リハビリテーション
診療科・部
リハビリテーション診療科
当院では、お⼦さん⼀⼈⼀⼈の⾝体機能や⾔語・コミュニケーション機能、摂⾷嚥下機能などの悩みに対し、どのような訓練アプローチや⽀援が必要であるか、リハビリテーション科専⾨医が総合的に診断を⾏います。
脳性⿇痺をはじめ、染⾊体異常症や先天異常症候群、神経筋疾患、脊髄疾患、⼩児外科・⼩児整形外科疾患などの幅広い疾患に対応しております。
理学療法、作業療法、⾔語聴覚療法、視覚障害訓練それぞれの特徴を⽣かし、多職種と協働しながら包括的なリハビリテーションを提供いたします。
リハビリテーション診療部
リハビリテーション診療部では子どものリハビリテーションに関しての訓練を行っています。理学療法部門・作業療法部門・言語聴覚療法部門・視覚部門の4つがあります。各部門の活動については下記をご参照ください。
こどものリハビリテーションに大切なことは、できないことを克服していくという視点だけでなく、できることを広げていくという両方の視点が大切です。
発達が緩やかな場合やその偏りが運動面(脳性麻痺・運動発達遅滞)にある場合、あるいはことばやコミュニケーション(精神発達遅滞・言語発達遅滞・自閉症)にある場合、あるいはその両方がある場合に専門的な視点から訓練・評価・助言などを行っています。
リハビリテーションを希望される方は、整形外科・小児神経科などの診察を受け、主治医に希望をお伝えください。
スタッフ紹介
職名 | 医師名 | 資格 |
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リハビリテーション室長 | 門野 泉 | 日本整形外科学会専門医 日本リハビリテーション医学会専門医 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 日本医師会認定産業医 |
●非常勤医師
中村 匡孝
理学療法部門
理学療法は、主に脳性麻痺や筋ジストロフィ-、二分脊椎、ダウン症などの染色体異常により運動機能に障害を呈する方を対象にしています。
治療は患者様やご家族の生活の質を高めることを目的に、可能な限り運動機能を高めるとともに、ライフステージに応じた治療計画の提案を行っています。一般的な理学療法である運動療法に加え、当施設では温水プールを利用した水中運動療法も実施しています。
疾患別特徴としては、脳性麻痺児の治療においては、当院では、従来行ってきた整形外科的手術に加え、近年、痙縮治療の一つであるボツリヌス療法を積極的に実施しており、理学療法では、施注の時期や施注部位を選択するための評価や施注後の集中訓練を行うことにより運動機能の向上に努めています。また、ダウン症児の治療においては、小グループを組むことにより治療だけでなく、ご家族の交流の場を提供しています。筋ジストロフィ-の治療においては、特有な症状に対し、温水プールを利用しての運動機能の維持や、呼吸障害について理解を深めていただくためにご家族向けの勉強会などを実施しています。
近年は、重度の脳性麻痺児や筋ジストロフィ-患者に対する呼吸理学療法のニ-ズも高く、呼吸理学療法については院内や院外向けの講習会も実施しています。
作業療法部門
作業療法部門では、身体障害・発達障害等疾患を問わず様々な発達や日常生活の動作、行動の難しさに対して『遊び』を通したアプローチをおこなっています。運動に難しさがあり、楽しく遊ぶことができない・身辺自立ができない(どのように教えていったらよいかわからない)お子さんには姿勢・手の使い方・身辺自立・コミュニケーション、認知などの発達促進、及び機能向上を目指したアプローチを行っています。
摂食・嚥下障害については、医師・言語聴覚士とともに「ミルクが飲めない」「咀嚼ができないので形態がすすめられない」「むせてしまう」という乳児期の哺乳や離乳食の進め方から、「偏食があり、決まったものしか食べない」といったような食行動・食習慣まで広く対応しています。他には口腔機能だけでなく、「手づかみをしてしまう」「食具がうまく使えない」というお子さんに対しては、食具(スプーン・箸など)の使い方も含めた食事動作へのアプローチも行っています。
また「落ち着きがなく集中が続かない」「身体や手先の動きが不器用でぎこちない」「友だちとやりとりして遊べない」などがある発達障害のお子さんに対しては、行動・学習・行為・コミュニケーションなどの改善を目的に、感覚統合療法中心にしたアプロ-チを行っています。
その他、県下の関係施設に対しては、療育支援課のコ-ディネ-トのもと、地域療育等支援事業として施設支援などを行なっています。このように、作業療法ではお子さまの環境適応能力を高めるために、発達全般にわたるアプローチを行なっています。
言語聴覚療法部門
言語聴覚療法部門では、「ことばが遅い」「コミュニケーションがうまくとれない」「発音が不明瞭」など、ことばやコミュニケーションについて困り事のある方を対象に評価・相談・訓練を行っています。
ことばの発達や他者とのやり取りに課題のある方に対しては、遊びや生活を通して発達を促していく関わり方や、相手を意識したやり取りを通してコミュニケーションの力を育てていく関わり方などについての助言・訓練を行っています。構音(発音)が不明瞭だったり誤った構音をしている方に対しては、系統だった訓練を行い正しい構音の獲得のお手伝いをしています。さらに、活動に集中できなかったりすぐに離席をしてしまう方に対して、学習姿勢を整える事についての助言などをさせて頂く事もあります。様々な理由により音声で話す事が難しい方に対しては、音声以外でのコミュニケーションの方法の検討や、コミュニケーション機器の紹介を行っています。
また、「離乳食が進まない」「食事中むせてしまう」「誤嚥性肺炎を繰り返す」といった摂食・嚥下障害の方に対し、医師、作業療法士と協働で摂食・嚥下評価を行い、必要に応じて指導・訓練を実施しています。
その他、耳鼻科からの依頼を受けて、一般的な方法では測定が難しい方に対する聴力検査も実施しています。
視覚障害訓練部門
視覚障害訓練室には重度重複障害のあるお子さんが多く通っています。どのぐらい見えているか、どのように見ているかなどの視機能を評価して、見るために適切な環境を整備します。
また、視機能の発達と密接に関連する、人とのやりとりや物への働きかけを促します。