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議事概要(平成21年度第1回愛知県特別支援教育連携協議会)
議事概要(平成21年度第1回特別支援教育連携協議会)
とき
ところ
出席者
審議の内容
議題
〔報告事項〕
(1)平成21年度愛知県特別支援教育連携協議会について
(2)平成20年度愛知県特別支援教育連携協議会の経緯等について
(3)平成20年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
(4)平成20年度特別支援学校による小・中学校等への地域支援について
(5)稲沢市・高浜市・蒲郡市における平成20年度発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業の取組について
(6)平成21年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
(7)平成21年度特別支援学校による小・中学校等への地域支援について
(8)平成21年度発達障害者関連事業の実施について
〔協議事項〕
(1)平成21年度第1回地区特別支援教育連携協議会での課題等について
(2)地域における支援体制整備に向けた展開及び課題等について
議事録
1 開会
2 教育委員会あいさつ 教育長
先の法令等の改正により、特別支援教育も本格的に始まって3年目を迎えている。本県としても、平成17年度から「特別支援教育体制推進事業」等を通して、発達障害等のある児童生徒に対する教育的支援を行うための特別支援教育体制づくりに努めてきた。皆様の協力もあって、校内委員会の設置や、特別支援教育コーディネーターの指名等、各学校の体制整備は着実に進んできた。今後は、引き続き事業を展開しながら、一人一人の子供の教育的ニーズに応じた具体的な指導・支援の充実をめざして、さらなる体制の強化に努めていくつもりである。今後とも、各位の力添えを賜りたい。本県では、平成16年度よりこの愛知県特別支援教育連携協議会を設置し、福祉、医療、労働等の関係部署並びに関係機関等の方々の意見を伺いながら、特別支援教育体制の整備推進のための様々な課題を協議いただいている。本協議会は、県全体を視野に入れて、各地域における特別支援教育を推進するための体制づくりの方策を総合的に検討してもらうものであり、本県の特別支援教育の発展に、たいへん重要な役割を果たすものであると認識している。障害のある児童生徒に対する、望ましい支援の在り方についてご協議いただきたい。特に進路指導、就労支援、そして早期発見・早期支援の在り方、また地域における支援体制の整備等についてご協議いただけたらありがたい。
3 委員等紹介 ―資料2により委員紹介(事務局にて)―
4 本協議会開催の目的の確認 ―開催要綱第1による(事務局にて)―
5 会長・副会長選出 ―開催要綱第3の2による(事務局にて)―
委員 昨年度の会長で、愛知みずほ大学の横田先生を本年度も引き続き会長に、総合教育センターの伊奈相談部長を副会長に選出したいと思う。
委員 (賛同拍手)
6 会長あいさつ
私は、この連携協議会の設置以来関わらせていただいているが、愛知県の特別な教育的支援を必要としている子供たちにとって、この県に生まれてよかったと思われるような取組ができるよう、考えていきたい。最近の事情について少し話をさせていただきたい。まず、特別支援教育について。平成19年度から実質的に取組が開始され3年目に入った。各都道府県では、校内委員会の設置、コーディネーターの指名、専門家の活用など取組を開始しているが、個別の教育支援計画については今ひとつ伸び悩んでいる。これは、実質的に子供への教育が変わらないということになる。こうしたことについてしっかり着目していく必要があると思う。次に、学習指導要領の改訂について。今回も前回に引き続き、特別支援教育と小・中学校等と同時諮問・同時答申であった。教育基本法に初めて障害のある児童生徒への対応が載ったという経緯も踏まえ、通常の小・中学校の取組と十分な連携をとる必要がある。中でも、自立活動の改訂であるが、新しく人間関係の形成という区分が増え、全体が見直されて22項目が26項目になった。改めて、実態把握の力が求められてきていると考えられる。3点目は、愛知県発達障害者支援体制整備推進協議会の髙橋会長と先般意見交換会を行ったことについて。具体的な内容は後ほど説明させていただきたいと思うが、教育との共通課題も多く、特に今後一層の連携を図っていくためにはお互いの事業を理解し、可能な限り相互乗り入れを図り、人を知り合うことが原点にあることを確認させていただいた。最後に、毎週水曜日の10時~11時に「赤鼻のセンセイ」というドラマが放映されている。内容は大泉洋が演じる院内学級の先生が入院中の子供たちに出会って成長していくドラマである。私たちは、基本的に障害のある子供たちに特別な教育的支援をするためにはどうあればよいかという視点で検討してきたが、本当はこの子供たちに出会って気づかさせていただく、成長させていただくという視点も大切なのではないかと思っている。何れにしても、この子供たちにとって本当によい取組になるよう、忌憚のない御意見をいただきたい。よろしくお願いしたい。
7 副会長あいさつ
特別支援教育は、現場で直接かかわっている先生方が、一人一人に合ったきめ細かな支援とか配慮をするんだという、高い意識をもって指導にかかわらないと、なかなか進まないと感じている。その点からも、今後とも教育センターでは研究、研修、相談事業を通して、先生方の意識改革を図っていきたいと考え、努力していく。今後ともよろしくお願いしたい。
8 議事
〔報告事項〕
(1) 平成21年度愛知県特別支援教育連携協議会について
―資料1~資料2により事務局から説明―
会長 質問はあるか。
委員 (なし)
(2) 平成20年度愛知県特別支援教育連携協議会の経緯等について
―資料3により事務局から説明―
会長 質問はあるか。
委員 (なし)
(3) 平成20年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
―資料4により事務局から説明―
会長 質問はあるか。
委員 (なし)
(4) 平成20年度特別支援学校による小・中学校等への地域支援について
―資料5、6により事務局から説明―
会長 質問はあるか。
委員 巡回相談での保護者の参加について、どんな経緯で参加したか。
事務局 おそらく、事前に学校からお誘いする形で、保護者へ案内を差し上げ、参加して、協議いただいている。
(5) 稲沢市・高浜市・蒲郡市における平成20年度発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業の取組について
―資料7、別添資料により事務局から説明―
会長 質問はあるか。
委員 (なし)
(6) 平成21年度愛知県特別支援教育体制推進事業について
―資料8により事務局から説明―
委員 「4 特別支援教育推進モデル事業の実施」の実施内容「リソース・ルーム」に関して、通級指導教室との違いは?
事務局 通級指導教室は担当教員を配置し、教室を設置しているが、リソース・ルームはそれらがない。校内における先生方が時間を調整して、指導時間を生み出している。通常の学級から取り出し指導という形態は同じであるが、リソース・ルームでは通級指導教室のような特別の教育課程は編成しない。また、通級指導教室では自校ばかりでなく、他校の児童生徒も指導できるが、リソース・ルームでは自校の児童生徒を対象としており、指導内容も特別支援学級の担任が中心となって検討し、計画をする。
委員 「訪問研修」の実施状況について高等学校で指導・支援を行った方が良いと思う生徒はいるかという問いに対して、「いない、分からない」と回答する数がかなり多い。高等学校にも現実的に多くの発達障害の生徒がいるので、事例検討会を通してこの数を減らしていってほしい。
委員 「5 職業的自立支援システム化事業の実施【新規】」の内容について詳しい説明を。
事務局 (1)の愛知県特別支援学校キャリア教育推進会議では、卒業後の就労支援のシステム作りを目指している。(2)のワーキンググループの設置については、・学校から社会への移行を円滑にできるように、就労期における移行支援計画のモデルプランを作成する。・長期の実習ができるように、キャリア教育を取り入れた教育課程編成・学習方法を検討しつつ、実習先が確保できる実習制度の構築を進める。・知的障害特別支援学校において、モデル校を設置する。
(7) 平成21年度特別支援学校による小・中学校等への地域支援について
―資料9により事務局から説明―
会長 質問はあるか。
委員 (なし)
(8) 平成21年度発達障害者関連事業の実施について
―資料10により事務局から説明―
会長 本協議会とリンクしながら進められている事業ですが、何か質問はあるか。
委員 (なし)
〔協議事項〕
(1) 平成21年度第1回地区特別支援教育連携協議会での課題等について
―資料11により事務局から説明及び提案―
事務局 「進路指導・就労支援についてどんなことができるか」また、「早期発見・早期支援に向けて各機関がどのようなに連携をとり、取組を進めていくことができるのか」等について、ご協議いただけたらありがたい。
会長 「進路指導・就労支援」について、各機関がどうあるべきか、何かあるか。
委員 中学校から高校に入る段階での進路指導が十分でなく、自閉症協会への問い合わせも多い。発達障害のある生徒に対する進路指導が適切に進められるよう中学校の担当者を育ててほしい。
会長 中学校の教員の力量の向上について意見をいただいたが、中学校の立場としてどうか。
委員 幼保、小中の連携はかなり進んできている。中学からの進学・就労については課題が多い。進路指導に関する情報が十分でない。「療育手帳・障害者手帳を持つ生徒がどんな就労支援を受けることができるのか、就労が可能なのか」など、県レベルでの啓発資料の作成や、特別支援コーディネーターの研修の中で進路指導の情報に関することを扱う等、中学校に広めるようにしていくことが必要である。行政の各部局の資料を一本化した資料を作成してもらいたい。
会長 中学校の方も困っていることがあるとのことだが、高等学校の方はいかがか。
委員 保護者にとっては、高校でどんな支援をしてもらえるのか不安であると思う。しかし中学校に出向いて説明をしているが、中学校の校長等から、高校での特別支援教育に関する質問を受けた経験がこれまではない。入試において、質問しづらい内容でもあり、質問があっても、校長の一存で答える訳にもいかない現実があると思われる。教育センターから講師が派遣されて、発達障害をはじめとする特別支援教育の必要性について、研修が進み、今年で一巡し、理解も深まってきている。来年度以降もさらにこれを上回る事業をお願いしたい。高等学校においても、特別支援教育を行っていくという考え方をさらに進めていく必要があり、先生方に特別支援教育に携わるんだという考えを広めていかないといけない。アンケート結果にあるように「分からない」「判断できない」という状況が確かにある。訪問研修の成果はあるが、初任者研修で、特別支援教育の在り方について研修が増えるとよい。新任校長研修で、学校運営として特別支援教育に係る生徒を指導していく意識の改革が必要である。入学後、保護者からの相談で存在が分かり、職員会で周知し、指導を進めてもらっている。他校でも同様であり、保護者から申し出てもらえればと考えている。入試の選抜の基準に関しては、学力検査・調査書・面接で行っている。事前の問い合わせの内容では行ってはいない。
会長 こういう子供たちについての、学校の先生たちの専門性が、まだ十分ではないということであろうが、それも含めてこれからどうしていくとよいのか。今後、総合教育センターでも、初任者研修やコーディネーター研修等の内容に、こうしたことを含めて考えてもらえたらよいと考える。県のレベルで啓発資料を作ってほしいという意見があったが、それについては、県の方で考えていただき、障害のある子供たちを受け持っている先生たちにとって分かりやすい資料だとか、就労等についての資料などを作っていく方向について検討していただくとよいと考えるが、何か、今の時点で話していただけることはあるか。
幹事 啓発資料もさることながら、個に合った支援が一番問題であり、進路実現のためにどういう特性があるのかについても、できるだけ早く、小・中学校から進路に関する情報を提供し、体験させながら進めなければイメージもわかない。就労に関する資料の中身、具体的な内容は義務教育課と高等学校教育課に相談していきたい。
会長 その際、労働と福祉も同席する場で資料が作られていくと、小・中学校、高等学校も満足するものとなると考えられるので、検討をお願いしたい。
会長 「早期発見・早期支援」について、何かあるか。
委員 入学前就学相談を各地域で行っているが、相談者が多くなってきている。日程が詰まっており、変更ができない状況にある。医療・福祉関係の方もかかわっているが、人的にも時間的にも充実が図られることを期待している。入学直前ばかりでなく、もっと前からの相談ができれば、より手厚い、早期からの具体的な支援ができる。
委員 保育園・幼稚園の管轄の違いで困っていたが、幼保小の連携協議会を設立し、幼稚園出身者の様子を小学校に見学にきてもらうようになった。それでも、就学前相談会の通知が伝わっていない幼稚園があり、就学時健診があってもすり抜けてしまう子もいて、入学後、教育委員会が支援員を急遽配置するなど後手に回ることがある。統一して所管するところがほしいが、幼保小連携協議会を充実させていくしかない。
会長 入口のところでどういうふうにするとよいのか、小学校の立場から意見をいただいたが、PTAの立場としてはどうか。
委員 発達障害の児童生徒のトラブルについては、教師がその対応について分からない状況から、いじめなどにつながっていく場合がある。そんな場合、こうすれば、教師もよい対応できるとか、上手く学級運営されていくかという指導体制が充実していくとよい。
会長 これまで様々な意見が出ましたが、全体を考えてみて、これからこのようなことが大切であるというようなことについて、どうか。
委員 発達障害については基本的なことは理解が進んだが、具体的な指導についてはこれからという感がある。稲沢市、高浜市、蒲郡市など実践の中での指導事例について、具体的なものを共有化したい。幼保の一元化など行政の組織変更で、特別支援教育、特に発達障害にかかわる対応等についてエアポケットになっているところもある。
会長 モデル事業を生かして、ときに失敗例も出し合いながら、よい例を取り入れていけるとよい。
(2) 地域における支援体制整備に向けた展開及び課題等について
―資料12,13により事務局から説明及び提案―
会長 今後我々は何をしていきたいか。何に取り組んでいきたいか。
委員 3歳児検診で発見しても、保護者にとって受け入れてもらえないことがある。市町単位で上手く受け入れてもらえる組織ができるとよい。特別支援学校は5障害種。発達障害の児童生徒は通常の学校で学ぶのがよい。センター的機能は発揮していくが、できるだけ早い段階、最初の段階で保護者に受け入れてもらいやすいシステムができるとよい。
9 その他 -事務局より連絡事項……次回は平成22年1月末を予定-
10 閉会あいさつ 学習教育部長
教育委員会はじめ部局の領域を越えて仕事をしないと、予算も限られた折、新しい時代の展開に対応できない。連携の声がかかった段階で、システムがまだ発展途上であるので、担当部局同士の連携と情報交換をしていきたい。小中高大までの連携を密にしていかなければならない。特別支援教育は3年目になり、今回新就学の保護者向けリーフレットを作成したが、本年度の職業的自立支援システム化事業の成果を持って、就労のための紹介パンフレットを今後の課題として考え、検討を進めていきたい。総合教育センターで行っている高等学校の職員に対する特別支援教育の研修について、一般に研修を受けるだけでは個別の指導に向かうことはできない。事例を伴った研修を2、3度行う必要がある。初任者研修、10年経験者研修など様々なレベルにおいて研修が繰り返し行われる必要がある。研修の充実を図っていきたい。スタートして3年目、まだまだ不十分なところが多々あるが、期待が多いだけに心して期待に応えられるように努力したい。今後もご協力をお願いしたい。
11 閉会