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子どもの居場所/大人の居場所/子どもと大人をつなぐ場所
~NPOまなびや@KYUBAN~

名古屋市港区の公団住宅の中の商店街の中にある「NPOまなびや@KYUBAN」という外国人の子どもたちの勉強や宿題をサポートする放課後学習支援教室に行ってきました。

代表の川口祐有子さんは、元々、愛知国体の槍投げで入賞したこともあるアスリートでしたが、学生のとき、大学の学部が外国人居住者の多い豊田市の保見団地の近くにあったため、外国人のことに関心を持ち始めたそうです。

4時半までが勉強の時間です。この日は、小学校4年生のブラジル人の子どもたちが、「1兆は1000億の何倍か」という文章題の宿題に悪戦苦闘していました。非常に抽象的な問題なので、先生も教えるのにとても苦労していました。

放課後学習支援教室の様子

入れ替わり立ち替わり子どもたちがやってきます。教室で勉強しない子も、学校帰りに顔だけ出していきます。テストの結果を親よりも先に先生たちに見せている子もいました。ここは子どもたちにとって、もう一つの家庭のようです。

勉強の時間が終わると、ほとんどの子どもは公園に遊びに行きました。公園では、日本人の子どもも外国人の子どもも一緒に遊んでいました。「まなびや」では、日本人の子どもも教室に遊びに来て、友達に日本語を教えてあげたり、反対に、タガログ語やポルトガル語などの母国語を、日本人の友達におしえてあげることもあるそうです。

団地の中の公園で遊ぶ子どもたち クリスマス会の様子
ここではこうした年中行事も行う

夜になると、大人の日本語教室が始まりました。母親や父親が教室に参加している間、宿題に取り組む子どもたちもいます。

中級クラスは、ブラジル、ペルー、ボリビア、コロンビア…と受講生は多国籍ですが、日本語のレベルが高いので、日本語を共通言語に仕事の愚痴を言い合っていて面白いそうです。こんなに日本語が話せるのに、なぜ日本語教室にやってくるのだろうと疑問に思って訊いてみました。

「日本語が普通に話せると、職場に掲示してある内容も読めて、理解できると思われてしまうのですが、実は難しい日本語なので読むことも理解することもできません。そのため、掲示してあるとおりにできなくて怒られてしまいます。だから、もっと日本語を勉強しないといけない、と思って…」

それで、この教室にやってくるというわけです。もちろん、集まっておしゃべりをするのが楽しいということもあるのでしょうが。

大人の日本語教室(中級)の様子

「NPOまなびや@KYUBAN」は、子どもたちの居場所としてだけでなく、大人たちの居場所でもあり、さらに大人と子どもをつなぐ場所にもなっているのだと感じました。

教室がある団地の外観
活動の様子はこちらから(外部リンク)

(画像提供:まなびや@KYUBAN)