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外国にルーツを持つ子ども応援隊


NPO法人多文化共生リソースセンター東海が主催する「外国にルーツを持つ子ども応援隊」が平成23年12月11日(日)に大府市で開催されました。

このイベントは、愛知淑徳大学大学院生有志と教育学科小島ゼミの大学生等の協力のもと、外国にルーツを持つ子どもとその保護者、支援者を対象に進路・進学に関する情報を伝えるために開催されたもので、企画から進行まで、学生たちの手によって進められました。

まず最初は、外国にルーツを持つ先輩たちをゲストスピーカーとして迎え、話を聞きました。

最初のスピーカーは、高校進学はできないと学校の先生から言われながらも見事高校に合格し、周りのサ ポートや応援があって大学へも進学し、今年度から愛知県内の中学校で英語教員を始めたそうです。

次のスピーカーは、ブラジルでは勉強が好きだったのに、日本に来てから社会科や理科の勉強がわからなくなり、親も日本の学校の勉強は教えることができなかったため、進学を諦めそうになったそうです。しかし、なんとかがんばって、推薦で高校に入り、大学にも入りました。大学はお金がかかるので、奨学金とバイトで学費を稼いで卒業したそうです。

最後のスピーカーは、それでも学費が高くて払えなくなったため、2年間休学して、外国人児童のサポートの仕事をしたり、サポートをする中で、親の気持ちも知る必要があると考え、工場でも働いたのだそうです。社会人経験を積んで復学した分、きちんと授業を聴こうという思いが強くなったので、休学はとてもいい経験になったそうです。
「普通の学生とは違う経験を積んでいますが、違う道もあっていいということを伝えたい」という言葉が胸に響きました。

その後、弁護士や大学職員になった先輩たちに、仕事内容や夢を叶えるためのアドバイスについて、学生たちが取材した内容の報告がありました。
さらに、名古屋グランパスエイトのサントス選手へのインタビューでは、その様子が映像で流され、「自分は何が好きか、何がやりたいか考えて、がんばってください」という暖かいメッセージが届けられました。

ただ、夢を叶えるためには、がんばるだけではなく、受験の仕組みを知らないといけません。
そこで、先輩たちの話の後、簡単な高校入試の流れと大学入試の流れの説明があり、休憩をはさんで、高校入試、大学入試、就職の3つのコーナーに分かれて、説明が行われました。

高校入試と大学入試の説明も学生たちが行いました。
高校入試は、一般入試と推薦入試に分かれ、一般入試は学力試験と中学校での成績で合否が判定され、推薦入試は、中学校から高校を紹介してもらって受ける試験なので、中学校での成績が良くないとダメだが面接だけで大丈夫といった具体的な話がありました。
また、大学入試にはセンター試験というのがあって、8割くらいの大学ではこの試験を受けるのが必須になっているとのことでした。

説明をする学生たちは、この日のために勉強をしたのだと思いますが、さすがに、現役に近いので、受験制度をよく知っており、聞く側としても、リアルに話を聞くことができ、説明のあと、保護者は、熱心に質問をしていました。
これまでは、おそらく、先生から教えられる経験がほとんどで、自分が教える立場になるという経験はあまりなかったのだろうと思います。教える立場になると、教える側の苦労もよくわかり、いい経験になるのだろうと感じました。

就職のコーナーでは、夢を叶えた先輩による体験談に対して、特に外国人支援者が熱く耳を傾けていました。
外国にルーツを持つ子どもたちの場合、日本語力の面で、なかなかレベルの高い高校に入れません。しかし、それでも大学に入ることはできます。
「ピカピカの茶碗にまずい味噌汁が入っているかも知れないし、ボロボロの茶碗にとてもおいしい味噌汁が入っているかも知れない」というようなことを、高校の時、先生に言われたそうです。つまり、高校という器が大事なのではなく、中身が大事なのだということを教えられたそうで、おかげで、大学に進学することができたと語ってくれました。

外国にルーツを持つ子どもたちにとって、日本人の子どもたちと同じように進学して就職することは夢です。
その夢を叶えるために、夢を叶えた外国にルーツを持つ先輩たちからは勇気をもらい、学生たちからは受験テクニックを得ることが大切だと感じました。受験テクニックと言うと俗っぽいですが、とても重要なものであり、日本人なら、なんとなく知っていることですが、外国にルーツを持つ子どもたちや保護者はあまり知りません。

したがって、外国にルーツを持つ子ども独自の問題もあると思いますが、学生たちによる企画というのは、非常に有益なものであり、こうした取り組みが各地で開催されるといいと思いました。また、就職するためには、社会人たちによる、こうした企画もあるといいと思いました。

なお、当日の様子は、12月11日(日)NHK夕方のニュースでも紹介されました。