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化学物質適正管理指針の解説

ページID:0497446 掲載日:2024年3月27日更新 印刷ページ表示

愛知県化学物質適正管理指針(全文) [PDFファイル/15KB]

目的
管理の方法
 (1) 年間の取扱量、排出量及び移動量の把握
 (2) 情報の収集
 (3) 管理方針及び管理計画
 (4) 排出防止対策
 (5) 管理組織
事故の予防及び事故発生時の措置
 (1) 事故予防対策
 (2) 事故発生時の措置
化学物質の管理及び排出状況に関する県民への情報提供
ISO14001による環境管理システムとの関係
特定化学物質等管理書の作成

1 目的

 この指針は、県民の生活環境の保全等に関する条例(平成15年愛知県条例第7号。以下「条例」という。)第67条第1項の規定に基づき、化学物質管理指針を定め、もって化学物質を業として取り扱う者(以下「事業者」という。)による化学物質の適正な管理に資することを目的とする。

【解説】

 条例第67条第1項に基づき化学物質を業として取り扱う事業者が、環境保全上の支障を未然に防止するために、化学物質の適正な管理を行うための必要な方法、措置等について定めたものである。

 指針の対象は化学物質を業として取り扱う者すべてとしており、「化学物質を業として取り扱う者」とは、事業活動において、化学物質を製造、使用等をする過程において、取り扱う事業者をいう。

 また、「化学物質を適正に管理する」とは、有害性のある化学物質の環境へ排出を抑制するため、その化学物質の取扱施設の適正な保守管理及び排出抑制措置、より有害性の小さい化学物質への転換、化学物質の排出を伴う事故の未然防止、事故により排出された有害な化学物質の排出拡大防止等をいう。

 

2 管理の方法

 事業者は、化学物質の適正な管理を図るため、事業所ごとに次の事項について取り組むものとし、本指針に基づき管理する化学物質は、取り扱う化学物質の性状、取扱量等から、人の健康及び生活環境に影響を及ぼすものについて、事業者が自主的に決定するものとする。

【解説】

 事業者が、化学物質の適正な管理をするにあたり、事業所ごとに取り扱う化学物質の種類、取扱量等が異なることから、事業所ごとに取り組むべきものである。

 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(以下「化管法」という。)は第一種指定化学物質の環境への排出量等の把握に関する措置並びに第一種指定化学物質等及び第二種指定化学物質等の性状及び取扱いに関する情報の提供に関する措置等を講ずることにより、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的にしている。

 本指針も化管法における事業者の自主的な管理の改善を促進するという趣旨を踏まえ、管理の対象とする化学物質は、化管法における第一種指定化学物質515物質をはじめ、人の健康及び生活環境に影響を及ぼすものについて、取り扱う化学物質の性状、取扱量等から判断し、事業者が自主的に定めることとしたものである。

 「生活環境」とは、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係にある動植物及びその生育環境を含むものをいう(条例第2条)。

 選定の参考として、化管法の第二種指定化学物質や化学物質の審査及び製造に関する法律、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法などの他法令の対象化学物質等もあげられる。

(1)年間の取扱量、排出量及び移動量の把握

 事業者は次の事項に配慮して、化学物質の取扱量、排出量及び移動量を把握する。

ア 年間取扱量
 化学物質の年間取扱量は、次に掲げる年間製造量と年間使用量を合計した化学物質の量とする。
 なお、条例第68条第1項に規定する特定化学物質の取扱量を算出する方法は、年間取扱量の算出方法と同様とする。

(ア)年間製造量
  化学反応、精製等で作り出された化学物質の量

(イ)年間使用量
  原材料、資材等として用いた化学物質の量

イ 年間排出量及び年間移動量
 次の事項に配慮して、化学物質の年間排出量及び年間移動量を把握する。

(ア)年間排出量
  a.大気中及び公共用水域へ排出した化学物質の量
  b.当該事業場内の土壌へ排出した化学物質の量
  c.当該事業所内に埋立処分した化学物質の量

(イ)年間移動量
  下水道により排出し、又は当該事業所外へ廃棄物として移動した化学物質の量

【解説】

 化学物質の環境中への排出を抑制し、漏えいを早期に発見するため、化学物質の収支バランスの把握が有効であり、事業所における取扱量、排出量、移動量を把握することにより、化学物質の収支バランス計算の基礎データ、化学物質適正管理の基礎資料等を得ることとした。

 また、条例第68条第1項に規定される特定化学物質の取扱量を把握する方法は、本指針の年間取扱量の算出方法と同様であることをなお書きにより示した。

 取扱量、排出量及び移動量の算出については、化管法による算出方法に従っており、管理対象とした化学物質について、取扱量、排出量及び移動量を年度(4月1日~3月31日分)ごとに集計し、把握する。

  • 年間取扱量=年間製造量+年間使用量
    年間製造量:化学反応、精製等で作り出された化学物質の量
    年間使用量:原材料、資材等として用いた化学物質の量
    年間使用量=年間購入量+年度当初在庫量-年度末在庫量
    (貯蔵タンク等に搬入・搬出のみを行っている場合も含む。)
  • 年間排出量=a+b+c
    a=大気中及び公共用水域へ排出した化学物質の量
    b=当該事業場内の土壌へ排出した化学物質の量
    c=当該事業所内に埋立処分した化学物質の量
  • 年間移動量=年間下水道への排出量+年間廃棄物量
    年間下水道への排出量:下水道に排出した化学物質の量
    年間廃棄物量:事業所外へ廃棄物として移動した化学物質の量

 

(2)情報の収集

 事業者は、既存資料及び国、県等のデータベースを活用して化学物質に関する次の事項について情報を収集する。

ア 取り扱う化学物質の種類、爆発性、毒性等の性状、取扱上の注意事項、適用法令等

イ 排出抑制等に関する技術情報

【解説】

 当該事業所で取り扱っている化学物質を調査して、その性質、注意事項等を明らかにしておくことにより、当該化学物質に係る事故時はもとより、平常時においても適切な対応が可能となる。また、化学物質は、様々な性質があり、複数の化学物質が混ざり合うことで、思わぬ反応が起こることも考えられるので、絶えずデータを整理して、管理の改善に資するようにしておく。

 化学物質の性状及び取扱上の注意事項、適用法令等の情報については、販売業者から入手した化学物質安全管理データシート(SDS)等により把握するが、この他、排出抑制のために必要な技術情報、事故事例なども収集する。

 国、県等の化学物質に関するデータベースが整備されており、インターネットを利用して各種情報を入手することが可能である。

(3)管理方針及び管理計画

 事業者は、次の事項を定める。

ア 管理方針
 化学物質の適正な管理を推進するための基本的な考え方を記載する。

イ 管理計画
 管理方針に基づき具体的な目標、対策及び達成時期を記載する。

【解説】

 化学物質の適正管理を図るための根本的な考えを管理方針として簡潔に、明確にすることにより、従業員全員の意識を共通にして、化学物質の適正管理について、一層の推進を図るものである。また、管理計画として、具体的な削減目標、対策及び達成時期を明らかにすることで、化学物質の削減に係る対策の効率化を図るものである。

(4)排出防止対策

 事業者は、次に掲げる対策その他必要な措置を講ずるよう努める。

ア 取扱施設の適正な保守管理

(ア)施設の点検周期及び補修基準の設定

(イ)(ア)の内容に応じ設備ごとに点検リストの作成

(ウ)点検及び補修等についての記録簿の作成

(エ)点検結果に基づく施設の修理及び改良

イ 取扱施設からの排出抑制措置

(ア)流出、飛散及び地下浸透防止措置

(イ)敷地外への流出防止措置

(ウ)廃棄物の排出抑制及び必要に応じた処理施設の設置

(エ)取扱工程及び取扱施設の見直し並びに代替技術の導入

(オ)回収及び再利用施設の設置

ウ 代替化学物質への転換の検討

【解説】

 事業者の化学物質の環境への排出防止対策として、取扱施設の保守点検や流出防止措置を実施し、回収・再利用などにより使用合理化を進め、代替技術、代替物質への転換計画を検討し、実施する。

ア 取扱施設の適正な保守管理
 取扱施設の定期点検を実施し、施設の改良を実施することで、配管の腐食、機械の運転不良等による化学物質の漏えい等を防止する。施設の耐用年数等から点検周期を決定し、施設ごとに点検リスト表を作成する。この点検リスト表に従い、定期点検を実施する。点検結果を記録簿に記入し、点検周期に応じた期間保存する。

イ 取扱施設からの排出抑制措置
 取扱施設及びその周辺を調査し、流出、飛散の可能性のある場所が発見された場合は、速やかに防止措置を実施する。廃棄物の再利用、分別を行い、必要に応じ化学物質の排出防止のための処理施設の設置や取扱工程の見直し等による化学物質の使用合理化を実施する。

ウ 代替化学物質への転換の検討
 環境リスクを低減するため、有害性の低い代替物質への転換の検討を行い、実施する。

(5)管理組織

 事業者は、次の事項により組織を整備し、教育及び訓練を行う。

ア 管理責任者及び担当者の選任​
  事業者は、次の役割を担当する者を選任し、各構成員の役割分担を定め、これを表示する。

(ア)管理責任者​
   化学物質の適正な管理を統括する管理責任者を事業所ごとに1名選任する。

(イ)担当者​
   事業所の部門ごとに化学物質の適正な管理を担う担当者を選任する。​

イ 管理責任者及び担当者の役割​

(ア)管理責任者の役割​
  a.化学物質の管理方針及び管理計画の作成
  b.管理組織に係る職務分担の決定
  c.化学物質取扱マニュアルの作成
  d.取扱工程及び取扱施設の見直しによる化学物質の排出抑制の検討
  e.代替化学物質への転換の検討
  f.化学物質に関する従業員への教育
  g.化学物質の管理に係る会議の開催
  h.その他化学物質の管理のための必要事項​

(イ)各担当者の役割​
   管理責任者が定めた職務分担に従い化学物質の適正な管理に努める。​

ウ 教育及び訓練
  化学物質を取り扱う従業員に対し、化学物質の適正な管理に関する次の事項についての教育及び訓練を行う。

(ア)本指針2(2)によって得た情報

(イ)化学物質の適正な管理に関する知識、技能及び安全管理

(ウ)化学物質の適正な取扱いに関する訓練

【解説】

 化学物質の適正管理を行うためには、化学物質を取り扱っている工程の見直し、原材料の見直し、施設の管理改善等を行うことが必要であり、事業所全体の管理組織を整備し、教育・訓練を行う。なお、既存の環境管理組織がある場合は、本指針の趣旨を生かしたうえで、その組織を活用することができる。

ア 管理責任者及び担当者の選任
 事業所ごとに、化学物質の適正な管理を統括する管理責任者1名及び環境安全部門、購買部門、製造部門などの部門ごとに担当者を選任する。

イ 管理責任者及び担当者の役割
 管理責任者及び担当者の役割を示したものである。化学物質取扱マニュアル作成は管理責任者の役割の一つであるが、化学物質取扱マニュアルは収集した情報を基に適正管理が実現できるよう、化学物質の管理に係る措置の内容を具体的に定めるものであり、化学物質取扱マニュアルの例としては次の内容等を含むものである。
 1.購入(化学物質の登録、購入量、在庫量の管理方法)
 2.貯蔵(貯蔵量の限度、貯蔵場所及び方法)
 3.表示(貯蔵場所に注意事項等の表示)
 4.取扱(取扱方法及び設備、取扱上の注意事項、取扱量の管理方法)
 5.廃棄(廃棄物の保管及び処理方法)
 また、担当者は自分の属する部門の意見を取りまとめ、提言、提案、検討及び会議の議決事項を部門内に伝達するなどの役割を務め、管理責任者が定めた職務分担に従い適正な管理に努める。

ウ 教育及び訓練
 化学物質を取り扱う従業員に対し、化学物質に関する教育を実施し、化学物質取扱施設における運転操作等の実施訓練を行うことで、適正な運転、操作ミスの防止を図り、化学物質の環境への排出を抑制し、事故の発生を防止する。

3 事故の予防及び事故発生時の措置

(1)事故予防対策

 事業者は、次の化学物質に係る事故予防対策を実施する。

ア 取扱化学物質の危険性の周知
 本指針2(2)アによって得た情報から安全対策を従業員に周知する。

イ 取扱施設の保守管理
 本指針2(4)アの事項について定期的な保守管理を行う。

ウ 取扱施設の整備及び改良
 取扱施設における化学物質の特性、危険性及び取扱量に応じて、想定できる事故による環境影響を軽減するために整備改良等の対策を検討し、必要な対応策を講ずる。

エ 連絡体制の整備
 迅速かつ正確な連絡を行うため、事業所内及び消防、市町村、県事務所、周辺住民等への連絡系統図を作成する。

オ 避難体制の整備
 事業所内の避難場所、防災用資機材等の整備を行い、必要に応じ事業所周辺の避難体制を整備する。

カ 応急措置体制の整備
 事業所内で発生する様々な事故を想定した応急措置及び拡大防止措置について整備する

キ 事故対応マニュアルの作成
 アからカまでに掲げる内容を組み入れた事故対応マニュアルを作成し、事故に即応できるように備える。

ク 訓練の実施
 事故発生時の対応を円滑にするため、事故対応マニュアルにより訓練を定期的かつ計画的に実施する。

【解説】

 事故による環境影響を軽減するために、事故予防が重要であり、また、事故発生時の適切な措置により被害を最小限にとどめることが可能である。

 次の事項を含めた事故対応マニュアルを作成し、事故に即応できるように備える。事故発生時の対応を円滑にするため、事故対応マニュアルにより訓練を定期的かつ計画的に実施する。ア~ウについては日頃の適正管理に関する部分であり、適正管理指針2(4)排出防止対策の一部でもある。

ア 取扱化学物質の危険性及び周知
 調査により得た化学物質情報から、取り扱っている化学物質の安全対策について、管理組織等を通じ従業員に周知する。

イ 取扱施設の保守管理
 適切な保守点検は、化学物質の排出防止及び事故対策に役立つ観点から、取扱施設の定期的な保守管理を行う。

ウ 取扱施設の整備及び改良
 取扱施設における化学物質の特性、危険性及び取扱量に応じて、想定できる事故による環境影響を軽減するために整備改良等の対策を検討し、必要な対応策を講じる。貯蔵タンクの溶接部分、板厚、配管のジョイント部分の点検等による整備改良などの日頃の適正管理が基本となるものである。

エ 連絡体制の整備
 連絡体制の整備のため、連絡系統図を作成する。周辺住民への連絡には関係地区の自治会組織などを活用する。

オ 避難体制の整備
 想定する事故に備え、事業所内に避難場所を確保し、避難、防護などに必要な防災用資機材等(例えば、オイルフェンス、オイルマット、泡消火剤、ガス検知器、呼吸保護用具、放水銃、被災者運搬用の担架など)を整備する。必要な場合は事業所外への避難経路等の事業所周辺の避難体制も整備する。

カ 応急措置体制の整備
 化学物質取扱施設ごとに想定した事故に即応できるよう検討し、有効な応急措置及び拡大防止措置を整備する。応急措置の例としてはバルブ遮断、施設の運転停止、土のうの積み上げ、排水溝の閉鎖等が考えられる。

(2)事故発生時の措置

 事業者は、化学物質に係る事故発生時に、次の応急措置を状況に応じ適切に行う。

ア 被災状況の確認及び人命の救助
 事故現場を所管する責任者は、事故現場及びその周辺の被災状況を確認し、被災者がある場合は、人命救助を優先して、速やかな措置を行う。

イ 事故発生時の応急措置及び通報
 本指針3 (1) キで作成した事故対応マニュアルに従い応急措置及び通報を迅速かつ的確に行う。

ウ 周辺住民への連絡
 人の健康又は生活環境への被害を生じ、又は生ずるおそれのある場合は、直ちに周辺住民へ連絡する。

エ 流出防止等の措置
 化学物質が環境中に流出し、影響を及ぼすおそれのあるときは、次の対応措置をとる。

(ア)環境への拡大防止、化学物質の除去等の軽減措置

(イ)環境調査

(ウ)周辺住民及び関係機関への情報提供

【解説】

 事故発生時は、作成した事故対応マニュアルに従い応急措置及び関係機関等への通報を迅速かつ的確に行い、事故による被害を最小限にとどめる。

ア 被災状況の確認及び人命の救助
 事故現場を所管する責任者は、事故現場及びその周辺の被災状況を確認し、被災者がある場合は、人命救助を優先して、速やかな措置を行う。従業員数の確認等の作業は、事故現場を所管する責任者の役割である。

イ 事故発生時の応急措置及び通報
 事故対応マニュアルに従い遅れることなく応急措置を実施し、事業所内及び関係機関等への通報を迅速かつ的確に行う。

ウ 周辺住民への連絡
 人の健康又は生活環境への被害を生じ、又は生ずるおそれのある場合は、直ちに周辺住民へ連絡する。周辺住民への連絡には関係地区の自治会組織などを活用する。

エ 流出防止等の措置
 化学物質が環境中に流出し、影響を及ぼすおそれのあるときは、次の対応措置をとる。

(ア)環境への拡大防止、化学物質の除去等の軽減措置

(イ)環境調査
 化学物質の環境中への流出が確認された場合で、環境への影響のおそれがあると判断されたときは、状況に応じ周辺地域における大気、水域(地下水を含む。)、土壌等への化学物質の拡散状況の調査を速やかに実施する。なお、簡易測定器なども採用して迅速に調査を実施する必要があり、取り扱う化学物質に対応できる測定機器の整備、測定方法の訓練が重要となる。

(ウ)周辺住民及び関係機関への情報提供
 事故の詳しい状況等を周辺住民及び関係機関へ情報提供する。

4 化学物質の管理及び排出状況に関する県民への情報提供

 事業者は、化学物質の管理の方法、排出の状況等について、県民の理解を得るために次の事項を必要に応じて行う。

(1) 組織の整備
 県民に対し化学物質の管理活動に関して、必要な情報を提供する組織を整備する。

(2) 情報の提供
 化学物質の排出状況、事業活動内容、事 業所内における化学物質の管理状況等に関し、ホームページへの掲載、説明会の実施等により情報を提供する。

【解説】

 事業者は、地域住民との情報の共有、意見交換、相互理解を促進(リスクコミュニケーション)するため、自ら、化学物質の管理方法、排出状況等についての情報を県民に提供することとし、このための体制の整備、県民への情報の提供方法について、具体的に例示したものである。

5 ISO14001による環境管理システムとの関係

 事業者が、既に本指針2から4までに定める措置をISO14001による環境管理システムなどにおいて実施している場合にあっては、その措置を本指針に基づく措置とすることができる。

【解説】

 ISO14001による環境管理システムは、事業所の環境に関する管理を自主的に行うものである。ISO14001規格の要求事項に基づき環境方針及び計画を作成し、実施及び運用、点検及び是正措置、見直しをして、継続的な改善を行うものである。これは本指針の目的にある化学物質の自主管理に関する考え方と同様であることから、本指針の2.管理の方法3.事故の予防及び事故発生時の措置4.化学物質の管理及び排出状況に関する県民への情報提供について、ISO14001により実施している場合は、本指針の措置とすることができることとしたものである。

6 特定化学物質等管理書の作成

 特定事業者(条例第68条第1項に規定する特定化学物質等取扱事業所のうち、当該事業所において常時使用する従業員の数が21人以上である事業所を有する事業者をいう。)が作成する特定化学物質等管理書は、本指針に定められた事項を参考に次の(1)から(5)について作成するものとし、対象とする化学物質は、本指針に従い取り扱う化学物質の性状、取扱量等から、人の健康及び生活環境に影響を及ぼすものについて、定めるものとする。

(1) 管理方針及び管理計画

(2) 化学物質の名称

(3) 取扱施設における管理方法

(4) 管理組織

(5) 事故の予防及び事故発生時の措置

【解説】

 条例69条の規定による管理書の作成内容を規定したものであり、特定化学物質等管理書には次の事項を記載する。

 なお、特定事業者は作成した管理書をもとに自主的に化学物質の適正管理を推進するとともに、積極的に管理書を公開し、周辺住民への説明や対話(リスクコミュニケーション)に活用することが望まれる。

(1) 管理方針及び管理計画
 管理指針2(3)管理方針及び管理計画の内容を記載する。

(2) 化学物質の名称
 管理の対象とする化学物質の名称。対象とする化学物質は取り扱う化学物質の性状、取扱量等から、人の健康及び生活環境に影響を及ぼすものについて、自主的に選択する。

(3) 取扱施設における管理方法
 管理指針2(4)排出防止対策の次の事項について記載する。

ア 取扱施設の適正な保守管理

イ 取扱施設からの排出抑制措置

ウ 代替化学物質への転換の検討

(4) 管理組織
 管理指針2(5)管理組織の内容を記載する。

(5) 事故の予防及び事故発生時の措置
 管理指針3事故の予防及び事故発生時の措置の内容を記載する。

 

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