新城設楽の地形・地質
概略
新城設楽地域は、愛知県の東北部にあります。愛知県最高峰の茶臼山(標高1416m)を始めとする山々が峰を連ね、地域の東北部には天竜川、中央部には豊川、北西部には矢作川が流れています。新城設楽地域の大部分は豊川の流域です。
山間部では川の流路に沿って渓谷が各地に見られるほか、新城市内を流れる豊川の中流域には、河岸(河成)段丘が形成されています。
本宮山山麓には扇状地が発達しています。標高500mを超える新城市の作手高原には、中間湿原で東海地方最大の面積を擁する長ノ山湿原があります。
地質的にはおおよそ豊川に沿って中央構造線が通っていることが、この地域の大きな特徴です。中央構造線とは、約1億4500万年前から約2000万年前の中生代白亜紀の初めから新生代新第三紀にかけてできた関東地方から西南日本を九州付近まで縦断する大断層です。
構造線という名前は付いていますが、一つだけの断層ではなく、たくさんの断層の集まりでできています。中央構造線の露頭の一部は新城市内でも見ることができます。
中央構造線をはさんでその南(南東)側は西南日本外帯または単に外帯、北(北西)側は西南日本内帯または内帯とそれぞれ呼ばれ、大きく地質が異なっています。
西南日本外帯は中央構造線に接して三波川変成帯(三波川帯)と呼ばれる変成帯が分布し、主に緑色片岩、黒色片岩といった低温高圧型の変成岩が見られます。
西南日本内帯は中央構造線に接して領家変成帯(領家帯)が分布し、砂質・泥質片岩や珪質片岩、または黒雲母片麻岩、珪質片麻岩といった高温低圧型の変成岩が見られます。領家変成帯には、変成岩とともにいくつかの種類の花崗岩類も広く分布していて、これらはまとめて領家花崗岩類と呼ばれています。
約1500万年前の新生代新第三紀に活動した火山の痕跡が見られることも、新城設楽地域の地質の大きな特徴です。
設楽地方には、新生代新第三紀の海成の堆積岩やそれらを覆う火山砕屑岩、火山岩類が広く分布しています。これらはまとめて設楽層群と呼ばれています。設楽地域に分布する火山岩類を一括して設楽火山岩類と呼ぶこともあります。
設楽層群の海成の堆積岩からは貝類などの化石が産出します。また、火山岩類の一部は、これら設楽層群の岩石を岩脈や岩床として貫いている部分も見られます。
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