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食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくり条例

平成十六年三月二十六日
愛知県条例第三号

 安全で良質な食料その他の農林水産物が確保されること、また、自然災害から守られ、緑と水に恵まれた環境の中で生活できることは、県民の安全で安心できる豊かな暮らしの基本である。
 県土に降った雨は、森林と農地によって蓄えられ、やがて川を巡り、更に都市で利用されて、海へ流れる。その過程において、豊かな農林水産物が育てられ、県民の生活が支えられてきた。
 また、森林及び農地は、木材や農産物の生産活動を通じて、県土の保全や水源のかん養などの機能を発揮し、自然災害から私たちを守り、海及び川とともに、緑と水の豊かな環境を作り出してきた。
 安全で良質な食料その他の農林水産物を確保するには、これらの農林水産物を生産する者が主体的な役割を果たすとともに、農林水産物を消費し、又は利用する者にも、消費の改善と有効利用等により積極的な役割を果たしていくことが期待されている。
 また、森林、農地、海及び川が有する多面にわたる機能からは、県民すべてが等しく利益を受けており、私たちは、それぞれの役割をもって、これらの機能を守っていく必要がある。
 私たちは、同じ県土において生活する者として、このような認識を共有し、将来にわたり、安全で良質な食料その他の農林水産物が確保され、また、森林等の有する多面的機能が発揮されることにより安全で良好な生活環境が確保された食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりを推進し、都市と農山漁村とが調和した愛知の持続的な発展に資するため、ここにこの条例を制定する。


 (目的)
第一条 この条例は、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりについて、基本理念を定
 め、並びに県の責務及び県民、食料等を生産する者等の役割を明らかにするとともに、
 食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりに関する施策の基本となる事項を定めること
 により、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりを推進し、もって県民の安全で安心
 できる豊かな暮らしの実現に寄与することを目的とする。
 (定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定める
 ところによる。
 一 食料等 食料(食用に供する農林水産物をいう。)その他の農林水産物をいう。
 二 森林等の有する多面的機能 県土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な
  景観の形成、地球温暖化の防止等の森林、農地、海及び川が有する食料等の供給の機
  能以外の多面にわたる機能をいう。
 (基本理念)
第三条 食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりは、次に掲げる事項が推進されること
 を基本理念として行われなければならない。
 一 将来にわたって安全で良質な食料等の安定的な供給が確保され、かつ、その適切な
  消費及び利用が行われること。
 二 将来にわたって森林等の有する多面的機能が適切かつ十分に発揮されることによ
  り、安全で良好な県民の生活環境が確保されること。
 (県の責務)
第四条 県は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、食と緑が支え
 る県民の豊かな暮らしづくりに関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有す
 る。
2 県は、市町村、県民並びに食料等を生産する者及び食料等の生産活動に関する団体と
 連携を図りながら協力して、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりの推進に取り組
 むものとする。
 (県民の役割)
第五条 県民は、食料等の生産活動及び森林等の有する多面的機能に関する理解を深める
 とともに、食料等の消費の改善及び有効利用並びに県内産の食料等の消費及び利用を進
 めること等により、基本理念の実現に積極的な役割を果たすとともに、県が実施する食
 と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりに関する施策に協力するよう努めるものとす
 る。
 (食料等を生産する者等の役割)
第六条 食料等を生産する者及び食料等の生産活動に関する団体は、食料等の生産活動及
 びこれに関連する活動を行うに当たっては、基本理念の実現に主体的に取り組むととも
 に、県が実施する食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりに関する施策に協力するよ
 う努めるものとする。
 (基本計画)
第七条 知事は、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりに関する施策の総合的かつ計
 画的な推進を図るため、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりに関する基本的な計
 画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりに関する目標及び施策についての基本的
  な方針
 二 前号に掲げるもののほか、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりに関する施策
  を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ県民の意見を反映することがで
 きるよう必要な措置を講ずるものとする。
4 知事は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前二項の規定は、基本計画の変更について準用する。
 (都市と農山漁村の交流等)
第八条 県は、食料等の生産活動及び森林等の有する多面的機能に関する県民の関心と理
 解を深めるとともに、健康的でゆとりのある県民の生活に資するため、都市と農山漁村
 との間の交流の促進、食料等の生産活動及び森林等の有する多面的機能に関する情報の
 提供及び教育の充実その他必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、食料等の消費の改善及び有効利用に資するため、食料等の消費及び利用に関す
 る知識の普及その他必要な施策を講ずるものとする。
 (県民等の自発的な活動の促進)
第九条 県は、県民、事業者又はこれらの者の組織する団体が自発的に行う食料等の消費
 の改善及び有効利用に資する活動並びに森林及び農地の管理に資する活動、海及び川の
 水質浄化に資する活動その他の森林、農地、海及び川の適正な保全に資する活動が促進
 されるよう、情報の提供その他必要な施策を講ずるものとする。
 (安全で良質な食料等の持続的な生産の確保等)
第十条 県は、安全で良質な食料等の持続的な生産を確保するため、食料等の安全性の確
 保及び品質の改善に資する技術の開発及び普及、食料等を生産する者の経営管理能力の
 向上、食料等の生産基盤の整備の推進、新たに食料等の生産活動を開始しようとする者
 に対する生産技術及び経営方法の習得の促進その他必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、安全で良質な食料等の安定的な供給の確保に資するため、県内産の食料等の県
 内外における消費及び利用の促進、食料等の流通体制の整備その他必要な施策を講ずる
 ものとする。
 (森林、農地及び漁場の適正な保全)
第十一条 県は、森林及び農地の適正な保全を図るため、林地又は農地として利用すべき
 土地の林業上又は農業上の利用の確保、自然災害の防止及び環境との調和に配慮した森
 林及び農地の整備の推進その他必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、漁場の適正な保全を図るため、海及び川の水質の保全、水産動植物の生育環境
 の改善の推進その他必要な施策を講ずるものとする。
 (農山漁村における定住の促進)
第十二条 県は、安全で良質な食料等の安定的な供給の確保及び森林等の有する多面的機
 能の適切かつ十分な発揮に資するため、農山漁村における就業機会の増大、農山漁村の
 生活環境の整備その他の農山漁村における定住の促進に必要な施策を講ずるものとす
 る。

   附 則
 この条例は、平成十六年四月一日から施行する。
 お問い合わせ
 愛知県 農業水産局 農政課
  電話: 052-954-6391 (ダイヤルイン)
  E-mail: nousei@pref.aichi.lg.jp