整備に向けて協力をよろしくお願いしたい。
10 閉会
2 教育委員会あいさつ 教育長
本年6月国会において「学校教育法の一部改正について」の法案が可決成立した。この法案では、すべての幼稚園、小・中学校、高等学校等において障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うこと、特別支援学校においては、在籍児童等の教育を行うほか、小・中学校等に在籍する障害のある児童生徒等の教育について助言援助に努めることが規定された。県としても、条例等必要な改正について準備しているところである。
本協議会は、関係諸機関の協力なくしては成り立たないものである。国の法律は改正されたが、マンパワーの不足という課題は解決されていない。国に対し繰り返し要望しているところであるが進展は見られない。
この夏、アメリカの州代表の教育長と懇談をもつ機会があった。その際、特別支援教育に関する意見交換を行った。アメリカでは法律に関しての整備は進んでいるようだが、その対応についてはまだまだ課題を多く抱えているとのことであった。今後、この問題について共同研究を行うよう提案してきたところである。
本協議会は、特別支援教育を推進するための体制作りの方策を総合的に検討していただくもので、大変重要な会であると認識している。委員の方々の忌憚のないご意見がいただければ幸いである。
3 委員等紹介 ―資料2により委員紹介(典礼にて)―
4 本協議会開催の目的の確認 ―開催要綱第1による(典礼にて)―
5 会長・副会長選出 ―開催要綱第3の2による(典礼にて)―
[委員] 昨年度の会長で、愛知みずほ大学の横田先生を本年度も引き続き会長に、同じく総合教育センターの鈴木先生を副会長に選出したいと思う。
[委員](賛同拍手)
6 会長あいさつ
3年前から愛知県特別支援教育連携協議会とかかわっている。本年度は特別支援教育にとって維新元年というほど重要な年である。特別支援教育の流れは、平成13年に始まったといわれるが、その始まりは平成11年からである。そして、平成15年3月に「今後の特別支援教育の在り方について」(最終報告)が調査研究協力者会議から出され、中央教育審議会において、平成17年12月に「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」(答申)となった。そして、本年度の6月国会において「学校教育法の一部改正について」の法案が可決成立し、平成19年4月1日に施行されることになった。特別支援教育が、近年突然話題に上っているような印象を受けているかもしれないが、長い時間の検討を経て具現化されたものである。今回の改正で、盲・聾・養護学校という名称がなくなって、特別支援学校に変わっていく。この改正を機に、特別支援教育がよりよいものになるようにしていきたい。
7 副会長あいさつ
特別支援教育を巡る流れとして、会長の話にあったように昨年12月の中央教育審議会の「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」を受け、6月国会において「学校教育法等の一部改正について」の法案が可決成立した。平成19年度から、盲・聾・養護学校から特別支援学校としてスタートする。来年度は、特別支援教育元年と認識している。今までの障害種別に対応する特殊教育から、発達障害を含むすべての障害のある幼児児童生徒に対し、個々の教育的ニーズに対応する特別支援教育に移行する体制は徐々に整備されつつある。特別支援教育に対する理解は、各学校において確実に進んできていることを肌で感じている。しかしながら、まだまだ地域や一部の学校において格差があることも事実である。管理職の指導によって、特別支援教育体制が推進した事例も多くある。総合教育センターとしても、コーディネーターの養成に力を入れているところである。また、本年度から保育園・幼稚園と小学校の連携について研究を行う予定である。また、県立高等学校の教員に対する発達障害についての研修を計画しているところである。本会はネットワークの構築にあると考えている。
8 議事
〔報告事項〕
(1) 平成18年度愛知県特別支援教育連携協議会について
―資料1~資料2により事務局から説明―
[会長] 質問はありますか。
[委員] (なし)
(2) 平成17年度愛知県特別支援教育連携協議会の経緯等について
―資料3により事務局から説明―
[会長] 今後の特別支援教育を進める上でネットワークを構築することが必要である。そのため、本日参加の方々の協力が重要と考える。この点について質問はありますか。
[委員] (なし)
(3) 平成17年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
―資料4~資料6により事務局から説明―
[会長] 本年度は研修を充実させ、教員の力量を高めていくことをねらった事業展開である。資料4について質問はありますか。
[委員] (なし)
[会長] 別冊で配布された高浜市についての資料について、質問はありますか。
[委員] (なし)
[会長] 資料5で、昨年度巡回指導を受けた児童生徒の延べ数が、1,686人でそのうち、診断を受けている児童生徒が626人という結果が出ているが、この点について何か質問はありますか。
[委員] (なし)
[会長] 1年間で延べ561回の訪問であったが、小・中学校からの希望をすべて聞くとこの数では収まらない。資料6からは、巡回指導について小・中学校からは大変効果があったという意見がある一方、専門家チームからは、発達障害についての研修をさらに継続して実施する必要が報告されている。保護者への対応について課題が残っていると思う。
(4) 平成18年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
―資料7~資料8により事務局から説明―
[会長] 巡回指導の方法が昨年度と変わったということだが、もう少し詳しく説明をしてほしい。小中学校には,ボトムアップの研修、管理職のための研修が行われる。
[事務局] 本年度は昨年のように定期巡回・不定期巡回といった枠は設けていない。これは、巡回校数が減少する中、より各地域の実情に応じて訪問校を決定できるようにしたものである。
[委員] 保護者へ巡回指導の内容を伝えているのか。昨年度の巡回指導の結果を見ると、医療機関による診断を受けていない児童生徒が対象となっている場合が多い。巡回指導の実施後に、医療機関で診断を受けた事例はあったのか。また、校内委員会等で対応していると思うが、保護者との連携はどのようにしているのか。
[事務局] 巡回指導実施後に医療機関を受診したという事例は聞いてはいるが、その実数は把握していない。また、保護者との連携については、巡回指導を受ける前提として不可欠な要素であるので密にとるよう指導している。巡回指導後の保護者への話の詳細については把握していない。
[委員] 発達障害のある子ども、あるいは特別な支援が必要な子どもについて、教師だけが気づいていない場合、教師も保護者も気づいていない場合等多様な事例がある。子どもは学校と家庭とで見せる姿が変わる場合がある。学校と保護者が同じ認識で対応する必要がある。
[会長] 個人情報に配慮しながら、巡回指導への対応、巡回指導の依頼、フィードバックの仕方をより工夫して連携を図ってほしい。
[委員] 各市町村レベルでの連携協議会の動きはどのようになっているか。
[事務局] 少しずつ進展しているが、まだまだ少ない現状である。
[会長] 次回の連携協議会では、一人の子どもに焦点しぼってその子の支援がどのように連携し対応するようになっているのか示してほしい。また、市町村における連携の実際についても示してほしい。
(5) 平成18年度発達障害支援体制整備事業について
―資料9により事務局から説明―
[会長] 教育と福祉のみならず応援協力体制を構築する必要があることを如実に表している。何か質問はありますか。
[委員] (なし)
〔協議事項〕
(1) 平成18年度第1回地区特別支援教育連携協議会での課題等について
―資料10により事務局から説明及び提案―
[会長] 事務局から説明および提案があったが、それぞれの立場から積極的にご意見をいただきたい。
[委員] 発達障害のある子どもの指導について、小・中学校においては少しずつ体制が整ってきたように感じるが、中学校を卒業してからの進路がないという相談を多く受ける。手帳のある子どもは高等養護学校に進学できるが、手帳のない子どもはどこに相談したらよいのか悩んでいる。県立高等学校に、発達障害の子どもの通える学級ができればよいと考えている。中学校卒業後の就労について聞きたい。
[事務局] そういった学級を作るとか作らないとかという議論より、高等学校に進学する生徒に対しどのように対応するかが重要である。そのため、高等学校の教員に対し発達障害に関する研修を進めること、総合教育センターの職員が訪問するなどして、障害の理解および啓発を図ることで指導のノウハウをつけることが大切である。
[副会長] 総合教育センターでは、本年度高等学校から発達障害に関する教育相談が2件入っている。また、研修の申し込みも受けている。今後予算的な問題もあるが、研修をさらに進めていけるようにしたい。
[委員] 発達障害のある子どもは、高等学校に入学はできるがその後の支援が必要になるという課題がある。発達障害のある子どもでボーダーの子どもたちが進路について大変悩んでいる。保護者として,発達障害について高校では,話をしにくいところがある。
[会長] 私立高等学校の教員に対する発達障害についての研修は総合教育センターでは実施していないのか。
[副会長] 実施していない。
[会長] 小・中学校での支援体制は整ってきたが、一方でその前後に課題があることも出された。例えば、手帳がないボーダーの子どもたちの進路はどうか。進学先で私立高等学校や専門学校へ進学した場合の先生の理解や対応についてが、今後の課題である。
[委員] 発達障害について理解されないことで、子どもたちが二次的な障害を起こしている事例がある。中学校を出てからも子どもが理解されるようにしてほしいし、理解できる人が必要である。
[会長] 特別支援教育は、一人一人を生涯にわたり支援することが求められている。総合的に調整して、工夫・検討してもらいたい。
[委員] 発達障害の問題については、連携の中で支援することが大切である。教育では教育支援計画が、福祉、医療、労働からは支援計画が作成されるようになっている。この両者について個人情報の保護と連携について今後どのように考えればよいのか気になっている。
[委員] 名古屋市でも、保・幼小の連携について検討を進めている。具体的には、保健所で実施している5歳児検診・就学時検診の結果をどのように共有するかについて中間まとめを行っている。今回の法改正では、生涯にわたる支援が求められている。生涯のどの段階で支援計画を立てるかとなると、保育園・幼稚園でのレベルでの支援が大切となる。私立保育園に対しても情報提供が必要ではないか。個別の支援計画の在り方や必要性についての啓発が必要である。
[会長] 昨年度もこの点が話題になった。就学前の情報をどのように引き継いでいくのか、個人情報の提供についてどのように考えているのか。
[事務局] 幼稚園・保育園と小学校の連携、保育士・保健センターとの連携について現在検討しているところである。
[会長] 健康福祉部でもその点について認識し、現在取り組んでいるということである。データが学校にどのようにいくのか、提供できる内容は何か、学校側も、どのような情報が必要なのかという視点で考えてほしい。
[委員] 医療機関の受診について、時間がかかるという意見があったが、現在県内の小児科医で、心の問題について診察できる医師を養成するための研修活動が行われている。先に行われた研修会には、80数名の小児科医が参加したと聞いている。
[会長] 各委員からのご協力に感謝したい。
(2) その他
[会長] その他について事務局何かありますか。
[事務局] 特になし。次回は、来年2月を予定している。
9 閉会あいさつ 学習教育部長
ご多用の中早朝よりご出席いただき、本年度の特別支援教育の推進体制の整備にかかわる事項等につきまして貴重なご意見を賜りまして誠にありがとうございました。横田会長さんには議事運営でお世話になり、たいへんありがとうございました。
特別支援教育体制の充実に向けては、さまざまな課題があるかと思うが、その課題一つ一つについて、十分検討を行い、解決を図っていくことが重要である。また、先ほど教育長も申し上げましたが、「学校教育法等の一部改正」の施行を来年に控えた本年は、特別支援教育体制を整備していく上で大変重要な年になろうかと考えている。法令・政令の改正、特別支援学校の教育課程の改善・充実、教育職員免許法の施行規則の改正、専門性を兼ね備えた教員の養成、小・中・高の障害のある子どもへの支援が必要であろう。それぞれの関係機関、関係部署が、今まで培ってきたノウハウを有効に活用し、お互いに連携をとりながら必要な支援が提供できるようなシステムを作り上げていくことができたらと願っている。
今後とも、乳幼児期から学齢期、就労まで、障害のある子どもたち一人一人を生涯にわたって支援する体制の整備に向けて協力をよろしくお願いしたい。
10 閉会